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2014年11月24日 (月)

日の下に新たなるものなし…

風の帰る場所  宮崎駿  ロッキング・オン

 サブタイトルは、ナウシカから千尋までの軌跡なんですが、所謂一つのロング・インタビュー集でしょーか?1990年11月から2001年11月までの10年の間に五回のインタビューを行い、そのつど雑誌掲載されてきたものを一つにまとめたものというのが、本書とな(笑)雑誌にはページ数がかっちり決まっているので、インタビューの内容を泣く泣くカットしたけど、本にしてしまえば全文のっけられるぜという事らすぃ(笑)

 監督的にはどゆ時期かというと、魔女宅の公開が成功してしばらくたった頃から、千と千尋の公開の後までという流れ…世間はバブルが崩壊した後だけど、ジブリ的には映画興行的に、ほぼ初めて成功した魔女宅からの上昇気流の中のお話という事になるんだろーか?そして、監督のトーンは?うーむむむむ(笑)

 それでもって、本書ただのインタビュー集かと言えば、このインタビュアーが何とあの渋谷陽一(笑)何となく、本書の発行元を見るだけでも予測がつかなきゃですけど、それだけにもー普通のインタビューのよーな予定調和な内容ではなくて、「今、そのインタヴューを読み直すと、なんでこんなに喧嘩腰なのか、自分でも呆れるが、それだけ僕も若かったし気負っていたのである。そして、宮崎さんは、その気負いを受け流すのではなく、正面から受けとめ、しっかり答えてくださっている。結局、このスタイルはそのまま十二年間続いていくことになる。もし、僕のインタヴューになにか存在意義があるとするなら、このスタイルなのかもしれない」(@渋谷)と前書きで書かれているよーに、何となく、自分の中にあるインタビューとか対談とかを想定すると、かなり肩すかしをくうというか、異色に感じられるんじゃまいか?と推察致します…

 何とゆーか、どちらも男の子だなぁという感じ(笑)古き良き昭和の青年がそのまま残っているのか?それとも時空を超えた会話なのか?とにかく、二人が見ている光景は、昭和から平成の甘い日本人像ではないよーな?もしくはバブルで浮かれてる、バブル後のひたすらのたうちまわって低迷している日本のそれでもないよーな…周囲に関係なく、私は私なのよ、が自然体というか(笑)大変、微笑ましい本であり、大変怖ろしい本でもあるよーな気配が(笑)

 たかがアニメーション、されどアニメーションなんだなぁと実感する一冊かなぁ…

 アリス的に宮崎駿…今となってはジブリを知らない日本人なんて、どこにいるんだぁーっ?の世界じゃね?ですからねぇ?ある意味、日本の夏、ジブリの夏というか、長期休暇が絡んでいる時はジブリの新作が出ている可能性が高くね?だし、TV的にはあると思いますだろし(笑)でもって、日本のあちこちでバルスと叫ぶとか(笑)ツイッターの最高ツイート数更新しますたの世界で、これも日本の風物詩、ジブリ祭がやってきたでしょか(笑)たいていの日本人なら、同じアホなら踊りにゃ損々♪じゃまいか?まさに今でしょっ(死語?)を毎回繰り返しているよーな(笑)

 さて、そんな宮崎監督の作品論から何から凄い濃い内容なので、詳細は本書をドゾとしか言えねぇーっ(笑)どこをとっても宮崎節が凄い…一言で言うとひねくれていてピュアであると(笑)でもまぁ監督の根底にあるのは「やっぱり人に喜んでもらうのが好きなんですね。たぶん、それをものすごく気にして生きているんじゃないかと思います」(@宮崎)というのが、宮崎作品の全てじゃまいか?じゃね?サブカルでエンターテイメント、そして何よりもアニメーションなんだよ、という(笑)どこまでも動画道なんだなぁと(笑)

 世界の暗さというか昏さ、それを作品にするというのもあると思いますだけど、そーゆー前衛的、あるいは古典的な、もしくは純文学的なソレではなくて、あくまでも「子供に向けて作品を作りたいと思ってときから、そういう部分で映画を作るのはやりたくないと思っています」(@宮崎)の姿勢かなぁ?底知れない悪意とか邪悪さとか「これは要するに恥の部分であって、それはもうこっそりかくしてお墓に入りゃいいんですね」(@宮崎)と言い切る監督もパネェ…それにしても日本人について何かというと恥の概念を出してくる外国人の評と違って、日本人自らが恥を口にする覚悟みたいなのは、伝わっているのだろーか?うーん…まぁこれを見据える、逃げない監督も、いや本当に男子ぃーだなぁと(笑)

