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2014年12月14日 (日)

他者が考えるのと同じことを考えていたのでは絶対に勝てない(笑)

想いの軌跡1975-2012  塩野七生  新潮社

 作家のエッセイ集でしょか?うーん、四十年弱の歩みなんですけど、昔のを読んでも古さを感じさせないとこが凄いかなぁ?何とゆーか、ぶれなさという点では圧巻というか、この終始一貫性はパネェって事ですか(笑)ただ、まぁ序文を読んで、著者が関西人でない事は分かったかな?多分、東京で、しかも下町じゃなくて山手だろな的な感覚とでもいおーか(笑)というのも小林秀雄の言葉を引き合いに出して「ボクの著作は、一見するならば値段が高いようにに思える。ところが実態は、少しも高くない。なぜなら、一度読んで理解できないようには書いていないが、二度読むと愉しめるように書いてある」という件…これに対し著者は「聴いていた私の胸を突き刺したのは右の一句でした」とな…

 で、それは何故かというと「いずれ私も、このようなことを堂々と言える作家になりたい」という目標の芽生えはともかく、現実として「まったく、私の著作の値段は高い」とな…で費用的には仕込みにかかるのと、地図や図版が多用されているとこだとか…よーは手間暇かかってんだよですかねぇ(笑)だから「小林秀雄に言われてから自作の値段が高いことも気にしなくなった私」だそーで…この感覚がそじゃね?とこれが大阪人なら高いものを高く売るなんて当たり前、安うて上手いがプロやろぉ?だし、京都人ならそれ以前に高い安いなんて気にもとめないよな(笑)で下町の人間ならお墨付きなんて気にしないだろと(笑)

 まっそれはともかく、伊というか地中海の話やら、日本及び日本人の話やら、古代ローマとかの歴史の話とか、出会った人々の話やらで、話はあっちこっち飛んでいるよーで、基本ポジションは不動って感じでしょか?塩野節フルスロットルってか(笑)

 アリス的にエッセイ…アリスが作家生活振り返ってあちこちに書き散らしたエッセイをとなると、今のとこ27才でデビューとゆー事になれば七年目でして、集めれば一冊位になるのかなぁ?何かミステリ関係のじゃなかったら阪神ばかりなりになりそーな気がするのは気のせい(笑)でも、アリスの大阪便りは後から見たら凄い事になりそーな気配が?というのもアポロンの散歩で出会った話とか、雛人形の散歩で出会った話とか、その時は日常の一コマだろーけど、後から考えたらアレ?な世界ですよね…この手のヒキが多い人ってホントにいるんだと(笑)

 も一つ笑えるとこでは法王禁書の話…「だれもがわたしに、この名誉のお祝いを言った」(@グレゴロヴィウス)とな、「禁書にするのもローマだが、それを名誉と祝うのも、同じローマだったのである」とは(笑)成程、禁書の道って文化の道だったのか(笑)ついでにも一つ、「学者と官僚は"実"の人。文人と政治家は"虚"の人」(@粕谷一希)だそで、准教授とアリスってそゆ関係だったのか(笑)

 アリス的にはスーツというか男の服装のとこでアルマーニが出てくるとこかなぁ?「筋肉だけで男になれると思ったら、おおまちがいよ」とは映画のセリフだそーだけど、著者によると「ましてや「服」だけで男になれるわけがない」とな(笑)昨今のマッチョ思考はどなんでしょね(笑)まっそれはともかく「サヴィルロウに代表されるイギリスのジェントルマン式に反逆したかったら、「アルマーニ」を着ればよい。肩がこごめかげん、脚は投げやりに前に進めなければならないという不便さに加え、適正価格以上に値が張るという不便さも我慢しなければならないが、男のモードの革命であることだけは確かである」そで…成程、森下すわん、革命に生きていらっさったのか(笑)ちなみに映画、アメリカン・ジゴロのジゴロ役の俳優の服が「すべてアルマーニ」であったそで…そゆ立ち位置なのか?アルマーニ?

