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2015年6月18日 (木)

建て増しと斜面(笑)

四次元温泉日記  宮田珠巳  筑摩書房

 男40代にして温泉におもむくでしょか?ちなみに著者は筋金入り(?)の温泉嫌い(笑)らすぃ…というより温泉に興味ないと言った方が正しいのか?で、理由の一番が脱ぎ着が面倒だとゆー、温泉以前にお風呂も面倒くさいのでシャワーで十分という人お人らすぃ(笑)かくて、始まる前から、そして全体のトーンとして、この著者の何事も面倒くさい感が全面に渡って漂っている雰囲気(笑)そんなお人でも出歩くのと(若い頃は)スポーツもお好きだったみたいで、若人よ、温泉よりスポーツで汗を流せは本書のあちこちに出てくる著者の主張らすぃ(笑)ちなみに旅行とスポーツは面倒くさくないのか?という素朴な疑問があるが、よーするに自分の興味ある事以外は全て面倒くさいという、ただそれだけの事のよーな気がする…これまたちなみにこーゆー人が結婚して、更に子供もいるんだから、世の中って凄い…むしろ健康的と言えるのか、結婚も子供も面倒ではなかったとゆー事なんだから(笑)

 かくて縦のものを横にもしないんじゃなかろーかな著者が温泉詣での旅に出る理由は、温泉宿にありで、成程温泉風呂にこだわった結果か?と思いきや、著者の興味は温泉宿のその建物、もっと言うとその中身、ええ、迷路を求めての旅なんでございますよん(笑)

 比較的古い温泉というか、鄙びた温泉宿の建て増し建て増しした結果、宿の中は殆ど迷路じゃね?な迷子必須物件がこれまた国内にいぱーいあったんだなぁと…本書はそれらをこれまた、旅は道連れ世は情けなのかは知らんが、元上司の紋さんと元仕事仲間の篠さんとの三人旅…ちなみに紋さんも篠さんも温泉好きである。初心者はやはりマニアに誘導されてが常考か(笑)とは言え、この三人、現地集合現地解散で、宿では一緒だが、旅・観光は個人でというスタンス…かくて40代おじさんの温泉旅が始まるよぉってか(笑)ちなみに二人とも迷路には興味がない(笑)

 さて、温泉は風呂である教の著者の運命は如何に(笑)

 アリス的に温泉となれば、異形になるのかなぁ?だけど、今回はむしろ迷路を求めての旅の方があると思いますか?これはアリスならば反応しそーと言うより、ミステリ的に迷路の旅館って舞台装置としてはこれ以上のものはないんじゃなかろーか?後は、初っ端が三朝温泉なんだけど、これに著者はスーパーはくとで移動するんですよねぇ…しかもポォ全集を読みながら(笑)

 それとアリス的に男旅って、「何しろ三人とももう四〇過ぎたおっさんであるから、ずっと一緒に旅行するのは気持ち悪い。そこで宿だけ決めて、あとは自由ということになっている」の件でしょーか?そーだったのか?アリス(笑)マレー鉄道のアレを見て、男旅って常に一緒というのが普通かと思ってますた(笑)蝶々の蟹旅行でもそーだったし、この辺りの感覚って殿方的にどーなんだろぉ(笑)まぁ著者的には他人と一緒なんて他人に気を使うのは面倒くさいとゆーオチのよーな気がするが(笑)

 でも、温泉への道すがら車内から「若い女の子の姿を見たような気がしたが、歩いてみるとそんな優雅なものは一切なかった」と一瞬でチェックしてるとこは面倒くさくないらすぃ…も一つ、混浴の露天風呂(O温泉・大沢の湯)での一コマ「湯舟に、ひと組年配の夫婦が入っていた。女性は体にタオルを巻いて浸かっている。テレビや雑誌では見たことがあったが、本当にああやって入るのかと感心した」となり、著者の思考は「あのお湯に浸かったバスタオルは、あがるときどうするのだろう。まさか体に巻いたまま更衣室に戻るわけにはいくまい」と(笑)「この混浴女性のバスタオル問題は、しばらく私を悩ませた」って…F温泉では「玄関をくぐると、数人の若い女性スタッフに出迎えられ、驚いた。こんな辺鄙な場所で、そのような華やかなものに出迎えられるとは予想もしていなかった」で途端に「館内もアカ抜けた感じ」になってしまうらすぃ(笑)著者が他人に関心をはらっているとこって何故かこゆのばかりなりな気がするのは気のせい(笑)

 尤も、この手の話の極めつけは若き日の紋さんの思い出話(笑)「昔、オレがある芸能人の付き人だったときに、京都の料亭で、その人が酒呑んでそのまま寝ちゃったわけ。そうしたら、そのときのスポンサーが、付き人のオレに気を遣ってくれて、オレの部屋もとってくれたんだけど、そこは畳の中に湯船があったよ」と、ここで何故に畳の湯船の話が出てくるかというと、著者が「浴室の床が畳張りの温泉で別府の市街にあるらしい」事を知り、入ってくれば良かったと後悔しているとこに、紋さんのお話が出てきた訳…で、この話は続くで、「しかも、そこに白襦袢着たお姉さんがいて、世話してくれるんだよ」とな(笑)そんな世界があると知らなかった紋さんの若き日(23-4歳頃)の面食らった思い出…それを聞いた著者は「そんな風呂に入れるなら、温泉なんかどうでもいいぞ。今すぐこの連載やめたっていい」って心の叫びか?正直者乙ってか(笑)「で、そのお姉さんとは、一緒にお風呂に入ったんですか」に「入ったよ」って答える紋さん(笑)何か本書の中で著者の文章に一番力が入っているよーな気がするのも気のせい?