 ちなみに魔女宅の後のそれでは大人向けの作品を作る事はないと断言していらっさるんですよね…大人を主人公にもしない、みたいな…「自分たちの表現力の底の薄さみたいのは十分わかってますから、アニメーションでそれをやろうとは思わないです」(@宮崎)となるらすぃ…尤も、子供向けかどーかはともかく、この次の作品があの紅の豚で、中年男性が主人公という事になるんですよねぇ(笑)さて、その心境の変化とは如何に(笑)

 取りあえず、「ニヒリスティックになったり、ヤケクソになったり、刹那的になるってことを、今、僕は少しも肯定したくないんですよ。たとえ、それが自分の中にどんなにあってもね」(@宮崎)辛いとか、苦しいとか、お釈迦さまじゃないけど四苦八苦な世の中だもの、ですからねぇ…でもだからって全否定してどーするよ?という実に前向き、まぁ子供に向かって後ろ向きをご提案なさるのも、大人としては如何なものか?ってのもあるしなぁ(笑)まぁたいていの大人はそれを建前の、おざなりのソレであるのに対しし、宮崎作品の一連のソレは俺はやるぜから一歩もひかないとこじゃなかろーか?ある意味、頑固としか言いようがないよーな(笑)男のやせ我慢は貫き通してナンボだぜってか(笑)

 さて、他にも名言満載ですが、詳細は本書をドゾで(笑)でも、まだこの頃はバブル崩壊後とは言えまだ、あの豊かさの残り火があった頃の話なんですよねぇ…ところが、次の紅の豚となると、世界が急変してしまうんですよ、何かと言えば、あのユーゴの紛争キタコレと重なっているんですよ…しかも紅の豚の舞台がアドリア海ですから…アニメ的にはリアルが被って来たぁーっの流れになるのか?乗るしかないこのビックウェーブにの逆、どーしてくれよーというか、おりゃあ、どーしたらいいだの世界が勃発か?空中戦をちゃかせるのも平和あってこそって奴でしょか?当初の予定ではこんな飛行機あったんだよみたいな、男の子のオレの潜水艦の方がスゲェという見せびらかしっこって済むお茶の間スケールが何故か国家間じゃ済まないスケールに…同時代性ってパネェ…

 それにしても監督は骨の髄まで日本人だったんだなぁと…これ以上にないコスモポリタンでありながら、もー根っこはマジ、ガチガチの日本人だと(笑)というのも「もう懲りてんじゃないかって思ってたんですよね、つまり僕らが戦争に懲りているように。でも、やっぱり懲りてないんですね。懲りてるんだけど懲りてない。それについては懲りてるけども、新しい憎悪もちゃんと制裁されるわけだから。我々も同じようなことをすぐやるなっていう感じも含めて、ちょっとうんざりしたですね」(@宮崎)は、懲りたという感覚はもしかして日本人特有の感覚なんじゃね?的な(笑)まぁ考えなくても、WWⅡとかWWⅠとかどころか、ローマの昔以前からもめてまっせのバルカン半島だもんなぁ…ある意味、世界で一番筋金入りかもしれないし…そゆ点ではハンニバルの昔からカンネの戦いじゃないけど包囲殲滅作戦が常道の歴史なんですよねぇ…

 更に「民衆じゃなく、ならず者がやってるんだと思いたいけど」「そういうふうに思いたいけど、どうもそんなに単純なものじゃないないっていうね。民族主義っていうのは、例えば、それで独立してしまうと大した問題じゃなくなるんですよね」「(民族主義は)要するに安直に人を引っ張ることができるっていう手段にしかすぎなくて、この近代っていうのは、実は民族主義っていうものによってどれほどお互いに痛めつけあったかわからないんだけど、まあ、全然学んでないんですね」「いや、学んでいる地域もあると思いますよ。(中略)でも、世界は学んでいないところのほうが多いんですね。僕なんかも民族主義みたいなことが一番嫌だから」「(世界は)ちっとも、賢くならないっていう(笑)」(@宮崎)という監督の絶望感というか、嘆き節しきり…やはり欧米か(死語?)は懲りない文化だという事なんだろなぁ…俺は黙ってないぜみたいな…基本ヒッキーのそーだ、鎖国しよーの国民性の日本人からすると、あのパワフルさが半端ネェなんですが…

