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2015年5月15日 (金)

丹色の習作?

インテリジェンス人間論  佐藤優  新潮社

 何とゆーか、男達の挽歌ですかねぇ…所謂一つのエッセイ集だと思われですが、その一つ一つが、視点不統一でありかながら、世にも奇妙な物語になっているとこが、本書の凄いというか、すざまじいところかなぁ?永田町は今日も雨だったぁーっとか、霞ヶ関で会いましょーっとか、それともこれは殿中でござるなんだろか?何せ、インテリジェンスの世界ですからねぇ…歴史の舞台裏とも言うで、どこまでが事実で、どこまでフィクションか?何かオーソン・ウェルズのフェイクを思い出してしまった(笑)もしくは熱湯風呂か?、騙されないぞ、騙されないぞと言いながら、ドボンとなってか(笑)

 前半は、現代日本史そのものでして、歴代の日本の首相とその動きって…うーん…で、後半は、ちょい前世界史的なとこで、こちらにくると楽しい歴史エッセイかもと筆致も軽いんですけど、でもこの著者ですから、ラスプーチンにしても、ゾルゲにしても、金日成にしても、蓑田胸喜、有末精三にしても、何だかなぁ…更に最後の方は宗教的なソレで、ズバリ、イエス・キリストとか、ユダとか、でできますよってにでして…宗教というのは2000年位の時間軸は一瞬のワープなんだなぁと感心しますた…ティリッヒやアルドノなんてまだまだ若いのノリになっちゃうんだろか?うーん…神学パネェ…部外者には本当何も言えねぇ…

 で、本書で一番圧巻なのは、ブービー賞的にはさまれている吉野詣の件…何かもーいきなりフィルム・ノワールの世界に突入している感じかなぁ…でも、どこまでも男の子の群れなんだなぁと、納得しますた(笑)後醍醐天皇は出てきても、西行はいないんですよ、奥さん(誰?)

 アリス的には、あるとしたらスイス時計の同級生達かなぁ?ただ、インテリジェンス的にいくとハードボイルドもあると思いますなのか?で、ミステリー的にどよ?とゆーのもあるんじゃね?でいくと、これもアリスの守備範囲になるのだろぉか? 

 ちなみに「インテリジェンスとは、行間を読むという意味なので、本来的には、テキストを扱う仕事なのだと思う。秘密公電のみならず、普通の新聞記事や誰でも閲覧できる国会の議事録や統計集を注意深く読んで、隠されている情報をつかみとっていく作業は、知的ゲームとしては実に面白い」となるそな…ふと思うに、こゆのに一番適性がありそーなのはその実アリスじゃね?まぁ世界で最も適している人は誰か?と言えば、マイクロフト・ホームズだと思うけど(笑)

 でもって、ラスプーチン辺りは、変態性欲の権威の准教授の守備範囲になるのだろぉか?かなぁ?所謂、露の下ネタ系はこれ如何に?まぁラスプーチン伝説は多々あれど、どーも眉唾多しの世界らすぃ…むしろ、それより現代露というか、露人の閨事情の伝統の方が凄くね?じゃね?ポルノとかの検閲は非常に厳しいものがあったらすぃが、「ロシア人は実地でセックスを大いにエンジョイしていた。ラブホテルは全くないが、公園のベンチに老夫婦が腰掛けているところに近寄り、小金を握らせるとアパートの鍵を貸してくれる。だから、場所に困ることはない」って…「モスクワ大学の寮でも、よほど変わり者でもない限り、大多数の学生は同棲している」そで…しかも露人の理想のセックス観が「週十六回よ」って…「朝、仕事に行く前に一回、夜一回、土日は昼に一回加わるから週十六回になるのよ」って…新手のジョークかと思っていたら「このノルマをこなし続けることができない場合はどうするか。恋人や妻には浮気をする権利が生まれる」って…

 かくて、夏のバカンス一か月間とかは、思い切りリゾラバな世界が普通みたいだったりして…一夏の恋、もといセフレか?「ロシアでは「川を三つ越えれば、浮気をだれもとがめない」と言って、保養地での浮気は夫婦の間でも黙認されるという文化だ」そな…文化ってパネェ…エカテリーナより、ラスプーチンより、凄いと思うのは気のせいか?

