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2014年12月26日 (金)

銀行と株式会社と鉄道と…

渋沢栄一 Ⅰ 算盤篇  鹿島茂  文芸春秋

 明治は遠くになりにけりですかねぇ(笑)さて、日本人なら名前だけは知っている明治の巨人、渋沢栄一…経済、経営の面からいったら、今日の日本の基礎をつくった人じゃまいか?その渋沢の一生を追うという事で、まず前半生の一巻、算盤篇となる訳ですが、何とゆーか数奇な運命に導かれた人というのが、正しい渋沢像じゃまいか(笑)

 というのも、天保11年に埼玉は深谷市の豪農とはいえ、農家の小倅だった渋沢が、幕末・維新と激動の時代を生きていく訳ですが、本書拝読してびっくりしたのは、まぁ日本の身分制は緩いと言われるけど、農家も大きくなれば武士などより余程経済力があったという事ですか?ついでに言うと、その農家の主が息子に論語を教える位教養があったとこですねぇ…まぁ渋沢家が特別教養高い農家一族だったとしても、それが出来る、出来た土壌があった訳で、しかも更に父親で手が届かくなればその上にと親戚のとこに学びに行かせるとな…武士階級は知の文脈からして幕末、崩壊していたという事か…

 で、時は幕末ですから、ちょっとはしこい者なれば尊皇攘夷運動キタコレになる訳で、ご多分に漏れず渋沢もその一味となるはずだったのに、気が付けば一ツ橋家に仕官して武士もどきになっているし、どーせ幕府が潰れるのは目に見えているからその後の一ツ橋家を維持する為にもとせっせと働いていたら、何故かその泥船のトップに慶喜がつくしで、どーすんだコレ状態…しかも慶喜の弟昭武のパリ万博と留学の勘定奉行というか、下働きというかで渡仏する事になるし、でもって渡欧中に大政奉還で慶喜蟄居だと、こーなりゃ静岡藩を慶喜が暮らせる、皆が食える財政にするぜと頑張っていたら、明治政府に呼び出されて大蔵省の仕事丸ごと押し付けられたよ、の世界が展開…八面六臂の仕事量をこなしていたけど、民間で資本主義、商業、経済、経営を動かしていける人がいないと痛感して何だかんだの後に民間に飛び込んだとな…そして民間事業を立て続けに興していくぜが、前半のお話でしょーか(笑)

 まぁ有能な人材が幕末、いなかったんだな、これが…の世界だった模様…何かを終わらせ、何を始める時、一番必要なのは、人材、これに尽きるのかなぁと…そーゆー意味では今、現代、何が一番足りないって、渋沢栄一が足りないという事になるんじゃね(笑)

 アリス的に渋沢…うーん、渋沢の自宅が神田裏神保町にあったとことか(笑)大久保利通との対立で、東京に居づらくなったとみて井上馨によって大阪造幣局へ飛ばされた件とかが被るんだろーか?いや、こー言っちゃ何だけど、大阪の造幣局って明治の頭にはあったという事は相当に歴史が古いという事か?

 さて、本書ですが実はこの一巻だけでも500頁弱ありで、とても一口で言い表せる内容ではないので、詳細は是非本書をドゾとしかいいよーがないよーな?渋沢個人の半生もまさに疾風怒濤…右に行くぞーと走り出すと左にいて、左を極めようとすると右を突き進んでいるよーな…人生これ錐もみ状態じゃね?並に運命に翻弄されているんですが、本人の意志と関係なく流された先で何故かいつも水を得た魚状態になるのは何故なんだぜ(笑)

 尊皇攘夷のはずが何故か幕府の懐に転がりこんでいるし、慶喜を奉るはずが明治政府の為に奔走する事になるし、下野しても民間を盛り上げるのは勿論だけど官ではなく、公を中心に据えるしで、渋沢のバランス感覚は並じゃなかったのだけは確か…何が一番凄いかといえば、レセフェールではなくて、本書で言うところのサン=シモン主義だったとこでしょねぇ…

 このサン=シモン主義についての詳細は本書をドゾ。19世紀の仏には高貴な思想があったという事ですかねぇ?でもって第二帝政の仏は、多分経済・経営の世界観の中で一番世界的にも、仏的にも輝いていた時期という事になるのか?ナポレオン三世というとパリの大改造的なソレしか浮かんでこないけど、それだけじゃなかったのね(笑)でもって、民間の活力が一番花開いた時とでも言うのでしょーか?

