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2015年1月28日 (水)

君よ、知るや、南の国?

イタリアからの手紙  塩野七生  新潮社

 所謂一つのエッセイ集だと思われ、なんですが、書かれた時期は相当に昔であるのに、色褪せ感がないのがパネェでございます。これが伊なのか、地中海世界だからなのか、それとも著者の底力なのか、いや凄い…日常エッセイから、歴史物まで、時空を超えて待ってますの世界か(笑)でもって、こちらを拝読すると後の著者の大作の変遷というか、元ネタが分かる感じ、ここから発展してアレになったのか?とか(笑)まさに今更気付いて言ってる己は何?ですけど…

 初っ端が骸骨寺の話で、笑っちゃうのが「イタリアでは、幽霊が出るという話を聞かない」でしょか?成仏できない幽霊話なんてほぼない模様…まっ古代ローマから、現代マフィアまで伊人って生きてる内がパネェからなぁ(笑)さもありなん、ですけど(笑)

 そゆ伊人的突き抜け感では今だと法王庁という事になるのだろーか?で1949年のおふれ…所謂共産党に関わったもの、ちなみに共産党の新聞とか雑誌とかを見た者も含むで…どーしたかというと破門だよと告知した訳ですね…ところがどっこい「この「聖告」から二十年も過ぎないある日、コスイギンがヴァティカンを訪問し、法王パウロ六世と贈り物を交換した」とな…それってありですかぁーっ?なんだが、もっと凄いのはこれらの告知は「法王が代わっても、別に撤回されたわけではない」そな…さすが、バチカン…英人の舌もまっつぁおな人達の群れだったのか?

 とゆーのは何も今に始まった話ではなくて、あのマキアヴェッリも「法王庁などはスイスにでも行け」と書き、グイッチャルディーニは「死ぬまでに見てみたい三つのうちの一つとして、政治に口を出す坊主どもの破滅」とまで言っていたそーだから、昔からバチカンって聖もあるけど、政だよという事なんだろか?やっぱ伊人ってパネェ…

 バチカン的日常としては「ローマの町中では、赤い帽子をかぶった枢機卿などの高位聖職者の、栄養をとりすぎではちきれそうに肥った身体が、後部座席にふんぞりかえっている、黒光りする高級車が通り過ぎるのをよく見かける」とかあったりして、どこの国も宗教関係者ってそんなもんなんだなぁ(笑)

 アリス的に、伊…その内国名シリーズで出てくるのかなぁ?今のとこ、関係あるとしたらアリスがあちこちで食べているパスタ位か(笑)ちなみに「ルネサンス時代には、砂糖がマカロニ料理に多く使われていたらしい」って、さすがルネッサンスぅーなんだろか?朱色のリゾットで、リゾット・アラ・ミラネーゼとかあったりして(笑)

 他にアリス的というなら、シチリアの老男爵のエピのとこで、シチリアの上流階級は「一番上はイギリスの大学」へ行くのが常識だったよーで、その男爵もオックスフォード大卒という事らすぃ…ただし著者から見れば、この人物が英国留学で得たものは「午後の四時に、ウィスキー入りのママレードと薄味のビスケットに紅茶の習慣と、アガサ・クリスティをはじめとする推理小説の、熱狂的な読者であるということだけのような気がする」とは手厳しい…ちなみに伊で初めて日本の推理小説が翻訳されたのは松本清張の点と線だったそー…これまたちなみにかの男爵には今一だった模様(笑)それにしても何故に松本清張だったんだろぉ?

 後、アリス的というなら英人の記述が出ていて、「イギリス人は、肉体を見ただけで階級別がわかるヨーロッパ人の中でも、最もそれがはっきりしている人種だ」そな…そーだったのか?ウルフ先生?も一つ英的なとこで、「英国には、スパゲッティ・オン・トーストというものがある」「スパゲッティのオープン・サンドウィッチだ」って、これ日本で言う焼きそばパンみたいなノリか?炭水化物オン炭水化物って英国にもあったのか?でもって、「これは、インドから移入したカレーライスと並んで、英国では、最も安価な食べものである」って…カレーはともかく、そーだったのか?英?今まで一度も拝んだ事がないので、是非一度見てみたいものよのぉ、越後屋(?)だったりして(笑)

 ちなみにローマという街は、「現代のいわゆる知識人と称する人々には馬鹿にされている」とは知らなんだ…時代の先端をいくよーな文化的な、知的活気がないとゆー事で「彼らはローマを、ヨーロッパの田舎だというのである」とな…永遠の都なのになぁ(笑)とはいえ、著者はフェリーニやゲーテを引き合いに出して「真の前衛とは、古人とひざつきあわせて対話することを馬鹿にせず、それを怖れない田舎者的心情の持ち主によって、創造されるものでないであろうか」とおっさっていらっさいます。まぁ世の中同じものを見ても、どれだけ情報量を得るか?は人それなりにだしなぁ(笑)

 他に母国語の発音「普通のイタリア人は、標準語を話していても、どこかそれぞれの出身地のアクセントが感じられ、どの地方の生まれかということがすぐにわかるのだ」そな…という事は「正確な標準語を話せるということは、よほどの本格的な教育を受けたことの証明でもあるのだ」になるそーな…そーだったのか?イタリアン?

