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2014年9月29日 (月)

共存、共生、共栄…

カビ・キノコが語る地球の歴史  小川真  築地書館

 サブタイトルは、菌類・植物と生態系の進化なんですが、済みません、甘く見てました…いや、何か秋になるし、キノコの美味しい季節だなぁとゆーこれまた軽い気持ちで本書を開いたら、キノコそんなに軽いもんじゃなかったんですよ、奥さん(誰?)まずこれ壮大な地球史だし、しかもこの手のって細胞から動物へのパターンが多しの中で、本書は終始一貫して植物一択(笑)細胞できて、カビできて、キノコできての世界…取りあえず人類史なら100万年位を想定すればいーとするならば、こちらは最初の細胞ができた38億年前はともかく、光合成のできたシアノバクテリアの27億年からのお話となる模様…うん、スケールが違いまんねん(笑)

 そんな何だかえらく大上段なストーリーな訳で、それを植物を中心にして特にカビとキノコを中心にして語るの世界が展開していらっさるんですが、「これは、初めて自分自身の興味、いわば「自由研究」を綴った書き物である。「役に立つ仕事」もそれなりに面白かったが、「自由研究」の楽しさは、たとえ「それでどうした」と言われようと、また格別である」と前書きで言いきっている位、突き進んだ結果かなぁ?いえ、本文は非常に平易で文章としては分かり易い文だと思うんですけど、ただし内容がというより、使われている単語がこれまた専門用語が縦横無尽で(笑)今まであちこち本読んできた中で一番、何書いてあるのか分からなかった本になりそーです(笑)多分、これはパンピー向けというより、中の人というか、半ば中の人向けなんだろなぁと…ここまでこの業界分かっているけど、この後どーなるんだろねぇ?な研究室のお茶会みたいなノリか?

 で、ずぇんずぇん分かんなかったにもかかわらず、最後まで何で読破したかというと、これまた前書きに「本筋だけを読み取っていただきたい」とあるからだったりして、何が凄いか分からないけど、何か凄い事が書いてあるのは分かる、本書は己にとってはそーゆー位置付けです(キパっ)何とゆーか何も分からないけど、著者がこれだけは伝えたい事があるというその情熱というか、意気込みだけは、トーシロにも分かったとゆーべきか(笑)

 アリス的にカビ、キノコ…キノコの方は食い意地の張っているアリスだから、どっちかというと食べ物方にいきそーだが?食べれるキノコ系では、本書に出てくるのは「キノコ狩りをしているうちにハツタケやアミタケばかりに目がいってしまう。北陸地方の人にとってアミタケ(シバタケ)はシモコシと並ぶ大好物だが、ゆがいて大根おろしで食べたり、豚汁に入れたりすると、なかなかのものである」そーですよ、奥さん(誰?)京都的にいくなら松茸か?後は、これまたミステリー的にはカビにしても、キノコにしても毒系のとこですよねぇ(笑)

 まっ毒的なとこではソテツ、あの何の変哲もないソテツの実がホルムアルデヒドを持った毒とは知らなんだ…ちなみに「毒抜きをすると食用となるので、救荒植物とされていた」とはこれまた知らなんだ…毒抜きしてでも食べる、これフグ以来の日本のジャスティスだよなぁ(笑)

 も一つ毒的なとこで「動物の糞を分解するキノコの中には、なぜか有毒のものが多い」とな…これまたそーだったのかぁ?「ヒトヨダケ科、ヒトゲタタケ属のワライタケは、牧場や畑に落ちた馬糞や牛糞から発生し、シロシビンやシロシンなどの中枢神経に作用する有毒成分を含んだキノコである」って…「ヒカゲタケも牛馬の糞から発生し、食べるとワライタケ同様の中毒症状を引き起こす」とな…「センポンサイギョウガサも馬糞から生えるが、毒性はワライタケよりも強い」って…何にせよ「ヒカゲタケ属のキノコは食べると幻覚症状を起こすので、一時マジックマッシュルームとしてヒッピーの間で流行したことがある」そな…そーいや一昔前マジックマッシュルーム云々のニュースがあったよーな?ちなみに「今は「麻薬原科植物」として取り締まりの対象になっている」とは…アリス的にいくとこの辺りは天空の眼と被るのか?他にも色々毒キノコ出てきますので詳細は本書をドゾ(笑)

 さて、壮大なドラマの方に目を向けると「菌類の祖先が、いつ、どのようにして現れたのか、化石の証拠がないので、どんなに立派な説も空想の域を出ない」とな…結局、学説って、そーかもしれんねぇ?の積み重ねってか(笑)で、本書的に古い菌としては「先カンブリア時代の卵菌類」(南豪)が出てきたりするんですが、「一〇億年前ごろ藻類とほぼ同時に生存していたと思われる」って事で、菌の歴史もこれまた古い…

 ちなみに「水がきれいな先カンブリア時代の浅い海は温かで、シアノバクテリアの繁殖に適していた」そーな…「まだ、塩分濃度もさほど高くなく、遅れて現れたクロロフィルを持った糸状の真核生物である」とな…成程、先カンブリア時代に海水浴に行きたかったとふと思ったり(笑)でまぁ、これら藻類のおかげて二酸化炭素固定、大気の酸素増量となって、動物、菌類、バクテリアが進化するぜの世界がキタコレになるのか?

