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2014年7月12日 (土)

海に向かって走れぇ(笑)

海の都の物語 上  塩野七生  新潮社

 サブタイトルがヴェネツィア共和国の一千年なんですが、何か、こりゃスゲェとしか言えねぇ(笑)伊、昔からパネェ国だったんですねぇ…452年の昔から15、6世紀位までしょーか?事件が色々錯綜しているので、流れ的にはジェノヴァとの戦いにケリがついた辺りまでと言えばいいのか?続きは下巻でなんでしょねぇ…

 まぁとにかくローマ帝国の崩壊は欧州に混沌を呼び寄せた感じでしょーか?国が別れ、都市が別れで、しかも戦争と宗教が常に控えている環境のよな?取りあえず、ヴェネツィア、それこそ何も無い海の上に土地を無理矢理つくったとこに暮らしていたと…最初は塩と魚しかない貧しい国、都市、街だった訳でそれが海に出て商人の国となる訳ですね…

 えと、あまりに壮大過ぎて、一口で言えない世界だよなぁ?当たり前か、一つの国の歴史だし、そこがヴェネツィアとなれば伊だけの話ではなく、地中海全域の話だけでなく、東は英から西は中東まで、下手したらマルコ・ポーロの世界で中国まで含まれますが、何か?の世界だもんなぁ…

 アリス的にヴェネツィア…その内国名シリーズで出て来るんだろーか?ヴェネツィアングラスの謎とか?それにしてもこちらに登場する国名がこれまたアレでして、神聖ローマ帝国からビザンチン帝国やら、今となってはそれはどこ?的な?中国の昔の国名達並に色々あったんだなぁ、欧州も…

 でもって、ヴェネツィア人もキリスト教徒ではあったんですが、ローマ教皇、異教徒とは商売まかりならんと禁止したりしているんですね…バチカンって何かと禁止しているイメージがあるが気のせいか?それはともかくヴェネツィア人の凄いとこは信仰心が薄いとは言わないが、まず商売ありきで実にリアリストなとこでしょか?ちなみに「自分は、どこの国でも法王だが、ヴェネツィアではちがう」とグレゴリオ13世自身もコメントしていらっさいます(笑)この辺りというか、ずっと続くバチカンとの関係、交渉も凄いよなぁ…どっかの国の外務省とはえらい違いで…

 更にヴェネツィアって共和国でして、まぁ途中で貴族とか、会議とか、政治とかで身分わけみたいなのが出来るにしても他国と比較すれば無いに等しいというか、一人勝ちを許さない国なとこも凄い、政治にしても、商売にしても、他者とか、弱者の生きる道がまたあるんですよ…商売の方は大企業というか、当時は大家族ですがのとこが中小の商売人にも商売できるよーにしているし、同じ船に乗っている乗組員にも一定の比率で儲けが分配されるよーに出来ている仕組み…ガレー船の漕ぎ手だって行って帰ってくれば何かしら恩恵はあるとな…政治の方は後に貴族階級が占めるにしても、平民は官僚になれる訳で行政は彼ら抜きでは進まないのはどこかの国を見るまでもなく、権力は恐ろしい位に分散していたんですね…

 で、これはヴェネツィアトップの元首も同じ事。何せ元首の就任で国民に紹介する時、「この者の功績を賞め讃えよ。それにふさわしい報酬を与えよ。しかし、この責任重い地位にふさわしくないとなったら、絞首刑に処せ!」とな…これ責任逃れは許しませんの事よ、いざとなったら腹切れ、腹をの世界か?どこかの電力会社のよーに、想定外だから責任ありませーんなんて事はなかった模様…

 とにかく全てにおいてヒーローの国ではなくて、むしろアンチヒーローの国。国民一丸となって結束の一本線じゃないけど、国の危機も乗り越えていくんですね…何せ兵糧攻めならぬ籠城生活に突入した時の元首の言葉「貴族の家へ行きなさい。彼らは、一つしかないパンでも二つに割って与えてくれるだろう」ですから…しかも「実際、このように実行されたのであった」とな…ヴェネツィアぱねぇ…

 人材的にはライバルのジェノヴァ、ピサ、アマルフィといった伊の他の海洋国家(海洋都市)に比べれば小ぶりの感が否めないヴェネツィアですけど、この上も下も国の大事に足並みそろえて頑張るぜの精神はヴェネツィアが一番だった模様…で、結局この伊の四大海洋国家もヴェネツィア以外は舞台から消えてゆく訳で、国の統治、国民性というものを考えさせられるよなぁ…

