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2014年6月 8日 (日)

うるわしくさやかなりしばらのはな(笑)

薔薇のイコノロジー  若桑みどり  青土社

 タイトルがタイトルなので薔薇の本かと思ったら、どちらかというと植物と文化だろーか?人類が文明を築いてきてから古今東西、パラの(花の?植物の?)モチーフはこんなん使われてますが、知ってるかい?の世界かなぁ?時間のスケールもある意味メソポタミアから現代まで、洋の東西関係なくとなれば、大判小判がざっくざっくざっくざっくじゃないけど、薔薇に関連して花や植物に関したエピがこれでもか、これでもかと出てくるのでござるの巻か?ちなみに著者が美術系ですから、絵画(美術・工芸)を眺めてみたらこーなったの類例というか、証拠物件がズラリと一同にかいしている感じとでもいおーか?人が生みだしてきたものって、こーしみると物凄い量になるんだなぁと(笑)

 とにかく、薔薇のイメージだけでも例えば「美しい女性の頬や唇を薔薇に譬える詩はいたるとところで見出すことができる」となるし、「薔薇の比較をを絶した美しさが美の女神ヴィーナスに結び付けられていたことを、人々はみな知っている」そで、まずはギリシャ神話からいってみよーとか(笑)また「古くエジプトでは、薔薇は沈黙の神ハルポクラテスの象徴だった。ローマ人はこれに習い、親密な食卓の上にこの花を置いた」そな…また、ローマでは「薔薇の花の上に眠ることは」「快楽の生活のメタファーになったらしい」そで…この手の逸話は枚挙にいとまないので詳細は本書をドゾ(笑)

 で、薔薇というと欧米的には教会か?のイメージがこれまたあるけど、薔薇は「初期キリスト教世界では初め評判が悪かった」そな…「聖アンプシウスによれば、薔薇はもともと天国に咲いていたときには棘がなかったが人類が原罪を犯したときに棘をもつに至ったのだと説明され、そこから棘のない薔薇だけが原罪を免れた女つまり聖母マリアに捧げられる純潔の象徴になったのである」って、そーだったのかぁーっ?

 ちなみに教会にある薔薇窓「十字軍によってカイロのモスクから持ち来たらされたものだということ」だそだが、「薔薇の花が宇宙の完全さを表象する円環の象徴と結びついたことも、キリスト教社会での地位向上に役立った」とな…とかよーに取り入れられていくとゆー話らしー…こちらも詳細は本書をドゾですが、どゆ事かというと、「原始的な宗教、密儀の象徴として、性的な魔力、生産の力の表象は不可欠なものであるから、花はおそらく美的価値以上にその生産力の表象として、象徴の世界で深く広い根を張ってきたのだろう」となる模様…しかも「とりわけ花は、女性的象徴として他と区別されたに違いない」となり、「すべての象徴的な花の中で、インドとエジプトの蓮の花と、薔薇十字団の薔薇がもっとも重要である。その象徴的意味において、この二つの花は同一のものと考えられた」(@マンリー・P・ホール)とな…これまたそーだったのかぁーっ?更に「蓮は薔薇はともに女陰の象徴であり、母の創造的な神秘を意味する」(@ホール)って、花にはある意味、土地や時代に関係なく共通イメージがついてまわるがお約束という事なのか(笑)

 他にも薔薇の道は続くで、これまた「聖母と薔薇と黄金とを合体させたのは錬金術の図象体系であった」となるそーだし、これでもかこれでもかとエピ満載、結局のところ「われわれは未だ、一本の薔薇の意味するところをさえ、充分にとらえることができていない」とな…

 アリス的に薔薇というと英国庭園のとこかなぁ?それでなくても英というと国花が薔薇な国だしなぁ(笑)その庭となれば薔薇はあるよねの世界かと(笑)あの庭園紹介で出てきたっけ?うーん?

 庭的なとこでいくと、「聖母マリアの純潔のシンボルとして「閉ざされた庭」と「噴き出る泉」がつねにつきそっている」そで「神の婚約者の処女性は「閉ざされた庭」「庭の泉」によって象徴される」そな…「中世のフランスのマリア表現はおおかたこの象徴に従っている」そで、絵画の中のマリアもまた庭の中にいると…言われてみればレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」のマリアもまた庭の中の描写じゃね?で、他の絵画もしかりという事になると、で、本書的には庭となればそこに花はあるよねという事になって、これまた薔薇もあると思いますの世界なのか…うーむ…詳細は本書をドゾですが、薔薇一輪でも意味あるんですよ(笑)

 またイラン行ってみよーで「イスラム庭園にとって噴水と薔薇と糸杉がきわめて重要」であるそーな…水が貴重な国だから噴水はよく言われてきたけど、薔薇と糸杉もそーなのか?確かに古代、レバノン杉とかあってあの辺り杉の産地ではあったよーな気がするが?