 そしてその一番パリが輝いていた時にそのパリをその目で見る事が出来た渋沢のタイミングの良さもまたアレか(笑)まぁでも随行員は他にもたくさんいたはずだけど、それを見抜き、日本に移植する事が出来たのが真に渋沢一人となれば、これだけでも渋沢の天才性は分かろうというもの…

 結局、どゆ事かというと「損して得取れ」という実に日本的な感覚だが、これを実行できる資本主義大好きプレイヤーはなかなかいないという事でしょか?どゆ事?とゆーと例として上げるなら、どこぞのウォール街とか、ロ○アのマフィアとか、どこぞの○僑とか、ゴホンゴホン…まぁよーするに親の総取り何悪いの人達一般でしょか?日本で言うなら岩崎弥太郎とか(笑)「だいたい、事業をやろうとする人間はですな、自分がうまく会社を経営して、その利益を独占できるからこそ、一生懸命働くんです。そうじゃありませんか?渋沢さんもいつまでも合本制になんかこだわっていないで、いっそ、この私と手を組んで仕事をしませんか?そうすれば、日本の実業界は二人の思いのままに動かせる」とな…これが三菱創業者の本心か(笑)

 ちなみに三菱商会を三菱汽船会社と改めた時の社則がパネェ…「要するに、三菱会社は、便宜上、会社とは名乗ってはいるが、あくまで岩崎弥太郎が独裁的に支配する個人商店であり、儲けも損も、すべて岩崎一人のものといっているのだ」そーですよ、奥さん(誰?)さすが天下の三菱は言う事が違う(笑)

 まぁ経済とは利潤の追求ですから、それを目指すのは宜しと…ただし、モラルを忘れると必ず破滅するよという、著者のまえがきに戻るという事でしょかねぇ?「それが資本主義が与えた最大の教訓なのだからね」とな…でも、目先の利益、特に儲かっている只中にある人がその注意喚起を聞く事なんて、ある訳がないとな…かくて歴史は繰り返すってか?「金儲けは悪いことなんですか?」と開き直っている間は気付かないとな…一人勝ちの経済は長続きしないという話になるのか?最終的には国をも疲弊させていくとか?

 と、この辺りの経済とは何ぞや?一人で経済を動かしているよーでも、世界やその他の人々がいない事には何も回らないという事の自覚とか、職業に貴賤の差別なしとか、澁澤の強民富国への道というか、運動というか、邁進についての詳細は本書をドゾ。何から何まで凄いです(笑)

 さて、幕末・維新という事で渋沢も時の人達と顔を合わせる事になる訳で、その人物描写、判断がこれまた面白い…慶喜は情よりも理の人だったよーで、感情に流される事はないとしても人気は得られなかったタイプらしーとか、維新の三傑に対しても、一番評価が高いのが西郷で、低いのが大久保、意外と評価されているのが木戸だったとな…こーしてみると西郷という人は、本当に器が大きい人だったのだなぁと納得ってか?まさに大物よの世界か?

 木戸孝允って「井上馨や伊藤博文など、本来、木戸の子分であったはずの者たちが、木戸の陰気で優柔不断な性格を嫌い、離反して大久保についた」とは知らなんだ…でも渋沢評では調整能力、時局を待つ態度、適材適所の人事とできたお人に見えるよで、物の見方も人の見方もまたそれぞれってか?

 大久保の評価が低いのは多分、大久保が経済を何も分かっていないという渋沢の判断に基づくだろか?いやまぁ色々あってな、ですけど、部下の意見に耳を傾けるより、権威で下を押さえつける、怒鳴りつけるタイプだったらしー…まっ男の人にはありがちな話よのぉ、越後屋ってか(笑)

 とつらつら上げていくと幾らでも出てくるので、最後に一つ、モンブラン男爵と日本ですかねぇ…どゆ人かというと仏革命でベルギーに亡命した貴族…ちなみに王政復古の仏時代はモンブラン伯爵と名乗りましたな人物…で中身はアヴァンチュリエといえばきこえはいいが、何の事はないただの山師…ただではない山師か(笑)詳細はこれまた本書をドゾですが、ここだけでも日本人ならば必読じゃね?な内容でございますっ!