 結局、ここからの地球史は食うか食われるかの食物連鎖の話になっていっているよーな?まず環境に対応している事と何を餌にするかの世界が億の時間をかけて今まで続いてきたという事ですかねぇ?まさに君は生き延びる事ができるのか(笑)で、この展開についての詳細は本書をドゾ。というか、分かる人にドゾかなぁ(笑)

 まぁ「ほかの生物がどんどん上陸していく中で、菌類だけが眠っていたとは考えられない。化石はないが、菌類の祖先は、上陸した植物に対する攻撃力を強め、酵素を作って表皮細胞を溶かし、糸状になって植物の細胞にもぐりこもうとしたことだろう」とな…海から陸へ、ゲルマン民族じゃなくても大移動はする訳で(笑)

 閑話休題じゃないけど豆的なとこで「大気中にあった炭素が植物だけでなく、微生物や動物の体に蓄積され、それが地中に埋蔵されたのが化石燃料である。石炭は明らかに陸上植物の遺体からできており、石油は海洋性の藻類や微生物、動物などの遺体から生成され、腐泥岩の中に含まれている。天然ガスは石炭や石油が生成するときに出る副産物である」とな…成程、まさに化石燃料なんだなぁ(笑)

 さて、陸に来たぞぉー的に文脈から「海水の中で進化した藻類の体は多糖類からできているが、水の中ではさほど強度を必要としないため、リグニンで補強する必要がなかった」とな…だがしかし陸に来たぞぉーとなれば「微生物や動物の加害を避けて立ち上がるために、セルロースやヘミセルロースで丈夫な骨組みを作り、フェノール化合物のリダニンで体を固めるようになった。この三つの高分子化合物が、今でも木材の基材になっている」とな…ってそーだったのかぁーっ?

 で、そんな木材(植物)に張り付いて腐らせる菌類もキタコレになる訳で、菌類って木材を腐らせる、分解できるものだったのか?この辺りの詳細も本書をドゾ、時はデボン記とか、ペルム紀、三畳紀からの話だったりして(笑)

 再び、豆知識的なとこで「三畳紀からジュラ紀にかけて、生産者側を見ると、比較的温暖な気候が続いたため、柔らかい葉をつけた針葉樹や古くから生き残っていたシダ植物が繁茂し、その結果草食恐竜の餌が増えることになった。あの巨大なアパトサウルスの群れを養うだけの植物があったのだから、ところによってはシダ植物や裸子植物の草原や森林が広がっていたことだろう」とな…当たり前だけど草食動物が生きるにはその餌となる植物が大量にあるという事じゃね?で、そーなると恐竜がいた時代って森林いぱーいの世界だったのだろぉか?恐竜は緑の地球にいたんですねぇ…

 で、これまた知らなかったのですが「北半球に針葉樹が多く、南半球にはアロウカリア以外の針葉樹がないのだろう」って、これまたそーだったのか(笑)「現生のマツ属の種数は北米に多く、ユーラシア大陸に少ない。したがって、種数の多い地域が起源の地だとすると、マツ属は北米で生まれたことになる」そな…その他「カラマツやトガサワラ、モミ、ツガ類なども二つの大陸にまたがって分布しているので、それぞれの属の祖先は北米大陸で分化していたと思われる」とな…「レバノンスギやヒマラヤスギのヒマラヤスギ属は、北米に見られず、ユーラシア大陸の地中海沿岸とヒマラヤ近辺に限って分布しているので、これはユーラシア大陸生まれかもしれない」とな(笑)ユーラシアは杉の大陸、北米は松の大陸だったのか?

 ちなみにそんな「マツ科植物の祖先とキノコの共生が始まったのは、球果の化石から見てマツ属が出てきた白亜紀の始めごろだったと思われる」そな…よーやくキノコ出てきたよ(笑)「なぜ、マツ科植物だけがA菌根菌を避けるようになったのか、その理由はわからないが、とにかくマツ属の祖先はキノコを共生の相手に選んだのである。ひょっとしたら、マツ属の祖先は、グロムスだけでは給水が間に合わないほど乾いた土地か、乾燥の厳しい時代に生まれたのかもしれない」そな…いや何とゆーか、マツにキノコというと松茸位しか浮かばない己としては、何ソレおいしいの?の世界ではありますが、松的必然があったと思われかなぁ?

 ちなみに「マツタケはモロッコでも見つかり、一時日本へ輸出されていた」とは知らなんだ…タコだけじゃなかったんですね、モロッコ(笑)その他、トルコからも輸入されているとか、ブータンにも松茸あるとか…結構、世界に松茸の輪はあるのか?