 かくてリアルというのは「アトピーに悩み、環境問題に悩み経済に悩みながら生きていくことがどうやら生きていくということらしいと」(@宮崎)だから、俺はこれからそーやって生きていくぞと、監督の宣言というか開き直りですかねぇ(笑)とはいえ「リアリズムは、僕らが一番不得手な部分なんですよ」「(観念的な見方は)この民族は比較的楽に手に入れるんだけど、人間に対する見方を含めて本当のリアリズムを手に入れるのは、そう簡単にはいかないだろうと思うんだけど、そういうリアリズムの方向でやっていこうっていう」(@宮崎)何とゆーか、人間宣言じゃないけど、現実で辻褄合わせていくしかないって奴でしょか?でも「理想のない現実主義っていうのはもううんざりだから」(@宮崎)その一線だけは引かないぞ、と…監督、男だなぁ(笑)

 そして、本質と日本を抱えて(?)次に出来たのが、もののけ姫という…今見ても多分これがアニメーションの最高峰だと思われかなぁ…手抜きとか、妥協とかを極限まで排した作品じゃまいか?で、日本の最高峰というより世界の最高峰で、多分日本がという冠を付けるなら、これが日本の良心だろーなぁと…真面目に突き詰めたらこーなるみたいな(笑)かくて「人間のよい部分をなるべく描こうというふうになってきました。だから今回、僕は嫌な部分も描いたけれど、人間のよい部分も描いたつもりです」(@宮崎)何とゆーか、大人だなぁかなぁ?社会が悪いんだ、人間が悪いんだ、隣人が悪いんだと自分以外の誰かを悪者にするそれってどよ?でしょか?減点主義というか、責任の放棄というかがはびこっている世の中だものってか…「憎しみとか憎悪とかっていうのは、それを掻き立てると、再生産すると、相手側にも同じ憎悪を必ず作り出すんです。それだけは、よくわかったんだと思いますけれどもね」(@宮崎)って、それ分かっている人や国の方が少ないんじゃゴホンゴホン…

 更に次に出たのが千と千尋…技術的には時代はデジタルやんけの世界が展開していらっさる模様ですが「非常にクリアにいろんな細工ができる部分と、それからデジタルっていうかコンピュータっていうものが極めて不安定でまだ過渡的なもので、たぶんずぅーっと過渡的なもんなんじゃないかっていうね、そういう予感みたいなものも十分味あわせてもらいました(笑)」(@宮崎)という事になるそな…結局、この予感はそのままズバリ当たりまっせとなるのだろーか?の創作の原点に還れのポニョに繋がる道なのか?はともかく、今回の作品は「これはもう今までの宮崎さんのものとは全然違う。一番象徴的なのは敵がいないという形で世界がきっちり作られて素晴らしいと思ったんですが、今回は敵がいないどころか、シシ神みたいな強大化もないし、屋台崩しもないと」(@渋谷)とな…

 でまぁ結局これは「本当に作品の動機が、この子たちに観せたいっていうふうに思えたってことと、それでやっぱり終わったときに「ああ、これで観せられる」って思えたことが、今度の映画撮った上では、まあヨレヨレになりましたけど、本当に幸せでした」(@宮崎)に尽きるんじゃまいか?作り手が幸せな作品は、作品そのものも幸せのかほりがするってか(笑)何にしても宮崎作品は、まず人ありき、なんですよねぇ(笑)作り手も人、作品も人、観客も人、人の輪で回っているみたいな?

 映画的な、それに付随した話は他にもいぱーいありますので詳細は本書をドゾ。豆知識的には人間、宮崎駿エピかなぁ?「大体、僕は初めからアニメファンという人たちが好きじゃなかったんです。どっか胡散臭いなと思ってたんです」(@宮崎)って、監督何て正直な(笑)また「誰かの弟子になりたいと思わない人間なんですよね」「自分の次男がね、スイミング・クラブに行けって言ったときにね、「泳げないからヤダ」って言ったんですけどね。とってもそいつの気持ちが分かったんですよ(笑)。だって、僕も自動車教習所に、車の運転がてぎないから行きたくないないと思いましたからね(笑)」(@宮崎)何かこれまた男の子思考というか、他人に頭下げるのがイヤ的なそれに笑っちゃったんですが、にも関わらず他のとこでは「みんな自分よりバカだと思ったらおしまいですよね。自分のほうが才能あるとか、そういうものの見方で見る人間っていうのはいますけど、あるいはなにがなんでも自分のものをやらなければ生きて帰れないとかね、そういう人間のほうが僕が見てる範囲だと伸びないですね。先輩は先輩として受け入れている人間のほうがちゃんと着実にやっていきますよ」(@宮崎)って、先生とか先輩とか先人のいない世界を想定としているかと思えば、その実違うみたいです…生きるってむつかしー(笑)