 ちなみに他の国、特にジェノヴァなんかはヴェネツィアの対極にあったよーな国。個人主義の最たるものなんですね…国の存亡より、個人の儲けなんですよ、奥さん(誰?)一人勝ちですが、何か?みたいな?だから能力と運がつけばどこまで行けちゃうぜの世界…突出した人が多かったのも特徴でしょーか?ちなみにかのコロンブスもジェノヴァの出身…

 当時、海賊行為にも船出している人達は悩みの種の一つなんですが、これらは奪ったら山分け的なのが主流の中、ヴェネツィアは乗組員で分配はしないんですよ、じゃあどーするかというと「その大部分は、艦隊建造費にまわされた」とな…確かに海賊行為は丸儲けなんですけど、これは海に商船が行きかっているからこそ成り立つ稼業な訳で、海賊ばかりになったら成り立たないんですよ…治安って大事、安全に物が行きかうって大事、商売が普通に成り立って世の安定がある訳ですよ、姐さん(誰?)

 こーして見ると伊はその地方地方によって国民性が全然違うのが分かって凄い…これで今、まとまって一つの国になりましたって成り立っていくもんだろか?と他国人からしても思う位、思想というか、思考が違う…

 とにかく10万人位しかいなかった人口で、ずっと存続していく、しかも他国と渡り合っての世界ですからね…同国人で協力したり、護送船団方式で航海したり、ヴェネツィアの生き残り戦術は小さな国は皆参考になるのではないか?と…

 何より凄いのはその諜報網だよなぁ…回りは皆敵と言っても差し支えない訳で、いつ裏切られてもおかしくないとなれば、情報が国を救うという事を熟知していた人達、徹底して整備、活用するんですよ…「ヴェネツィア共和国は、重要国家に常駐の大使を置いた最初の国でもあった」そで、ちゃんと大使及び大使館がお仕事していたんですねぇ…どこかの国の外務省と比べちゃ駄目だ(笑)

 挙国一致政策での世界ですが、それでもその時代その時代に活躍した人物も出てくる訳でして、80歳過ぎでしかも盲目なのに戦闘の先陣に立つ元首とか…ある意味ヴェネツィア貴族程ノブリス・オブリージェを実行した人達はいないと思われの世界か?マキャヴェッリによるとヴェネツィアの貴族の唯一の特権は政治に参加できる事だそですから…でまぁ建前はともかく国とかトップには正義を、民にはパンをですから…そして資源な無い国に失敗は許されないとなれば、意思統一は大切ですってか…

 だから儲けが第一のヴェネツィア人も、国益に反する事はしないんですよ。例えば船の材料である木を売る事はあっても、船は売らないとか…他国に海運力とか、造船力とか、海軍力を上げられたら海洋国家的にどーよという弁えはあった訳で…これまたどこぞの国とは違うんですよ、おぞーさん(誰?)

 さて、男の国ヴェネツィアも勿論女性陣はいた訳で、何せ青年期から壮年期にかけて殆ど商売で国をあけているのが普通の殿方達ですから、残された女性はどーなるか?と言うと、そんな貴女に朗報が(笑)ヴェネツィアには「奉仕する騎士」という制度があったとな…詳細は本書をドゾですが、これもヴェネツィア的合理主義、現実主義の帰結なのか(笑)

 いやまぁ歴史的には第四次十字軍とか、ジェノヴァとの戦いとか見どころ満載なんですが、こちらの詳細は本書をドゾ。すぺくたるでござります(笑)国の歴史はどこの国もパネェよなぁ…ちなみにそんな歴史研究に熱心なのがかの英なんですけど、やはりそこは英国人、英国人的バイアスが入ってしまうのもこれまたいずこも同じソレですか?はともかく、その英に対するアイルランドのジョークがこれまた痛烈…「「なぜ、大英帝国には落日がないのだろう」「神様が、日が沈んだ後のイギリス人のやることを信じないからさ」」とな…

 最後にヴェネツィアと関係なく、アリス的なとこを一つ。作家と編集者の関係性についてなんですが、「原稿料や印税には、客観的な基準などないのです」とは知らなんだ…だからその差異は担当編集者に左右されるとこ多しなんだとか…必要経費なんかも担当編集者によって変わるとな…だから、作家にとっていい編集者に出会えるか、いい編集者と仕事ができるかは創作作業において多大な影響を与える事になる模様…アリスと片桐さんって(笑)准教授といい、結構アリスって出会い運はいい方なのか(笑)

 目次参照  目次 文系

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