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2014年5月 8日 (木)

きちんとしましょう(笑)

王様も文豪もみな苦しんだ性病の世界史  ビルギット・アダム  草思社

 タイトルがタイトルなので、何事ぉ?な気がしないでもないが、実に簡潔に歴史というか、人間の生き方が語られている感じかなぁ?まぁ身も蓋もない言い方でいけば「いつの時代でも人間というのはセックスに狂奔する傾向があった」に尽きる訳で、その結果、何も起きなかった、子供が出来た、性病になったという、まぁ本書はその第三案に終始している感じか(笑)

 で、性病というのは主に二つあって、一つが淋病、も一つが梅毒。でで、淋病の方は古代から、旧約聖書に書かれている位昔からあったそな…性病の歴史もパネェ…で、災厄じゃあって事で「直ちに、子どもたちのうち、男の子は皆、殺せ。男と寝て男を知っている女も皆、殺せ。女のうち、まだ男と寝ず、男を知らない娘は、あなたたちのために生かしておくがよい」(民数記、31章18)って、さすが天下の聖書サマは言う事が違うぅーっ…性病撲滅キャンペーンなんだよってか?

 ちなみにこれまた古代ギリシアの方はと言えば、紀元前600年ごろ、アテネの立法者ソロンは、ヨーロッパで最初ともいえる売春法を制定し、その一環として国営の娼家を設け、外国の女奴隷たちに客をとらせた」とな…そのココロは「こうすることでソロンは、罪のない国内の女たちを性的な暴力(とくに船乗りたちからの)から守ろうと考えたのである」とな…成程、政治家、自国民第一主義ですが、何か?

 でもって古代ローマはどーよとなれば、ローマといえば浴場が有名ですけど「もうむちゃくちゃだった」って…「衛生とか疲労回復のためだけのものではなく、むしろお目当ては混浴風呂で、ここは娼家と同じだった」って、そーだったのか?ローマ帝国(笑)まぁローマのご乱行は今更の話でもなくて「不倫、乱交、同性愛といったローマ人たちの退廃は、性病がはびこる恰好の温床だった」とな…

 何かもー文明の発達と性病ってもしかして抱き合わせセット販売が相場って事ですか?そーですか(笑)

 アリス的に性病…こー言っては何だけど、男子ぃ的には大きい声では言えないが、の世界か?34歳独身男性、都市住まいとしては、どーよ?かなぁ(笑)まぁ今はペニシリンあるけど…

 さて、史実かどーかは今でもアレだそーだけど、梅毒の歴史はコロンブスで始まるってか?かくて欧州梅毒発祥の地ってバルセロナだそーな、時には1493年の事でございました…新大陸発見というより、性病との出会いってか?かくて瞬く間に欧州中に広がったとな…

 で、何でといえば、軍人によって…ですか?そーですか?で仏王シャルル八世によるイタリア戦争、1494年ナポリを手に入れんと伊へ3万2千の軍隊の進攻ってか…そして迎え撃ったのがこれまたローマの娼婦3万人って…バチカンのお膝元って当時そんなに娼婦がいたんですか?そーですか…しかもナポリに進軍してそこでもご乱行ですから、結果伊では梅毒の事をフランス病といったとな…ちなみにそんな不名誉ありえへーんと仏の方はナポリ病と言ったそーだが、どー考えてもキャリアは仏軍です、本当にありがとうございました…

 でで、その軍人の群れは寄せ集め各国人の寄せ集め部隊ですから、彼らが故郷に帰れば瞬く間に火の手、もとい性病が拡散するで欧州の隅々まで性病は広がったとな…しかも、時は大航海時代ですから、船乗りによってこれまた世界に広がると…1498年にはインドで、1505年には中国で、1512年には京都(日本)で発病キタコレとな…世界一周性病の旅ってか?

 ちなみに日本でのネーミングは広東病、もしくは南蛮病だったそで…欧州各国の場合、伊は上記ですけど、独は「フランス病」、英は「フレンチ瘡」、ポルトガルとオランダは「スペイン瘡」、ポーランドは「ドイツ病」、ロシアは「ポーランド疫病」と、何か病気の伝搬がよく分かるネーミングってか(笑)

