« うるわしくさやかなりしばらのはな(笑) | トップページ | ある家族の食(笑) »

2014年6月 9日 (月)

武士は用事のないところには出かけない(笑)

最終講義  内田樹  技術評論社

 サブタイトルが、生き延びるための六講なんですが、著者が大学を退官するに至っての最後の授業ありの、各地での講演ありのの講義録みたいです。基本話言葉ですので、分かり易い内容だと思われで、とにかく最初から最後まで内田節炸裂してますが、今改めて思う事は文系の先生でここまで熱い人は珍しいという事だろか?熱いというか、新しい知に対して前向きな人というべきか?何とゆーか、文系の先生の話って内向きで、うまくまとまっている今までの事しか喋らないイメージがあって、明日の地平はどっちだ?みたいな話はまず文系の専門家からは聞いた事がないからなぁ(笑)

 全体として学びとは何か?もしくは著者はそれにどうしてきたか?みたいな話なのかなぁと思いつつ、学問…リベラルアーツはよく聞くけど、これ東洋だと六芸(礼、楽、御、射、書、数)が対応するのか?どちらにせよ、学の文化は洋の東西を問わずあったとゆー事なんだなぁ…

 まぁ何にせよ、「学知を駆動するのは、学知以外の目的であってはならない」というのは名言ですかねぇ…「知性の存在理由は知性そのもののうちに内在している」という、存在理由、何か物凄く久々にその単語聞いたよーな(笑)前向きにそれを語れるだけでも、本書は凄いです、ええ、マジで…

 アリス的に関係ありそーなのはヴォーリズ設計の校舎のとこでしょか?英都大もそーだと思うんですが、関西圏、結構ヴォーリズ設計の学校多いのか?著者によるとヴォーリズ設計の教室って声の通りがいいそーな…先生の声は教室の後ろまで届く、更に残響もない。授業としてはこれは大事だよなぁ…例の階段教室もそーだったのだろか?と思いつつ、しかも教室内結構、暗い…だから扉を開けると明暗がくっきりだそな…とゆー事はあの階段教室の描写はそーゆー採光からの表現だったのか?後、隠し扉とか部屋とかあるみたいで、謎に満ちた建物だそー…これは実にアリス向きだよなぁ(笑)行ってみないと何があるか分からない。宝探し的な要素がある学校って、やっぱ遊び心は大切だと思うんですよ、奥さん(笑)

 ちなみに昨今の考え方では「築60年の建物なんて無価値です。維持費に金がかかるだけで、こんな建物を持っているのはドブにお金を棄てるようなことです」が主流らしーです(笑)地価が高い内に土地も売り払って、高層ビル化素晴らしスの世界ですかねぇ…コスト削減、効率化万歳、居心地とか伝統より、儲かりまっかがメインとな…

 他にアリス的なとこというと学会の内向性についての、本当に中の人の中の人による中の人の為の学会、と地位と権力でしょか?うーん、准教授もこーゆーとこで日々戦っているとなると、それはそれでアレだなぁ…とにかく「私は頭がいい」とお山の大将ごっこですかねぇ?椅子取りゲームとも言うってか(笑)学者が「学問をするのは自己利益のため」それがジャスティスってか(笑)ちなみに著者によると「文系の人には悪いけど、ほんとうに話してて、つまらないんです。特に社会学者」…そーか、そーなのか…社学ェ…

 後「大学教員の25%は過去五年間論文を一本も描いてないんですから。一度専任のポストを手に入れたら、あとは不祥事さえしなければ、定年までまったく無為に過ごしていても、減俸や降格のおそれはない。こんなに恵まれた雇用環境は他にありません」とな…成程准教授、休講なんてこわくないの世界だったのだなぁ(笑)

 教育問題のとこも詳細は本書をドゾ。とにかく教育そのものが利益は自分に転がるのか?が第一の問題となれば、もー身につくつかないの問題じゃないよな…相対的に他者より出来ればいい訳で、知的資質を利用して自己利益をいかに増やすか、それが問題だ、それだけが問題だってか(笑)そして子供までも利益優先、まず損得勘定ありきなんですねぇ…