 後はゾルゲの章で、「私の経験でも、優れた情報専門家で、工作上の業績をあげた人物の中に犬、猫、兎などの小動物を溺愛する傾向がある。小動物は人に噛みつくことはあっても、人を罠に陥れたり、信頼を裏切ることはないからだ」って…ウリ・コジ・モモに聞いてみよーってか?

 イエスやユダの章は神学部卒の、何と同志社大の(笑)著者の独壇場みたいなノリなので詳細は本書をドゾ。パウル・ティリッヒについての章は、現代史と絡んだ、中の人的にどよ?なノリかなぁ?プロテスタント神学もパネェでござるなのかなぁ…カール・バルトとか、フリードリッヒ・シュライエルマッハーとか、ビックネーム出てくるで、こちらの詳細も本書をドゾですけど、この章で一番インパクトあったのが「神学の世界で、自らの知の枠組みと異なる言説を評価する場合、「私は一言もわからないが、この論文はすばらしい」というのは、よくある表現形態だ」ですかねぇ(笑)そゆ事で、神学的なとこはどこも今一ピンと来ないんですが、きっと凄い事なんだろなぁと部外者は思ふのであったマル(笑)

 近、現代史的なとこで、外からいくと、金日成の観光業に打ってでよー的なソレは、「ソ連の経済状態が悪くなり、北朝鮮への支援が削減された状況で、何とかして外貨を稼ごうとし」て、本人自らプランを出しているとこが凄い…で、観光ときたらご飯でしょ、で将軍自らメニューを語るですか、そーですか…とはいえ「観光開発は金日成の思惑の通りには進まず、チェンバン麺やボラのスープで北朝鮮経済を回復させるほどのドルを稼ぐことはできなかった。そこで首領様が亡くなった後、息子さんの時代になって、北朝鮮は、偽ドル、覚醒剤や「ノドン・ミサイル」の販売など、朝鮮料理よりも手っ取り早い方法でシノギに励むようになったようだ」って…美味しい朝鮮料理は今いずこってか?

 も一つ、トルクメニスタンのお話は…何だかなぁ…中央アジアに点在するイスラム教の国々が何でソ連にとなれば「スターリンは「ムスリム・コムニスト」という概念を一時期積極的に活用する。要するに、「共産党が行っているのは、西方の異教徒に対する聖戦だ」という表象で中央アジアの人々をソ連側に引き寄せたのである」とは知らなんだ…

 で、そんな中の一国がトルクメニスタンという事になって、ご多分に漏れずニャゾフによる独裁国家という事になるらすぃ…「実を言うと、トルクメニスタンにおける個人崇拝は北朝鮮以上である。しかし、北朝鮮の"将軍サマ"と異なり、"トルクメニスタン"は圧倒的多数の国民から支持されている。それは、ニャゾフが天然ガスを売却したカネで国内産業を振興させ、国民を働かせるという路線を選択しなかったからだ」とな、よーは資源立国でやっていこーでしょか?でも「資源をもつ国は、大国や近隣諸国から狙われやすいと考え、永世中立国を宣言し、それが一九九五年十二月の国連総会で承認された。その結果、いかなる国家であれ、トルクメニスタンに対して軍事介入をすることができなくなった」とな…ホンマでっかぁーっ?

