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2014年4月26日 (土)

生成的な言葉とは何か?

街場の文体論  内田樹  ミシマ社

 文体論とは言うけど、著者の大学での最終講義半年分をまとめてドンという世界らしーんですが、これのどこが文体なのか?という素朴な疑問が(笑)というのも授業の議題はあっちに行ったと思えばこっちに行ったで、どこ行くだぁーっというより、どこにいるんだぁ?という、何か原子の回りを回っているはずの電子を見るかのよー(笑)あるはずなんだけど、どこにいるかは分からないと(笑)このつかみどころのないところが内田節の真骨頂なんでしょか?

 ただ、先生が一生懸命喋っているのは分かる、でしょか?知のネットワークというか、知を継ぐ者というのはこーゆー事なんだよ、と言うのが分かるというか(笑)知とはエネルギーなのかもなぁと、ふと思ってしまった…

 で、何の授業かというとクリエイティブ・ライティングなんですね。でで、何が問題か?というと今まで学生が書いてきた文章って、先生、もしくは採点者に向けての文章をいかに上手く書くかをずっと行ってきたと…よーは入試技術にしか過ぎなかった訳です。それを止めましょうと、他者とのコミュニケーションとの一環としての文章じゃまいか?ですかねぇ?まずは、「読み手に対しての敬意と愛」を、よーは読みやすい文章を書こうぜという事らしー(笑)

 一人よがりの文でもなく、身内受けの文でもなく、他者にわかる文を、という事は開かれた文章という事になるのかなぁ?

 アリス的には今日はアリスの誕生日(仮)となっているので、アリスも永遠の34歳おめでとー!何で誕生日にこれやねんというと、文体となれば、作家と切っても切れないかなぁ?と思ったからなんですが、本の内容的にはむしろ、准教授の出番かなぁ?文化系というか、文系の悲哀がひしひしと出ているとこも哀愁漂っていてアレだし…学会的には文系のお話も寒い状況が多いよな…社学も底冷えで冷え込んでいたらアレだよなぁ(笑)一番の問題は、学者も学問に顔を向けているのではなくて、お金に向けているとこでしょねぇ…まぁ露骨に金というより、若ければ就活、その他は地位というべきか?そしたら学会内しか関係ねぇの世界になると、そりゃ排他的になるわ、ですか(笑)

 ちなみに一番つまらない文章は「個性は出したい、でも悪目立ちしたくない」という文だそーで、でもまぁ日本的ならこれが一番ありがちって事ですかねぇ(笑)

 著者の村上春樹論とか、紙媒体としての本(もしくは電子書籍の失敗?)とか、本屋さんでの本の出会いとか、ソシュールとアナグラムとか、ロラン・バルトとエクリチュールとか、司馬遼太郎は日本人にしか分からないとか…詳細は本書をドゾ゛。

 この司馬遼太郎のとこで知ったのですけど、日本での国民的作家が必ずしも海外でうけるかというとそれは違うという事なんですねぇ…翻訳される作家とされない作家、国内でバカ売れでも海外では需要はないというのに、歴史を共有しているか、共感しているかみたいなのがあるという視点はなるほろなぁ、なんだろなぁ(笑)

 で翻訳されていない作家に、吉行惇之介、安岡章太郎、生野潤三、遠藤周作、島尾俊雄、吉本隆明、江藤淳とい錚々たるメンツが排除されているとは…ところが逆に丸山眞男とか、谷崎潤一郎とか、村上春樹は訳されているんですよねぇ…はて、世界文学とは何ぞや?でしょか?この辺りの詳細も本書をドゾ。やはり敗戦と断絶というのは社会的に、思想的に、歴史的に大きい出来事だったという事か?これを内包せざるを得なかった日本と、そんな事は「なかったことなっています」のとっこくとは違わざるを得ないとな…「ヨーロッパには、過去を全否定するでもなく、過去を全肯定するでもなく、その中間に立とうとする人のための場所がほとんどありませんでした」というのが、全てだとしたら、欧米の文化もアレだよなぁ(笑)

 エクリチュールの詳細も本書をドゾ。いやー外圧というべきか、内圧というべきか、日本人的にはパネェとしか言いよーがない。こーしてお互い見張っているという事なんですかねぇ?昔、仏で宗教的禁忌の食物を口にしたしないで大騒ぎになった話を聞いた事があるんですが、アレ旅先の与太話ではなくて本当だったのかもと今更ながらに思い返す辺りが日本人なんだろか…

 まぁ何よりもパネェと思ったのは知らないという事を口に出来ない文化でしょか?それを口にすると「人に侮られ、いらぬ借りを作ってしまう」って…何で海外に行って道訊くとあんなに嘘ばっかり言うのか不思議だったんですが、知らないという事を口に出来ない文化があれば、それは当たり前なんですね、いや勉強になった(笑)知るは一時の恥、知らぬは一生の恥なんて概念、海外にはないとゆー事か?

