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2015年6月27日 (土)

かっ食らうっ(笑)

ぷくぷく、お肉  赤瀬川原平他  河出書房新社

 所謂一つのアンソロジーだと思われなんですが、それもお題はお肉のエッセイ(笑)がドドンとな(笑)まぁ、人、肉と聞くと何故かテンション上がっていくみたいで(笑)どのエッセイもポジティブというか、前向きに(笑)な話かなぁ(笑)

 で、何故に本書を手に取ったか?は肉となれば色々あれど、やはり今日は焼き肉か?な気分だったから(笑)で、本書を見たら焼き肉関係は三編入っていたりして(笑)どの話にも各氏それぞれの焼き肉道があり、一口に焼き肉って肉を焼くだけかと思ったら、そーでもないよーな(笑)ちなみに焼き肉は大勢とわいわいがやがやしながら食べるが宜し派で「文字通り肉は血涌き肉躍らせながら食べるべきものであると思う」(@井上)とかあったりして、シーンとして食べたら美味しさ半減しちゃうよって事らすぃ…

 テーブル着いたら取りあえずビールとか、取りあえず生とか、白いご飯は必至とか、肉の焼き加減とか、まぁ細かいマイルールは各自でよろかなぁ(笑)それにしても肉質についての話のとこで「韓国の知人にきくと、ソウルの焼肉屋が使っている牛肉は大半が輸入品だそうである。アメリカ産か、オーストラリア産か知らないが、どちらにしても輸入品は最上質なものが来るわけではないから、そのなかから焼肉屋がまた値段の安いのを仕入れるとなると、どうしても質が落ちてしまう。ソウルで食べる焼肉と東京で食べる焼肉の最大の違いは、日本製の上質牛肉とそうでない輸入牛肉の違いであることがわかったので、以後、韓国に行ってもわざわざ焼肉を食べに行く気はしなくなった」(@邱)って、そーだったのかぁ?

 さて、焼き肉とはみんなで食べに行くものでの思考からすると「同業者や編集者とともに「肉の会」というものを結成している。毎月29の日に焼き肉を食べに行く」(@井上)というのがこれぞホンマの焼肉道のよーな(笑)まぁ焼き肉のいいとこは、皆でざっくばらんに食せるとこかなぁ?ビール飲み飲み、ご飯食べ食べ、肉を焼き焼き、各自好き勝手にかっ食らうあると思いますじゃまいか(笑)

 アリス的には、お肉となるとダリ繭他にステーキか?スウェーデンのすき焼きとシチューか、海奈良の焼き肉か、後は朝井さんと行きたい焼鳥と串カツか(笑)

 それにしてもすき焼きは東と西では違うんじゃね?の世界で、その点に言及しているお話多しかなぁ?「割り下を使うのが関東風、砂糖醤油を直接材料に振りかけるのが関西風らしい」(@阿川)はともかく、「今でこそ、牛肉すき焼きと、東京でも言うようになったが、すき焼きというのは、関西風で、東京では、ギュウナベだったんだ」(@古川)になると、最早維新後の食歴史じゃまいかのノリになってきて、まず三河屋(四谷見附)の話が出てきてお皿に並んだ「牛肉の上に、タレがかけてあったこと」が他とは違っていたそーな…それを割り下に入れて焼く、煮て食べたらすぃ…ザクは葱だけで卵もなかったとな…これまた全然知らなかったのだが「卵を附けて食うのは、あれは関西から渡って来た、喰い方」(@古川)だそな…ホンマでっかぁーっ?

 かくて当時のすき焼き屋(牛鍋屋)が出てくる出てくる。鳥金(牛込神楽坂)、えびす亭(神楽坂)、米久(支店多し)、豊国(本郷)、江知勝(本郷)、ちんや(浅草)、松喜(浅草)、今半(浅草)、東亭(浅草)、米久(浅草)、松喜(銀座)、今朝(銀座)、太田屋(浅草)と出てくる出てくる…古川先生の牛鍋人生恐るべし(笑)

