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2015年1月 9日 (金)

上手い、凄い、面白い(笑)

ブラウン管の映画館  和田誠  筑摩書房

 タイトルからして既にレトロかもしれないの世界かなぁ?ブラウン管って言葉を21世紀っ子は知っているのか?ちょっと疑問なんですが、昔のテレビはブラウン管だったんてすよ、奥さん(誰?)本書の中で銀幕の話が出てきて、この単語の意味は?みたいにブラウン管もそーゆー言葉になってゆくのかなぁ?昭和は遠くになりにけりってか?って事で本書はテレビ放映の映画についてのエッセイ集とゆー事になるんだろぉか?

 でまぁ、年末年始はテレビで映画を観る機会が増える時じゃまいか?で、手に取ったのですが、何とゆーかテレビ放映時が87-90年というバブルな頃?もしくは崩壊直後位か?で、その時の封切ではなくて、テレビ放映ですから、これまた戦後の映画、ハリウッド黄金時代の映画が目白押しな感じかなぁ?これまた、21世紀っ子が見た事どころか聞いた事あるのか?むしろBS、CS、ケーブルテレビで熟知しているぜボケの世界だったら御免だが(笑)

 まぁ懐かしい映画の世界へようこそかなぁ?古典的作品、名作には一度は見てみる価値があるという事でしょーねぇー…まぁでも今は歴史とか、教養とかが切り捨てられている世の中だから、一部マニア受けになってしまうんだろーか?もったいないと思うか、うざいと思うかは文化の分かれ道かもなぁ(笑)

 アリス的に映画というと、紅雨荘か、あるYかになるのだろーか?一人で映画館へ行く位だから、アリスも映画ファンだと思うんだが?まぁ一クリエイターとしてのソレもあるだろーけど(笑)やっぱアリスならミステリ系がお好き?になるのかぁ?と思いつつ、サスペンス物的でいけばヒッチコックどーでしょー(笑)

 本書にも色々ヒッチコック作品登場するんですが、例えば「サイコ」「ヒチコックはあの恐ろしい物語を、わざとモノクロで、グロテスクにならないように描いた」とな…

 後、アリス的というと「ダイ・ハード」のとこか?確か46番目だかにブルース・ウィリスじゃないんだからみたいな科白があったよな?ちなみに「金のかかった映画でもあるが、それだけではなく、シナリオがたいそう緻密に書けているのがこの映画を面白くした要因だろう」だそー、そーだったのかぁーっ?

 他にアリス的というと「Wの悲劇」のとこで「本格推理、謎解きというのは、活字を追うにはもってこいの知的ゲームであるのだが、説明しなければならない部分がどうしても多くなるから、映像にするともたついてしまう」となるとは知らなんだ?だから映画化しづらいらすぃ…そーだったのか?アリス?

 後、殿方の夢というか、理想というか、憧憬的なソレでマリリン・モンローを始めとするハリウッド女優陣も忘れてはいかんがなで、モンローの「恋をしましょう」の監督、ジョージ・キューカーの一連の作品は必見でしょ(笑)というのも、「グレタ・ガルボ、キャサリン・ヘップバーン、ングリット・バーグマン、ジュディ・ガーランド、オードリイ・ヘプバーンたちが主演する映画を」撮ってきた監督なんだから(笑)

 米映画的には一大ジャンルとして西部劇があったけど、これもいつのまにかお目にかかれなくなったよなぁ…な世界ですが、衰退の理由の一つに「インディアン問題があるだろう」ですよねぇ…「昔は無責任にインディアンを兇悪な敵として描き、対インディアン戦を西部劇の大きな要素にしてきた」けど、「アメリカという土地ではインディアンこそ先住民族であり、白人が勝手に侵略してきたわけで、先にいた人たちを敵と考えるのは理屈に合わない」とよーやく米人も気付いた模様…それにしても米って国は何でも勧善懲悪じゃないと夜も日も明けない国なんだなぁ…だから正義とは何か?なんて未だに正義病やってんだなぁ…

 とはいえ「素晴らしき哉、人生!」の解説のとこで「現実はこうはいかないだろう。どこの国でも悪徳政治屋は悪徳政治屋のままで、たった一人の青年の善意が彼らをたたきつぶすことなどあり得ない。ついていない男はついていないままで、天使が助けてくれるのはもちろんお伽噺の世界。しかしそういう夢、心やさしきものこそ幸せになれるのだという理想をかかげることは、楽天主義と言われながらも、かつてのアメリカ映画の大きな美徳であったとぼくは思う」で、米の良心にも触れています(笑)良くも悪くも映画にはその国のリテラシーが出てしまうもんなんだなぁと(笑)

 そして、これまた米的なとこで「市民ケーン」の件だろーなぁ…技術的なとことか、映画的なとこの評価も凄くて詳細は本書をドゾですが、何よりも本映画の「主人公ケーンなる人物は、実在の新聞界の大立者、ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルにしていたからだ」のとこでしょか?結果「ハースト系の新聞はこの作品を酷評し、上映を拒否する映画館も続出するという状態になったのである」とな…さすがメディア、公正・客観・平等でございます(笑)これもまた米的なあまりにも米的なの世界か?

