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2014年5月31日 (土)

真の黒子とは何か?

女王陛下の影法師  君塚直隆  筑摩書房

 英王室物語じゃないけど、成程、英王室の方が近いのか?いや、さすが大英帝国、歴史と伝統と無茶振りがパネェ(笑)さて、何の本かというと、国王(女王)秘書官のお話…所謂、側近中の側近というべきか?王様には必ず秘書官セット、これ絶対な世界が展開している模様…「イギリスでは王族が成人に達して公務に関わるようになると、秘書官をつけて、議事全般にわたって公務を補佐させる習慣が根付いている」とな…

 秘書とは何ぞや?ですけど、英語でセクレタリーって言うじゃないですが、元はラテン語の秘密からきているそーで転じて、秘密を託された人の意となったよーですが、まぁそれはともかく、例えば英語的に国務大臣とはセクレタリーオブステートだったりする訳で、セクレタリーは大臣と匹敵するお言葉だったりするんですよね…ちなみセクレタリーはミニスターより「格上の大臣を意味する言葉として使われている」って、そーだったのかぁーっ?書記とか、秘書とか今一アレな気がしていたけど、結構地位高いお言葉だった模様…これまた成程、書記長ってか?

 で、話は英王室に戻るんですが、最初に宮廷内の官職として「君主のための秘書官」が登場したのがジョージ三世の時だそな…これが19世紀頭のこと、王の弟にあたるヨーク公爵フレデリック王子の秘書官だったサー・ハーバート・テイラーをあてる事を、時の宰相ウィリアム・ピットによって奏上されて始まったとな…歴史はここから始まるってか(笑)

 アリス的に英国王室となれば、英国庭園に少しは掠るのだろーか?うーん、秘書官の方は個人で秘書つけている人となると登場人物ではハッシー位だろか?と思うけど、まぁここで言ってる秘書官達とは趣が違うだろーしなぁ?というのも、国王秘書官とは、国王を全面的にバックアップするのはともかく、国王と首相(時のトップ?)との橋渡し的な存在でもあると…よーはいきなりトップ会談とかだと影響が大きすぎるから、根回しもまた秘書官の務めとなる訳で、しかも、どちらの立場に対しても公平でなければならないとこが凄い…どちらの内内の意向も伝達し、これまたどちらの内情にも内内に情報収集して把握してなければならず、時代と情勢を見極め、いざという時は国王の盾にもなり、また国王を諌める立場となると…うーん、一筋縄ではいかない職業だよなぁ?適性がかなり必要かと…ついでに言うと、有能なのは当たり前、何よりその国王と相性がよくないと事はスムーズにいかんとな…

 で、そんな過去の歴代秘書官達がズラリと出てきまする…ある意味英国裏面史な部分もあると思われで、表に出て来ないだけで、ある意味影の権力者的な要素も無きにしもあらず、職権乱用すればこれまた何でも出来る訳ですから…まぁ幸いにして(?)殆どの方は仕事一筋頑固一徹のノリですけど(笑)

 さて、ジョージ三世に国王秘書官ついて始まった秘書官制ですが、これが次のジョージ四世となると「若くて壮健な摂政皇太子には、そのような存在は必要ない」となって、国からではなくて、私設秘書官的存在で続けたんですが、この時の秘書官達が史上最悪的なある意味実に分かり易い人達で、結局、ジョージ四世時代に「「国王秘書官職」の廃止を決定する」事になってしまうんですね…それにしても、英の王様(王子様)って、どーしてこー質実剛健超真面目タイプと、遊び人の○○さんみたいな両極端に走ってしまうんだろー?不思議だ(笑)

 で、その次に王位についたのがジョージ四世の弟、クラレンス公爵でウィリアム四世となる訳、この時65才、しかも政治畑の人ではなくて海軍畑のお人だったとな…で、国王を補佐するのに国王秘書官の復活となるとな…でカムバック秘書官職、カムバックテイラーとなって進む訳だったりして…それにしても英の議会政治、政党政治、貴族政治etc.と時代が激動していく中での立憲君主制の変化がパネェ…一時代前のソレでは通用しない事項が次から次へと出てきて、その度に調整していく訳だから確かに秘書官必要だろな?の世界か…