 ちなみにその古川先生の関西風すき焼き初対面の図(笑)時は大正の頃でございます…「ザラメを入れる、味噌を入れる。ザクの数が又、やたらに多い、青い葉っぱ、青い葱、ゆばから麩まで入れる。そこへ又、牛肉そのものの、薄い大きい片を、まぜこぜにして、ぶち込んで、かき廻す」(@古川)というのが関西風のすき焼きだった模様…そーなんですか?婆ちゃん?ちなみにこれまた「醤油ッ辛い奴ばかり食い慣れていた僕は、此の生ぬるいような味には、妥協出来なかったものだ」(@古川)というのは実に関東の男子ぃな発言だよなぁ(笑)その後、本みやけ(大阪)や三ツ輪(神戸)、三島亭(京都)と食べ歩くうちに関西風のすき焼きにも開眼した模様(笑)ちなみに本みやけには谷崎潤一郎に連れられてという事らすぃ(笑)

 さて、そんな牛鍋とすき焼きの東西の関係でありましたが、時は関東大震災の後、東京に「関西風すき焼きが進出」してきたんですよ、奥さん(誰?)「そして、おおいにこれらが勢力を得て、それから段々と、東京の店でも、牛鍋と言わなくなり、専ら、すき焼きと称するようになった」(@古川)そで、以降「すべて、すき焼きとなってしまった」になってしまった模様(笑)ただし「これは名前だけのことで、実は関西風すき焼きが、東京でも全面的に行われるようなったわけではない」(@古川)となるそな…昔の名前で出ていますの反対か(笑)

 で、「戦後の今日に至っても、純関西風すき焼きの店はあまり無くて、やっぱり昔からの東京風牛鍋なんだが、名前は全部すき焼きになってしまった」(@古川)というのが実情らすぃ…ただし、「一時は、大分その関西風すき焼きが、東京へも進出して、東京風との間を行く、アイノコ流が流行ったことがある」(@古川)そな…それは何時といえば昭和10年の頃だそで、どこと言えば井上(日本橋)とか、橋本(浜町)だとかだそ…ちなみに東京会館にて「夏場だけ、屋上で、スキヤキをやり、別に、スキヤキ・ルームと称する部屋も出来たが、これらは皆、関西風だった」(@古川)で、関西風はともかく、夏期限定って…すき焼きって夏の食べ物だったのか?

 話は飛んで戦後、夕ぎり(築地)がでけたとな「冷暖房完備の、女中美人多しの、スキヤキ屋が出来た」(@古川)って…ただしこちらも関西風…お肉は松坂からお取り寄せ(笑)

 味的にどよ系では、うつぼ(新橋)の場合「牛肉ぶつ切りという奴、これはネギマのマグロの如く、牛肉をブツ切りにしたものと、葱を五分に切ったのを、味噌煮で食うのである」(@古川)で、割下が醤油じゃなくて味噌だった頃のなごりか?も一つが十二段家(祇園花見小路)で食しているそれはすき焼きというよりしゃぶしゃぶじゃまいか?な話も出てきます。こちらも谷崎潤一郎に連れていかれたお店らすぃ(笑)

 とまぁ短いエッセイの中で下手なすき焼き本より、ずっと濃いお話がズラリ…詳細は本書をドゾ。古川先生まじパネェっす(笑)

 も一つすき焼きの思い出という件では、親戚の家で生まれて初めてすき焼きを食べた少年の頃「後で家に帰ってから、その事がばれて大変である。子供の口の中にお酒をふくませ、それでガラガラとよくうがいをして吐き出し、その後へ蜜柑を食べさし、さてハアと息を吐いて母に吹き掛け、もうにおわない様だ、大丈夫だろうと云うので家へ帰って来た」(@内田)とな…すき焼きとは禁断の食べ物だったんですねぇ…そんな時代ですから、お肉の販売も「竹の皮の包みの肉の中に、仕切りの土手の様にした味噌がある。牛肉のくさみを消す為だと云う」(@内田)でお肉屋さんからしてそゆ事だったらすぃ…ちなみに豚肉の場合は経木にくるむそな…よりヤバいという感覚らすぃが…

 すき焼きつながりで面白エピは坂本九の上を向いて歩こうがどーしてスキヤキになったのか?のオチ「ケニー・ポール楽団というイギリスのディキシーランド・ジャズのバンドが、この曲を最初に録音したとき、"uewomuitearukoh"という題がみんなどうしても覚えられなくて、スタジオで誰かが「面倒だから「スキヤキ」って呼ぼうや」と言い出して、それがそのままレコードのタイトルになってしまったということだ」(@村上)って…それってありですかぁーっ(笑)