 まぁ一番の感染源は、軍人、船乗り経由娼婦で、娼館から一挙に地元にもあると思いますだけど、中世の浴場というのがこれまた所謂乱交文化?湯女もいるけど、一般に「婚礼風呂」みたいな慣習があるとは知らなんだ…ある意味結婚披露宴が浴場でみたいなノリらしーが、これがヌードパーティ、乱交パーティとなるのは、皆まで言うなの世界か(笑)よーするに中世って性に開放的だったという事ですかねぇ…後の19世紀ヴィクトリア時代なんかとは対極にあった模様…かくて「どこにいちばんべっぴんの湯女がいるかで、浴場がたがいにしのぎを削った」って…「美人の湯女がいるところに男性客たちが群がったからである」とな…ちなみに湯女と娼婦の違いって、これまた皆まで言うなの世界か…まぁとにかくどれだけ性に開放的だったかは、不妊症治療で湯治が薦められた理由は体質改善的な医薬的なそれもあっただろーけど、当時の湯治場のパンフ曰く「たとえ温泉が効かなくても、殿方のお客様方が望みをかなえてくださいます」って…こーいっちゃあアレだけど欧米って昔からフリーセックスだったんじゃね?

 そんな中世ですから、娼婦も毛嫌いされている訳ではなく、娼家も「堅気のご婦人方を暴漢たちの暴力や誘惑から守るためになくてはならない施設」という意識だった模様…何せ「当時は市営の娼家がたくさんあり、場合によっては教会が経営することもめずらしくなかった」って…るねっさんすぅー(笑)ちなみにローマのシスティーナ礼拝堂のミケランジェロによる天井画、教皇がローマに娼館たてて、その収益からでけたものって説もあるとな…成程、ローマに3万人の娼婦、あると思いますのか(笑)これまたちなみに、「多くの土地で「尼さん」といえばそれは「娼婦」を意味した」とな…結局、聖職者の妻帯の禁止は「相続権の問題」に帰結する模様…教会のものは教会にですよ、奥さん(誰?)よーは不犯が大切なんじゃなくて、独身が大切だったとな…「聖職者たちはいわゆる娼婦税というわずかなお金を支払えば、情婦を持つことが許された」そーで…「どこの修道院にもかならず情婦、妻、子供たちがいた」というのが現実だった模様…で、これらの罪が免罪符につながる訳で…

 詳細は本書をドゾですけど、結果ローマ法王自身が性病者という…ユリウス二世、レオ十世は共に梅毒によるものらしー…アレクサンデル六世もそーでこれが子供にもでチェザレ・ボルジアも「顔には梅毒による膿疹ができていた」とな…あのルクレチアも罹患していたよーで…

 勿論、王侯貴族もアンシャン・レジームは若さの時代、女性なら20歳、男性でも30歳でおとしよりの世界が勃発、となれば命短し恋せよ乙女じゃないけど青春を謳歌するために「宮廷社会では、わずか十歳か十二歳で性交渉を体験することもまれではなく、そのため結婚も早かった」って…しかも結婚は完全にビジネス(財産問題)だから、相性悪ければ「不倫が男女の暇つぶしのナンバーワンになってしまったのである」とな…

 で、これまた結果、王様以下皆様性病に苦しむ羽目になると…フランソア一世とヘンリー八世が罹患していたらしー…のであのメアリーもエドワード六世も親の因果がの世界じゃね?とな…となるとエリザベス一世はヘンリー八世の娘ではなかったんじゃね?という新たな疑問を著者が提示していらっさいますが、まさに如何なものか(笑)他にルイ十四世やイワン雷帝、ピュートル大帝もとなれば、いやはや…

 そして芸術家その他の皆様に目を向けると、「ボードレール、ベートーベン、デューラー、ゴーギャン、ハイネ、キーツ、モネ、モーパッサン、ミルトン、ニーチェ、ショーペンハウエル、シューベルト、スメタナ、スウィフト、ロートレック、オスカー・ワイルド」といるいるの世界が展開している模様…詳細は本書をドゾ。何かもー世界は性病で回っている、じゃね?でしょか…

 さて、そんな性病の治療の戦いは、結局、本音と建前で一向にラチあきませんの世界が続いていたよーで、これも詳細は本書をドゾ。ちなみに淋病の病原菌を最初に発見したのがアルベルト・ナイセル(ブレスラウ大)で1879年の事、梅毒の方は紆余曲折がありながらもフリッツ・シャウディン(帝立保健所)1905年公表という事になる模様…淋病については紀元前から、梅毒については400年の時を経てよーやく正体みたりになったとな…治療薬の開発にもサルバルサン、ペニシリンの件の詳細は本書をドゾ。まぁよーやく20世紀になって治療ができるよーになったという事でしょか?