 とにかく一山あてる事が必定ですから、時の幕府にお近づきになりたいの世界ですけど、「社交界におけるモンブランの良からぬ噂」の持ち主、とにかく行状が良いとはとても言えない方ですので(これまた詳細は本書をドゾ/笑)、幕府側、担当武士側は、だが断るの世界でして…ここで縁が切れれば、そりゃ世の中めでたいが、とかく悪縁って、ねぇ…ストーカーなんて、そんなの関係ねぇー(死語?)ってか?

 で、モンブランが何をしたか?反幕府運動に突き進む訳ですよ、となれば薩摩に近づく訳ですよ、おぞーさん(誰?)これがパリ万博の日本と薩摩(琉球王国)の二つが出展される発端になるとな…この辺りの詳細も本書をドゾ。ただ当時から日本人って外交下手だという事が露呈する結果になり、しかも後に、未だに禍根を残す結果になったのだから、これはもー何だかなぁじゃ済まないんじゃまいか?見逃した幕府側の役人も罪深いが、幾ら反幕の為とはいえ、同調したというか率先した薩摩の罪は万死に値する位酷いと思うのは気のせいか?

 しかもこれだけの悪巧みをしたモンブランの子孫なんかはそれを良きことと美談にしているとこがパネェ…ちなみに著作も出ているそーで、まさに言ったもん勝ちか?人生は(笑)さすが仏人、自画自賛のお国の人だもの(笑)「「ありうる」なら、物的証拠をでっちあげて「そうして」しまえばいい。これがモンブランの戦術だった」とな…日本的には「ささいなことで抗議するのは藪蛇になるかもしれないと、小事を黙認したために、結局、大事で謝りに通じるという、日本の外交によくあるパターンの始まりといっていい」に行き着いたとな…

 勿論、仏メディアもモンブランに買収されてモンブラン側の意見を紙面に載せる始末で日本側の抗議なんて、そんなの関係ねぇ(死語?)訂正なんて、そんなの関係ねぇ(死語?)どこの国もマスゴミは最初からマスゴミなのか(笑)

 かくて日本通の「私利私欲のためならば平気で陣営を乗り換えたり、あこぎな陰謀を平気で企てたりする男色趣味のアヴァンチュリエ」が、まんまと日本をひっかけた訳でござるってか?まさに「強欲と腹黒さ」いぱーいのお人だった模様で…「地位と利権を追求する男」…この後、メルメ・カションの件もあるのですが、モンブランにしてもカションにしても言える事は一つ「首にされたフランス人の恨みはおそろしい」という事ですか?そーですか(笑)

 よーは自分を雇わず、自分にあぶく銭をよこさなかった者(体制)に対しては徹底的に報復するというのが仏人の常識らしー…いえ、本書によると渋沢的大恩人のフリュリ=エラールのよーな財界人もいらっさる訳で仏人が全てこーとではないと、思いたいですが(笑)

 他にもいぱーいエピいっぱいですので、詳細は本書をドゾというか、日本人なら一読しといて損はないか?と…とまぁ仏へ行ったとこだけでも他にもエピ、本命はサン=シモン主義のはずなんだが、そこはそこ…渋沢がいかに吸収したかは後の人生を見れば一目瞭然じゃまいか?で「外国に暮らしたからといって、だれでもが「学ぶ」わけではない。学ぶ能力がある人間だけが学ぶのである」はけだし名言かも(笑)

 追記 渋沢栄一 Ⅱ 論語篇  鹿島茂  文芸春秋

 渋沢、佳境の後半生ってか?元は埼玉の農民の出であった渋沢が、時代の流れからなのか、ひょんな事から数奇な人生をたどって下野し民間資本の拡大、社会資本の充実をと邁進していくぜの巻か?「渋沢栄一がその全生涯を通じて打倒しようと試みたのは、こうした武士の流れを汲む「官」の金銭蔑視と民業軽視、そして、その裏返したる「民」の没理念、没倫理であった」とな…江戸の封建制というよりは、武士の支配という概念が日本全土隅々まで行き渡っていてそこから抜け出せない状態に、明治の時間が進んでいってもそのままだったとゆー事ですか…

 どゆ事というと、支配階級は官なんだから、出来る人間、もしくは野心家の人間は皆、官を目指したという事ですね…民間には天下るものであって、最初から行くとこじゃないんですよ、奥さん(誰?)