 で、階層的に読書人口も分断されているのがこれまた海外では普通の事らしくって、その他大勢のパンピーに「先端的な学術的知見を「わかりやすい言葉」で解説するこういう仕事をする人がヨーロッパの学者にはほとんどいない」とな…インテリのものはインテリにですかねぇ(笑)欧米における階級差って日本人が思っている程、軽くないし、甘くないって事でしょか?この辺りの知的分野との分断のあり方の例があちらのインテリゲンチャな方々に「なんで皆さんはこんなにむずかしく書くんですか?」と質問したならば、その答えは多分「あれがむずかしいと思うなら、君は読者に想定されていないとうことなんだから、読まなくていいよ」と答えるだろーというとこが、これまた凄い…選ばれし者だったのにぃーってか(笑)

 かくて海外の読み物はわざと難しく書いてあるのが普通という事なんでしょかねぇ?間口は小さく、分かる人だけ分かってくれれば結構、そのサロン内で世界が完結しているという、これが階層、格差、特権階級という事なのかと、でもってあって当たり前の世界がずっと続いてきている模様、パンピーとの断絶当たり前なのかなと…「輸入業者に、輸出元のメーカーが「うちの商品は趣味のいい、お金のあるセレブのお客にしか売らないでほしいわけ。あんたの国の貧乏人どもが買うとブランドイメージに傷がつくんだよね」とか言われたら、かちんと来るでしょ」とはけだし名言かと(笑)そーいや、去年一昨年?スタイルが今一の人には着てもらいたくないというアパレル業者の話題がニュースになったよーな?記憶違いかなぁ?

 翻って自国を見るとその真逆を突き進んできた訳で、一番端的な例が明治維新のインテリの皆様でしょーか?漱石、鴎外、兆民、諭吉と皆、日本の為に、未来の為に、知的水準の押し上げの為に道を切り開いてきた人達なんですよね…決して、おべんきょのできる自分は自分の能力と努力の賜物だから自分だけの為に使えばいいやという人達ではなかったと…偉人というのは、本当に凄い人達なんだなぁと、これまた後から思うものなんですが(笑)

 「自分の利益のためにしゃべっている言葉には説得力がありません。どんなにつじつまがあっていても、どんなにレトリックが見事でも、説得力がない。それは、くりかえし言うように、「自分の分配比率を増やす」ための言葉は「査定する者」を排他的に志向するからです。それ以外の人に届いても意味がない」よーはお代官様と越後屋だけの世界の方が内向きには利益率高いけど、その世界に未来はあるのか?密室は結局、密室でしかないという事なんですかねぇ?

 かくて日本の言語環境は世界的にみれば異端なのかも?何せ識字率は高いし、取りあえず読んで理解する読者がいぱーいいる(笑)わかるわかるがいぱーいいる(笑)こーして見ると昨今の海外でのマンガブームもある意味、疎外された人達というか、今までマーケット人口に含まれていなかった人達を吸収しているという事もあり得るのだろーかとふと疑問が?

 さて、アリス的にはミステリ用語のレッド・ヘリングもあるんですけど、言葉を職業としているならば、ここじゃないかなぁで「言葉だけがあって、身体実感が伴わない。その逆に、身体実感はあるが、言葉にならない。この絶えざる不均衡状態から言葉は生まれてくる。むしろ、そこからしか言葉は生まれてこない。だから、創造的な言語活動とは、この「絶えざる不均衡」を高いレベルに維持することではないか」とな…作家活動とは厳しいものだったんですねぇ…更に著者は続けます。「言語は道具ではありません。金をかき集めたり、自分の地位や威信を押し上げたり、文化資本で身を飾ったりするための手段ではありません。そのような欲望の主体そのものを解体する、力動的で生成的な営みなんです」時代はオープンリソースってか(笑)

 いやー、実にソウルフルなお話だと思いまする。今までの街場シリーズ(?)からすると、こー言っては何だけとまとまっていねぇーという気がしないでもないんですが、このふらつき加減が絶妙というか、実に今、切実に今、こゆ時に言うんじゃなかろーか?今でしょって(笑)感度の低い己でもこれはメッセージ性の強い本だなぁと分かる位ですから、私は貴方にうったえかけているという…できれば、第二の漱石達になってくれ、もしくは漱石達を理解しフォローできる人になってくれでしょか…この国の知の行方、師という自覚があれば切実だよなぁと全編その緊張感が漂っていらっさいます、うん。

 どこを読んでもえええっ?の嵐ですので、詳細は本書をドゾ。できれば学生の内に読んでおくと物凄く為になる本だと思います、あぶそるーとりーなんですよ、奥さん(誰?)

 目次参照  目次 文系

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