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2014年5月 9日 (金)

少年よ、大志を抱け?

紳士協定  佐藤優  新潮社

 サブタイトルは、私のイギリス物語なんですが、これは一つの回想録、手記、覚書、本人主演のフィクション、それとも青春記なんでしょか?まぁ男の子物語になるんじゃね?と思うんだが?どだろ?

 主人公は若き日の著者で、それに同期の武藤君と、下宿先の息子であるグレンの三人による日常という名のドラマかなぁ?何とゆーか、パンピーから見ると外務省の一年生はこーして階段を上っていくのねというが分かる仕組みか(笑)まずは語学研修に出される訳ですよ、奥さん(誰?)まぁ外交官が言葉ができなきゃお話にならないのは確かだよねとゆー事か…で、著者は配属地がソ連(当時)となるので、必要なのはロシア語なんだけど、これがロシアでは勉強、取得できないとなれば、どーするで、何と英の陸軍語学学校に留学しておべんきょする事になるのだとな…とゆー訳でサブタイトルの意味が分かるとな、ロシア語を学ぶ為に英に行く、その一年を中心にした半生記なんでしょか?

 それにしても冷戦とはいえ、時代的には末期のソ連…それでも「モスクワ大学予科や外国人へのロシア語教育を専門に行うプーシキン大学があるが、そこは日本外務省の研修生を受け容れないのである」とな…「ソ連建国の父ウラジーミル・イリイチ・レーニンは、「外交官はすべてスパイである」と考えた。スパイ活動を防止するためには、ロシア語が上手な外交官が育っては困る。それで、資本主義国から留学してくる外務省研修生に対しては、できるだけロシア語が上達しないよう「特別コース」をモスクワ大につくっているという」とな…そーだったのかぁーっ?

 アリス的には、語学…アリスのサムライ・イングリッシュはともかく、准教授は英語、仏語、独語が堪能の設定だからなぁ(笑)ただ、ロシア語となるとどだろ?でロシアとなればアリス的にはロシア紅茶だけど、ロシア紅茶の描写は残念ながら出てこないよな?でも、著者は相当に食についてはアレなのか?本書の描写で細かいとこは神学関係と食事シーンと少年との会話のとこかなぁ?

 後は人間の能力に対して著者は二つあるといい、一つは「何もないところから、何か新しいものを創り出す才能」だそで「文学を専門にする人はこういう一級の創造力と表現力が必要とされる」のだそーで、作家ってこの範疇に入るじゃまいか?ってか?アリス?ちなみに著者はも一つの「一流の人たちが書いた著作を解釈する力」だそで…この辺りは准教授と被るとこもあるのだろぉか?となるとあの二人はそれぞれに才能を二分している関係なのか(笑)

 英に行く途中でモスクワによって挨拶してるとこで食事シーンが何度か出ているのですが、ロシア名物もいくつかありますけど、偽りのでポテサラのとこかなぁ?和えてあるマヨネーズが日本のマヨネーズと違うという事を指摘していたりして…何故かといえば、サラダ油じゃなくてひまわり油だからだそな…しかもポテサラなのに名前は「スタリチナヤ」と言うそーで、その意味するとこが「首都の」とか「都会風」とかいう事になる模様…ロシアはポテサラからして一味違うのか…

 さて、英についた著者達は、一応同期三人で向かった模様なんですが、この後主に出てくるのは武藤君のみと言っていいのではなかろーか?この武藤君は多分、エリート中のエリートなんだろなぁなお人だけど、20代半ばにしてこの落着きというか、達観しているというか、老成しているというか、できたお人…こー言っては何だが、著者に会いたいとは思わないけど(失礼)武藤君にはもとい、20代の武藤君には会いたいというより見てみたいもんだなぁと思いますた(笑)ただし30才過ぎたらパスしたいけど(失礼)いや、何か時代小説に出てくるよーな雰囲気なんですよ(笑)

 で、ロシア語の前に英語をおべんきょしよーで、何せ、英で露語を習得しよーですから、英語ができないとまず話にならない訳で、EJEFで夏休み期間に英語を、そして秋から英国陸軍語学学校で露語を習うというスケジュール…メインは語学研修なので語学の話に終始するのかと思ったら、授業とか、語学とか、先生とか、生徒とかは殆ど出てきませーん(笑)ついでに言うとこのEJEFの間だけのホームステイ先のファーラーさん家でも、ファーラーさん夫妻に娘のカーラ、二男のグレンの四人住まいなんですが、これまたグレンが主でその他のメンバーは殆ど出てきませーん(笑)