 双方まるめると「政治家や役人にビジネスのセンスがなく、ビジネスマンに治国意識がない。そのため、政治家や役人が、表面的な倫理観に押されて、マーケット心理を無視した無謀な経済制作を押しつける一方、ビジネスマンは全体を見通す見識も倫理もなく、金儲けに狂奔し、そのあげくに陥った恐慌から脱する術を知らない」なる訳ですね、分かります(笑)

 結局、今も昔も日本には真のセレブ、真のエリートがいないという事でしょか(笑)究極のノブリス・オブリージュを持てるか?否か?それが問題だってか(笑)民間的にどゆ事というと「自己の利殖を第二に置き、先ず国家社会の利益を考へて」な人達って、どこにいるんだぁーっ?(エコー付/笑)

 で、渋沢の事業とは何か?と言えば「将来は有望でも当分は赤字の出る見込み」の分野を自分が引き受けるタイプの実業家だったとゆー事ですね…実にありえへーんな事業家だったとゆー事でしょか(笑)

 経済、経営学的なソレやサン=シモン的それらの詳細は本書をドゾですが、この一見お人よしとしかいいよーがない実業家、企業、資本がないと、世の中皆、弱肉強食、市場が全て、乗っ取り上等、独占万歳という、一人勝ちの経済になってしまうで、これ今更ですけど、行き着く先は負のスパイラルですから(笑)

 皆、自己利益の最大化、利潤の追求をする人ばかりなりを奨励するというか、その人達が曲りなりにも競争していけるのは、公正で公平無私な競売人がいてこそ成り立つ訳だったりして…この辺りはまさに経済のジレンマだよなぁ(笑)

 さて、渋沢の起業理念、その他経営的なとこの詳細は本書をドゾ。更に社会福祉問題についても本書をドゾ。渋沢の顔を出したところが、社会のインフラ、トータルバランス的なもの全てを網羅している感じがありありとわかりまする…ある意味どこまで見えていたんだとも言うが…

 でで、時代は明治、大正と移り変わっていく中で、渋沢を語るでは対外問題、主に米でしょか?うーん…1902年の米訪問で「流通を合理化して、生産力を増したアメリカは、いずれ、国内の市場においては消費が飽和に達するはずだから、かならずや、海を越えて東洋に進出し、日本との対決へと至るにちがいない」と見通していたりして…さすが、渋沢目の付け所が違います…

 さて、戦前の米と日本の関係というと、日露以降の土砂崩れ的なソレじゃまいか?ですけど、1907年に日本人移民の排斥問題が勃発してるんですよ、おぞーさん(誰?)とその前に米の歴史をおさらいしてみよーで、この移民排斥問題ってこれが最初じゃないんですよ、姐さん(誰?)「1882年に、中国人移民はアメリカ社会に同化不能であるという理由で、中国人移民排斥法が上下両院で可決された」とな…さすが正義の国はやる事が違う、差別じゃないんです、区別ですってか?

 金鉱と線路敷設の為に中国人移民いぱーいきたこれで「1858年にはカリフォルニア州議会で早くも中国人排斥法が可決された」とな…今も昔もカリフォルニアって、こゆとこなのか?しかも「1888年には、清国政府に、移民の全面禁止協定の調印を迫ったのである」とな…しかも「上院は、現在米国に居留し、再入国許可を持って一時帰国した中国人すら二度と入国を許さないという条項を協定に追加することを要求した」って、さすが米様、アメリカンスタンダードパネェ…そりゃないぜと中国政府が批准を拒否したら、米はどーしたか?「アメリカ国会は、この条約の批准の有無にかかわらず発効するという決定を公告し、大統領、裁判所もこれに従った」とな…さすが米の正義、半端ねぇーっ…

 さて、中国人排斥によって中国人が来なくなったヤッホーで何が起きたか?「労働力不足」ですよ、奥さん(誰?)もはやマッチポンプにしか見えない気がするが、その不足を補う為に今度は日本人移民を受け入れて、増えたら日本人出てけですよ、おぞーさん(誰?)「黄色人種という目に見える敵を民衆に示して、彼らの支持を取り付けようとする政治家や労働団体の思惑から生じたもの」であったとな…よーは中国人でも日本人でも何でも構わん分かり易い敵で、これをやっつけりゃ大衆は満足、さすがヒーローの国はやる事が違う(笑)