 それはともかく学問の追究って「微かなノイズのざわめきに「パターン」を感じとって、「ぴくん」と反応する能力、それは自然科学の世界でも人文科学の世界でも、あるいは探偵の推理とも同じものです」だそーな…成程、准教授のしている事って終始一貫性あったのか(笑)新しいものをみつける能力、異説をみつける能力って…アリスの存在価値ってもしかして相当大きいのかのか(笑)

 さて、何となく開かずの間みたいなみんな知っているけど、何も知らない話題というのの一つが北方領土問題でして、こちらの見解がこれまたパネェ…「何でこんなに知らないんでしょうか。もちろん理由は簡単で、「メディアが報道しないから」ですよ」って…「あとは、うっかりしたことを言うと「売国奴」とか「非国民」とか言われて、思いがけないところで人に殴られたりしかねないということがあります」っててて…国民的、国家的タブーとか?

 さてて、北方領土問題の歴史…「どう考えみても、歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島は、日本固有の領土だと思います」と…「日露の国境についての最初の外交的な取り決めは、江戸時代の1855年に締結された日露和親条約です。日本の幕閣とロシア大使とで話し合いが持たれて、四島は日本、千島列島はロシア領、樺太は国境を決めないで両国混在とするということを決めた条約がありました」というのが第一段。

 で明治維新になって榎本武揚が特命全権大使になって、樺太での日本の検疫を放棄する代わりに、得撫島以北の千島18島を日本領とする「樺太・千島交換条約」が締結された」とな…これが第二段。

 日露後「ポーツマス条約で日本は南樺太と千島列島全部を手に入れた」これが第三段。さてWWⅡ後、「前に獲ったものを返せ」というので戦果で得たものを返却するのは分かる、がしかし、「日露和親条約以後、日露間で領有権が問題になったことのない北方四島まで「これも千島の一部だ」と言ってソ連は持って行ってしまった。これは話の節目の通らないふるまいだと思います」建前上はこーゆー流れなんですよね、まぁルーズベルトとチャーチルとのアレは水面下の話ですから(笑)

 かくて国境問題は当事者同士では平行線の話にしかならないのが常考だろという事で、第三者的に間に入ってとなれば、今それが出来るのはEUか、米か、中国しかないとな…ちなみにEUは「日本の北方領土の主権を認めています。2005年の七月に「北方四島は日本に返しなさい」という提案をロシアに向かって出しているんです」とな…凄いぞEU、さすがだEU、でもこれ「当時の日本のメディアはこれを報道しなかったそうです。読売新聞だけが報道した」とな…マスコミぇ…

 ではなぜ日本のマスコミは報道しなかったか?「アメリカが困る」から…米以外の国が「北方領土問題に決着をつけてしまっては困る。だって、アメリカからすれば「西太平洋はうちの裏庭」なんだから」何もかもオレが仕切るのがジャスティスというのが米のスタンスなんですよねぇ…さすがグローバルスタンダードの国は違う…

 「でも、アメリカは北方領土問題に首を突っ込めない。絶対に」となる訳で、これまたそれは何故か?となればもし米が露に向けて北方領土を返却しなさいと主張した場合、ロシアは同じ言葉を米に突きつける事になるからとな…「おまえも「南方領土」を返せよ」とな…

 米の南方領土って何だ?と一瞬頭がついていかなかったのですが、これが沖縄基地の事だったんですねぇ…「北方領土が不法占拠だというなら、南方領土も不法占拠だろ」ってあまりにも正論すぎるってか…だって「ほんとうにそうなんだから」って先生…

 この取引で損をするのは米だけなんですよね…持っていても使い道が今一だし国際社会的にはウケ悪いし、これ返却して目障りな米軍基地がなくなるならそれに越した事はないというのが露なら、EUだって、中国だってそりゃねぇ…日本的には北も南も領土がかえってくる訳だからオケなんですよ…となれば米的に「全力を尽くして「北方領土問題が解決しない」ように日本国内での世論形成を行っている」となるそな…

