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2014年10月 3日 (金)

イン・エクストレミス?

ローマ人の物語 25 賢帝の世紀 中  塩野七生  新潮社

 さて、前巻でパルティア戦役の途中でトライアヌスがお亡くなりになって、その後を継いだのがトライアヌスが代父を務めていたハドリアヌスになる訳でして…時は紀元117年8月9日41歳の事でございましたとな(笑)トライアヌスの治世はタキトゥスがいみじく残したよーにまれにまる幸福時代だった訳で、それを受け継ぐ事になったハドリアヌスはある意味ハードル上がっているがなの世界かなぁ?

 ちなみに、トライアヌスが代父という事で、ハドリアヌスも出身は西、イタリカ生まれ…トライアヌスとハドリアヌスの父は「従兄弟の関係にあった」そで、そのハドリアヌスの父がハドリアヌス10歳の時にお亡くなりになり、息子の後見人にトライアヌスとアティアヌスを指名したとな…で、ここにトライアヌスとハドリアヌスの代父と息子の関係が成立するとなるそーな…「戦争やその他の諸々の事情で父親を早く失うことの多かったローマ社会では、後見人なり代父なりを頼むのはごく普通の制度で、ゆえに頼まれた側もその責任を果すことに努めるも普通だった」とな…まぁ従兄弟という血縁関係とか、同郷的なのもあると思うけど、同じ身分階層的に横のネットワークがしっかり根付いていたのか?ローマ社会ですかねぇ?

 まぁそんな訳で二人の代父によってその時々の進路を後見を、そしてローマの元老院階級の息子として、また属州出身者として、そして何よりもローマの男として育てられたというか、育ったのがハドリアヌスという事になる模様…皇帝以前の半生についての詳細は本書をドゾ。ちなみにハドリアヌスの妻はトライアヌスの姉の娘の娘…トライアヌスに子供がいなかった事からハドリアヌスはトライアヌスの親戚の中の男の子、ある意味後継者の一人としても、あると思いますな立場になったと(笑)更に付け加えるとその妻サビーナとは始終うまくいかなかった」とな…

 かくて、トライアヌスの臨終の時に皇帝の後継者としてハドリアヌスが指名された、それを受けてのハドリアヌスの皇帝就任となるのは周囲にもなるほろな下地があった訳でして…ただ、この臨終の席での指名は当時から物議をかもしだしていたらすぃ?本当に死に際に言ったのか?この辺りの疑惑についての詳細は本書をドゾ。現代でもその問題の研究論文が後をたたないというそーなので、まぁ突っ込みどころ満載なのは確かな事か?

 でもまぁ当時のローマ人はリアリストですからねぇ…まっいいかと流したよーで(笑)年齢もキャリアも申し分ないし、頭脳明晰で、軍からの人望も得ていた事…元老院的に反対する余地なしだったのもこれまた確か(笑)ローマ帝国の皇帝職が空位のままでは困るのも確かなので、物事は迅速に進んでいくんですよ、奥さん(誰?)

 アリス的にローマ、ハドリアヌス…うーんこの巻を拝読する分には、ハドリアヌスは歴代のローマ皇帝の中では一番ティベリウスに近い性格かなぁ?頭もいいし、軍事能力もあるし能力的には何の問題もないけど、ただ分かり易い人の良さはないみたいな(笑)何せ「一言で評せよといわれれば、徹底した自己中心主義者、と答えるしかない男であったのだ」とゆーお人だし(笑)

 さて、就任直後にローマ帝国には四つの問題が待ったなしであって、その一「ユダヤ問題」「二年前の紀元一一五年に勃発したユダヤ教徒の反乱は、まだ完全に鎮圧に成功していなかった」とな…その二が「ブリタニア」での「原住民の反乱」現代でいうイングランドとスコットランドの境界付近らすぃ…その三は北アフリカの「マウリタニア属州で起こった反乱」…そしてその四は「ドナウ北岸のサルマティア族がまたもローマ領を脅かしていること」…まぁ帝国大きいですから問題がない方が珍しいとはいえ、その前にパルティア戦役の撤退もある訳で…とにかく、ローマの名を傷つけずに撤退するにはどーするかがメインじゃね?と(笑)この辺り大国の面子が見えるじゃまいか?ですかねぇ(笑)覇権国家って大変…

 こちらの詳細も本書をドゾ。とにかく、皇帝になったはいいがハドリアヌスは現地でござるで戦後処理に邁進している訳だったりして(笑)で、向かう刃を返してサルマティア族も返り討ちにしたりしてるんですよ、おぞーさん(誰?)この周辺民、国であろーと、族であろーと、「可能な場合は外交によって、不可能な場合は軍事によっての解決が永遠につづくことも覚悟しなければならなかった」とな、それがローマ帝国の宿命というヤツか(笑)でその後に続く著者の言葉は凄い「ローマ人がこれらの人人を蛮族と断じたのは、ローマ人との間の生活水準の格差によるものだけではない。誓約を守るという習慣をもたない彼らへの、法の民ローマ人の蔑視のあらわれでもあった」ってのは、何かどこかを思い出させる気がするのは気のせいか(笑)法学的には国際条約って結構高い地位にあるはずなんですが、まぁ未だにそんなの関係ねぇー(死語?)なお国もいらっさいますからねぇ…そゆとこは蛮族のくくりでゴホンゴホン…