 日本叩きはおてのものですメディアきたこれで、一番、ジャック・ロンドン行きますってか?詳細は本書をドゾですが、よーは「ロンドンは狼の中に人間の魂を見た(と考えた)のとちょうど正反対に、日本人の中に蜜蜂の行動様式を発見し(たと思いこんで)、そこから西洋人の存在を脅かす黄色人種という「黄禍論」を導きだしたのである」とな…「オークランドの社会党大会で演説したとき、日本人に対してあまりにもむきだしの激しい攻撃をしたので司会者も当惑し、たしなめたところ、ロンドンはまったく耳をかさず、机をたたいて「バカをいうな社会主義者である前に、おれはまず白人だ!」といきまいたという話が残っている」(「黄禍論」)とな…

 更にホーマー・リーもいるよで「ハワイには日本人移民が多数存在するので、もし日本軍が上陸すれば、ただちに移民がこれに呼応して、占領は短時間のうちに完了するだろうと断定した」とな…「つまり、日本人移民は、潜在的な日本の第五列であり、いつ敵になるかわからないという幻想をふりまいたのである」かくて「カリフォルニアの排日運動に根拠を与えたであろうことは想像にかたくない」となってしまうんですよ、姐さん(誰?)

 そして真打きましたウィラード・ストレート…奉天のアメリカ総領事から国務省極東部部長代理…お役人さまにきたこれで…ちなみに日露の時には新聞の通信員として従軍したお方…でこれも詳細は本書をですが当時のストレート曰く「将校も兵隊も一人残らず我々を憎んでいる。長い間彼らは貧乏な負け犬で、我々は主人だった。ところが今度は彼らが我々を見返してやろうと思っている。彼らは我々を憎んでいる。もっともこちらも彼らを憎んでいる」そーですよ、奥さん(笑)どゆ事とゆーと「ある種の白人の典型的な日本人蔑視の特徴を示している」んだそな…

 「自分たちの日本人に対する憎しみは、彼らが自分たちを憎んでいるところから来ているとする、心理学でいうところの「投影」である。実際は、自分たちのほうに憎しみが先にあるのに、それを相手の憎しみのせいにするのだ」って…悪いのはオレじゃない、奴のせいだってか?米の正義パネェ、最早天井知らずか?

 でこれまたその憎しみの由来はといえば、黄色人種のくせに「白人と対等にふるまおうとしているのがどうしても許せないという優越意識」だそな…ここまできても差別じゃありません区別ですってか?ちなみにストレート曰く「とくに理由などない。特別不満をもたなければならない訳はない。にもかかわらず、私はこの地上のなにものよりも深く日本人を憎んでいる。強いて理由をを言えというなら、あの黄色い顔をした連中に心ならずも礼儀正しくふるまい、ご機嫌をとらなくてはならない毎日の生活から来る心の緊張によるものだと言えるだろう」って…こーゆー人が極東部長代理、政府の高官、さすが米の人材は豊富やでぇーっ…

 ちなみにこーゆー、すばらしー、根拠なき感情は、「アメリカの一般大衆が最も低いレベルで共有している感情だった」とな…日本人は日露の勝利で黄色人種が白人国家を破り、これで白人の一等国に比肩できると達成感いぱーいだったのに反して、米側は「白人の存在意識にある恐怖を呼び起こして黄禍論を招いたのである」とな…「平均的なアメリカ人の幻想の中」での話にしても、米白人にとっては日本人は恐怖の憎悪の対象以外のなにものでもなかった模様…さすが自由の国米は違うでぇー…

 とかよーなアンチ日本な世情の中で、渋沢は渡米して日米友好、今でいう親善大使なお仕事を引き受ける事に…官がアレなら、民が何とかしなくっちゃの世界ですね、分かります…とはいえ、1912年、カリフォルニア州議会で「日本人移民の農業用地の所有を禁止する排日土地法案が可決されたのである」とな…日本から抗議なんてそんなの関係ねぇ(死語?)ってか「カリフォルニア州知事も排日論者だったため、法案に拒否権を発動するどころか、積極的に署名して、法律は1913年に発効してしまった」そな…さすが法治国家米、やる事が違うんです(笑)

