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2015年5月 9日 (土)

民衆は抽象的なことに対しては判断を誤っても、具体的な形で示されれば正しい判断を下す能力をもつ(笑)

ローマ人の物語 28 すべての道はローマに通ず 下  塩野七生  新潮社

 前巻に続いてローマ帝国インフラ道とは何か?で、本書はハードなインフラとして上下水道、ソフトなインフラとして医療と教育が取り上げられておりまする…で、ハード、ソフトとは何やねんという事で、具体的にどゆのがあげられるかとゆーと…

 ハードなインフラとしては、「交通手段としての街道。橋。港湾。神殿。集会や裁判が行われ公共図書館もあるところから、市民生活の中心であったとしてもよいフォーラム(広場)とバジリカ(公会堂)。娯楽施設としては、ギリシア式そのままの楕円形競技場。これまたギリシア式の半円形劇場。ローマのコロッセウム・スタイルの円形闘技場。そして衛生面での効果も無視できなかった、上水道と下水道。公共浴場。」ということになり、
 ソフトなインフラの方は、「安全保障。治安。税制。通過制度。郵便制度。貧者救済のシステム。育英資金制度。そして、医療。教育。」となるそな、何よりも圧巻なのは、「ローマ時代では、これらすべてを備えていないと、都市とは認められなかった」とゆーとこじゃまいか?まさにローマは一夜にしてならず、そして、帝国とは機能的であり、万人向けの整備が出来ていなとこに存在はしないとゆー事らすぃ…民度というか、心構えが違いますってか…

 それは、経済のゆとりか、インフラの必要性の感覚の欠如か、実行力と政治力か、それとも平和か?常時とは何か?ですかねぇ(笑)これが本当の今でしょ(死語?)じゃね(笑)

 アリス的にローマ…まぁ本書的にいくと下水道のとこで確か大阪は秀吉の頃のソレが未だ現役のはずだが?大阪水道局ではその見学も可能だったよーな記憶が薄らと…都市の真ん中で未だに健在って、それってどよ?だけど、まぁ秀吉なら古いと言っても400年オーバー位だが、ローマとなると2000年位前の話じゃまいか?で、それが未だに機能しているところもあるとゆー話だから、ローマ帝国パネェでごさるじゃね?

 おさらいするまでもなく、ローマは丘と川のほとりの街…だから水そのものに困っていた訳ではないけど、都市化が進んで水の安定供給も視野にいれないとね、ついでに奇麗なお水が源泉から直で欲しいよね、となった時、本気で動くところがローマだろか(笑)ちなみに、人工的なこれに手をつけた人物が、アッピウス・クラウディウス。どっかで聞いた覚えがあるよーなといえば、あのアッピア街道のお人でござるだったりして…

 ローマはその長い歴史の中で傑出した人物を何人か輩出しているけど、このアッピウスもその一人じゃね?軍事的なソレはないみたいけど、この行政能力、国家百年の計とゆーか、この人がいなかったら、ローマの都市化もやばくね?だったんじゃなかろーか?ローマ人で会ってとゆーか、見てみたいものよのぉ、越後屋では、一がカエサルだとしたら、二にアッピウスをあげまする…先見の明とはこの人の為にある言葉じゃなかろーか?

 まぁ何にせよ、公共事業は財務官のお仕事として確立したのがアッピウスだったとな…先鞭をつけたという点でも画期的だったとゆー事に…「アッピウスは、財務官イコール公共事業の最高責任者というローマ伝統の、「一里塚」を立てた人でもあったのだ」とな…

 そんな訳でローマ市内の水道としては、アッピア水道、アニオ水道、マルキア水道、ユリア水道、ヴィルゴ水道、アルシエティーナ水道、クラウディア水道、新アニオ水道、トライアーナ水道(バオラ水道)、アントニアーナ水道とあり、またローマ以外だと「ローマ街道の幹線が通っている都市ならば、必ずローマ水道が引かれていたと思ってよい」になる訳なんですよ、奥さん(誰?)水道の本数は都市の規模に比例するとな(笑) 

 アッピウスの次に水道事業的な人材をあげるとしたら、アグリッパじゃね?になるらすぃ…ええ、アウグストゥスの右腕、軍事担当の武将でござる…アウグストゥスが権力を手中に収め、ローマを掌握し、停戦となった後、アグリッパの仕事は軍事から公共事業にシフトした模様…「優れた武将は、組織づくりの巧者でもある」訳で、「二百四十人から成る技術者集団を組織した。全員が奴隷」とな…よーするに敗戦地の技術者をリクルートしたとゆー事になるらすぃ…良きトップは適材適所、人の使い方が上手いよね(笑)更にローマ人の技術者も門戸を開くで、国民総もとい工人総国家土木へと邁進した模様…これまた詳細は本書をドゾですけど、