 環境的なとこでは、ナラ枯れのところで菌根がない、菌根性キノコも少ないとか、「落ち葉を除いて炭の粉をまくと、コナラ・クヌギの根や菌根が回復し、木が元気になり出した」とか…「大気汚染に由来する土壌汚染が誘因しているとしか考えられない」そーな…「実証は難しいが、ここ数十年の間に年を追って雪や雨に運ばれて越境してくる大気汚染物質が増え、土壌汚染が進行し、それが誘因になっているのは確かだろう」って…いや、これ現在進行形の話か?

 さて、植物生き残り戦略の一つが大きくなるか、小さくなるかで、この大の方をとったのが巨木化、有名どこでは北米の「スギ科のセコイアデンドロン・ギガンテア(ジャイアントセコイア)」じゃまいか?ですかねぇ?後、屋久島の縄文杉とか?どちらにせよ「いずれも起源の古い球果植物の針葉樹で、A菌根植物である」そな、これまたそーだったのか?

 でもって「白亜紀の始めごろから増え出したマツ科や被子植物の中でも、木本性になってキノコと外生菌根を作ったものは、例外なく大木になる性質を獲得した」とな…本書の例としてフタバカキが出ています…

 で「巨大化した生き物は寿命が長く、個体としては長期間安定して同じ子孫を残すことができる」「環境条件が長期間安定していたからこそ、巨大化が可能になったのである」とな…とゆー事は「体が大きければ大きいほど、環境の変化には適応しにくく、気候の急激な変動や病害虫の大発生によって、絶滅の危機に陥りやすい」ともなると…

 では小の戦略を取った方はどーかというと「生物は個体としては短命で、ウイルスや細菌のように遺伝子も変異しやすい」「高い遺伝的不安定さが高い適応能力のもとになり、変異を繰り返しながら環境の変動にも耐えて、生命の基本となる遺伝子を長い間保つことも可能にしたのである」とな…まぁ単に生き残るという事だけを前提におけば「どう見ても単純なものほど打たれ強く、遺伝因子を残すには都合がよいように見える。ただし、生物としての発展は抑えられている」になっちゃうけど(笑)

 で著者は続けるんですよ「現生の生物類の多くは、気候の温暖な安定期に巨大化する段階を経て、次第に矮小化の方向へと進んでいるのではないだろうか。見方によっては、短命で分解されやすい方向、すなわち「死に急ぎの進化」を遂げようとしているように見える」って…こーりゃたまげたびっくらこいたぁーってか(笑)

 まぁ何にせよ、生き残り戦略的に、菌類と植物のそれでいけば「共生関係が強ければ強いほど、相手の死滅によって共倒れになる危険性が高いのである」になっちゃうのかなぁ…WinWinはお互いがあってこその世界だし(笑)

 真菌が植物と親和性が高いのは温度のせーなんでしょーか?で「体温の高い哺乳類や鳥類は高温に弱い菌類には侵されにくい。それに反して低体温の昆虫や爬虫類、魚類などは菌類に侵されやすく、真菌症にかかる率が高いそうである」って、そーだったのか?で、それから展開して「低体温だったと思われる恐竜は菌類の襲撃に耐えられず、真菌症か胞子アレルギーで死んだというのである」という理屈も成り立つのか?それが絶滅への道だとするとワロエナイなんですけど…

 それにして学者先生のフィールドワークというか仕事の流れって、傍から見たら微笑ましいというかキノコを見たら掘っているのはともかく「キノコの石突きの下を掘って、菌糸や菌糸束が見えたら、その土の塊や落ち葉を取り出す。静かに水洗いして泥を除き、菌糸が何につながっているから確かめてから、超音波洗浄機で洗う。菌糸束や菌根のサンプルが採れたら、その日のうちに実体顕微鏡と光学顕微鏡で観察し、写真に撮って記録する」って…何事も仕事はデータ集めからコツコツと(笑)

 古き良き(?)時代の思い出なのかでは「ずいぶん以前のことだが、年度末になって科学技術庁から共生微生物の生産物資について情報収集してほしいという依頼が舞いこんだ。予算が余ったらしい」なんてエピは、今でもあるんでしょーか?まぁ何とか村では資金が潤沢にあるみたいだからアレだけど(笑)

 他のたくさんたくさん本当にたくさんエピ満載ですので、詳細は本書をドゾ。きっと分かる人にはこれほど分かる本もないのではなかろーか?最後にまとめ的なとこで「最近、生物多様性や絶滅危惧種が問題になっているが、今消えているのは希少生物だけではない。目の前の、ごくありふれたものが大量に消え始めたのである」というのは、まさにリアルの警鐘かなぁ…

 でもって「人類も含めて、地球上の生物はこれからどこへ行くのだろう。生物の歴史を見ると、生き残ったものよりも、絶滅したもののほうがよほど多い」とな…そして「これからも矮小化するもののほうが、巨大化するものよりも、より長く遺伝子を残すことができるだろう」って…

 ただカビとキノコを見よーのはずだったのに、発生絶滅の世界に突入していたとは…生物学パネェ…超パネェ(笑)松茸は土瓶蒸しがいいなんてほざいている場合じゃなんですねぇ(笑)

 目次参照  目次 生物

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