 更に「アルマーニの特質とは、一昔前の共産主義に似ているのである」とな、その心は「誰でも一時的ならば染まってしまうたぐいの、魅力的な思い込みなのだ」って…「ユートピアなのだから、その時期が過ぎれば卒業する者もいるし、しない者もいるだろう」とな…いつかは森下すわんもアルマーニじゃなくなるのかしら?それはそれで寂しい気が(笑)上から下までいつでもどこでもアルマーニ、いいじゃないですか(笑)いっそその位いっちゃってくれた方がらしい気がするんだが、本書のエッセイの〆はこれまた厳しい…というのも「「ブランドなしの男の魅力と品位」とは、男を評して至言である」とな…アルマーニの森下ではなくて、森下の○○となるまでいかないとモノホンではないのか、大人の男ってむつかしー(笑)

 後は省エネのとこでの暖房のとこでローマって24時間暖房しっぱなしだったのか?で夜の10時になると強制的に暖房切られたどーするのとこで英人「ロンドン・タイムズ」いわく「猫と寝るべし」だそー…なるほろ、北白川には一匹どころか三匹もいる訳で、准教授は暖房知らずなのかもしれないとふと思ったり(笑)京都的なとこと言っていいのか、「在外公館に働きにくる料理人は、「吉兆」の若手の板前が多いとか聴く」そで、なるほろ和食の世界であったかの世界か…各国に和食のプロがいるのにこれまた各国になんちゃって和食がはびこっているのを放置しているのはありなんだろか、大使館的に?大使館で毎月とは言わないが年一でもパンピー向けの和食料理の教室開いたら話題になるだろに?噂のクールジャパンとか?

 いかにも伊的で笑っちゃったのが美術品の返還問題のとこ…欧州の文化大臣が集まって喧々諤々な事態になったそーだが、伊の大臣はだんまりを決め込んだみたい…というのも「そんなことになったら置く場所がない」だからだそーで(笑)全伊的に「今現在でも多すぎてそれらの維持と安全を保証するだけでも大変なのに」が本音らしー…いやはやあるとこにはあるもんだな話なのか(笑)文化度ってこゆとこにも如実に出てきちゃうもんなんですね、分かりますの世界か(笑)

 で、これまた実に伊的な話題としては伊では「美術館や有名な壁画がある教会などについて質問をしないこと」だそーで、そのこころは文化財あんまり多いから近所の人だって知らねぇーの方が多いとな…あるとありがたみがなくなるのは世のならいってか(笑)

 後実に伊的なとこで男と女というか、女性の見分け方でアジアンで日本人かどーか?を見分けるコツが「後ろから脚を見ればよい」と言われてるとことか、日本女性は後ろ足が今一らしー(笑)でもって、日本の場合殿方から見て女性は若ければ若い程いいになって、もはや「ロリコン趣味は病理的」な域にあるとな(笑)更に「とくに、女を金で買えることがシステム化しているのが、現代の日本である。もちろん外国の男たちだって、こういう女たちは嫌いではないのだが、かくれて密かにするのが普通だ。日本のように、システムにまでなっていない」そで、風俗問題って文化度が反映されるという事ですかねぇ(笑)で、「日本の男たちはよく、外人の男と一緒にいる日本女性を見て、セックスでヤラレタ、と考え、劣等者の嫉妬の感情に似た悪意を示すことが多いが、それは、日本男性の考えが浅いのだ。女たちは、カルチャー・ショックを受け、それに敏感に反応しただけである。総体としての女を求められて、それまで知らなかった女の喜びを満喫しているだけなのだ」辺りは、朝井さんも同じ事言いそーな気が(笑)女性に部分しか求めていないのなら終わりは見えたって事でしょか?赤星乙ってか(笑)

 面白いというか、これまた実に伊的なとこでサッカーの話題も出ているとこかなぁ(笑)ちなみに伊語では監督の事をアレナトーレと言うそーな、これトレーナー、コーチ、対象が動物なら調教師、レースのペースメーカーとか、トレーニング用具もだそーな…かくてアレナトーレとは「選手を鍛える人ではあっても、管理する人でないのは当然だろう」となるそーで…今にして思えば成程、ザックと納得か(笑)

