« 銀行と株式会社と鉄道と… | トップページ | お肉は巡る? »

2014年12月27日 (土)

こんがりロースト?それともグツグツ?

肉食タブーの世界史  フレデリック・J・シムーシズ  法政大学出版局

 お肉が美味しい季節となりましたじゃないけど、クリスマスにお正月と肉だよね(笑)ローストチキンとすき焼きは鉄板だよねっと思っていたら、世の中そんなに甘くなかったってか(笑)いやもー、おろろきました…タイトルは歴史とあるけど、ある意味こちらは人類史の世界じゃね?じゃね?何を食べてはいけませんというそれは、宗教的な禁止がガチなのか?と思っていたら、これまたそれだけじゃないという…イスラム教の豚肉とヒンズー教の牛肉位しかパッと見思いつかなったんですが、これまた世の中そんなに甘くないと…

 かくて、本書は豚肉、牛肉、鶏肉、卵、馬肉、ラクダの肉、犬肉、魚肉の古今東西肉食文化を考察しております…しかもタイムスケールがこれまた凄くて、昔が紀元前3000年位で、ヘタすると新石器時代の話まで出てくる始末(笑)まさに人は何を食べてきたか?の世界に突入していく模様(笑)

 とゆー訳で物凄く壮大なお話です。よくぞここまで資料集めたよなぁと感心する程(笑)全世界が舞台じゃないですけど、全人類が対象と言っていいと思われですから、で、その人達が今、何のお肉を食べてはいけないとしているのか?昔も含めてですからねぇ…でもって、これまた人類史的には人類は常にタンパク質不足とたたかってきた訳で…お肉を禁止項目にするという事は更にそれに拍車がかかるという事にも繋がったりして…

 栄養学的にどーよ?というのより、社会通念的にどーよ?の世界が展開されている模様…いやぁ人は昔から他者との差別化を意識してきた生き物なんだろか?かかか?

 アリス的にお肉…ダリ繭や異形のステーキとか、スウェーデン館のすき焼きとか、ラフレシアの豚の角煮とか、マレーのローストビーフとか、ダリ繭その他のハムとか、201号室その他のソーセージとか、結構あちこちで口にしてるよーな?ついでに言うと二人のソウルフードのカレーで、アリスの場合はどーも牛肉が鉄板みたいだからなぁ(笑)今現在、日本でお肉に対するタブーはあんまりないよーな気がするんだけど、本書的なそれでいくと犬肉位か?これも宗教的というより、心理的にだしなぁ…

 本書でいくとキャメルつながりじゃないけどラクダ肉のとことか、どーでしょー?准教授となるのか?ちなみにあのコブのとこは珍味だと昔聞いた覚えが?でも油ばっかで美味しいかというと?うーん?なお味だったとこれまた聞いた覚えが?果たしてラクダ肉のお味は?

 それにしてもラクダ、言われてみればヒトコブラクダと、フタコブラクダがいる訳で、この違いは一目みれば分かるけど分布的にどよ?と思っていたらヒトコブラクダが「アフリカから西インドに広がる灼熱の砂漠やステップ地帯」で、フタコブラクダの方は「黒海から東方のより寒く乾燥した地域」にいる模様…てな訳で、頭数的には圧倒的にヒトコブラクダの方が多いそな…そーだったのかぁ?はて、キャメルのパッケージのラクダはどっちだっただろぉ?と?