 他に面白エピといっていいのかステーキのとこでテキサスの仏育ちの独人シェフの場合…米のステーキなんて硬いし不味いやんけと筆者(@馳)が躊躇していると、実はとても柔らかく美味しかったとな…「日本人ならぼくのステーキの味をわかってくれると信じていたよ。ここの連中ときたら、フレッシュな赤身肉のステーキが旨いと信じ込んでる」と嘆くシェフ、それでもテキサスは好きだと断言するし、だがしかし「テキサス人は僕のステーキの美味しさを理解してくれない」とな…成程料理人には土地と人という葛藤がある模様(笑)

 とは言え米のステーキだけが硬いのか?と言えば、伊のステーキも「筋もなにもついたままのやつが通例」(@神吉)とは知らなんだ…米のステーキに匹敵する、もしくはそれ以上に硬いステーキって、伊、皆さん顎がつおいんだろぉーか?密かに伊人も悩んでいるって、そこは柔らかくしよーよ伊人(笑)まぁそんな事情なので「日本を訪れる外国人が、日本の牛肉の柔らかさに驚き、ほめたたえるのは周知のことだが、その一方で、日本のステーキの味をあまり好まない外国人もまた少くないと聞く」(@神吉)も、さもありなんだよなぁ…まぁハイジのおばーさんならまた話は別だろーけど(笑)

 他にアリス的というと串カツのとこで「昔よく通った新世界はジャンジャン町の串カツ屋に行くのが一番、間違いがない」(@町田)とな…そーだったのか?アリス?焼き肉は鶴橋で、串カツは新世界というのが、大阪的ジャスティスなんだろか?

 それと異形のボタン鍋で、りょうし屋(伊賀)かなぁ?冬期限定のジビエ専門店という事になるのだろぉか?猪と鹿料理のお店らすぃ…でもって、シェフが自ら猟に出て仕留めてきた獲物ばかりというとこが凄い…でもって勿論猪鍋も出てくる訳だったりして、こちらの詳細も本書をドゾ。

 豆知識的なとこでは「大正始め頃の話で、豚肉が一般の食用になったのはその後のことである」(@内田)で、となると豚と牛では牛の方が食事的に先だったのか?も一つ、青山の紀ノ国屋、「このスーパーは元は肉屋だった」(@色川)とは知らなんだ…

 そんな訳で他にもたくさんエピこれでもかとてんこ盛りですので、興味のある方は本書をドゾ。最後に、本書で一番笑ったとこを一つ「編集者はわたしの懇願を冷たく突き放した。そうなのだ。やつらは普段は我々物書きを「先生、先生」とおだてるが、いざとなったら無慈悲な顔で我々に仕事をさせる輩なのだ」(@馳)って、そーだったのか?片桐さん(笑)いや、この辺りはアリス的にも見逃せないでしょおぉぉぉぉ(ファルセット付/笑)

 掲載されているエッセイは、
すき焼き・スキヤキスキスキ(阿川佐知子)、エラクなりたかったら独身だ、スキヤキだ(開高健)、牛鍋からすき焼きへ(古川縁波)、すき焼きの記憶-「自作の中の味」という課題で(山田太一)、すき焼きが好き(村上春樹)
ステーキ・ビフテキ委員会(赤瀬川原平)、世界一のステーキ(馳星周、肉それぞれの表情(神吉拓郎)
カツ・とんかつとカツレツ(池波正太郎)、味噌カツ(向田邦子)、冬でも夏でも、たんてきに、足がつめたいんである(川上未映子)、ビフテキとカツレツ(阿川弘之)、牛カツ豚カツ豆腐(内田百閒)
鶏・昔のトリ(佐藤愛子)、焼きトリ(内館牧子)、鴨よ!(菊池成孔)
焼肉・焼肉(九住昌之)、夕食、肉は「血涌き肉躍らせつつ」(井上荒野)、日本風焼肉ブームに火がついた(邱永漢)
シチュー・ビーフ・シチュー(檀一雄)
ロースト・ビーフ・血よ、したたれ!(伊丹十三)
串カツ・梅田で串カツ(町田康)
豚・ありが豚(角田光代)、豚肉生姜焼きの一途(東海林さだお)、長崎の豚の角煮(吉田健一)、バスティーユの豚(四方田犬彦)、豚ロース鍋のこと(吉本隆明)、豚のフルコース(島田雅彦)
肉・ギャートルズ(園山俊二)、獣の味(平松洋子)、韃靼ステーキ(三宅艶子)、肉がなけりゃ(色川武夫)

 目次参照  目次 食物

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