 また伊の政治もやはり内部はズブズブらしくて…「万年与党も腐敗するが、長い間政権から離れている万年野党にも、同じような現象が起こるのだ」で、右を向いても左を見てもな世界が展開していらっさる模様…そんな訳で「選挙民は、自分の票が死票に終ることに、いつかいや気がさしてくるものだ」となるのは、これまたどこの国も似たよーなもんなんだなぁ(笑)

 それと伊の医療事情、保険に入っていると無料なのか?とゆー事で、医者も患者も処方箋の乱発になっているらすぃ…で、これで薬剤師ものっかるという話…ホンマでっかぁーっ?だよなぁ…伊の医療系の財政ってそんなに潤沢なんだろか?

 歴史的なとこでイストリア半島の伊人の末路…WWⅡ中、ユーゴのチトーにトリエステの町まで占領されて、国連統治地域に指定されたそな…「一九五四年、イタリアの手にもどってきた時は、イストリア半島、トリエステの近郊までが、ユーゴ領内に入れられていた」とな…元々、そこに住んでいた伊人達は殆ど帰国を余儀なくされる事になるとゆー…というのも「チトー大統領は、イストリア半島の各町に、他の地方から集めた大勢のユーゴ人の農民を移住させ、イタリア人たちが、自然自然に住みにくくなるという、実に頭の良いやり方に出た」そで、しかも「本国に移るイタリア人に、財産の持ち出しの限度を決めていたから、彼らは、家も田畑も何もかも、ほとんど置き去りにしてくるしかなかった」とな…欧州の領土合戦もパネェ…

 またナポリの場合は、「海岸通りは高級ホテルが並ぶが、その裏は貧民街で、高台は高級住宅地で占められているという町の作りなのだ」そな…とゆー事はナポリって町の中心辺りがヤバいって事になるのか?

 更にナポリというとこは、「歴史的にみても、ナポリは、攻めてこられると抵抗をするでもなく、簡単に開城して迎え入れてしまう」のがパターンらすぃ…「必至のレジスタンスなんて言葉は、めったに聞いたこともない」そな…どゆ事と言えば「能力のない征服者は自滅するから、それを待っていればよいのである」とゆー事になる模様…ナポリ人容赦ねぇ(笑)

 でもってシチリアとなれば、もーマフィアのメッカじゃまいかで、著者のシチリア記もパネェでございますなので、是非本書をドゾだが、「パレルモ商工会議所会頭、シチリア銀行頭取、代議士、これは各党にわたっていて、数人いた。そのほかに、有名なブドウ酒の醸造家だという男。建設会社社長、大地主の貴族、そして、判事、市長、シチリア知事ときた時には、もう、私は、驚きを越えてあきれ果ててしまった。最後に、私が前に立った男は、高位聖職者の服を着ていた」…で、どゆ事かと言えば「あの会場にいたシチリア出身者の中で、ほぼ半数は、何らかの形でマフィアと関係があり、残りの半数も、友人知己にマフィアがいないという者は、皆無ということになる」とな…それがシチリアという事らすぃ…シチリア半端ない…

 シチリアの歴史もギリシャ人に始まって、古代ローマ、ビザンツ、サラセン、ノルマン、フランス、スペインと統治者が猫の目のよーに変わった土地なんですよねぇ…それでもまっサラセン人の時はともかく、そこそこ何とかなってきた模様…ところがイタリア統一キタコレになってから物事は北伊中心で進み、取り残された南伊は困窮していくばかりなりとなった模様…「シチリアの人々の胸中に、国家への憎悪、国法への不信の念が、根強く沈潜していった。頼れるのは、同郷人同士の団結しかないという、悲しい自覚とともに」とゆー訳でマフィア誕生ってか?どこも同国内とゆーとこはそれなりに富の再分配が平等でないと、恨みつらみで内政不安を招くのは同じなんだなぁ…どこか一つが発展すればそれに伴ってテイクオフなんて、そんなの関係ねぇー(死語?)とゆーか、あるのかそんなの?