 でで、ウィリアム四世の後をケント公爵エドワードの一人娘ヴィクトリアが継ぐ事になると…で、これまた18才の若い女王の誕生で、国王秘書官なんていらないんやぁーと時の首相メルバーンの肝いりで再び廃止とあいなったでござるの巻ってか(笑)しかーし、ヴィクトリアの結婚相手、アルバート王配殿下が英に不慣れで不便じゃろという事で秘書官がつく事になるでござるの巻に突入、しかもその人物は元メルバーン首相秘書官だったお人…うん、秘書官って何か巡り巡っていく人の模様(笑)この秘書官、ジョージ・アンソンとの詳細は本書をドゾ。結果としてはとても良好な関係を構築する事が出来たとな…

 ある意味、秘書官というのは国王(女王、王子etc.)の最大の相談役という立場になるみたいで、私心がなく、全てのフォローが出来る人という事になるのか?で、この後もそーですが、この秘書官達の前歴というか、出自、経歴がまさに英国紳士の国だものでして、貴族の子息きたこれの世界が展開していくんですよねぇ…で、これの利点というか、共通項が、まず教育、大学もしくは士官学校卒は当たり前、武官だった人も多いのは勿論セキリュティー的なソレもあるし、何より貴族は貴族院もそーだけど、政治界に人多しで、親戚・知人・友人がいぱーいという事は横のコミュニケーションが取れやすいという事なんでござるの巻(笑)よーはこの秘書官達の父とか、兄とか、おじとか、祖父とか、義理の父兄とかが大使だったり、大臣だったりの世界なんですよ、奥さん(誰?)まぁ歴代の秘書官達の詳細については本書をドゾ。一番の分かり易い例でいけば、サー・ロバート・フェローズでしょか?エリザベス二世の秘書官だったお人ですが、この人の奥さんがレディ・ジェーン・スペンサー…名前でピンとくるかものあのダイアナ妃の姉…しかもアンドリュー王子の結婚相手セーラ妃のお父さんは、母方の従兄だそで…英、石を投げれば親戚に当たるの世界じゃね?と勘繰りたくなるソレだったりして(笑)

 さて、アルバート殿下の歴代の秘書官の詳細については本書をドゾ、またアルバート殿下なき後、傷心のヴィクトリア女王の代筆をアルバートの秘書官だったグレイ将軍が行うに至り事実上の女王秘書官の誕生というか、復活ですかですけど、前例的には廃止されていた職じゃけんで、内閣的にはどーよ?と難色とな…この国王(女王)秘書官の肩書についての獲得の道についての詳細も本書をドゾ。いずこの皆様も皆それぞれに思惑が絡んでさぁ大変というとこでしょか(笑)で、結局、これが正式に認められるのが1867年のディズレーリ首相の時というから、何とも…それにしてもヴィクトリア女王の歴代の秘書官達は、これまたパネェので詳細は本書をドゾ。いや、並のお人じゃないんですよ…

 で、この後エドワード七世とその秘書官サー・フランシス・ノウルズについての詳細も本書をドゾ。万年皇太子の遊び人と独裁者と言われた秘書官のコンビの詳細も本書をドゾ。時代は20世紀初頭、英的にも激動の時代の幕開けでござるで歴史がパネェ…その後を継いだのがジョージ五世、「イギリス史上稀に見る危機のさなかの即位」となった王様の秘書官は、引き続きノウルズと、サー・アーサー・ピッグとな…そしてまたこのジョージ五世とピッグの関係の詳細も本書をドゾ。ちなみにジョージ五世曰く「貴兄は最も頼りになる男だ」とな(笑)

 ここでの激動の英国史の詳細も本書をドゾですけど、それにしても英国の近世史、国内だけでも凄いなぁ…これに海外とか、植民地とか、戦争があったりする訳でドンダケェですけど、それはともかく、時代は次の王様、エドワード八世誕生、ええ、あの王位を賭けた恋の王様登場ですよ、プリンスチャーミング万歳ってか?プリンスチャーミングと言われた男的にはあのチェーザレ・ボルジアの弟を思い出してしまうんですが、このネーミング的共通項があるのだろぉか?で、どゆ事かというと世間の、パンピーの人気は絶大だが、政治的にどよ?じゃね?じゃね?ですかねぇ…

