« あるという贅沢(笑) | トップページ | 青い山? »

2014年11月 9日 (日)

気晴らしじゃよ、気晴らし(笑)

キネマ旬報セレクション 高畑勲  キネマ旬報社

 コピーは、「太陽の王子 ホルスの大冒険」から「かぐや姫の物語」まで、なんですが、多分、かぐや姫の物語完成記念ムック本の類と思われでしょか?高畑監督の今までの足跡と、新作について語るみたいな?

 そんな訳で本書の内容はもー、四の五を言わずに目次読めと(笑)で1作品特集「かぐや姫の物語」、高畑勲監督インタビュー。男鹿利雄美術監督インタビュー、西村義明プロデューサーインタビュー、高畑勲「かぐや姫の物語」をつくる。ジブリ第七スタジオ、933日の伝説(文・叶精二)、2高畑勲は語る、対談、×宮崎駿、×冨野由悠季、×押井守、×池澤夏樹、3高畑勲作品を振り返る、「太陽の王子・ホルスの大冒険」、「パンダコパンダ」「パンダコパンダ「雨ふりサーカスの巻」」、「じゃりん子チエ」、「セロ弾きゴーシュ」、「柳川掘割物語」、「火垂るの墓」、「おもひでぽろぽろ」、「平成狸合戦ぽんぽこ」、「ホーホケキョ となりの山田くん」で、巻末に高畑勲フィルモグラフィー&スタッフリストのラインナップ…

 そんな高畑監督にとっての映画とは何か?は「映画を少し客観的にして、見る人の感情移入の方法が「思い入れ型」より「思いやり型」になるようにする。自分(観客)のドキドキ一辺倒でなく他者(登場人物)へのハラハラや笑いを呼び起こす。見る人の判断の余地を残す。作品世界という密室に人を閉じ込めるのではなく、現実と風が吹き通う、そういう映画を作りたい」(@高畑)に帰結しているよな(笑)

 アリス的にアニメ、高畑作品はどーだろぉ?うーん、作家的なら火垂るの墓か?で、大阪的ならじゃりん子チエになるのかなぁ?

 さて、アニメーションの技術的なとこ、手法的なとこで高畑作品はかなり実験的な、野心的な試みを試しているんじゃまいか?で、例えばホーホケキョ隣の山田くんなんかのソレも、何気ない絵に見えるけど、プロからしたら相当なアレな話になる模様…詳細は本書をドゾですが、 今回のかぐや姫も、画的な要素からだけでも凄い事になっているらすぃ…

 ちなみに監督曰く「僕がアニメーションでスケッチ的な手法の素晴らしさに気づかされたのは、フレデリック・バックさんの「木を植えた男」(87)、なんです。あの作品は人物もまわりの空間も、同じ色鉛筆の線やタッチで描いている」(@高畑)だそで、他者からインスパイアされたものを発展させよーじゃまいか?な姿勢は実に日本的かなぁ?米辺りなら、何でも自分のオリジナルです。他の影響はありませんと言い切る人多しな気が?法権利的にのせーかは知らないが(笑)

 これまたちなみに監督は、山田くんの打ち上げパーティで「これが当たろうが当たるまいが、人が一人も来なくたって、アニメーションの表現上は成功したと思います」(@高畑)とぶちかました前歴があるのか(笑)正直者乙ってか(笑)そしてかぐや姫となると「ここに結集してくれたスタッフの才能と力量、その成し遂げた表現、それらは明らかに今日の一つの到達点を示しているからです。それをこそ見て頂きたい。それが私の切なる願いです」(@高畑)だそで、何かとゆーか、日本の最高峰、世界の最高峰、我が道をというよりアニメーション界全体の道を切り開いている感じなんでしょか?ある意味、オリンピック級、ノーベル賞級のトップランナーとか?まぁ監督的にはメダルより己が目で見ろや、の世界だろーけど(笑)

 当たる当たらないでは「いつも初号を見て配給会社や出資者は青くなってきた」「東宝は必ず緊急会議を開くと聞いています。毎度のことなんですけれども、映画館数を縮小しようとかね(笑)」「(ジブリの作品が)当たらない可能性はいくらでもある。それでも、意地で、当たるか当たらないかで企画を決定したくないと考える」(@宮崎)って…監督とは反骨精神のなせる技なんだろか(笑)立ち止まったら未来はないみたいな?

 またアニメーション制作の現場とは「貸し借りで仕事をするのではなく、いい協力関係を保ちながら、一本これぞと思う作品の完成のために力を出し合い折り合う。そういうことこそ、最も素晴らしいことだと僕は思います。宮崎駿や僕らはそうしてきたつもりです」(@高畑)は、多分これがジブリ精神なんだろなぁと…常に次世代の為に仕事してきたつもりなんだろなぁと…ただ、この二人が巨匠すきでこの山を越えるのは、さぞかし(笑)

 他に仕事論的なとこでは「沽券にかかわるなんて言ってるやつはだめですね(笑)「俺は演出家なんだから言うことをきけ」というのは最低です(笑)そういうやつに限って、人の提案が聞けない。自分が全否定されたような気になるようですね」(@高畑)って、どこの職場でもありがちな話だよなぁ?役職つくと途端に態度が変わり、上から目線乙になる人(笑)まさに俺を崇めろタイプ(笑)特に千代田区南端にはゴホンゴホン…