 そんなマフィアが撲滅の危機にあったのがムッソリーニの政権下だったとは、歴史の皮肉か…「今日の民主警察では、自供ぐらいでは有罪にできない。確証がなければ駄目なので、マフィアに関する裁判は、ほとんどすべてが、証拠不十分で無罪放免になってしまう」とな…では、戦前、戦中には壊滅的危機にあったマフィアが何故息を吹き返したか?というのが、「助けて起きあがらせたのがFBIであった」とな…どゆ事とゆーと、WWⅡの伊上陸作戦ですよ、奥さん(誰?)その手筈を米は伊のマフィアに委ねた訳でござるとな…「マフィアが手引きをし、イタリア・ドイツ軍に対する民衆のサボタージュを組織したからこそ、米軍のシチリア攻略は、ああも簡単にやれたのである」って…さすが米、正義の国はやる事が違う…

 結局どーなったかと言えば「戦争終結後、マフィアは、わがもの顔でのし歩くようになった」とな…マフィア的には米サマサマだよなぁ…そして現在、そのシチリア・マフィアは「政治とがっちり結びついている」とゆー事で、しかも「全イタリアの政治である」になるそー…そして戦後のシチリア独立運動の阻止にもマフィアが一枚絡んでいるというからパネェ…詳細は本書をドゾですけど、かくて時の政権に貸しを作った事になったりと…

 ちなみに「国会内の反マフィア調査委員会が、人々の唯一の希望となった時期があった」そーだけど、「マフィアが、どの政治家とつながっているのかという問題については、いまだ慎重に調査中、と答えただけである」って…伊の闇の部分もアレだなぁ…結局、金と暴力を持ったものが勝ち誇るって事か?マッチョ思考が席巻する訳だよなぁ…

 面白豆知識的には、ローマの下水道、「"ローマ元老院並びに市民たち"の作ったものは、十九世紀のパリの下水道よりも、ずっと優れていたという事実が、研究によって証明されている」そな…で、今も機能していると…古代ローマのインフラって…でもって、著者は古代ローマに対する研究書は歴史的なソレはあるけど、技術的なのはどよ?とご提案なさっていますが?特に日本の場合、理系の歴史的なそれは科学史とかはやっている人いるんだろーけどあまり世間に浸透はしてないよーな?ましてや工学史となると、どーよ?

 面白いと言ってはアレなんだけど、ある米人(青年?)の告白じゃないけど、「世界史上、指導的な立場であったいくつかの国民の中で、アメリカ人ほど馬鹿な国民はいなかったのではないか、という気がしてくる。ものの考え方感じ方が、まるで幼稚なのだ。ぼくは、悪人も堕落した者も我慢できる。だが、自分たちが正しいと単純に信じきっている馬鹿者だけは我慢できない」と米人自らが言うとか(笑)というより、そー思っている、気付いている米人っていたんだ?どこぞの観光大使みたいなのばかりかと思っていたけど?もしくは臆面もなく正義とは何か?とかほざけるとか(笑)かくて、この米人、母国で暮らしにくくて伊に戻ってくる事になると…何とゆーか、物事気付いた方が勝ちって事もあるけど、負けって事もまたあるもんなんですよねぇ(笑)

 も一つ米人ネタ、「インテリのアメリカ人ほど、ヴェネツィア貴族の女に弱い人種もいないそうだ」とな…ダイヤモンドに目が眩み、もといダイヤモンドを持っていると違うものに目が眩むらすぃ(笑)もっと凄いのがナポリのアメリカ戦艦のエピ…WWⅡ直後にナポリに入港した米戦艦、一夜にして消滅、丸ごと盗まれる事件が発覚したとな…船に残った乗員に、艦長が呼んでるとナポリ人に言われてそれを真にうけて乗組員が皆下船し、その夜の内にあとかたもなくなってしまったとか…「これは、ナポリの泥棒史上、記念すべき金字塔なのだそうだ」って…これこそまさにホンマでっかぁーっ?じゃまいか?即座に鉄くずにして売っぱらったであろー伊人パネェ…

 とまぁ、伊に関したエピ満載、今更驚いている己のタイムラグが空しいが、まぁ終始一貫して思うのは伊パネェって事ですかねぇ?とてつもない伊でもいいけど(笑)そんな訳で本当に今更ですけど、読んでいない人がいたらこれは是非読むべきじゃまいか?とお薦めしとこー(笑)他にもたくさん、たくさん、本当にたくさんっエピいぱーいですので、本書をドゾドゾ。

 目次参照  目次 国外

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