 で、まぁラクダが家畜化されたのが紀元前3000年か、もっと前という事で、作業目的もあれば食用もあるよねで、も一つ宗教的な供犠もあると…ゾロアスター教はともかく、イスラム教的にどーよ?と言うと「近東ではラクダを生け贄にして食べる習慣が、ほとんどイスラム教の一儀礼、ある種の信仰告白として、アラブ人の宗教と結びつくようになった」って、そーだったのか?「イスラム教の正典に基づく二つの祝宴のうちの一つ、イード・アル・アドハー(供犠の饗宴)」でラクダも生け贄の一つだそな…で供犠として捧げられた後に「ラクダ肉を食べると各人の信仰心がより深まるという信念から、さまざま職業の代表者に与えられた」とな…

 でで、も一つの祝宴、ラマダンの後のイード・アル・フィトル(断食明けの祝宴、あるいはより略式の祝宴)の場合、これまた捧げられたラクダのお肉は「それが終わるとラクダ肉を皆で奪い合い、その一部は儀礼的に料理して食され、残りの部分は塩漬けにして保存されて、後に神聖な食物として病気の人々に与えられた」のだそな…お祀りにラクダ肉、これ絶対なんでしょか?

 それはともかく、じゃあ日常的にラクダ肉どよ?というと、「少し以前でさえ、豊富に手に入れることはめったになかった」となる訳で、禁止事項になっていなくても供給がなければ食えんがなの世界だった模様…てな訳で現代は、スーダン、ソマリア、ケニア北部とエチオピアが「世界のラクダ生産の六〇パーセント近くを占めているのである」だそな…これを「エジプトやさまざまの石油輸出国に売りさばいている」となる模様…成程、ラクダの食肉市場はちゃんと成り立っていらっさるのね…

 逆にラクダ肉を口にしなかった人達というと、まずはヘブライ人でしょか?「「レビ記」の細則によって、ラクダは蹄が分かれていないという理由で、禁じられていたからである」となり、古代メソポタミアの柱上の聖者シメオンの命とか、「近代になると、イランのゾロアスター教、イランやイラクのマンダ教徒、シリアのヌサイリー派、エジプトのコプト教徒、それにユダヤ教徒によって、ラクダ肉は食肉として忌避されているとの報告もあった」そな…でもってエチオピアではイスラム系の遊牧民には重要な食物となっているけど、高地地域で暮らすキリスト教徒的には「そのような不潔な肉を利用するのはイスラム教徒の習慣だと考えているので、それを口にしない」とな…

 てゆー事はイスラム教徒なら皆ラクダ肉を食べるのか?というと、これがインドのイスラム教徒の場合まず口にしないとな…モンゴル人はラクダのミルクは飲むが肉は食べないそで、中国人はその肉を食べると…詳細は本書をドゾなんですが、それにしても本書で一番ページ数の少ないラクダでも物凄い情報量でして、これが本書の中でも一、二を争う豚肉と犬肉の章となると、これでもかこれでもかという事例の嵐…ある意味、人間の情熱(?)ってパネェ…

 何にしても肉食忌避なので日本もあちこちで出てくる訳ですが、よく調べてんなぁと感心するとこと、やはり米人が書いた文章だなぁとが錯綜しているよな…それにしても米人の描く日本の文化(伝統?風習?歴史?)って毎回思うがずれてなくね?アカデミックで多分資料にあたっている人達でこれという事は、米との間には深くて暗い川があるのは確かだよなぁと思うのは気のせい(笑)後、日本というとアイヌの話がいぱーい出てくるのも米人のソレに多いよーな気がするのも気のせい?

 後は、本書的には全世界が舞台なんですけど、結構アフリカの話が出てくるのにはおろろいた…あちらも民族的に色々ある模様…それとサハラ、中近東、インドにかけてのそれも類例がたくさん掲載されているよーな?後チベットもか?逆に、ユーラシアの半ばはあまり登場しないよーな?トルメキスタンとかタジキスタンとかの辺り?ついでに言うとヨーロッパのそれもあまり出てないよーな?で、もっと言うならネイティプアメリカンな話、南北米大陸的にどよ?もあまりないよーな?著者的には一番近い土地のはずなんですが?エスキモーのそれさえもチラっとあった位の比率のよーな気がしたのは気のせい?でもって、中国の場合、中国人と一括りにするにはあまりに大雑把な気もするが?確かあの国少数民族だけで1億人以上いる国なんですが?で、も一つロシア圏のそれも今一アレなよな?で結局、西側諸国が、手に入れやすい地域が主なんだろか?と見てしまうのは穿ったものの見方なんだろか?