 ちなみに日本側の抗議、反発に対して「アメリカの中央政府では、どうやら、それほどには深刻な事態とは受け止めなかったらしい」とな…いやもー昔から何様俺様米様ですから(笑)極東のちっぽけな島国なんて、眼中にある訳がないってか(笑)決まった後で日本の大使とあって、通っちゃいました、テヘしたら大使が完全お通夜状態で初めて米側はヤバかった…もしかしてこれは戦争になるのか?と自覚したとな…かくて、官も民も敵は日本にありの世界に突入していく下地は出来たと…

 とはいえ、そこは米、第一次世界大戦きたこれで「アメリカにおける排日活動はなぜかピタリとや」む事になるとな…原因は「ヨーロッパ戦線が膠着状態に陥り、アメリカの参戦が取り沙汰されていた関係で、連合国側についた日本と悶着を起こすのはまずいという判断がアメリカ側に働いていたためである」何て分かり易い子なの米(笑)

 が、これも独潜水艦の無差別攻撃が始まると途端に硬化していったとな…英仏が認めても米は絶対認めないと…よーはアジア・極東情勢から英仏は一歩後退するしかない…その空隙を日本に渡す訳にはいかないとゆー…よーは中国利権問題そのものじゃね?捕鯨船の補給よこせやから米の目的は中国市場ですから(笑)拝金主義なめたらあかんぜよってか(笑)

 そんな中、ロシア革命きたこれでソビエト政権きたこれで、シベリア派兵きたこれで、パリ講和条約きたこれで、「無併合、無償金、民族自決」をうたったウッドロー・ウィルソン大統領が通りますよってか…欧州大陸はそれで行きましょー、勿論米は適用されませんよ、だって「フィリピンやカリブ海の植民地を所有している」からね(笑)だけど、日本の山東半島は認めないよってか(笑)

 かくて、ここで日米の対立鮮明化する訳ですね、分かりますと…世論的にはずっと反日、排日だったし、日本の大陸進出はダメ絶対だし、で中国は中国で燃え上がる反日だし、いやもーこの辺りの詳細は本書をドゾ。でまた米で排日法案が勃発、何せ排日協会がある国だもの…さすが差別のない国は違う…

 でまぁ、こんな逆風の中でこれまた日米友好、親善に駆け回る渋沢って…日米有志協議会も発足させて何とか打開策を、戦争回避、民間外交を孤軍奮闘していく訳ですね、分かります…ちなみにこの協議会のメンバーがこれまたパネェ…「元財務長官ライマン・J・ゲージ、タフト大統領の弟で法律家のヘンリー・W・タフト、コーネル大学総長ジェイコブ・C・シャーマン、イーストマン・コダック社長ジョージ・イーストマン、それに「サタデー・イブニング・ポスト」主筆のジュリアン・ストリート」で、協議会代表がフランク・A・ヴァンダリップと米の中にも現状と現実を見えていた人がいた訳ですね、ただし歴史によくあるよーにまっとーな人達というのはたいてい一握り、一部の、マイノリティだったりするんですよ、おぞーさん(誰?)

 とまぁ地すべり的日米関係の悪化もアレですけど、日中関係もアレで「渋沢の見るところ、対中国外交には、霞ヶ関(外務省)と三宅坂(陸軍)、それに「尚ほ一種」(大陸浪人)の三種類の外交があって、それが中国大陸で各自の利害と思惑を抱えて、なんらの統一性もなく、好き勝手な行動を取り、中国に疑惑と誤解を与えている」となる模様…

 詳細はこれまた本書をドゾですけど「外交の分野において武士(軍人)の発言力が強くなってきたことを強く危惧し、国際社会における日本の地位が大きく揺らぐのを感じたのである」とな…何とゆーか、殿方のマッチョ思考って破壊しか生み出さない気がするのは気のせいか?「傲岸不遜な武士の再来である役人や軍人」が出張れば、まとまるものもまとまらず、もめごとが増えるばかりの世界なりじゃね?じゃね?に民間を代表して一人行くしかなかったとも言うの世界か…

