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2014年7月29日 (火)

コックではなく、キュイジニエ(笑)

エスコフィエ自伝  A・エスコフィエ  中央公論新社

 サブタイトルは、フランス料理の完成者なんですが、うーん激動の19-20世紀に生きた人という事か?軽く書いていらっさいますが、波乱万丈の一生のよーな気がする?自伝という事ですから、史的な流れも多いんですが、そこは仏の料理の神様的存在ですから、メニューとかレシピとかも出てくるのでござるってか(笑)

 でまぁ何でいきなりエスコフィエというと、いえ、今日29日で、ニク、肉、洋食、フレンチとつながって、そーだエスコフィエ読もうって…お前どれだけ単純なんだよって突っ込みは既に自分でしますた…夏だからスタミナつけないとねーとこれまた自分に言い訳して、お肉モードで読んでみたら…仕事に生きる男の一生、パネェでござった…

 それにしても仏では「オーギュスト・エスコフィエ協会と料理博物館がヴィルヌーヴ・ルーペの彼の生家に設立されて」いるとは知らなんだ…世界的シェフともなれば、あたりまえなんでしょか?さすが、世界遺産に仏料理の国だもの(笑)その内、日本にも和食館とかできるのだろーか?もしかして既にあるとか?ないとしたら京都辺りに造れば観光資産にはなりそーだが?どーか?

 初心に戻って、掲載されているメニューを見ると仏料理の肉料理って、コース的に見ると羊が多いよーな気がする?の前にお肉のコース、2-3皿あるよーな気がするんだが?今よりポーションが小さかったのか?いえ、前菜、スープ、魚、肉、肉、野菜(?)、デザート、デザート、コーヒーみたいなノリが普通みたいで…下手するとこれに更に何皿か追加されているし…そーいや英でディナーに四時間とかあったしなぁ(笑)

 例えば、仏のプチィ・ムーラン・ルージュでのラグランド伯爵のお祝いでのメニューには肉だけでペアーグ産仔羊鞍下肉・ソース・スービーズ添え、若鶏胸肉のゼリー寄せ・プランタニエ風、ルーアン産仔鴨・ピガラード風と三つもあるんですよ(笑)いや本当ドンダケェ(笑)

 アリス的に仏料理というと、ダリ繭のお誕生日会ですよねぇ…殿方二人でフレンチ・レストランで乾杯ってか(笑)日本ってお素敵はともかく、本書の前菜はメロンが多い…准教授の好物だし、あると思いますなのか?カンタルー産メロン・フロンティニャン・ワイン添え、カンタルー産メロン・ブランデー添え、カンタルー産メロン・年代もののフロンティニャン・ワイン添え、カンタルー産メロン・白ポルト酒添え、メロンのカクテル、カンタルー産メロン・ポルト酒風味と、こー言っては何だけど、半数以上はメロンのよな?次点はギャヴィア、この二つでたいてい前菜賄えるという事なんだろか?それはともかく、カンタルー産のメロンって年中無休出回っていたのだろーか?とゆー疑問も?当時は冷蔵庫あったのか?あるとしたら性能は?だし、温室栽培でもしないと一年中安定供給って難しいと思うんだが?うーん…

 他にアリス的というなら、ハム好きのアリスという事でハムのムース・ヴルーテ添えとか、ハムのムース・マディラ酒風味とか、マレーその他に出てくるスモークサーモンとかになるのだろぉか?

 後は准教授と被るのか?で貧困撲滅のための一種の相互扶助計画についての小論文(1910)を書いていたりしてるとこかなぁ?「社会学の理論の大部分はかなり大風呂敷を広げており」とか自己分析していたりするんですが、論文だけでなく著者はかなり慈善というより失業や階層問題に手助けしていらっさる模様…最晩年に記念品に集まったソレも料理人の老後施設に寄付しているし…まぁ何といっても秀逸なのが年金問題のとこで「役人は楽なうえに給料がよい決まりきった仕事をしていながら、幸せな老後が保障されているではないか?」って、どこの国も公務員ってそんなもんなんですねぇ(笑)

 メニュー見るだけでもアレなんですが、実は著者は普仏戦争にも従軍してまして、それ将校用の専属料理人…これって食糧もキープしながらついていく訳で、何とも…その後、仏が負けるので独での捕虜生活まで経験しているエスコフィエなんですが、で、時は流れて独の王様の料理を担当する際に、昔捕虜になった経験があるから王を毒殺するのではないか?と疑われたりするんですよ…年というより十年どころか、いつの事みたいな昔の話でも穿り返してくる人はどこの世界にでも必ずいるもんなんだなぁ(笑)

 まぁそれはともかく、さすが仏軍と言うべきか?戦時のご飯に専属シェフつれて回っているのもアレだが、そのメニューというのが、戦下で簡単だぁとお嘆きの貴兄じゃないけどそれでもオイルサーディンとソーセージから始まって、殻つき半熟卵、ミディアムに焼いたローストビーフ、じゃがいものサラダに〆はコーヒーと上質のブランデーで一コースとな…他にも鮪、サーディン、ソーセージに、玉ねぎのスープ、兎のソテ、ラードで揚げたじゃがいも、チーズ、コーヒーとか食していらっさるんですよ、奥さん(誰?)野営しながらこれですから、仏ってパネェ(笑)

 も一つ仏軍らしーエピが、「弾薬を兎狩りに使っていたのである」とな…まぁ所謂一つの落伍兵の皆さん達なんですが…ちなみに憲兵の見つかって前線送りになってしまった模様…他というと捕虜収容所でのパンの考察とか、ちなみにパンは焼いてから二週間が食べられる限界だそな…当時は保存料なんてある訳がないので乾燥とカビが大丈夫だったのか?不思議なんだが?これまた蛇足ですけど「捕虜に関する国際規約によると、捕虜に対して、ある一定期間、気力と健康の維持のために仕事や運動に従事させなければならない」とな…当時からそんなのあったのかぁ?