 何をしているか?となれば日本に「現実的な議論をさせない」これに尽きると(笑)でそれが現状維持で行こう作戦ですか?「四島一括全面返還以外はいかなるオプションもありえない」なんだそー…かくて「「交渉のテーブルにつかない」というのが日本の北方領土についての外交の基本方針なんです」とな…下手に口火を切ったら売国奴、非国民の十字放火を浴びる事になると…

 とゆーよーな図式にある事を表にしない…「メディアも外交の専門家も絶対にそういう問いを立てることを許さない」となる訳…「そういう点ではアメリカの国務省というのはまことに巧妙だなと思います」と(笑)「日本の官僚制度では、外務省の親米派というのは出世コースですから、そこをしっかり押さえている。親米派の政治家もしっかり押さえている」世の中のカラクリって…これが噂の大人の事情か(笑)

 かくて日本的三位一体って、「アメリカ、霞ヶ関、マスメディア」となるそーですよ、奥さん(誰?)とここまでがまだマクラな話なんですねぇ…この続きは本書をドゾ。いやー、内田節はパネェ、心底パネェと思いまする(笑)

 何が言いたいかというと、准教授って凄いやでしょか(笑)「特派員や国際部のジャーナリストやインテリジェンスの専門家は、僕の何百倍もの情報量を得ているんでしょうけれど、その情報を分析する力は、かなり貧弱ですね。断片的なピースから全体のピクチャーを描く能力が低い」と「国際機関の専門家も、名探偵にならって、いくつかの断片的な情報から、それらを全部繋げて説明できる「ストーリー」を思いつくということはできていいはずです」ワトソン君の群れというよりは、レストレードの群れっていう事でしょか?ああ、公務員のものは公務員へなんですね、分かります(笑)

 自殺率のお話の詳細も本書をドゾ。ドイツのメディアが「日本固有の死を軽んじる宗教や文化に関係あるのか」って原稿依頼してきた話は秀逸です(笑)ちなみデータ的には1961年まで自殺率トップを占めていたのは独だそーで…長い事王者独という事だったそな…となると独も宗教や文化のせーなんでしょか?それともこれは喉元すぎたら?

 他にも面白エビ満載ですので詳細は本書をドゾ。ユダヤ教というより、日本ユダヤ学会のお話がこれまた秀逸…他の学会がいかに凄いかを暴露している著者はもー学校やめちゃうからか怖いものなしなんだろか(笑)人に優しい学会って…ちなみに他の学会はラットレースをしているそな…「格付けしたり、差別化したり、選別したりするために研究をやっているわけじゃない」というのは著者の心の叫びでしょねぇ…やる事(研究する事)いっぱいあったらお互いの足を引っ張り合うよりも手分けして研究進めよーぜのフロンティアスピリットになるのか?その先は後輩に託すぜとか…

 格付け、差別、選別って言葉で何かアレだなぁとチラリと思ってしまいましたが(笑)本書は最初から最後まで前に進む者は前へ、後に続く者はつづくためのわきまえがあるという事ですかねぇ…その心得があるかどーかで人生はものすごく違って見えるんだろーなぁと、ふと思ってしまいました(笑)

 本書的には著者が若き日に邂逅したレヴィナスとのエビが、ほのぼのとしていて泣けてきます。今、こーゆー生き方が出来る人がどれだけいるのか?「その能力を云々するのではなくて「お若いの、頑張りなさい」と背中をポンと叩くというこの身ぶりこそ、真に学的な構えではないか、と。僕は今でもそう思っています」今となってはまさにそんな人生の師どこにいるんだあーっ?ですかねぇ(笑)

 目次参照  目次 未分類

|

« うるわしくさやかなりしばらのはな(笑) | トップページ | ある家族の食(笑) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

未分類」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 武士は用事のないところには出かけない(笑):

« うるわしくさやかなりしばらのはな(笑) | トップページ | ある家族の食(笑) »