 さて、水道ですが、工事の詳細については本書をドゾ。何にしても今も世界各地に残るあの水道橋だけでも規模はわかって下さるんじゃなかろーか(笑)でまぁ奇麗なお水をキープするのに当時は「消毒剤のない時代に水の清潔さを保つ方策として彼等が考えた方法が、言ってみれば「流しっ放し」である」とな…蛇口から常に流しおけでばいいじゃないで、水のエコより衛生面じゃね?だとな…

 てな訳で、「医聖ヒポクラテスを生んでおきながら、上下ともの水道には無関心だったギリシア人」と「医学も医療もギリシア人にまかせながら、上水と下水の整備には熱心、そのうえ公共の大浴場までつくって身体の清潔を保つのにも執着したローマ人」の比較は何だかなぁ(笑)更にマッサージ付だからなぁ…ローマの場合は(笑)心身を清潔に、リラックスさせる、自然状態をキープとかはローマの専売特許のよーな気がする(笑)気になるとこは、とするとギリシアって臭い的にどよ?かなぁ(笑)

 とにかく、国家事業、公共事業、「街道と同じく水道も、ローマの中央政府ははじめから採算を度外視していた」とな…ローマ人太っ腹というか、ローマのポリシーがどこまでも歪みねぇーじゃね(笑)ついでに言うと水道料金は公共用と皇帝用は無料だったとうから、凄い…ちなみに皇帝用とは言っているけど、これ大衆浴場用を含むでして…ほぼ公共用といっていいんじゃねなレベル…とにかく、ローマはまずパブリックありきの世界観が徹底していた社会だったりして…私用は許認可制で水道料金も取られるし、その許可も一代限りだし、また私用で水を必要としている人とかでも仕事(染物屋さんとか)で使うも考慮に入れていたみたいだし…

 また、水関係でいけばローマといえば浴場関係も忘れてはいけないってか?ちなみにローマ市内の主な浴場は「アグリッパ浴場」「ネロ浴場」「ティトゥス浴場」「トライアヌス浴場」「カラカラ浴場」「デキウス浴場」「ディオクレティアヌス浴場」「コンスタンティヌス浴場」だとな…ちなみにアグリッパ以外は皇帝が建てた浴場だとか(笑)まぁこれもローマの上下水道が完備していたからこそ成り立つ事業だよなぁ(笑)

 浴場についての詳細も本書をドゾですけど、面白エピ的に一つ、「「アグリッパ浴場」にある一つの彫像が気に入った皇帝ティベリウスが、どうせ庶民には傑作も理解できないだろうと皇宮に移したのだが、入浴客の囂々たる抗議でもとの場所にもどさざるをえなかった」って…ローマの浴場、美術館ばりに美術品にあふれていたらすぃ…でもって、皇帝がパンピーに負けて返却もアレだが、庶民がいく浴場に皇帝も同じよーに浸かっていたのかと思うと…案外、ローマって格差感覚なかったのか(笑)ちなみに「ローマの庶民たちが、これらの傑作で飾られていた「浴場」を、「われら貧乏人のための宮殿」と呼んでいた」とゆーから、いっそ天晴じゃね(笑)

 その他、水道、浴場の詳細については本書をドゾですが、ローマ末期となると「蛮族が水道の坑道内を通って市内に侵入してくるのを怖れたベリサリウスは、ローマに入るすべての水道の水源地の水の取り入れ口を閉じさせるとともに、水道橋が市内に入ったところで坑道も、レンガとセメントを使って閉鎖させてしまったのである。ローマの水道は、これで死んだ」となる訳で、何事も物を運用し続けようとすれば、まず第一に治安なんじゃね、なんですねぇ…安全第一ってか(笑)

 さて、医療の方は元々、ローマ人は「家庭医療」と「神頼み」でのりきっていた模様…でまぁ、医療改革に着手したのはカエサルによる医者と教師は即座にローマ市民権上げるよ政策でしょか?ただし、一代限りとゆー制限付だったらすぃ…何せ補助兵に与えるローマ市民権は25年の兵役の後ですから、この違いは大きいかと?ただし補助兵の方は世襲制だったけど…何とゆーかこの行政の割り切り方がパネェでして、詳細はこれまた本書をドゾ。

 ちなみにローマ時代の医学校ってどこ?とゆーと、ベルガモン、スミルナ、エフェソス、クニドス、コス島、アンティオキア、アレクサンドリアって、殆ど地中海の東じゃね(笑)でまぁ何が凄いって「これら医学校の運営費が、学生が授業料を払うというシステムにはなっていない。医学校のある属州、つまりアジア、シリア、エジプトの三属州が、教授の年給から研究施設に至るまでのすべてに要する費用を負担していたのである」とな…しかも皇帝直轄領であるアレクサンドリアの場合は「ローマ皇帝の助成金で運営されていた」とゆーから、ローマ人、医療ギリシアに丸投げとはいえ、出すものは出していた模様…適材適所ってか?