 で、これまた「とりわけ、渋沢が焦燥を覚えていたのは、政府がアメリカとの協調を打ち出しながら、カリフォルニアで再燃した排日運動に対してなんら有効な手を打とうとしなかったことである」って…そーいや最近、どっかの国でどっかの国にかつがれてどっかの国風病被害が蔓延しているのに対してもどっかの国は何もしてないに等しいし(笑)おやくにんさまって昔からどこも変わらないという事か…

 かくて、渋沢は親日の米人ばかりでなく、反日・排日を標榜している人達とも会合していくんですよね…例えば「サクラメント・ビー」「モデスト・ビー」「フレスノ・ビー」という北カリフォルニアの三つの新聞の社主だったバレンタイン・S・マクラッチーとか、アメリカ労働総同盟(AFL)の創設者兼会長のサミュエル・ゴンバーズとも話し合っているし…ちなみに日米関係委員会会長のアレグザンダーの勧めで「国務省や議会により直接的に働きかけるための連合高等委員会の設置が提案」されたけど、日本側は渋沢がまとめても、米側は「アレギザンダーが国務長官チャールズ・E・ヒューズと会見し、連合高等委員会の設置を求めた。しかし、ヒューズはこれを時期尚早と拒否している」でご破算に(笑)

 そして関東大震災きたこれで日米関係雪解けか?な期待をしていた時もありました…で、中国人被災者問題出たコレで「反日色の強かったアメリカのハースト系新聞にもなんらかのかたちで転載されたものと思われる。ハースト系の新聞は、その社主の意向を汲んで、しばらく前から、日本がメキシコと手を組んでカリフォルニアを奪うというシナリオを盛んに喧伝し、排日移民法の制定に意欲を燃やす政治家やジャーナリストたちを側面支援していたから、反日感情を煽る恰好の材料であるこの記事が中国の新聞に出たとき、これに飛びつかないはずがないからである」とな…

 とまぁとにかく反日したら支持が仰げるというのは今も昔のかわりなしなのか?米で、排日法案が通過する事になるでござるの巻ですね…これまた詳細は本書をドゾ。「新移民法の制定という名目で、新たな日本人移民を完全に締め出そうとしたのである」とな…何かもーこれあのモンブラン男爵だか、伯爵だかのソレを想い出すノリじゃね?ありうるならでっちあげても我を通せって…よーは反日・排日信奉者達に「この新移民法が通れば、彼らが長年運動を続けてきた「排日」という大義名分が認められることになる。実効は少ないかもしれないが、象徴的効果は絶大なのである」とな…錦の御旗か、天下御免のお墨付きか、いただきましたぁーってか(笑)

 でまぁこれが当時の人にどう受け取られてきたかというと「日本人にとって、尊厳の全的否定の象徴に思えた新移民法も、アメリカ人にとっては、文字通り、たんなる法律の付帯事項にすぎないと感じられていたのである」とな…他国に対するリスペクトなんて、そんなの関係ねぇー(死語?)か…当時の米の最高の知日派、親日派でさえ、日本及び日本人が他国の内政問題にそんなに反応すると思ってもみなかったそーで…よーするに溝は何一つ埋まっていなかったでFA?

 でで、これ日本の過剰反応じゃね?と言い出す輩がいらっさるかもしれませんが、これまた当時のポール・クローデルの仏外務大臣に報告した書簡がパネェ…詳細は本書をドゾですけど「アメリカ議会のとったじつにばかげた行動は民衆を扇動して人種差別をするものであるとしか説明できません」と始まり、「私には、このあからさまな嫌がらせは、育ちの悪い学生が自分より弱い友達を容赦なくいじめるのに似ているとしか説明することができません」と〆ていたりして…いじめかこわるい…何とゆーか、仏人は自国の絡んでいないとこでは非常にフラットだよなぁ(笑)著者も指摘しているけど、米という国は徹頭徹尾昔からジャイアン気質じゃね?ってどーよ…

 いやーもーこの日米外交に奔走している渋沢の章はどこも日本人として必読だと思います。いっそ小中学校で歴史の教科書に掲載した方がいいんではなかろーかという出来…何かというと戦前の軍国主義を持ち出されるけど、ちゃんと民間外交をした人物も日本にはいたし、また米が昔からどーゆー国であったかを知るのは大切な事じゃね?今は違うらしーですけど、過去は差別国家だったらしーし…