 横道にそれましたが本書のメインはあくまで迷路、その迷路の方はといえば、三朝温泉K旅館、温泉津温泉某、伊勢A旅館(温泉ではない)、湯の峰温泉Aや旅館、K温泉(那須高原奥)K温泉旅館、四万温泉S館、花巻南温泉峡O温泉、花巻南温泉峡N温泉F旅館、H温泉(秋田)、微温湯温泉(迷路無し)、東鳴子温泉T旅館、瀬見温泉K楼、伊豆長岡温泉N荘、湯河原U屋旅館、別府鉄輪温泉Y荘、明礬温泉別府温泉保養ランド泥湯・照湯温泉・神丘温泉(迷路無し)、垂玉温泉・地獄温泉(迷路無し)、新湯温泉新燃荘(迷路無し)、霧島温泉Y荘、地獄谷温泉・渋温泉K屋、下呂温泉Y館と出てくるんですが、その他外湯・周辺温泉についての詳細は本書をドゾ。それにしても何故温泉名や旅館名が伏字なんだろー?何かと温泉宿は暗いとか陰気だとかマイナーよりな発言しているからだろか?上向き発言じゃないとメディア的にアウトなんだろか?

 世の中いろんな温泉旅館はあるもんなんだなぁと、何か感心しますた(笑)で、それだけ面白い造りになっているのに何故かその建物の見取り図みたいなのに力入れてない旅館多しなんですねぇ…それもウリになると思うんだが?で、各館著者による平面図なんてのも掲載されているんですけど、今ならパソもそれなりの性能があるのだから3Dのそれもありなんではないかと思うが如何なものか?というより、この迷路系を字面で説明されてもピンと来ないので、むしろこの企画ならば文の人よりカメラマンの人の方が向いていたんじゃないかなぁと?こゆのは普通見て驚くものじゃなかろーか?

 まぁ最初は「温泉は風呂であり、風呂は家にある」だから、わざわざ温泉に行く必要はないと言い切っていた著者もこれだけ全国の温泉を巡っているうちに、最初は迷路の建物を見に行くんだといきまいていた著者も、最後には温泉巡り堪能しているとこが、やはり貴方も日本人ってな感じでちょっと微笑ましい(笑)まぁ温泉好きじゃない限り、殿方として温泉に行くというのは、どーも今一後ろめたいというか、大手をふるっていけない世界らすぃ…

 というのも四万温泉の同行者がいつもの紋さんと篠さんではなくて、知人の杉江さんになるのだが、こちらもあまり温泉には興味がないタイプだったと見えて、著者よりもアレルギー反応示している模様…曰く「浴衣に着替えたら負け」と断言しているとこじゃまいか(笑)で、どーしてそーなるか?というと「おっさんになった気がするからだそうだ」って…男子ぃ的には温泉って中高年趣味と思われるとゆーのもあるのか?

 ちなみに浴衣というのは着崩れしやすい服だが、「仮にはだけてしまった場合、若者や女性ならば、かえってセクシーだったりするけれど、おっさんは無惨である」とゆー現実ですか(笑)かくて「浴衣を着るとおっさんになるのではなく、浴衣を着ることによって、おっさんが露呈しやすくなるのである」になる模様…男の子だって若く見られたいって事ですね、分かります(笑)

 というのが殿方一般とすると日本人一般はど?とゆーと、「昔どこかの国を旅行したときに、お前たち日本人はコーヒー一杯で半日過ごせるか、と訊かれたことがあった。日本人はせっかちだから滞在型リゾートには不向きだと、その相手は暗に言いたかったわけだが、コーヒーは無理でも温泉ならば半日といわず何日も過ごせるのが日本人なのだった」の件は、これまた日本人ならよく分かるの世界かなぁ(笑)

 後、温泉だから食の方はどよ?というと食の話はあまり出て来ないよな…こゆのもまた珍しいと思うが、著者は新しい温泉本を目指していらっさるんだろーなぁ(笑)ただ微温湯温泉で「この宿の夕食は、ほかほかしてとてもうまかった。小鉢が並ぶのは同じでも、他の旅館の食事と比べて何かが決定的に違う」と、著者が珍しく力入れて表現しているとこを見ると微温湯温泉行かねば、だろか(笑)

 食関係では紋さんの科白がこれまた灌漑深い…「みんな調味料は体に悪いからって、控えめにしようとするんだけど、調味料ぐらい、それで本当にうまくなるならもうどかどか入れればいいんです。健康のためにまずいもの食って、なんのために生きているのかって話ですよ」と言い切る紋さん素敵すぐる(笑)しかもこの方只今抗がん剤服用中なのに…

 と、おじさんの温泉ライフ、これが普通なんだろか?なんですが、まぁ興味のある方は本書をドゾ。それにしても日本の温泉旅館って、戦前どころか、明治・大正どころか、江戸時代のものがそのまま残っているのも結構あるんだなぁと…地震・雷・火事・親父がいても残る物は残るんですよねぇ…そして、その中に建て増しして、今までの建物と真逆な方向のソレをくっつけてみたりする、でもってそれをそのまま現代までまるでタイムカプセルのよーに続けている、そんな建物があるところにはあると(笑)これこそまさにえきぞちっく・ざぱんたよなぁ(笑)

 目次参照  目次 宿泊・温泉

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