 慣れぬ英国暮らしで、実は帰国子女の武藤君が生活面というか、英国生活について著者にアドバイスするシーンも多々ありですが、著者と12才の少年グレンのやりとりが何とも微笑ましい感じでこの辺りはマジ青春文学の雰囲気か?ライ麦畑でつかまえてってか(笑)

 英の階層社会が分かるのもアレかなぁ?というのも、下宿先は英中流の下?位、だけどグレンは兄や姉と違っておべんきょが出来たよーでグラマースクールに通っているとな…だけど村(町)一番の彼もグラマーに行ってみたら成績は中位に…このままなじめないグラマーに通うべきか?はたまた大学に進むべきか?GFと学校別れて何か溝が出来たみたいとか?ロンドンに観光したいとか?etc.そゆのに、著者が対応しているとこが何とも(笑)一緒にプール行ったり、映画見たりしているしね(笑)よーは友達がいない、疎外感の中に生きている訳ですね、グレン少年は…飼い犬ラブラドールのジェシーも味のある役どころかもしれない…

 著者の思想的なバックボーンのシーンとかの詳細は本書をドゾかなぁ…省略できない複雑さというか、単純さか?外交官の卵な位置でのそれですけど、うーん…こーいっては何だが、著者は外交官になるより一生象牙の塔にいらっさった方が向いていたのじゃまいか?な世界か?宗教家ではないけれど神学の道に進むもありだったよな?ちなみに著者は同志社大修士課程卒…この辺りもアリス達と被るのか?

 さすが、外務省と思ったのはEJEFのあり方かなぁ?教師一人に生徒3-4人、きちんとした教育法を習得している先生がそろっているそで、日本の英語塾みたいなのを想定してはいけないのね(笑)後の陸軍の露語の方はもっとはっきりしていてこちらも少数方式は同じで先生はオックスフォード…週末にテストで90点以下を二回取ったら面接、三回取ったら退学というシステム…「語学には適性があります。特にロシア語はイギリス人にとって難しい言語です。適性がない人がいくら努力しても、習得は不可能です」と最初にはっきり言い切る教師…日本ではありえねぇーの世界か?何でも努力すれば出来るの建前だからなぁ(笑)始める前に人には向き不向きがあると教師が宣言するとはさすが大英帝国サマは違う…

 感動的な場面では著者とグレンのロンドン珍道中とか、二人で見た戦場のメリークリスマスとかは本書の山場だと思われ…詳細は本書をドゾ。というか、こーゆーシーンは本人以外語る言葉なしの世界じゃね?じゃねで、何か他人が付け加えたら嘘にしかならない気がする…いや、若いって瑞々しさの賜物なんだなぁと(笑)

 てな訳で本書の多分本題については各自の胸の内にかなぁ?で、トーシロは端々に散見している豆知識的なソレが面白かったと…パスポートって日本人ならみんな赤かと思っていたら、外交旅券なので焦げ茶色なんですね…「赴任のあいさつには、必ず気の利いたお土産をもっていくことが外務省の不文律になっている」とか、外交だけに贈答文化ってか(笑)

 外交官は一段上の生活者ということで「現地にいても一般国民の生活感覚がわからなくなる。任国の情勢を分析するためには、普通の国民の感覚が分からないとダメだ」と外務省の先輩はおっさったそな…自覚はあるんですね、一応(笑)

 英国にもイジメはある模様で「イギリスの子供は陰湿な弱い者いじめをする。ただし、外国人だからいじめるということはない。外国人でも一目置かれるようになるといじめられない」(@武藤君)だそな…いじめかこわるいは世界共通語か?階層は購読紙で分かるみたいで「中流階級の上流以上は、ブランケット判(高級紙)をとる。「デイリー・テレグラフ」ならば保守党支持、「ガーディアン」ならば労働党支持だ。「タイムズ」の読者は両方いる」(@同上)とな…ちなみにタブロイド判(大衆紙)の「デイリー・ミラー」だと中流階級の下層、労働党支持という事になる模様…