 さてさて、一般人の性病とはどーだったのか?は、19世紀、ブルジョワジーとブロレタリアートが出現する事で、まさに二極の世界が展開?これに、これまた軍人キタコレで、真打本音と建前の日々ってか?まずブルジョワジー的には「性的欲望を蔑視して聖人君子的な性格を前面に出しておきながら、その一方で売春はかつてどの時代にもなかったほどの活況を呈したのである」とな…まさに「偽善的な二重モラル」万歳ってか(笑)

 一方、プロレタリアートはどーかといえば結婚したかったら職場の上司、親方の結婚許可が必要だったって…で、これも建前は一人前にならないうちに結婚しても経済的にやっていけないだろーという親心で、本音は「若い者が結婚して給料の値上げを要求」されない為、「あくまで経営者側の打算で反対したのである」とな…労働者に給料やる位ならリストラしちゃえって、何か今と似てないか?役員の報酬は増えても、社員のクビはどんどこ切ってけって…失業と生活低水準の狭間で、労働者たちにとって「唯一お金のかからない憂さ晴らしの娯楽といえば、もうセックスしかなかったのである」って…じっと手を見るってか…

 でまぁこれも今に通じるんじゃねで「女性の職場進出」によって、「女性の経済的独立をうながすことにもなり、男の誇りがますます傷つけられ失われていくというおそれもあった」って…男性のなけなしのプライドの為に女性が犠牲になるのは当たり前ってか(笑)

 しかも女中業や女労働者は、「主人やその息子たちに「愛の奉仕」をすることも求められていたのである」って…断れば解雇、妊娠しても解雇、でそゆ女性達の末路がこれまた娼婦というのも何だかなぁ…更に「当時は多くの家が、夏の旅行シーズンやクリスマスの前になると(クリスマスプレゼントをけちる意味もあって)奉公人たちを一時解雇したものだった」とな…いやもーどこまでもスクルージってか…使用人はまさに人間じゃねぇの世界だったんですねぇ…差別じゃありません、区別、格差、階級ですってか?で、この場合も女性の行き着く先は売春となる訳で、ある意味失業対策って、それってアリですか?

 まぁ三つ巴だか、四つ巴だかは知らないが結婚にせよ、同棲にせよ、不倫にせよ、売春にせよ、密通にせよ、セクハラにせよ、これまた結果、性病もついてくるとな…ただ「男性はあくまでも、ふしだらな女から病気を移された哀れな犠牲者と見られたのである」って、男社会きわまれりの世界なんですね、分かります…

 さて、もーこーなると性病蔓延は当たり前の世界でして、何とかしなくっちゃって性病撲滅法が施行されたりするんだけど、これ強制的に検査させられるのはこれまた女性だけという、しかも見境なし、一般女性も娼婦の烙印を押されかねず、一度その烙印を押されると「女性の名誉を回復するのは容易なことではなかった」で、ふざけんなぁーと卓袱台返しもとい婦人運動が燃え上がると…しかも「性病の撲滅に際してもっぱら男性の健康だけが配慮されていることだった」って…更に「性病にかかった男性のほうはなんのおとがめもなく野放しのままである」って…欧米パネェ、超パネェ…ウーマンリブだの、フェミだの起こる訳だよなぁ…20世紀でもこれだったのか?

 で、それが最大限に融通してもらえたのが、どーも軍、兵士の皆様であると…「軍人については結婚外のセックスが大目に見られたのである。いやそれどころかむしろおおいに奨励されたものだった」って…「なぜなら、性的に満足した兵士のほうが勇敢に闘ったからである」って…「軍隊では、こんな問題はすでに見解の一致を見ていた。つまり、特殊な状況に置かれた兵士たちに、性的禁欲を強いることはできないということだった」って…成程、シャルル八世から男の世界は一歩も進んでいないという事でFA?

 でで、これも当たり前だけど結果として性病もついてくるかも、ですよねぇ…売春についても軍的に放置しておく訳にもいくまいて、で「軍人専用の売春施設ができ、軍医が衛生管理の面倒をみた」って…それって欧米版従軍〇〇ですか?へーへーへー…それはともかくここまできっちり管理しても兵士の性病はいっこう減らないとな…休みの日に幾らでも買えるじゃーんって…

 結局、性病にならないためには「自己抑制と禁欲」が一番なのは当たり前、でも人って奴は、病気になる危険があってもやめられない止まらない人達の群れだった模様で、もっとも欧米的倫理観だなぁと関心したのは、同性愛に走られる位なら娼婦に走ってくれた方がマシという社会認識だとな…性病さえ心配しなくていいなら、それでいいではないかだった模様…というのも性病者による妊娠率、出産率の低下、及び生まれた子供のキャリア的なのは国家的にヤバシという結論にいきついた模様…これが結婚前の健康証明書、優生衛生学の土壌となり、やがてヒトラーのそれに繋がるとなると、性病笑いごとじゃなくて国家の浮沈にかかわってくる事態にまで進展していたのか…