 ローマ市内には公的な病院はなく、私的なソレ、まっ中には大プリニウスが言うよーに「高名な開業医の診療代の高さ」も問題になっていたよーだけど、とにかく百万都市がそれで回っていたのは事実、というのもやはり公衆衛生が徹底していたからとゆー事になるらすぃ…インフラって凄い(笑)では公的病院はなかったのか?といえば、これがあったと…どこに?といえば、辺境に、ええ、各前線の基地に野戦病院が配置されていたとな…

 野戦病院だからとあなどるなかれ、規模からしても、内容からしても、今でいう大病院に匹敵する施設・設備だったよーで、こちらも詳細は本書をドゾ。しかも、軍団の人間だけでなくて、現地の人もみてもらえたみたいなのだ…現地民にしてみればこれほど有り難い事はないんじゃなかろーか?

 とはいえ、軍団兵の為に建てたとゆーとこがミソか…結局、人を大切にしたとこが強いんですよね、何事も(笑)「ローマ軍は兵站で勝つ」ですから(笑)一例としてカエサルという人は「あらゆる面で、配下の兵士たちを大切にした。戦闘でも、無用な犠牲は払わせない。軍務遂行中も、自分自身は借金しても、兵士たちには充分な食を保証する」とな、更に「元部下たちの除隊後への配慮も忘れていない」「中途退職者への配慮まで忘れてなかったのは、兵士を大切にしたカエサルらしい」と、本当にカエサルはかかわった人達を大切にした人だった模様…まぁ数多の愛人達にも、元愛人達にも慕われた人ですから、これはもー天性か(笑)

 何よりもアウグストゥスが後に勝利者となれたのは「カエサル配下の兵士たちが、すでに市民生活に入っていた退役兵まで加わって、こぞってアウグストゥスの側についたからである」とは…死してなおその影響力を保持するって、カエサル何もの(笑)何とゆーか、真の遺産とはこゆ事を言うんじゃね?の典型かなぁ(笑)まっ、リストラとか格差とか肯定している人達には一生分かるまい(笑)

 一方、教育の方はというと、教師の格的には「アテネで生まれでアテネで学んだギリシア人」、次が「ベルガモンやエフェソス、ロードス島、シリアのアンティオキア、エジプトのアレクサンドリアのうちのどこかで学んだギリシア人」だったとな…まぁこれもパクス・ロマーナで、各国人種錯綜していく訳ですが(笑)取りあえず、教育もこれまた私立であったとゆー事らすぃ…まぁこちらの詳細も本書をドゾ。私立だけに自由競争で切磋琢磨する事にもつながっていた模様…よーは出来ない学校や先生は淘汰されると…

 駆け足で見てきましたが、何とゆーか、どこまでもローマらしいとゆーとこでしょか(笑)とにかく、ローマ皇帝の三大責務は「安全保障、内政、公共事業」だし、統治者の責務は、「被統治者に安全と食を保障すること」ですから(笑)しかも「食」は「職」に通ずとな(笑)そして、食も職も「その保障は、「安全」が保障されてはじめて実現する」のが真理らすぃー…この辺りを天秤にはかるとどーなるか?は皆まで言うなの世界か…かくて「人間の生活にとって最も重要なことは、古今東西一つの例外もなく、安全保障なのであった」だそな…まぁこの手の自覚がいまいちピンときていないのが現代日本人だろか…

 まっそれを良きリーダーはクリアするとゆー事でしょね(笑)ちなみにマキアヴェッリによると良きリーダーには2タイプいるそーで、一「何でも自分でやってしまう人」、二「自分には何でもやれる能力がないことを知っていて、それゆえに自分にできないことは他者にまかせる人」、前者の典型がカエサルなら、後者はアウグストゥスになるそな(笑)

 ローマの見方の一つにインフラがあるとして、側だけ見るのもいかがなものか?かなぁ…とかく土木工事だけのローマ人なイメージもあるけれど、でもこれには、安全保障の確保があって、更に建設があって、その上に中身の充実があるんですよ、そしてたゆまぬメンテナンスもあると…この情熱はどこからきたのか?それにしても思うのはローマ時代にプロ〇ェクトXみたいな番組あったら、面白かったろーになぁ(笑)

 さて、他にもたくさんたくさん本当にたくさんエピ満載ですので、興味のある方は本書をドゾ。個人的に本書で一番笑わせてもらったとこは、著者がカルタゴを見学してるとこのエピ「カルタゴの都市に給水していたローマ時代の高架水道の遺跡を見たときは、感心するより呆れてしまった。呆れ果てて眺めている私のそばを、水の入った瓶を積み上げたろぱを引く荷車が通り過ぎた。水売りの車である。そう言えばローマ時代には水売りはいなかったと、私は思い出した」お後が宜しいようで(笑)

 目次参照  目次 文系

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