 武藤君の英国生活講座は本当に為になると思います(笑)更に「パブで不味い食い物にあたらないようにするコツがある」そで、その心は「極力調理に手がかかっていない物を頼むことだ」とか(笑)そして英人とは何ぞや?の印人の目線は「イギリス人は本質的に人種主義者で、階級意識が強い。自分たちと有色人種は別だと考えているから、イギリス人と東洋人はうまくやっていくことができる。また、国内で別の階級に属していても、対外的にはまとまる」だそな…さすが印人割り切り感がパネェ…

 でこの流れで「イギリス人は、日本人に対して完全に打ち解けているわけじゃない。第二次世界大戦で日本かイギリスに対して牙を剥いてきたことを、イギリス人は今も忘れていない。それだから、僕たち日本の外務省研修生をイギリスは丁寧に扱うのだと思う」とな…なんじゃそらというよりその心は「牙は剥いてきたが、日本人はイギリス人に対して勝利することができなかった。そういう敵対民族をイギリス人は完全に追い込むことはしない」とな…「牙を剥いてくる連中とは、一度徹底的に戦い、「俺たちイギリス人の方が強いんだ」ということを想い知らせた後で手を握る。イギリスの 戦後のドイツに対する態度も、日本に対する態度も、基本的には同じだ。イギリス人は本質的に帝国主義者で、その本質は今も昔もかわっていない」とな…大英帝国よ永遠なれってか(笑)

 ちなみにファーラー家のクリスマス料理がローストビーフとローストターキーで、やはりクリスマスのご馳走はそーなるのか(笑)料理と言えば、英では中華料理は「下手物」なんだとか…ライチの事もまたの名をドラゴン・アイというだけで「みんな恐がっていた」とな…この場合のみんなとは英軍の皆様なんですが…

 一方、ソ連では「ホテルは出入り自由な場所ではない。来館者はこうやって激しく出入りをチェックされている。事前に予約をせずにレストランで食事をとるこはまずできない」(@二等書記官)とか…まぁ両国間色々あるらしーが「僕たちはKGBにこれまでもほんとうに酷い目に遭わされてきた。性悪説に立たないと僕たちは生きていけない」(@総務班の先輩)とか…ちなみに「ソ連当局による検閲があるので、西側の人々との手紙のやりとりはスウェーデンの日本大使館経由で行うように」(@現地大使館員幹部)とか…これ今もなんだろか?

 かの陸軍の語学教室にはアラブからの留学生が多いそで…アラブから英に留学あると思いますの世界なのか?それにしても「サウディ人はとても威張っている。僕が仲良くしているのはオマーン人だ」と著者がグレンに説明しているとこが、また…ちなみに英では「オマーンはとっても重要な国だと地理の時間に習った」だそで、さすが大英帝国、地政学は中学生からってか(笑)

 物価について考えるで「ストックホルムで物資を調達するという建前になっているから、モスクワの日本大使館員も破格の給料をもらっている。スウェーデンの物価が高くなればなるほど僕たちには有利だから」(@武藤君)って…これは江戸時代の飢饉話と似たよーなもんなんだろか?農民的にはアレだけど武士的には飢饉になれば米の相場が上がるからむしろ歓迎していたという嘘のよーな話?給料がお米ですから、わろえないってか?

 メインは僅か一年弱の英国での出来事なんですが、本書を拝読して思うのは記憶は誰にも奪えないという事でしょか?後のオチというか、その結末を知ると三者の関係がそれぞれに甘く、苦いものとなるのも、実に男の子物語だなぁと…それぞれに胸に秘めているものは、これまたそれぞれに尊いという事でしょか?

 うーん、それにしてもグレンのその後的には完全フィクションなら、是非MI6辺りに務めてもらいたかった(笑)リアル的には輪に戻った感じだけど、他国ごとながらもったいないなぁと思う…才能ある若者が(という言い方をすると物凄く年齢とった気分になるが…)自由にというより躊躇なく進学できる世界であって欲しいものよのぉ、越後屋ってか(笑)

 最後に一つ、著者の後に外務省からファーラー家にホームステイにきた日本人は一人だけでその後打ち止めになってしまった模様…というのも「靴を20足くらいもっていました。部屋中が靴でいっぱいで、それからポルシェを買って、それで学校に通っていました。私たちの家では一切食事をとりませんでした」(@ファーラー夫人)何とゆーか、外交官は他国と友好関係を築くのも仕事の内と思うんだが?その国の庶民の心証を落としたらアレなよな…小さな事からコツコツと、じゃね?と思うのは甘いんですかねぇ…

 他にも色々色々色々本当に色々エピ満載ですので、詳細は本書をドゾ。

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