 懐かしのベルカンプとか出てきたり、でも精神的に弱いというか10番じゃねとくさしているとこはパネェ(笑)他にもサッカーにおいては「勝利にこだわるのなら、攻撃しかないのです。戦場の主導権をにぎった側に勝利の女神が味方をするのは」「戦闘の基本です」となる訳で…攻撃が最大の防御なりとはホンマでっかぁーなんだなぁ(笑)でもって伊の敗退について「ただ単にイタリア・チームが、坊やばかりで構成されていたからですよ。99パーセント勝利を手中にしている場合にそれを確実にするのは、腹の座ったベテランにしかできません」とな(笑)かのデル・ピエロに対しても「母国語であるイタリア語でさえ上手く話せない、ということは、頭脳の出来が疑われても仕方のない坊や」という判定になってしまうらしー、伊パネェ…かくて仏の躍進はベテランが機能したと「彼らは競技場を、それがどこであっても自分のホームだと信じて疑わない。「戦場」の主人は自分たちであると思った側が、戦闘では常に勝者となるのです」とななな…サッカーとはいえ、仕事、戦いとなれば真にプロとは「気がまえの確かさ」と「勝負度胸」ですかねぇ…

 で、これも実に欧州的だなぁと思ったのが「ヨーロッパではやはり、強者が弱者よりも有利な条件を享受する場合が多い」とな…「だからこそ、強者になろうと誰もが努めるわけ」だそな…二番じゃいけなんですよ、奥さん(誰?)そして「敵が予測できるようなプレイをしているかぎりは勝てない」という事を熟知しているとな…だから自国にないものを取り入れようと強国もまた切磋琢磨していらっさると…でもって勝利には伊語的には「カッティヴェリア」が必要だという事になるらしー…これ日本語に訳すと悪意となってしまうんだそーだけど、「自分のためにプレイしているにもかかわらず、なぜか結果は常にチームのためになるというやり方」だそーで、いやこれホントに日本代表にはないメンタリティだなと(笑)自己中もあるし、自己犠牲もあるけど、合わせ技的なソレはどーか?まっ次のW杯に向けて進むしかないんですけど(笑)

 他にも色々、本当に色々エビ満載でどこもおおっ?の世界なんですけど、本書で一番ハーヘーホーというか日本人的に笑わせてもらったとこが第九回産婦人科世界大会 in Tokyoのお話(笑)これの参加外国人(産科医の皆さん)の印象記が、お腹がよじれる位面白い(笑)ここだけでも本書読む価値は十二分にあると思いますっ(キパッ)でどゆ事というと「それにしても、完璧な組織運営ぶりであった。日本人からすれば、これがかゆいところに手のどとくという日本式のやり方かと思って、特に印象深いことでもないのだが、かゆいところに手のとどく式に無縁な外国人にしてみれば、これはショックなのである。彼らは、半ば呆れ果て、このような日本人の完璧主義はなにに由来するのか、という疑問をいだいたのも無理はない」って…それはまさに、お・も・て・な・しじゃね(笑)

 で英人曰く「これほどの完璧さでやれるのは、日本人の他にはドイツ人だけだろう。なぜなら、ドイツ人は、自分たちを誰よりも優秀だと信じているから、自分たちの優越性を誇示するためにも完璧にやる。日本の完璧主義も、自分たちにはどの国民よりも優れた組織能力があり、運営能力に長けていると信じての結果だろうか」って…教えてウルフ先生ってか?ちなみに伊人となると「だが、ドイツ人はこれほど完璧にやれませんよ」となる訳で、どーしてかというとここが欧州的辛辣さというか、「末端のサーヴィスは、移民にたよるしかない」からで「気質のちがう移民には、ドイツ式の完璧主義は絶対にやれないのだから」と一言の下に下している訳ですね、分かります…