 まぁとにかく帝国東側の問題をクリアしてハドリアヌスがローマに帰還したのが紀元118年の7月、一年近くを外地で働いていた皇帝に帝都はというと「首都の空気は冷たかった」とな…で、それが何故かと言えば、「先帝の重臣四人による、反ハドリアヌスの陰謀の動き」が発覚し、それを粛清という名の暗殺しちゃったからなんですね(笑)ちなみに、この動きを知らせたのはアティアヌス、ええ、ハドリアヌスのもう一人の代父ですよ、姐さん(誰?)で、今は近衛軍団長官でいらっさったと…皇帝と近衛長官を代父に持つだけでもハドリアヌスのサラブレッド振りはわかろーというもの(笑)しかも、多分ハドリアヌスの指示で、もしくは二人の共謀で、その四人は消されちゃったのだから元老院は騒然となるよねぇ…逮捕も裁判もなく「白昼堂々と、近衛軍団の兵士たちによる、問答無用という感じの殺害だった」訳で…

 この詳細も本書をドゾですが、ローマ入りする前に発生したこの事件は、ハドリアヌスは知らなかったになって、アティアヌス一人の独断専行という形に持って行って処分したとゆー…何かどこぞの秘書が勝手にやりましたのノリに近い気がするのは気のせいか?で(笑)とゆー訳で高度に政治的な裏舞台はともかく、帝都に入る前のハドリアヌスの人気は地に落ちていたとなる訳で…その失地回復に彼は何をしたか、元老院には今後は正式な裁判で裁くよと、市民にはボーナスと拳闘試合他のサーカスを、その他伊国内や属州を含めての黄金の冠に対する軽減(実質減税と地位向上を意味した)で、目玉としては「税の滞納分の全額帳消し」日本でいう徳政令を出したという事か?と同時に「正直者がバカを見ない社会の建設こそが善政の根本であるのを知っていたハドリアヌスは、公正な税制の実施も忘れなかった」とな…ちゃんとあるところから取る、これが正しい税金のあり方だよなぁ(笑)何でもかんでもパンピーにおしつけるどこぞの政府とは違って(笑)

 しかも社会福祉にもハドリアヌスは取り組んでいったと…養育資金や、中小への低金利貸付金や、元老院階級でも貧窮しているとこの援助とか、母子家庭の援助など施政者としてはまっとーな措置と制度をバンバン邁進していった模様…後世の研究者はハドリアヌスの事を「機能と効率の信奉者」という評価を下したそーだが、市内においての彼の行動も「皇帝」ではなくて「市民の第一人者」としての立場を貫いてアピールと皇帝職真面目にやってますよと詳細はこれまた本書をドゾですが、病院へ病人の慰問なんかもしているんですよ(笑)他には公衆浴場に入りに行ったり(笑)市民とのふれあいこれ大切(笑)

 さて首都での地盤を安定させると次に彼が着手したのが、ハドリアヌスというと一番に有名なのが彼の帝国内巡行じゃまいか?で、ローマ皇帝の責務は基本三つ、一は安全保障、二が属州統治、三がインフラ整備だそで、ローマは首都だけじゃないとなれば帝国全土を現地視察必要じゃね?何せ事件は現場で起きているんだぁーっですから(笑)とはいえ歴代の皇帝が現地に出向くのは必要に迫られたとこに行く位で帝国内全域を行っきまーすとはいかなかったと…それをこのハドリアヌスは実行しちゃうもんねとな(笑)

 帝国各地に視察として赴いて、しかも現地の問題解決、整理整頓、組織再編、構造改革実行するぜとやっちゃうとこが実にハドリアヌスじゃまいか…「機能と効率の信奉者」の名は伊達じゃないぜと(笑)ついでに当時の人にも「疲れを知らない働き者」と言われたそーで、その勢いで行くぜと、これまた詳細は本書をドゾですが、北は北海道から南は沖縄までなんて距離じゃなくて、西はブリテン(英)から東はオリエント(中東)、北は高地ゲルマニア(独・蘭)で南はサハラ以北一帯という地中海全域というか、西ヨーロッパ含むの世界でこれを踏破するだけでも並大抵の体力じゃない気がするのは気のせい?どこぞの議員さんの遊行じゃなくて仕事なんですよ、マジで(笑)ローマ人はリアリストですから「成果があがればそれで良し」な人達だから前例なき旅も許されたという話らしーけど、成果があがればの世界ですからねぇ、ここポイント(笑)本当に必要なんですよと目にもの見せるハドリアヌスぱねぇ…