 ちなみにエスコフィエが言うには1856年頃はコーヒーはまだあまり普及していなかったとな…パリなんて街角にカフェだらけで朝から晩までコーヒー文化にどっぷり浸かっているかと思いきや、地方はそーでもなかったのか?面白豆知識的にはホテル・リッツの銀器ってクリストフル製なのか…でもって洋食ってガーリックあちこちで結構使っていると思っていたら、その実にんにくって敬遠されていた食材だったのか?少なくとも高級レストランで使われるものではない不文律があった模様…これって西洋的慣習なのか?「古代では、ギリシャ人はにんにくを忌み嫌い、にんにくを食した者は大地の女神キュペレの神殿に入る事を禁じられていた」に始まってカステリィーヤは宮廷への出禁になっていたりと色々あったんですねぇ…

 後、仏人というか欧米人って馬肉は食べないというか、タブーなとこがあるのかと思っていたら、著者曰く「馬肉は「人が手に入れたもっともすばらしいもの」ではある」とな…仏的に馬肉オケだったのか?それとこれも実に仏的エピだと思う蛙肉の話…「イギリスをはじめとする二、三の国では蛙の肉を毛嫌いするが、フランスでは大量に消費している」とな…しかも「蛙の肉は特に秋に珍重される」とは知らなんだ…蛙って秋が旬だったんですねぇ…

 また、有名・著名人が幾つか出てきますが、サラ・ベルナールとは何回か出会う人だったみたいで…サラ・ベルナールの好物は「生ヌードルとリ・ド・ヴォーを詰めたタンバルだった模様…

 歴史がその時動いたばりでは「男同士が家以外のところで会う適当な口実を見つけるとなれば、それは宴会に終始することだろう」とな…別室へどうぞってか(笑)これまたル・カジノのオープンの時、著者はジャーナリスト達の席に着いていたそーだが、「開店祝いのスピーチに耳を傾けるよりは、次から次に出てくるごちそうと美味しいワインを味わうのに夢中であった」とな…他人の話よりご飯がジャスティスってか(笑)

 女性的なエピでは、リッツでは照明にも気を配っていた模様…「女性の顔立ちを美しく見せるようにした」とな…「女性を輝くばかりに美しく見せることが、レストラン業の成功の鍵の一つなのである」そーですよ、おぞーさん(誰?)

 それから著者は当たり前ですが、新しいメニューをたくさん生み出していらっさいます。初っ端に戻って肉料理だけでも、肥鶏・モンテカルロ風、肥鶏・ラヴィオリ添え・ガリバルディー風、若鶏のソテ・フローレンス風、山うずらの雛の胸肉・マルキーズ風、うずら・リシュリュー風、うずら・カルメン風、うずら・ロンバール騎士風、肥鶏・アデリーナ・パッツィ風とかあるんですよ、これ一応モンテカルロ時代だけなんですけど(笑)

 それにしてもエスコフィエ、青年の主張ではないですけど提言が出てるかなぁで「民間の諺によく言うように「知りすぎることはない」のである。知れば知るほど、ますます知りたくなるのに気がつく。研究は心を開き、仕事の実践において自己完成への最良の道を教えてくれる」って、アリスが全面同意しそー…やっぱ物を作る人達はどこか繋がっているのか?他にも、人生訓的なとこで「現実の状況や意図は正しく判断されなければならないが、人々の記憶に残るのは、結局自分が優位な場合だけだということを私は知っている」とか…正しい戦争とかね(笑)更に著者は徹頭徹尾戦争反対の平和主義者ですけど、「平和主義の信奉者たちの大げさな抗議も、私から見れば、なんらとるに足らないものである。なぜなら、たとえ大国の元首が強硬な平和主義者であったとしても、物事が運命の流れに従って進むのをどのようにしても防げることはできないからである」と何とゆーかスーパーリアリストなお人でもあったよーで(笑)

 他にもエピ満載ですので詳細は本書をドゾです。仏の食材についてのとこなんて立て板に水のごとく名産品出て来る出て来るだし(笑)ただ、いかにも仏人、シェフ、エスコフィエらしー科白中の科白として一つ上げるとしたら、仏料理についての彼の見解じゃまいか?「もっかのところ、またこの先長いあいだにおいても、世界に君臨するのはフランス料理であると思う」と言い切っていらっさいます。いっそ天晴な料理人人生じゃね、じゃねに興味のある方は本書をドゾドゾドゾ(笑)

 目次参照  目次 食物

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