 さて、その他、渋沢の活躍は労使問題から、女性人権問題、尽きるところを知りませんですので、詳細は本書をドゾ。私的なとこでは女性問題のとことかもありまするかな…これに関しては「父様も論語とは旨いものを見つけなすったよ。あれが聖書だったら、てんで教えが守れないものね」(渋沢兼子談)とな…最初の奥さん千代、後妻の兼子、それ以外にも女性の影がでこちらの詳細も本書をドゾ。まぁたいていのこの手の伝記は殿方が執筆しているから英雄色を好むで華麗にスルーしているのが多しだけど、愛人がいてオケという奥さんがいたら拝んでみたいものよぉ越後屋ってか(笑)自分が不倫三昧じゃない限りまずありえないと思うのは気のせい?更に一家庭の私事の事だから外野がとやかく言う筋合いではないだろーけど、財産分与等なとこでの前妻と後妻の嫡出子と庶子の違いについては、岡部の代官からの平等主義からしたら、どーか?と思うのは己が現代人だからか…

 後面白いところといっていいのか徳川慶喜の記録も編纂しているとこでしょか?江戸は遠くになりにけりとはいえ、当事者が生きている内に真実を残しておかなければで、やっちゃうとこが凄い…面白人物評は下巻のもあって、明治の元勲についてもあるあるの世界が展開している模様(笑)

 井上馨についてはせっかちで癇癪持ち、利に聡く、己の才能を自慢しすぎるけど、でもまぁ経済の事分かっているからな感じ、で才能ある人なら個人の好き嫌いを超えて人物本位で人事をしたとな…伊藤博文は年齢が一つ違いという事もあってフランクな関係に近かったよーで、経済は知らないけど大政治家には違いないとなり、大隈重信は自信満々、才気走りすぎ、人の言葉をきかないお人で大風呂敷だったよーだけど、この三人の渋沢の評価は高いんですね、何といっても陽の人達ですから(笑)

 一方、陰の人、山縣有朋はというと真面目で、後進にも親切で、国家に対しても真面目だったとしながらも今一好きになれないわぁーという事らしー…というのも山縣は「どんなときも、またどんなことでも、自分に一言相談がないと、それを自分への軽視と受け取って深く恨むタイプの、根性のきわめて小さい人間だったのである」とな、そーだったのか?

 渋沢評価の高かった人物というと松方正義…何とゆーか緊縮財政の時の四面楚歌にありながら不退転の覚悟という、この世で一番頑固な人のイメージでいたら、渋沢曰く「温厚親切」「剛健質実」な方だった模様…木訥な外見と人となりで大隈重信には「松方も薩摩に生まれなかったら群長位が精一杯だ」と下されたよーですが、渋沢の評価は違うよーです。同じく、大山巌に対してもポイント高いとな(笑)

 むしろ、逆に才気走っているタイプには点が辛いと見えて、陸奥宗光、福地源一郎の評価は低いとな(笑)政治家に目を転ずると、原敬の評価は意外と高いとな、ただ「党利党略優先の政党政治」には「政治は道徳にして正義」の渋沢の心情としては同調できる訳でもなしなんですが、それでも西園寺公望ともなれば「恰好つけるばかりで、自分では何一つ手を汚そうとはせず、実績をあげない」「趣味人としての政治家」というものには喝っと一刀両断だけど、下には下がいて寺内正毅に至っては…皆まで言うなの世界か(笑)

 その他、経済人としては三野村利左衛門、古河市兵衛、田中平八を高く評価している模様…こちらの詳細については本書をドゾ。いや、同時代人だけにリアルなんだけど微笑ましくもありのよな(笑)

 まぁ何にせよ、農家の小倅として役人に面罵されて階級より能力で勝負じゃ、の「平等ニナル時代」を夢見て突き進んだ男の一生は並じゃあなかったとゆー事ですかねぇ…長所も短所もあったお人ですけど、日本にこの人が居て良かったと心から思える一人じゃね?と…

 とにかく上下巻で1000ページを近い紙幅ですので、その他エピはたくさんたくさんたくさんありますよっての世界ですので、詳細は本書をドゾドゾ。読んで損のない本じゃけん~(エコー付/笑)

 目次参照  目次 文系

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