 まぁ歴史的なそれで行くと、四大文明の内の三つ、エジプト、メソポタミア、インダスをカバーする地域をフォローすればだいたい合っているの世界になると思われだけど(笑)そこから文化が伝播したとなれば、もーね(笑)食文化もしかり、宗教もしかりってか?

 まとめ的なとこで、何がどーして肉食禁止なんやねん?という事になる訳で、経済学的、栄養学的、衛生学的にあかんのやろか?的にどーよ?ですかねぇ?そゆ理性的な話ではなくて、むしろ「規制、先入観、しきたり」の比重の方が大きいのとちゃいますの?でしょか?でもって「その多くがなぜそうなったのか理由がわからないくらい遠い昔につくられたものだからである」とな…そして今現在もそれに意識的にせよ、無意識的にせよ縛られているとな…食習慣おそろしス…

 つまるところ「それは人類の文化に端を発しているのであり、ある民族がある食肉を禁ずるほうがそれを廃止するよりもずっとたやすいのだとだけ指摘しておくことにしよう。いったんある禁令が採用されてしまうと、嫌悪という強い感情によって強化される傾向があることが、こうした事態を招く原因の一つになっているのだろう」って…まぁある意味、同じ釜の飯を食った仲というのになるんだろぉか?何かを悪者にして、ハブにして集団をまとめるという手法は未だに国単位でやっている事だからなぁ…どことは言いませんが(笑)

 かくて「多くの社会では、特定の肉食の禁令を守って暮らすことはきわめて重要であるとされ、それを破った場合には手ひどい制裁がくわえられることを覚悟しておかねばならない」となる訳ですね、わかります(笑)他にも、肉食の期間限定、季節限定、もしくはある種の時期限定もあるとな、時期的なソレの例の一つとしては妊娠期間中はダメとか…

 更に性差によるそれは年中無休である訳で、「旧世界ではこうした肉を女性に与えないという習慣はきわめてありふれているので、女性は子供を出産することを考えれば当然タンパク質を必要としているにもかかわらず、多くの女性が十分なタンパク質を摂取できないでいる」とな…この例としてシベリアのチュクチ族の話が出てきたりするんですけど、女性は「夫が自分でいい箇所を選んで食べた後でなければ、その残りと骨を受け取ることが許されていない」とかあったりして、「女性はくずを食べる」と表現しているって…しかも「この言いならわしはたんにチュクチ族の女性が置かれている姿を描いているわけではなくて、ほかの旧世界のさまざまな民族の女性にも当てはまることだろう」というのが、何とも…

 とはいえ、鶏肉と卵の禁止のとこでヨーロッパ以外の民族によっては女性に禁止されているとこ結構あるのはいかがなものか?とあるけれど著者的には「私にはニワトリとタマゴを女性に禁じたのが男性の策略だという意見にはとても賛成できない」とあったりして(笑)「たいていの男性は母親や妻や娘を愛し、いとおしいと思い、少なくとも感謝しているのだから、そういう女性にタマゴと鶏肉を食べないようにしたからといって、これを男性の食物に対する貪欲さのなせるわざだと結論するのはいかがなものだろうか」とあったりするんですよ、ちなみに「鶏肉とタマゴを避けるということは、世界中の妊婦や子育て中の女性によって守られているほかの食事制限とも適合するのであって、それらはもっぱら母体と生まれてくる子供の健康を確実にするためのものなのである」そな、そーだったのかぁ?

