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2014年6月15日 (日)

権力はそれを持たない者を消耗させる…

サイレント・マイノリティ  塩野七生  新潮社

 どゆ本かというと、エッセイ集でございましょーか?統一はとれているよーでとれてない?時間軸的には、ローマの昔っぽいのもあれば現代もあり、そして中世ルネサンスあり(笑)伊を中心にした地中海世界(欧州)と日本かなぁ?時事っぽいというより、歴史っぽいとも言うべきか(笑)それにしても昭和二桁初期の世代とは「心ときめくような夢も抱かず、されど絶望も怖れもない世代」という評価になるのか?今だと70代、本書執筆時だと40代という事になるよーですが、これだけ時間が経過してもぶれていないとこが著者の一番凄いとこじゃあるまいか(笑)

 多分、この後、著者はローマ人の物語を書き始めるはずで、ルネサンス物の真っただ中の頃の話とでも言う時期と思われで、それでもゲーテを引き合いに出して「人間の歴史はすべてここに濃縮されている」と古代ローマを語っているからなぁ(笑)ある意味、歴史とは何か?はローマですとなるのだろーか?なるほろ、永遠の都はパネェ(笑)

 で、まぁ著者的にはヴェネツィア出版後という事になるのか?ヴェネツィアを言及したとこもちょこちょこ出て来て、何とゆーか天才の国というより凡人の(失礼)国で通したヴェネツィアは他の都市国家に比べて遥かに国として長く存続できたのは何故か?の一つが、倫理なんでしょかねぇ?「国政を担当する貴族たちに、他国人との間に通常の商業以外の金銭関係を持つことを禁じていた」とな…よーは賄賂お断りとな…で、これをたとえ救国の英雄にさえちゃんと履行してしまうとこがヴェネツィアか?

 まぁ「支配階級に属する者の犯した汚職は、死刑と決まっていた」とな…かくて人材論が出ると思うやんかぁー?でもヴェネツィア人の考え方は違うんでござる(笑)「人材というものは、これ以後生まれないのではないかと怖れれば実際に生まれないものであり、反対に、そのような心配にわずらわされず断固とした処置を決行する国では、生まれてくるものであります」と当時の委員の言が残る模様…法治国家について考えるとか(笑)もしくは国の健全性か?

 他にも対トルコとの交渉を担当したジョヴァンニ・ダーリオの言「良識とは、受け身に立たされた側の云々することであります。反対に、行動の主導権をにぎった側は、常に非良識的に行動するものです」とな…成程昔から大国ってどこもアレなのか(笑)

 まぁ何にせよ、欧米とはヒーロー、天才が好きな人達であるだから、ヴェネツィア共和国の興亡は好きになれない、人気ない、共鳴できないの世界らしー…世界的には「非凡なる一将は、凡なる二将に優る」だそで、ヴェネツィア式の「凡なる二将は、非凡なる一将に優る」じゃないと、二番じゃダメなんですよ、奥さん(誰?)

 と、この国民性というか、気質の違いが、今の欧米と日本との対立、事は経済だけでなく、むしろ「西欧の伝統自らであること」に行き着くとな…「彼らの伝統に反するものを突きつけられ、しかもそれの優位を実証されつつあるのを感じ取っているからである」からだそで、対立の根は深いってか?ちなみに「かつてのヴェネツィア人も憎まれたが、日本人も憎まれるであろう」と「別の価値観の優位を示した者の、それが宿命である」とな…結局多様性より一極のグローバル・スタンダードですか、そーですか(笑)人と違うを怒らざれ、聖徳太子は偉かったってか(笑)

 アリス的に関係ありそーなとこというと、伊の警察関係の話がチョロっと出ているとこと赤い旅団のとこかなぁ?地下室ののテロ組織的なとこで?伊の組織についてもおべんきょになるとか、公安問題の担当部署が「ディゴス」、「事件が州を越えて全国的な規模の捜査を必要とする場合は「ウチゴス」」と言うそーな…ウチゴスとは米でいうはFBIみたいなものでオケなんだろか?まぁ警察関係は何かと所轄問題はどこもあるって事だろか?