 でで、日本的完璧主義で大会期間中一週間を圧倒した訳だけだけど、物事はその五か月以上前から「まるで機関銃のように、連続して攻撃してきたのだから恐れ入る」とな…かくて参加者へのガイドラインが送られてきたとな…マニュアル宜しく、各自準備と協力をお願いしますの世界が展開(笑)勿論、迎え討つ現場も微に入り細に入り、どこぞのおじさんじゃないけど日本的な、実に日本的なで、「すべては支障なく、完璧に終了したのは、出席者全員の認めるところではある。決められた時間どおりにはじまり、これも決められた時間どおりに終る国際会議などはじめての経験であった、というのが、外国からの出席たちの感想であった」そーな(笑)

 ででで、これまたアレなんだが「完璧な運営というのは、どうしても最低線を基準としなければならないために、そばで見ている者でなくても登場人物たちまで、なんとなくユーモラスな雰囲気を感じてくるものなのである。支障なくを最大目標として苦労してきた組織委員会は、おそらくそんなことは予期しなかったと思うが、出席の外国の医学者たちは、まるで小学生のようにあつかわれながら、けっこうそれを楽しんでいる風であった」とな…成程、世界会議に出席する程のお医者様たちの群れですから、普段からは考えられない行動基準だった模様(笑)

 でででで、この完璧な大会によって各国の皆様は日本の、経済力、組織力、実行力に圧倒されたご様子…かくてインド人曰く「われわれには、このやって三つのうちの一つもありませんよ。でも、患者には不足しないから経験は積めます」って…先生、印的に人口問題も笑い話なのか?米人曰く「次回のサンフランシスコ大会も、日本人に組織と運営をやってもらったほうがいいくらいですね」ってアメリカン・ジョークらしーが、まぁハードルは上がった事は確かか(笑)

 これが英人になると「日本の軍隊はたいしたことないらしいが、そんなことに目をくらまされていると、またとんだことになりますよ。見事な組織力に加えて、命ぜられたことを忠実に実行する日本人たち、彼らは明日にでも立派な軍隊に変りうる。もう一度はじめますかな、彼らは」と戦後何年経ってんねんで、軍人じゃなくて医者が言うとな…やはりPOWを忘れるなはまだ続いている模様なのか(笑)

 もーこの章の最初から最後まで爆笑というより微苦笑エビ満載で、いや、えと、所謂一つの日本人ですからなんだけど、傍から見るとそんなに異常に見えるのか(笑)日本の常識が世界の非常識というのがよく分かる世界かなと…とにかく完璧にやらないと気が済まない国民性というのは、もーこれDNAからじゃね?ですかねぇ(笑)「それがどう外国から受けとられようと、結局は日本人的にやっていくしか道はないのだろうと思う」ですよね…「ちゃらんぽらんでルーズなのは、中南米人ならば愛嬌にもなろうが、日本人では愛嬌にもならない。ぶざまな行進をわざとするドイツ人のように、かえって疑いの眼で見られる結果になっては、元も子もないではないか」と結論づけているんですけど、まっ確かにそりゃそーだの世界で、逆に言えばこれしか出来ないって事ですから(笑)

 いや、それにしてもこれで東京五輪は、反対だの、賛成だの、計画がアレだの、予算がどーだの、人手だ、サービスだ、対応だ、強化だ、と上を下への大騒ぎというか、無関心というか、の世界ですけど、うん、これはもー、ぜったいにだいじょうぶだよ、の世界だと確信しますた(笑)日本人がやると言ったら、やるんですよ、とことんに(笑)おもてなしだけじゃなくてぶっちぎりの勢いで、一分の隙なく(笑)それにしても愛嬌のリオ大会の後に東京大会とは…物凄い対比になりそーな悪寒もとい予感(笑)同じ五輪でもここまでベクトルが違っていいんですか?いいんですなんですかねぇ(笑)

 他にも色々よりどりみどりの話題炸裂ですので詳細は本書をドゾ。ドゾ。ドゾ。

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