 ペニシリン発見で一段落したはずですが、新たにビックウェーブだのエイズの件の詳細は本書をドゾ。ちなみ現在のエイズ患者、全世界の70%はアフリカだそで…他にアジア、中南米で増加傾向とか…それにしてもカトリックって「コンドームの使用を禁止されているのである」なんですか?かくて結果は…これも皆まで言うなの世界か…

 同性愛とか、麻薬中毒患者とかの詳細も本書をドゾですけど、リゾートで待ち受けるエイズ的なとこで、本書が頁をさいているのはタイについてのよーです。「タイを訪れた男性客のおよそ50%が買春ツアー客だった」って…ちなみに独のエイズ感染者の5-10%は「休暇先での性交渉によるものだという」そーですよ、おぞーさん(誰?)

 タイのセックス産業はベトナム戦争による米兵のおかげさまーで、戦争終結後はタイには美女がいるぞと世界中に噂が飛んだとな「しかもその女たちは、日ごろ接して飽き飽きしている西洋の女たちとはまるでちがった生き物だというではないか!」最早これは集団幻想の世界か(笑)で、所謂イエローメディア的なソレなのかと思っていたら上を下への大騒ぎで独の高級誌「シュテルン」や「シュピーゲル」でもタイ素晴らしスと煽った模様…かくて「パッポンのゴーゴーバー以外はどこも知らないという人がたくさんいるのである」って…青い空、青い海、白い砂浜より女に走ると、正直者乙って奴でしょーか(笑)

 かくてタイには「百万人もの娼婦がいる」国という事になる模様…ちなみにタイでは1960年以降「売春は公には禁止されている」とな…にも関わらず「タイ自体はこの買春ツアーにたいしてあいまいな立場をとっている」と何せ「ノドから手が出るほど欲しい外貨を、たっぷりと落としていってくれる願ってもないお客様なのである」って…

 ちなみにそのお客様、「西洋人ばかりではない」そーで、「日本、中国、あるいは品行方正で知られるイスラム教国マレーシアなどからの男性客のほうが多いくらいである」とな、しかも「圧倒的多数を占めるのは、やはり地元タイの男性である」って…タイ男性にとって娼家に行くのはおたしなみってか?

 金で女が買えるのも日常なら、その娼婦の供給源、タイ東部、東北部の若い女の子も「じつは彼女たちの多くはすでに、親から売り飛ばされてしまっているのである」だそで、ちなみに容姿によってお値段違いますだそー…

 そんな訳でタイ国内に100万人のエイズ患者がいらっさるそーで、娼婦の50%は感染しているそーで、これがチェンマイの娼婦となると70%がエイズ患者とな…で、ここで出ました幼女、児童買春…幼女なら感染の危険が少ないだろーって「ツアー客たちのあいだに児童買春への欲求が急速に高まったのである」って、そーだったのかぁーっ(エコー付)「とくに日本人は処女の水揚げに異常なまでに執着し、そのためなら金に糸目をつけないという者もめずらしくなかった」って…日本の男の現状について考えるってか…これが後に第二の慰〇婦問題にならないといいですね(棒)とはいえ、確か東南アジアの幼女買春の一位が蘭で、二位が独だったとニュースになったよな?記憶違いか?

 で、これまた全然知らなかったのですが、独とチェコの国境地帯も「ヨーロッパ有数の売春地帯として知られている」って、ガソリンスタンド、バス停、森の茂みに「娼婦たちが立っている」って…しかも「彼女たちの大半が八歳から十八歳までの若さ」って…8歳ってそれ小学校低学年だよね…まぁだから幼女なんだろーけど…どこの国の男性も、うわーって事か?

 まぁ何にせよ、セックス産業を謳歌している国はもれなくエイズが蔓延しているという事実…それが分かっていても「セックスツアー客の数はいっこうに減る気配はない」って…何かもー世界全体がそゆ事なんですかねぇ?ちなみに昔の諺に「金さえばらまけば、どんな美男美女でもスペインのハエより軽やかに飛んでくる」そーですよ、姐さん(誰?)成程、男が昔から色と金に走るのが良く分かったってか…

 ここまできてもこれは一部の話なんですよ、全部じゃありません。国を上げてのフィーバーもとい見逃しですけど、そんなの関係ネェー(死語?)もとい、建前と本音を使い分けてこそ大人ですよ、奥さん(誰?)セックス産業にしても性病蔓延にしても、まさに大人の事情というより、男の事情だよなぁ…

 いや、他にもエピ満載ですので、詳細は本書をドゾ。ある意味これは色と金の欲望史じゃね?じゃね?

 目次参照  目次 生物

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