 いや伊にも真面目に働いている人達がいらっさるという事ですよね、これまた当たり前だけど、何かマフィアと汚職とベルルスコーニのイメージが強烈で蟻とキリギリスの国民総キリギリスな世界だと単純に想定していたらいけないのだなぁ…「テキもイタリア人なのだから、こちらもイタリア式でやるということです」って…働く伊人なめたらあかんぜよってか(笑)

 それにしてもこれも伊的だなぁなのか「左翼テロには多い女テロリスト」なんですね…でもって「尋問に対しては男の仲間たちよりも強い抵抗力を示す」とな…そーだったんですか?准教授(笑)警察的なそれでいくと、「息ぎれもしないで目的を果たすのは、細見の若い連中ではなくて、ブルドック刑事のほうなのだそうだ」って、やっぱノガミンなのか(笑)

 他にアリス的というとディーノ・ヘフェレ氏のとこか?戦後、繊維業で「勝負の場を大阪に選ぶ」とな…なるほろ大阪繊維業の街だったんだなぁ…後は歴史調査、歴史上人物の調査は「殺人事件の捜査過程」に似ているの件とか、法学部繋がりで「ナポリ大学の法学部は、イタリアの大学で最も優れているというのが、長年の定評であった」とか、ちなみに著者的感覚でいくと「警察は、法学部出身者のうち、体格の良い者だけ選んで刑事にするのかと思ってしまう」って、伊の刑事ってそんなにマッチョ系なんだろか?対する相手もさすが伊と言うべきか?サルデーニャ島、シチリアのマフィアとサルデーニャの山賊って…20世紀後半期に入ってもまだ山賊が闊歩しているのか?伊?で、「普段は羊飼いで、彼らの考えではアルバイトとして、人を誘拐し、身代金稼ぎをする」感覚って…伊ェ…

 後アリス的というと朝井さんと飲もーで「飲物は「ラキ」という透明だが水を加えると白くにごるトルコの酒で、同じようなものをギリシアでは「ウーゾ」と呼び、イタリアでは「アニゼット」という」でしょか(笑)

 現代的なとこでフィアットのアニエリ一族のとこが出ているが、伊のセレブってこんな感じなんだろか?傘下には自動車会社だけでなく「新聞四紙は確実に支配下にあり、週刊誌二誌も傘下に収め、その他にテレビ局、ラジオ、教科書出版社まであるのですよ」って、このメディア支配で「世論支配」していらっさる模様…「経営能力がとくに優れているわけではありません」が何故国のトップ企業となりえたかといえば余剰人員「イタリア国民は、自分たちの税金で、私企業であるフィアットの余計な社員まで、養っている」という事になる模様…公的資金投入は当たり前って、どこも同じだったのか(笑)ちなみにそんなフィアットさん「イタリア人の個人主義的傾向を反映して、社会的責任などということにはいっさい無関心だから、一年に三度も、勝手に値上げして平然といられるのですよ」となるそな…さすが天下のフィアット様は違う、そこにしびれるあこがれるぅ(笑)

 ちなみに自動車会社なら当たり前?かもしれないがの「一時期アリエリ一家は、口を開けば日本経済の悪口を言っていた」そーで、でも最近(本書当時)「民間ベースの日本との友好をかかげた会の、会長をしている」とか、「フィアット財団は、日本文化を理解する講座まで開設した」とな…さすが商売人、損得勘定で手のひら返しキタコレなんですね、分かります(笑)親日だ、反日だと騒ぐ前にこゆ世界だと肝に命じておいた方がいいと思うんだ、日本人…

 メディア的なとこで伊って国営放送RAIに三つのチャンネルがあるそーで、それが政治的に分かれていらっさる模様…「第一はキリスト教民主党系、第二は社会党と共産党系、第三は、自由党に共和党に民主党系」って…それが政治的に正しい伊のマスコミのあり方なんだなぁ…いや下手に公平・中立とか謳われるよりはアレだが、それにしても日本のニュースも各自の視点に立って放送したら一日中元ネタ一つで遊べそーだよなぁ(笑)既にニュースもニュースショーになっているんだから、徹底的にやるもあると思いますだけど(笑)

 国際的なとこでキプロス島滞在記がこれまたアレなよな…同じ島の中で二つの民族か共存するという事は、これまた大変な事なんだなぁ…詳細は本書をドゾ。それにしてもちなみにトルコ住民側にトルコが軍隊を送る場合「トルコが堂々とやれないのは当たり前だ」で、「民間の船を使い、兵たちに私服を着せて"移動"しているのである」って…何かどこぞの漁民かとゴホンゴホン…