 も一つ演出について「僕は今まで自分についた演出助手に一回やらせようと思って、「これやれ」って言ったら、みんな逃げた(笑)」って…しかも「反対に時々「やらせろ」って言ってくるやつがいるんですけど、そういうやつはかえってダメなんです。自分のことがわかってくると、そう簡単には演出なんてやれないと思っている人間の方が信頼できたりするんですね」(@高畑)は、ホンマでっかぁーっ?と思ったけど、よく考えるまでもなく今年の夏どこかの国の代表が南半球でやらかしてくれたし(笑)、まっ己を知り、敵を知れば、百戦危うからずは真理也って事ですかねぇ…

 美術監督のコメントにもあるんですけど「人を増やせば増やしただけ準備や説明と、あとで直さなきゃいけない大変さも増えますから、少ない人数でちゃんと慣れて、ひとりひとりの力を出してもらって頑張っていくしかないなと思って」(@男鹿)ってのは、何か昔流行ったマーフィの法則を思い出してしまった(笑)物量って大切だけど、物量だけで比例して拡大とは簡単にいかないのが仕事って事でしょか?熟練の技、あると思いますってか(笑)

 それにしても一口にアニメーションと言ってもそのアニメーションが「映画より古いことはよく知られている」(@叶精二)とは、そーだったのかぁ?成程、映画はカメラが出来てからだけど、アニメは、絵があれば出来るという事か?パラパラマンガ的なそれとか?

 知らなかった系では、ジブリっててっきり高畑、宮崎両監督の会社だと思っていたら、「高畑さんはジブリの社員ではないから、まず電話をしてご自宅に会いに行かなきゃいけないんです」(@西村)とは…もしかして社員じゃありません、役員ですの世界か(笑)

 これまたちなみにジブリという会社、企業のあり方もまたパネェで、「一作コケれば、ジブリもコケるんだって」(@宮崎)な気構えの会社って…合戦か?でも「ただ儲かってきたら労働環境をよくするのは当たり前、リスクを背負ってるからって上がった分は吸い上げてしまうというまのは、正しいことじゃないですよね」(@宮崎)という、富の再分配は公平にってか…独り勝ち、親の総取りが当たり前の昨今、そんな事をしている企業、会社、取締役、役員なんて、どこにいるんだぁーっ(笑)社員や、ユーザーより株主と己だけだよね、じゃね(笑)

 でもって、高畑監督と仕事をするという事はどゆ事か?というのも「高畑さんはこの作品を作る意義が本当にあるのかを入念に検討する方なんですけど、何かが具体的に進展するわけではない長い検討の時間は若い担当者が耐え得る時間を越えていて、このままでは映画はできないんじゃないか、自分の人生も終わっちゃうんじゃないか?という一種の怖さを感じて、みんな辞めていっちゃったんです」(@西村)何か居合を思い出してしまったが?そこまでの間合いが勝負です、とか(笑)

 そーかもね的になるのか?「日本のTVアニメの現状のなかでは生きていけませんよね(笑)才能よりもスタミナかもしれませんよ(笑)」(@富野)という話もどっかでつながるのか(笑)一に体力、二に体力、三四がなくて五に体力?

 対談のところはいずこの人も皆それぞれに凄いかなぁ?監督って奴はぁ(笑)ですけど、どの人も一筋縄でいかない感じだろか?それにしても高畑、宮崎の両監督のソレを見ていると二人の関係は長男次男な感じかなぁと勝手に思いますた(笑)兄は慎重派、弟は取りあえずやってみよーのよろずぶちかまし派みたいな(笑)「けんかはしましたけど、けんか別れはしなかった」(@宮崎)とかね(笑)幾つになっても喧嘩ができる関係って、それ凄くね?じゃね(笑)

 知らなかった系では「これまで、TVアニメが映画化される場合、やれ監修者だ監督だというカタチで、実写畑の人間が入り込んでくるのが通例でした」(@富野)って、そーだったのかぁーっ? も一つ、放送コードと人権問題のとこで、結構TV制約があるんだなぁというお話が出てきますので詳細は本書をドゾですけど、「問題を真正面から扱わなくても、意識させるだけでもね。基本的に、我々は有色人種です。唯我独尊の欧米人とは違いますから、そのことを忘れないようにしなきゃいけないと思います」(@高畑)は…

 他にもたくさんたくさんたくさんたくさーんっエピありますよっての世界ですので、興味のある方は本書をドゾ。最後に二つ、現代人についての監督のコメントがパネェかな、と…山田くんのとこで「今、へんにマジメ人が多いでしょう?マジメで理想も持ちながら、周りが見えず、楽しむべきことも取り落とし、前へも進めず、身動きがとれない人がどうしてこんなにも多いのか。何が足りないんだろう。そうも思った時、足りないのは(山田くんのような人)じゃないかな。こんな人がとなりにいてくれたら」(@高畑)とな…純粋培養になるな、太平楽でもいいじゃないってか(笑)

 も一つは、今の若い人について「情報量が多くて混乱してやりにくいんじゃないかと思っていたら違うんですよね。彼らは全部を見て選択するわけにはいかないから、部分的な判断で選択してしまう。そのことについて、苛立ちとかあせりを持たないようにすることに慣れているんですよね。そして自分の信頼している人が「あれはいい」と言うと、非常に素直に反応する」(@高畑)って、そーだったのか?疑う事とか、感性とか、迎合するのが当たり前なんですかねぇ?だから、何かというと空気読めになるのだろーか?イジメがはびこるはずだよなぁ(笑)価値観は一つってか(笑)

 人は世界をどう見るか?いやまぁ凄い、ただ凄いです、ホントに(笑)

 目次参照  目次 文化・芸術

|

« あるという贅沢(笑) | トップページ | 青い山? »

文化・芸術」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 気晴らしじゃよ、気晴らし(笑):

« あるという贅沢(笑) | トップページ | 青い山? »