 何とゆーか、この手の議論で思うのは信州の蕎麦打ち名人のおばさん(お婆さん?)の科白だなぁ…蕎麦を見ると哀しくなると…何故かと言えば女性は作るだけ、食べるのは男性ばかり、だから普段は蕎麦うたないと…ちなみにこれほぼ現代の話で、蕎麦打ち名人が蕎麦嫌いとはこれ如何に?別にアレルギーという訳でも、個人的に嫌いで食べれないという訳でもないんですよ…でも、相手が食べれて自分が食べれないというこの恨みつらみは、多分食べれていた方の方には想像も出来ないほどの葛藤がある訳で…上記の鶏と卵の著者の私見は実に男性的視点というか、上から目線乙にしか見えないのはこれまた気のせいか?

 まぁ長年、ご飯を栄養を十分に摂るという事はむつかしの世界だったはずで、たくさん食べたいでも危ないのはヤとなると、「十分な栄養をつけるためには新しい食物に挑戦しなければならないが、そうすると危険も同時に発生するというジレンマ」に陥る事になる模様…この一つが「食わず嫌い」「見慣れぬ食料に対する恐怖」だそな…

 また、「ふだん食べられていない肉を口にするときに感じる不安の一つは、この肉を消化すると、その動物の一部や動物全体の好ましくない性質を取り入れてしまうのでないかという不安である」でしょか?これが一番顕著なのが、豚肉の禁止につながるソレらしー…豚肉食べたら豚みたいな性質もとなれば、止めとこうとなる訳で…犬も嫌われ度高いとなれば雑食動物って「嫌悪の対象」になりやすいという事か?一例としては「チムールの人々は中国の皇帝を「ブタの皇帝」と呼ぶし、最近新聞で報じられたところでは、保守的なイスラム教のマライ人が中国人を罵倒して「ブタを食う奴ら」といったのは、私たちも知るところだろう」となる模様…差別化乙ですかねぇ…

 でもって、逆に「伝統的な食事法を積極的に変えてしまうのは、教育を受けた人や貿易商人、あちこちを旅してきた人のように、ほかの人よりいろいろな食事を食べた経験のある人に多い」とな…「知的なことが好きな人のほうが、一種の冒険心も手伝って、新しい食事に挑戦することが多い」(@ステファンソン)だとな…ついでに言うと「成人よりも幼児や幼い子供のほうが新しい食物を試したがるもの」だそな…

 とまぁ色々本当に色々色々色々興味深いエピ満載、なにしろB6で500頁近く、しかも参考資料的に200頁位ある本ですから、端から引いていったらいつまでたっても終わらない気が(笑)興味のある方は是非本書をドゾ。見かけはとっつきにくいけど内容はテラ面白スの世界でっせ(笑)

 最後に「何でもありの無節操な今日のこの国の食料状況からは想像もできないかもしれないが、およそ食のタブーのない社会は人類史上に存在しなかった」と訳者後記にあったりして…食が有り余っていて禁止しているならともかく、足りない状態でもそれをキープしてきた人類って、ドM属性という訳ではないよね…

 まぁともかく、非常にシリアスな本ですのでしみじみと読むよろしの世界のはずなんですが、個人的にふと思ったのが、カロリーの高い食べ物を皆禁止したダイエット教があったら、人は簡単にダイエットできるのだろぉか?と?食事制限って、どこもまぁ上手くいくのはむつかしー訳で(笑)特に嗜好品は、皆まで言うなの世界か(笑)かくて、宗教的、社会的忌避となればダイエットも簡単可能になるのかなぁ?人類総健康状態万歳、メタボよ、さらばってか?それで果たして幸せか?とか、食文化が?とかはまたアレか?

 いやぁ食の世界、奥が深い、うん、本当に深い…歴代の施政者はそれを手玉にとったり、翻弄されてきたりした訳で、更に集団の一員として皆かかわってきた訳で、たかがお肉、されどお肉なんですねぇ…目から鱗がな世界が満載ですので詳細は本書をドゾドゾドゾ。

 目次参照  目次 文化・芸術

|

« 銀行と株式会社と鉄道と… | トップページ | お肉は巡る? »

文化・芸術」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: こんがりロースト?それともグツグツ?:

« 銀行と株式会社と鉄道と… | トップページ | お肉は巡る? »