 軍隊が出てきたとこで欧州の軍、もしくはセレブのあり方というのが「彼らが力で、被支配階級を敵から守ってやっていたからである」とな、「主君に反逆した武人はそれほど倫理的に裁かれないが、民を守る役目を果たすことのできなかった武人は、民から縁切状をつきつけられた」そな…よーは民を守りきれないものは去るのみの世界観を透徹しているという事じゃね?敬意も権威も失われるとな…

 で、その論を進めると「ヨーロッパでユダヤ人が憎まれ軽蔑された理由の一つは、ユダヤ人は、他人を守るためにわが身を犠牲にするような危険を、一度も冒したことがない民族だったからである」って、そーだったのかぁーっ?とキ○ヤシさん降臨とか(笑)その代り「特別税を払わされた」そーだけど、「他を守るために一身を危険にさらす人間と、それをしないで代わりに金を払う人間を、違う感情で遇したとしても、それを単純に非難するのもまたむずかしい問題であるように思える」って…パネェの一言じゃ済まされない世界が展開している模様…

 でで、更にその論を進めると「アメリカが海兵を少々失っただけでレバノンから撤退した事実は、ヨーロッパや中近東の人々に、近来とみに深まっていたアメリカへの不信に、決定的な確証を与えたような気がする」とは…うーん、親分でいたかったら身体を張れっていうのが欧米・地中海世界の常識なんですかねぇ?成程、米の威信って今更の話じゃなかったのか?欧州・アラブから見たら、どこぞの何とか諸島なんでそれ見た事かかもしれんねぇの世界かも(笑)

 さて、一方英国史観となると、「イギリス人というのは、彼らが、自分たちは信じていないが他のすべての民族は信じるべきと思う英国文明の優越性を、おだやかなアイロニーとともに信じない者、つまり、トランプ遊びで、自分ではたいして良いカードを持っていないのに持っていると他には信じさせたのに、時に一人だけ真実を見抜く者がいるが、そういう者しか彼らは尊敬しないのだ」(@ディーノ・グランディ)って、どんだけ面倒臭い人種やねん(笑)

 ちなみに独の外務大臣曰く「イギリス人にシャンペンを売りつけるほうが、彼らと外交するよりはずっとやさしい」って…ご近所の欧州の皆様からも英国人ってて思われている訳か(笑)「丁寧でいて、ユーモアをふくみながら、しかしすべてのことから少し間隔を置いて話す、イギリス以外のヨーロッパの国々の人はよく笑いの種にするのだが、そのイギリス式スノッブなのだ」って、そーなんですか?ウルフ先生(笑)

 そんな大英帝国サマも最近の外交力の低下は否めないと自国民も認めるところらしー…「イギリスの外交が、職業外交官の机上の仕事のほうがはばを効かせるように変わったからだ」とな…曰く「平凡な才能にしか恵まれない人は、官僚であろうとビジネスマンであろうと、その人の担当している仕事の上で、自分より事情に通じている他人の存在に好意的ではない」とゆーのはこれまたいずこの国も皆同じってか(笑)兄よりできる弟などいらんってか(笑)

 その他色々エピ満載、お役所仕事はいずこも同じみたいでアレですが、ちなみに伊では「中央銀行は、公正に能率良く運営されている、イタリアではほとんど唯一の公機関である」そーですよ、姐さん(誰?)

 まっ本書至言の嵐ですが、例えば仕事で部下を引っ張っていく方法は「ごく普通の常識を通すこと、肉体的な恐怖を示さないこと」だとな…当たり前といえば当たり前だけど、それが出来ない人が多いという事か…いやはや…「決断をくだすのに手間どる人を、非難してはいけない。非難されるべきは、決断をくだした後で実行に移すのに、手間どる人である。後者はいつでも誰のためにも有害きわまりない」(@フランチェスコ・グィッチャルディーニ)って、それ先の大震災のゴホンゴホン(笑)

 最後に一つ選ぶとしたら、「有権者は、政治家や学者や評論家が考えるよりは、よほど賢いものだ。彼らは、麗々しい言葉の裏に隠された、嘘を見抜いてしまう」とな…そして多分それを一番逆手に取ったのがユリウス・カエサルという事になるんでしょーか?成程、天才はどこまでも天才だったと言う事か(笑)

 他にエピがそれこそ色々色々色々ありますので、詳細は本書をドゾ。今読んでも遜色が全くないとこがパネェ、超パネェでございます(笑)

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