 で、この帝国全土視察旅行についての詳細は本書をドゾ。現場に行けば「兵士用のテントに眠り、兵士と同じ食事をとる生活を続けた」とゆーからこれまた徹底しているんですよ、奥さん(誰?)そして何がメインてやはり一、安全保障でして「防衛システムの再構築」を行うとな…具体的に何をしたかについての詳細もこれまた本書をドゾですけど、一例としてはあの英のスコットランドとの間にあるあの石の壁…ハドリアンズ・ウォールという名からもお察し下さいと(笑)とにかく「ローマは覇権国家であった。覇権者には、覇権下にある人々を守る責務がある」というのを自覚して、忠実に果たしているとこがローマを帝国として成り立たせていたとこじゃまいか?ですかねぇ…いやー今時の覇権国家なんかと気概とプライドがずぇんずぇん違うと思うのはゴホンゴホン…

 その他、火種というか各地問題勃発についての詳細も本書をドゾ。パルティアもエジプトも西サハラもいやまーいつものどっかんどっかんかと(笑)特筆すべきはギリシャとユダヤかなぁと…ギリシャについては過去の栄光の世界が、でしょか…「アテネの衰退は、ほんとうはアテネ人に原因がある。ギリシア民族は、優秀であるがゆえに海外に飛躍の舞台を求めるのが容易であったので、現代風に言えばギリシアからの頭脳の流出による空洞化が、ギリシアの衰退の主因になっていたのだった」で、今で言うなら過疎っていたという事になるのだろぉか?まぁこれが一番徹底しているのがユダヤかなぁ?常に一番豊かなとこに行くと、それが一番儲かりまっかぁだよなと…

 他にというとハドリアヌスで忘れてはいけないのがローマ法大全の作成でしょか?法学的にこれは避けては通れない道じゃまいか、アリスってか(笑)今まで何度も出てきたけど、ローマとは法を尊ぶお国柄ですから、ここを整理整頓しないとやってらんねぇーという事にもつながると、いや本当にハドリアヌスは何から何まで合理化、効率化の人だったんだなぁ(笑)かくて「ローマ法の研究に一生を捧げる研究者だけでも少なくないのが、現代に至ってもなお法律の世界であるのだから」だそで、2000年経っても大丈夫ってか(笑)

 その他、ハドリアヌスの私生活、美少年(美青年)アンティノーとかね…もあるんですが、これまたその顛末についての詳細は本書をドゾ。まっギリシャ的だったという事か?と、でもって皇后のサビーナとはアレだったのは前にも書いたんですが、じゃあ女性との軋轢ばかりなりという訳でもないよーで、皇帝以前のハドリアヌス推しをしてくれたのは当時トライアヌスの皇后だったプロティナだったそーで…どゆ事かというと年上の女性には人気があったよーなんですよねぇ(笑)ちなみにサビーナは12歳年下だったと…

 で、本書による「十歳は年上の女が"弱くなる"年下の男の条件とは何か」なんですけど、これが「第一に美しいことである。ただし、容姿が美しいというよりは、美しい!と思わせる「美」のほうだ」そで、「第二は、若々しさ。これも年齢が若ければよいというものではなく、新鮮さがたちのぼってくるたぐいの若さを指す」そな…「第三は、頭脳が明晰であること。こうなると知識よりも知力が重要視されるのは当然だ」となり、「第四の条件は、感受性が豊かであることだ。ともすれば感受性を欠きがちな夫や同年代の男たちを見慣れているからこそ、想いが激しくゆれ動き、それを自己制御しようと懸命に努める男が好きなのだ」ってこれ私情が入っていないか?著者(笑)で、最後に「野心家であること」ただし、出世とか金とかの小さい野心じゃなくて「いだく本人がその実現には誰よりも不安を感じている、大きな野望でなければならない」そな…で「ハドリアヌスは、このすべてをもっていた」と…

 そんな訳で、ハドリアヌスはプロティナばかりでなく、トライアヌスの姉のマルチァーナや、姪のマティディアといった「年上の女たちとの関係はすこぶる良好」であったよーで、ある意味マダムキラーだったのだろぉか?と(笑)やる気に満ちたキラキラの瞳というか、何をしでかすのか分からないミステリアスなところというのは確かに新鮮に映るだろぉなぁと…しかも見場がよくて才能もあるんだから、これからの一押しって感じになるかも(笑)

 ただし夫、配偶者としてはどーか?というと、結婚は「物心ともの安定性」に振り子は傾く訳で、「身近にいる人々に安定性を与えることくらい、ハドリアヌスにとって不得手なことはなかった」となれば、妻との関係が上手くいかないのも分かろーというものか…

 まぁ有能ではあるんですよねぇ、何せ若き日のハドリアヌスが属州の最前線基地に送られた時も「最前線勤務の兵士たちだけに、無能な指揮官は自分たちの死に直結することを知っていたからである。若きハドリアヌスは、合格であったらしい」と、若い頃から現場でも一目おかれる能力であった訳で…

 知力体力ぬきんでた皇帝は今日も邁進して行くぜなハドリアヌスの明日はどっちだ?という事で、後半生は次巻に続くってか(笑)

 目次参照  目次 文系

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