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2015年10月13日 (火)

霜降り、霜降り(笑)

牛肉と日本人  吉田忠  ㈳農山漁村文化協会

 サブタイトルは和牛礼讃なんですが、所謂一つの畜産物の流れ的なソレなんだろか?タイトルには牛肉とあるけど、鶏肉は出てくるし、他も出張っているよーな?いえ、メインは牛肉なんだろーけど、その前振りというか、後振りというか、そゆとこの記述が多い気がするのは気のせい?ちなみに著者の専門は農業経済学に経済統計学だそで…経済学から牛肉を考察するとこーなるのか?とゆー話なんだろか?

 日本的分岐点は、一つは天武天皇の肉食禁止の令のとこで、も一つが明治維新後の肉食解禁のとごじゃまいか?で、肉食文化が花開いたのは明治以後という事になるんだろーけど、肉食的には幕末から徐々に入り込んでいた模様…その後外国人がやって来たで、彼らもそのライフスタイルをそのまま持ち込む訳で、となれば外国人にとっては日常が洋食なのは当たり前なんですよね(笑)ステーキとか、あると思いますの世界か?

 で、どーも西洋食的には焼くがメインじゃね?な話が、日本に定着する時に牛鍋・すき焼きになったのは、焼くよりは煮る日本食文化だったから、とゆー事らすぃ…そーだったのか?和食?「ネギといっしょに砂糖や醤油で短い時間煮て食べるためには、サシのよく入った牛肉の方がよい」とゆー、煮ても柔らかい肉的に霜降りがいいんじゃね?思考は、最初から下地があったとゆー事か?

 まぁ世の中柔らかい部分だけじゃないから、煮込んで固い肉食うぞが、肉じゃが文化を生んだという事になるらすぃ…まぁ味噌・醤油で煮る、あると思いますか?

 アリス的にすき焼きと言えばスウェーデン館に出てきてますが、大阪人のアリスからしてみれば、煮る的なすき焼きより、焼く的なすき焼きの方がジャスティスじゃないかなぁと思いつつ、神戸に近江に松坂にと近畿の牛の名産地もいぱーいあるし…

 で、その牛といえば但馬を忘れてはいけないってか?「垂仁天皇の御世に渡来した新羅王子天日槍といっても知る人は少ないだろう。天皇の命により、橘を求めてあの世に行ってきた田道間守の曽(玄)祖父とされる天日槍は、伝説によると但馬国をはじめて開いた人であるが、加えて牛を朝鮮半島から但馬にはじめてもち込んだとされる」とな…今は昔の物語というより、「神話は神話である」だろーなぁ(笑)

 考古学的なソレでいく、「日本でも旧石器時代に野牛はいたが、家畜化はされなかった」そで、「縄文弥生時代の家畜としての牛馬骨の確実な出土例はあまりなく、三世紀の「魏志倭人伝」の「牛馬なし」は基本的に正しい」とな…「家畜としての牛は古墳時代後半の五、六世紀に主として朝鮮半島から渡来し、七、八世紀には牛馬耕も行われた」となる模様…

 まぁとにかく、牛が入ってきたとゆー事は、労働力的なソレもあるけど、肉食的なソレもあるという事らすぃが、それでも「家畜を屠畜して肉食する経験は少なかった」とな…当時の日本人的には、野山のジビエはあると思いますだけど、牛馬的にはどーよ?だった模様…そこに天武天皇の詔キタコレになるよーで、ある意味表だっての肉食はないと思いますになったよー…まっこれも紆余曲折はあるし、パラレルなとこもあるみたいだし、建前と本音はどの世界ではあるじゃまいか?で、詳細は本書をドゾ。実際、戦国時代なんかは、「近年切支丹が日本に伝わってから京の人々が牛肉をワカと言って賞味するようになった」とあったりして…ちなみに「現代ポルトガル語で、vicaは牛である」とな…お肉が食べれるから切支丹、これまたあると思いますの側面もあったんだろか?まぁそんなこんなで「徳川の肉食禁制も政治的な切支丹弾圧の一環として出された」とゆー…お肉を巡って、食というより、政が回っていく、そんなとこなんですかねぇ…

 アリス的には幕末期に、あの福沢諭吉の大坂適塾時代のエピに、「まず度々行くのは鶏肉屋、それよりモット便利なのは牛肉屋だ。そのとき大坂中で牛鍋を食わせる所はただ二軒である」とゆー事で、大阪にも幕末、お肉を供するお店があった模様…京都にも牛鍋屋があったよーで、何とゆーか、都にはお肉ありの世界だったんだろか?うーん…

 まぁ維新後の話は今更なので詳細は本書をドゾですけど、「江州の牛の声価を高めたのが、同じ苗村(現竜王町)出身の竹中久次である。米穀商だった彼は、明治五年三三歳で牛馬商に転じ生牛の東京出荷をはじめた。明治一六年には東京浅草橋際に、米穀商時代の屋号「米久」で牛肉問屋を開き、江州の牛肉を一手販売した」って…今でも浅草にある米久って、そゆ前身だったのか?