 こちらの詳細も本書をドゾですが、政権は次期大統領ベルディムハメドフに代替わりしたみたいですが、それでもトルクメニスタンは「時代錯誤の中世王朝のような国家体制を構築」続行中らすぃ…露、米に、トルコにイランと周りを見渡して、「国境を開いて祖国が植民地になるよりも、国境を閉ざし、資源を切り売りしながら」やっていく方が、君は生き延びる事ができるのか?に沿うと見ているかららすぃ…シルクロードというか、東欧諸国というか、これが通常運転なんでしょかねぇ…

 さて、日本に戻って、蓑田胸喜はともかく、有末精三の方は、これまさに歴史が今動いたの世界じやね?でして、日本戦後史の裏エピの最たるもののよーな気がする?陸軍参謀本部第二部長(情報担当)のあの八月からのお仕事なんですが、ここはもー是非、本書をドゾ。騙されたと思って是非ドゾ。陸軍にも人材いたんですねぇ(笑)何か陸軍というと大本営発表な人達ばかりなりなイメージでいたら、インテリジェンスのプロがいたと…

 大きな流れ的なソレの詳細は本書をドゾですが、「有末精三は、下士官のビールの飲み方から、米軍の軍紀の乱れに気付いた。軍紀の乱れは日本人婦女子に対する暴行事件に如実に現れた。しかし、このような事件はGHQの厳重な検閲により、国民の目からは隠された」とな、この事に対しての米軍はとゆーと「若い学生がジャングルから飛び出して広々とした校庭に出たようなもの、しばらく我慢してくれ、われわれの方も十分気をつけるから」(@第八軍司令官アイケルバーガー中将)で、当然なから「状況は改善しなかった」とな…とはいえ、有末達はあの手この手で軍事法廷にまで持ち込んでいたりするんですよね…「情報将校たちが、人権尊重というアメリカの倫理を用いて、日本人女性をレイプした米兵を法廷に引き出したという事実には意味がある」で、インテリジェンス的な見地で本章は進んでいくんですが、となるとこれって米の公式記録として残っているんだろか?と、ふと思ってみたり…たり…たり…

 さて、本書の半分近くを占めている、日ソ間のお話の件は、鈴木宗男とか、橋本、小渕、森に、エリツィン、プーチン、その他側近の皆様達の世界の顛末についての詳細は本書をドゾ。戦い済んでというより一時停止みたいなノリだが、陽は暮れてでの奈良・吉野旅行の件とか、男って奴は…の世界かなぁ…権力ってパネェ、理想ってパネェ、でも欲望が一番パネェなんだろか?これでもまだ書けてないとこがいぱーいあるんだろーと思うと、外交って…ちょっと普通の神経じゃいられない世界だなぁ…

 とても一口で言える内容ではないので、日本人にとっては悲願の北方領土四島返還ですが、多分にこの裏の裏の裏の裏もあるんだろーなぁとゆー含みがこあい…しかも、本当に命懸けですから…まぁでも、いざという時の人を見る目だけは養われていくんだろぉか?信じるとはむごい事だなぁと改めて認識したとゆーか、そーいや、死が二人を別つともと神に誓っても簡単に離婚する世の中でしたね(笑)ましてや、永田町や、霞ヶ関や、クレムリンの友情は…紙よりも薄いのか、血よりも濃いのか、それが問題だってか?

 てな訳で、他にもたくさんエピ満載ですので、興味のある方は本書をドゾ。最後に一つ選択するとしたら、後書きのところかなぁ…人の表象能力と思想についての件なのだが、「動物は、たとえば子猫に危害が迫ると母猫は文字通り命を投げ出して敵と戦う(なぜか父猫は子猫のために命を投げ出して戦うことはしない)」という前振りはともかく、問題はならば人はどーか?とゆー事で、「人間の場合、女だけでなく男も、恒常的に自らの命を他者や国家、理念、神などのために投げ出す覚悟ができる。この覚悟を作り出すのが思想である。人間にとって自分の命はとてもたいせつだ。その大切な命を投げ出す気構えができた人間は、他人の命を奪うことに躊躇がなくなる。イスラム原理主義、マルクス主義、(北朝鮮の)主体思想、そして私が信じるキリスト教思想も、基本的には「人殺し」を正当化する論理を含んでいる。だから、思想を扱うことと殺人は隣り合わせにある。このことを自覚していない思想家は無責任だと思う」のとこは、人を殺したいと思った事があるからな准教授的には、どよ?かなぁ…

 人はその時、どーするのか?キレるのか?逃げるのか?それとも…

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