 さて、再びキリスト教に戻って庭とは何かとなればエデンって神様にとっては庭だったという事ですか?で「これが最古の「造園」の記述である」となり「神はこの「庭」をもともと「人間の住む場所」として着想したということである。言いかえれば、庭こそ人の住むべき場所、本来そこにおかれた場所」となる訳だったりして…これまたそーだったのか?て事は楽園と庭園はイコールで結ばれる事になるんでしょか?しかも世界の中心だよねと…こーして見るとキリスト教徒的に庭の意味は相当に深いものがあるんじゃまいか?と思うのは気のせい?

 で。これが中世、錬金術と結びついていくと、「庭園とは本来「四元素の働く場所」として着想されたものであり、そこで「庭師」たる「人間」は、錬金術師が言ったように「自然の魔力」を整えることしかしないのである。ただその場合、そこに必須なのは、四元素すなわち水と土(または岩石)、火(太陽)と空気(大気)そしてこれらの要素の顕現としての「植物」である。彼らは、宇宙の調和と組成のダイアグラムとして、正方形と円形を基本とするにすぎない。西欧人にとって、宇宙は本来幾何学を内蔵しているのである」とな…あのシンメトリーの幾何学的な庭にそんな意味があったとはとは…西欧おそろしす(笑)

 でで、再び戻って、「キリスト教の神はよく働く庭師であるし、工人である」とな…創造の秘密は神にありの世界観だったと…ところが「カインが農耕と都市を作った。カインは最初の反逆者となった。神にとってこれは危険な創造者である」とな…「いずれの神話においても工人は、神と創造を競う者である」創造が神の専有物であった時代から、人間じゃけんのルネッサンスとなる訳ですね、分かります(笑)こーしてみるとキリスト教って、庭師は誰だ?の世界を展開しているのか?

 庭から離れて、その他アリス的なとこでいくと海奈良の人魚か?で「水の精は常に女である。もっとも有名なものが人魚である。上半身が人間で下半身が魚、そして海の下に咲く花や海アネモネの花輪をつけている」そな…人魚って水の精だったのか?

 後、アリス的というとダリ繭でシュルレアリズムでしょか?本書はマックス・エルンストとかルネ・マルグリットとか色々出てきますが、ダリも勿論ありまして「ダリの「花の女」はダプネかパエトンの妹たちの仲間であることがすぐわかる。ダリには「花のメタモルフォーズ」と題する作品もある」「ここでは鉱物と動物と植物と人間がみな一緒くたになって循環している」そな…何にしても「シュルレアリストたちが行った日常世界と非現実的なものとの合体は、あり得ざる夢と幻想への逃避ではなく、理論的な世界よりも、いっそう真に現実性を有するものへの侵入である」とな…リアルについて考えるってか?

 も一つアリス的なとこで夏目漱石の夢十夜の話が出てくるとこもミステリ夢十夜と被っているじゃまいか?ってか(笑)

 その他日本的なそれについても件が幾つかあって、生け花の洋の有無について「よりしろ」の概念のあるなしに言及しているとこは圧巻かなぁ?この概念のあるなしが「なぜ西欧に「生きた花のアート」が成立せず、日本にはそれが成立したのかというまさにその点である」に行き着いてしまうのか?この辺りの詳細も本書をドゾ。いや実に意味深です(笑)

 他に日本的なとこで菊、菊の御紋「日本の旭日を示す菊花紋がリーグルのあげる正面形ロータス花文と同一形であることは特筆すべきであろう」とあって蓮との関連もアレだけど、旭日もだったのか?ちなみに「中国人は先秦の時代から菊を愛でており、「本草紙」では菊の異名の中に「日精」の名があめということである」「この「日精」とは、菊の花弁が放射状を呈しているため、太陽をかたどっている、とする考えであり、氏(ピエール・グリソン)のいうおり「古代メソポタミアの芸術にみる太陽神の崇拝が菊花の花文でしめされている」とな…メソポタミアから、古代中国からそゆイメージ共有で通っていたのか?

 で「日本人はこれを旭日」と呼び「天照大神の子孫である天皇のエンブレムとした」となるそーな…ちなみに「黄菊が尊重されたのも「光」の意味があったのではないか」って…いやそれにしても菊の御紋が旭日と一にしていたとは知らなんだ…まぁ確かに真ん中に〇で放射状なデザインだけど…旭日、昔から吉祥文なんですけど、その内、どっかのどっかは菊も薔薇も蓮もゴホンゴホン…

 とかよーに歴史と伝統について考えるとは、その国の文化と教養を問う世界なんだなぁ…としみじみとしたところで、いや本当、薔薇一つとってもその中に何を見るか?実にすさまじい世界でして、詳細は本書をドゾドゾ。いや、騙されたと思ってドゾドゾ。

 目次参照  目次 文化・芸術

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