 何にせよ、但馬、近江には牛に関してノウハウがあったとゆー事は確かだったよーで、その後の日本の和牛を見るまでもない連綿とした歴史って奴でしょか?うーん…

 さて、何故にすき焼き、牛鍋が出回ったか?で、更にどーして日本のお肉は薄いのか?が「ブロック肉ではそれを切るときの血が火の神の宿る台所を「穢す」と考え、薄いスライス肉の調理に向いたことである」とは知らなんだ…「さらにそれでも不安であり、水で洗うかのごとく煮沸しようとした」結果じゃね?ってホンマでっかぁーっ?で、煮るにはサシ入りのお肉の方が固くならないよね、で霜降り肉な日本の和牛文化の下地がここで出来たとゆー事じゃね?でしょか?うーん…まぁそれまでの禁忌と肉質と醤油(味噌)などが重なった結果となれば、これも一つの文化なんですかねぇ?

 それにしても、欧米って昔から肉食ってきた人達のイメージでいたら、「牛肉生産のみを目的とする牛飼業が本格的にはじまったのは、一九世紀後半、新大陸とオセアニアに世界の畜産の中心が移ってからである。そこで農業へくみ込まれた広大な草原が、牛の多頭放牧飼養による牛肉生産をはじめて可能にした。同時に、そこでの穀物の大量生産と安い価格での輸出が、ヨーロッパでの飼料穀物依存の加工型養豚・養鶏の成立を可能にしたのある」だそで、ある意味、お肉の大量生産・大量消費時代キタコレになるんだろぉか?

 で、統計的なデータを見ると、これまた欧米ってステーキな人達かと勝手に思っていたら、年間の一人当たりの消費量が、牛肉の場合、米が49.8kgなのに対して、日本が6.4kgなのは今更としても、英で22.0kg、仏で31.8kg、独(旧西独)22.7kgと米人がいかに牛肉食べているのかよく分かる…ちなみにこれが豚肉になると、独が59.9kg、日本が14.8kgでこれまた日本の消費量は今更だけど、米30.2kg、英24.3kg、仏35.0kgとこちらはもー独の圧勝じゃまいか?でソーセージの国だものでしょか?狂牛病で英って牛肉の国かと思っていたら、そーでもなかったのか?家きん肉についての詳細は本書をドゾですが、こちらも英は他の国と比べてもそんなに突出している訳でもなく、米英仏独の中で唯一英がトップをとっているのは、羊・山羊肉だったりして…メリーさんの羊の世界なんだろか?羊毛と思っていたら、肉か?肉なのか?の世界だったんですか?ウルフ先生?

 後、肉の特性と日本な話だと、お肉は煮ると縮む、とゆー事はサシが入っていないと靴底のよーに固くなって食えんのか?の世界に突入してしまうじゃまいか?と、「グラスフェッドの牛肉を煮るとやや鼻をつく匂いがするからである」とは知らなんだ…「グラスフェッド牛肉の脂肪の融解には高温が必要であり、そのとき筋肉の蛋白質の硫黄含有アミノ酸が分解してい刺激性の匂いをもたらすためだという」からだそな…成程、草を食べて育ったお肉って、基本焼くがメインなんだなぁ…

 その他、ハンバーグなどの挽肉とか、焼肉なんかの需要が上がった為にお肉の需要もまたというとこ辺りの詳細も本書をドゾ。その他各国のお肉事情も本書をドゾですけど、米英はともかく、仏の牛肉事情、仏料理は基本煮込み料理が多かったのに、戦後の米型と高級志向と共働きで、調理時間の長い煮込みより、簡単で手早い焼きじゃね?って事で、お肉の消費部位にも変化が出てきたとゆーのは…どゆ事というと、牛肉の場合、ステーキなど焼く料理の場合は牛の後ろ2/3位の部位使用だそで、足の部分は勿論、首から腹身にかけての部分もいらねとゆー事になるとは知らなんだ…だから「仕入れの中心は後半部になる」とな…一応仏って「牛肉の純輸出国」なんだそーだが、「枝肉に関しては、アイルランド、旧西ドイツなどから後半部位を輸入し、北アフリカ、中近東などへ前半部位を輸出している」って…仏もステーキの国の人だものになりつつある模様…

 ちなみに独では煮込み、シチューへの調理がこれまた主流らすぃのだが、で、昨今の健康志向じゃまいか?で牛肉に関しては赤身万歳の世界に突入しているらすぃ…そんな独人の目から見ると、日本の和牛のサシは「こんな脂肪の多い牛肉が生産されていて、どうして日本の医者たちは黙っているのだ」(@シュタインハウザー教授/ミュンヘン工科大)とゆー印象をお持ちになる模様…

 他にもたくさんエピ満載ですので興味のある方は本書をドゾ。神戸牛とか、近江牛とか、ご飯の台頭とか、食の変遷は明治以降劇的に変化しているんだなぁと感心しますた(笑)

 こーして見ると、日本から見た肉が違うのはそんなもんかのーで何となく分かる気がするんだけど、欧州と米でも全然違うし、ましてや欧州各国でも違うと…その上、豪や南米のお肉生産地的なソレも入ると…いずこの国も皆それぞれにになりそーだよなぁ?お肉も歴史的なソレとか、経済史的なソレとか、環境的なソレとか、生産的なものだけでなく、消費動向的にどーよ?の世界だったんだなぁ(笑)

 でもまぁ薄いひらひらなお肉食べてる日本人って、世界的に見たらアレだったのか?すき焼きとしゃぶしゃぶって…もー結構ポピュラーだと思うけど(笑)

 目次参照  目次 食物

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