 どゆひととなりかというと「皇太子は、よほどの公務がない限りは、午前11時まで起きてくることはなかった。そのあとは一日の大半をスカッシュやゴルフ三昧で過ごし、夜は夜でおきまりのクラブへ通うという社交生活が続いた。「午前様」などごく当たり前のことだった」とな…で、これがどーも国王となっても中身は変わりなしで、王としてではなく私生活中心主義でいらっさるとな…かくて秘書官達も辞めていったりして…しかも何とか着任してる人達も辞めたいの世界だったよーで…そんなこんななのに、だからか、のあの王位を賭けた恋勃発ですから…部下に見限られ、時の政府に見限られで、まさに空気読めない歴代1位はエドワード八世の頭上にでしょか?

 まぁそれらのこまごまとした失態の数々は本書をドゾですけど、最大のそれは新婚旅行で、時の独、ナチ政権、ヒットラーとの面談とか…で、更にこの後に奥さんの国、米に行く訳ですけど、NYにはユダヤ系が多い訳で「夫妻の歓迎行事をボイコットすべきだとの示威行動まであった」とな…空気読めも極まれりのエビじゃね?じゃね…

 で、弟のジョージ六世が即位して第二次大戦にと…この辺りの政府と王様も本書をドゾ…ちなみに国王夫妻はチャーチルが今一だった模様、だけどこの戦時の国の難局をの越えていくには私心より、国じゃとチャーチルに組閣の命を出したとか、いやエビがどの王様もパネェので、これまた詳細は本書をドゾ。でもって、戦後のエリザベス王女、後、エリザベス二世のエビもこれまた凄い…こちらは現在に続くですけど、戦後英王室史も激動ですの世界か?

 ちなみに現在は王族には皆、秘書がついているらしーので、かのチャールズ皇太子の秘書とか、広報とか、スタッフとかいやまぁ壮観です。人数的にはヴィクトリア女王の頃からすると愕然の減ってはいるんですけど、その内容が多彩というか、開かれた皇室に向けてのプロを配しているというかで、これまた詳細については本書をドゾ。その中でもやはり印象に残ったのは、ヴィクトリア女王のグレイ、ポンソンビの二人でしょか?ある意味交渉のプロだよね、この人達は…

 それぞれの秘書官の個性も面白いのですが、英国史の表と裏が錯綜していてこれまた凄いです。どこまでが国王で、どこまでが政府で、どこまでが秘書官なのか、神のみぞ知るでしょか?で、またエビも満載で一つ一つ上げていったらどこまでも尽きぬという…例えば第一次大戦中のジョージ五世のエビ、戦中の国王の唯一の娯楽が狩猟とな…で、これがまた「前線で指揮する将軍・提督たちや、本国で指導に当たる大臣たちに栄養をつけさせるために、獲物はすべて彼らに届けられたのである」とな…国王自ら食糧調達って…さすが大英帝国サマは違うでぇ…

 後、今の英王室はウィンザー王朝なんですが、これ名付け親がジョージ五世の秘書官だったスタムファーダムとゆー事で、時には第一次大戦最中、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとは洋の東西を問わないらしく、独的な物は皆拒否反応が出ていた模様…ヴィクトリア女王の死後、ハノーヴァー王朝はサックス・コーパーク・ゴータ王朝になったけど、こんな独的な名前はあかんとゆー事からウィンザー王朝に…他にもバッテンベルク公爵、元は独貴族でヴィクトリア女王時代に帰化した名門貴族なんですが、これもあかんと、後にマウントバッテンに変えていくと…

 他に、英の政治家としてはトーシロでもよく知っている名前は、チャーチルとか、ロイド=ジョージとかがあげられると思うのですけど、この二人どちらも王室的にはアレだった模様…この辺の詳細も本書をドゾですが、ロイド=ジョージの場合、「自身の子飼いの政治家や新聞王たちへの目に余る栄典のばらまき」とかやってんですねぇ…成程、時のメディアを味方につければ、何でもござれという事か(笑)メディアを厚遇すればメディアに上る回数も増える訳で、名前も残り易いのか…でもやってる事は横暴と傲慢とな(笑)

 とおべんきょになるエビ満載ですので、詳細は本書をドゾ。それにしても自分を殺して、仕事に誠実である事、それが出来る人というのは偉大なんだなぁ…いや、マジで(笑)

 目次参照  目次 国外

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