 も一つ、人間的なとこは「職業によって自分自身の態度を変えるっていうことも絶対しない」(@宮崎)という信念ですかねぇ…でも多分変えた方が出世はするんですよね、組織に入れば(笑)上は常に、イエスマンと腰ぎんちゃくという取り巻きが欲しいだけですから(笑)

 作品達と自分ですけど「僕は思い詰めないように、思い詰めないようにやってきたんですよ」(@宮崎)が含蓄深いかなぁと…一つのものに縛られない自由さはクリエイター的には必要不可欠か…「テレビ局にしても映画会社にしても、どれほど保守的であるかっていうことや、どれほど頑迷であるかっていうことも知ってましたから」(@宮崎)、多分これに広告代理店も入るんだろーなぁ(笑)

 また「今は精神的なことを考えると、度し難いっていうことを基調にして作るほうがずっと楽なんですよね。どんなに人が愚かであるか、救いがないものかっていうことを描くほうが楽なんですよ。この国は駄目だってところに帰ってくることは簡単なんです」(@宮崎)っていうのは、ある意味不幸は絵になるというか、蜜の味なんでしょかねぇ…しかも監督のジョーク容赦ねぇ…「でも、とにかく起きちゃったシシ神はなんとかしなきゃしょうがないですから。その後ずっとシシ神が歩き回っていますって、今、アフガニスタンとニューヨークにいますとか、そういう映画作ったってしょうがないですから」(@宮崎)いやまぁ、これは、はい、ここ笑うとこぉのノリだと思うんですけど、けど…

 監督は「自分がくだらない人間だと思っているから(笑)、善良な人が出てくる映画を作りたいと思うんです」(@宮崎)と断言するし(笑)何とゆーか薄汚れている世界だけど、奇麗なものを拾い集める努力はせねばという事なんでしょか?うーん…それが千と千尋の観客の質問になるのかなぁと「よく、一番最初の場面で、もしも千尋の横にハクが来なかったらあの子はどうなったんだ?っていう質問をする人もいます。多くの人は、一番困っているときに誰も助けに来なかったというね、そういう人生を生きてることが多いんだから(笑)」(@宮崎)という現実も踏まえて、「だけど、そこで千尋には来たわけですよね」「それを受け入れることができる人たちの映画なんですよ」(@宮崎)とな…それはただのフィクションか?もしくはご都合主義か?だけど「実際でもそういうことは起こっているんであって、ただ気がついてないだけじゃないかって、僕なんかは思ってますけど。閉ざしていれば気がつかない」(@宮崎)になるのかなぁ?オープン・マインド、言うは易し行うは難しですが、元祖いい事探しでしょかねぇ(笑)人それを運とも言うってか(笑)

 さて、そんな監督が「今、自分たちに一番必要なのは新しい才能なんですよ」(@宮崎)、これアニメの現場の話ですけど、まっ言い切り、そして「人間だけは作ることができないですからね。場所は作ることできても」(@宮崎)ってコレも現場の話ですけど…結局、地道に手近な環境整備からってことでしょか?人を活かすには、環境、小さくも大きくもコレ大切って事ですよねぇ…まぁ今時、ちゃんと儲けを福利厚生に回している企業がどれだけいるのか?皆まで言うなの世界か…何もかも親の総取りで何が悪いの世界に突っ走っているもんなぁ、しかも良心の呵責なく(笑)セレブでございまぁーすっぅんがぐぐっ(笑)

 他にもいっぱいいっぱいそれこそいっばいエピ満載ですので、興味のある方は本書をドゾ。まぁ、監督はブレブレで時代に翻弄されているよーに見えて、ブレてなーいのお人だったんだなぁと(笑)最後に一つ、本書の中の宮崎語録の中から一つ選ぶとするとこれかなぁ?で「アニミズムっていうのは二十一世紀以降の人間にとっての大事な思想になるんだって言ってますけど(笑)、だけど悔し紛れかどうかわかんないにしても、たぶんどっかでかなり真剣にそういうふうに思ってますよね」(@宮崎)かなぁ?ある意味、21世紀は一神教の終焉になるかも知れずなんて安易には言えないけど、もっと光を、もとい、もっと他のある世界を想定できるか?許容できるか?ハニー、何とかしなくっちゃ?なんだろかと、じっと手を見るってか(笑)

 目次参照  目次 文化・芸術

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