 それにしてもオーソン・ウェルズは「第三の男」のイメージが強いけど、何とゆーか監督としても役者としてもかかわった作品一作一作これまたパネェでございまして、どれ見てもヒッチコックと違った意味で口あんぐりの世界なんですが、ハリウッドとの関係はあまり上手くいかなったのが非常に残念かなぁ?いやぁ、あの溢れる才能を使いきれなかったとこがある種ハリウッドの、米の限界だったのかもしれないけど…ちなみにこの系列の監督として、も一人エリッヒ・フォン・シュトロハイムもあげとこー(笑)

 他に米的なとこで戦争映画でしょか?というかそれを「慕情」で言及している著者パネェというか…「第二次大戦までは、アメリカの戦争映画も勇壮活発に描くことができた。朝鮮戦争以降は他国への介入という様相を呈してくるために、正義の戦いだ、英雄万歳だ、というような、ハッピーな戦争映画を作るのはむずかしくなったようだ」は、その後泥沼のベトナム戦争がやってくるで、その後は皆まで言うなの世界か…まぁ戦争ものでも「最前線物語」みたいなのも制作されてくる訳で…米の空気感というか、ハリウッドの空気感の移り変わりもアレかなぁ?

 この手のアレではチャップリンとウェルズがこれまたアレで「イタリアではボルジア家三十年の圧制の下に、ミケランジェロ、ダヴィンチやルネッサンスを生んだ。スイスでは五百年の同胞愛と平和を保って何を生んだか。鳩時計だ」(「第三の男」)という科白もアレだが、ちなみに「これもウェルズのアイデアである」って…そんな簡単に言っちゃっていいんですか(笑)も一つ、チャップリンはかの有名な「一人殺せば犯罪者だが、百万人を殺せば英雄だ」(「チャップリンの殺人狂時代」)もありますが、今の時代にインパクトあるのは更にこちらじゃまいかで「戦争を商売にしている人たちに比べれば、私は殺人者としてアマチュアです」科白とはいえ、言い切るチャップリンばねぇ…超パネェ…

 日本的なとこで、一つは時代劇について「時代劇というのは日本映画の特産物であり、時代劇が隆盛のときが、映画界全体も豊かな時期だったと思う」はなるほろなぁと…ある種自国の歴史物は基本のキなのかもしれないってか…

 面白豆知識的というか、映画マニアなら知ってて当たり前なんだろーけど、「暴走機関車」って米映画なんですが、「原作はわが黒澤明」なんだとな…「オリジナル・シナリオだがヒントがある。アメリカで一九六二年に実際に起こった機関車暴走事件、このルポが「ライフ」に載り、その記事の翻訳が「文藝春秋」に載った。その出来事に興味を持った黒澤さんが、暴走する機関車に脱獄囚が乗り合わせるというダイナミックなアイデアを立て、菊島隆三、小国英雄という、いつもの黒澤映画の協力者たちと一緒に、シナリオ化したのだった」って、そーだったのかぁーっ?しかも、この監督はコンチォロフスキーというソ連の人…日本のシナリオでソ連の監督で米の映画を制作するって、時代よのぉの世界か(笑)

 後、日本への提言として、テレビ放映の映画のノーカット化のすゝめかなぁ?テレビの歩放映枠に合わせて映画をカットするという方式は、いかがなものか?ですかねぇ?結局、これは長い目で見ればテレビ離れを促進する一因になるんじゃまいか?という著者の推察はどーか?良心からお言葉だと思うけど、最近はどこも目先の利益が全ての世界だからなぁ…先の事も相手の事もそんなの関係ねぇ(死語?)が大手をふるっているし(笑)

 いやもー、他にもたくさんたくさん映画も出てくるし、これまたその映画のエピも満載なので興味のある方は本書をドゾ。何とゆーか、自分で選択した映画ではなくて、お気に入りの映画集というのでもなくて、他者からお題が出てのリアクション・エッセイじゃまいか?でテレビ欄に載る、載っている映画について咄嗟にこれだけ語れるというのは、著者どれだけ映画を観てきたのか?それだけでも圧巻です、しかも映画だけでなくその周辺まで解説している訳だから、これまたどれだけの情報量なのか?

 こゆの拝読すると昔の人はというか、昔の大人は真摯におべんきょしている人がいるんだなぁと感心しまする。映画一つとってもやがて血になる肉になるで、無駄になっていないものなぁ…ちゃんと知の財産になっているとこが今のググレ世代とは違うよな…何とゆーか、教養とは何か?を教えてくれる一冊かなもなぁ…

 目次参照  目次 文化・芸術

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