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2015年11月15日 (日)

ロマンチックが止まらない?

愛書狂  鹿島茂  角川春樹事務所

 何事にも道楽という道があって、今回のお題は古書ではなかろーか?著者は仏文学の教授とゆー事で、本業の為に出会ってしまったら、そのブラックホールに真っ逆さまに落ちて何ちゃらの世界じゃね(笑)一応、19世紀の文学、風俗関係かなぁ?そしてその挿絵というか、イラストとゆーか…メインは「ロマンチック挿絵本」いらっしゃーいかも(笑)

 かくて、著者愛蔵のロマンチック挿絵本25冊がずずずぃーとなと登場しまする(笑)「内容、書誌的来歴、イラストレーターの経歴などを、入手時のエピソードをまじえつつ、できる限り具体的に語ること」だそで…本書の一番の特徴は、著者所蔵の逸品というのは勿論だけど、よーするに著者好みの本の数々でして、一般の評価ではなくて、著者の評価の下に成り立っているとこだろか?実に潔い本なんである(笑)

 でまぁ、話にはよく聞くモロッコ皮の表紙の本とかも出てくる訳で…中には手彩色のソレもあったりと実に欧米か(死語?)な世界です。まっ巻頭のカラー口絵だけでもうっとりできると思いまする(笑)

 

 アリス的に古書?まっアリスの場合はミステリー関係の希少な本をゲットするぜの世界かもしれないが?EQの初版本とか?ポーのそれとか?まっ本好きならば、一度は夢見る世界かなぁ?でもって、やっぱそゆ世界はその道の人じゃないと何じゃそりゃあの最たるものでして(笑)小汚い、中古の本にうん十万円ならともかく、うん百万とか、うん千万とか、うん億もあるとこにはあるんだろぉなぁの世界って…薔薇の名前の世界でもどよ?とは思ふ(笑)究極の分かる人には分かるの世界かもなぁ(笑)

 でまぁ、本書はともかく、読めというより、見て、の世界が展開しているよな?巻頭のカラー口絵も美しかぁーですが、本文にある図(挿絵)がこれまた実に繊細というか、奇麗です…昔の画家は実に仕事が丁寧だったんだなぁと思いますた(笑)写実的なソレは勿論なんですが、デフォルメ過多のソレも実に細かいんですよ…手抜きがないとでも言うか…

 そんな訳で、ガヴァルニ、ベルタル、ドビニー、ドーミエ、グランヴィル、モニエ、ジョアノー、ラミ、シャルレ、トラヴィエス、メソニエ等々いぱーい出てきますので、これはもー実際にその絵柄を見ていただくしかないよーな?こゆのは本当に個人の好みだと思うし(笑)ちなみに仏の版画家で一番有名なのはドーミエとな…尤も著者はグランヴィルがお好きみたいですが(笑)

 さて「十九世紀フランス挿絵本の最盛期は、一八三〇年から一八四八年までの七月王政期で、この時期に、フランスを代表する挿絵画家が輩出し、造本技術、装丁技術とも頂点を極めた」とな…第二帝政期は物欲の時代だったよーで、そゆ優雅な趣味は下火になった模様…その次の第三共和制の初期もそんなもんだったらすぃが、「しかしながら、<世紀末>という言葉が話題にのぼる頃になると、社会的に余裕が生じてきたのか、挿絵本のような不要不急なものに興味を持つ人間がにわかに増えてきた」とな…この手の本って本当に趣味なんですの世界なんだなぁ(笑)愛好家による友の会みたいな愛書家協会みたいのまで出来てくるんだから、世の中って…

 これまたちなみに「フランスでは、芸術をそだてるのは批評家ではなく、一介の愛好家なのである」というところに芸術の都パリの矜持があるんだろぉか?

 まぁそれもともかく、世紀末には写真も台頭してきて、新聞なんかに採用されていた木口木版職人の職が奪われる事になると…この版画職人が版画芸術家へ、挿絵本のソレにシフトしたのもあるみたいで…逆に挿絵本界ではルネッサンスぅーなノリもあったみたいで…

 とゆー事で「挿絵本の歴史を概観して、ひとつだけ確実にいえるのは、写真の登場が挿絵本を殺したということである」そーだから、20世紀に入ると豪華本でしかお目にかかれず、それも29年の大恐慌でジ・エンドとゆー事態になったよーで…技術と芸術なんだかなぁ…とはいえ、そんな写真家に初期になった人達っていうのが元挿絵師みたいなノリですから、世の中って…転んでもタダで起きないとゆー奴か?

 豆知識的にはパンフレット…これ16世紀からの話なのか?「十六世紀の宗教戦争の時代に、相手の宗派の頭目の乱れた私生活を暴露する怪文書という形で登場したのをもって嚆矢とする」って、そーだったのか?パンフ?ちなみに仏革命の時は、「たがいの党首の大物をギロチンに送る役目を演じた」って、あじってごー?

 後は、仏と英では、その都市の見方が全然違うとゆーとこでしょか?ピクチャレスクじゃないけど、ソフトなのか、ハードなのか、それが問題だじゃないけど、英の方がリアルだろ?みたいな視点だろか?これまた詳細は本書をドゾですけど、おっされーというより、具体的で実用的とゆー奴かもしれないが、ナッシュの絵は好きかもしれないなぁ、個人的には…著者的にはアレみたいだが(笑)やっぱ英人は風景画の国の人だもの、なんですかねぇ?

 他にもたくさんたくさんエピ満載ですので、興味のある方は本書をドゾ。いやもー同じ本を何冊も買って比べている辺り、本好きの人なら分かるエピもこれまた…

 最後に一つ、本書で一番ハーヘーホーと思わされたとこを「ところで、私はちょうど十年前に、このユーグ版から百八十葉の挿絵を選び、これに簡単なストーリーと時代背景をつけた「「レ・ミゼラブル」一〇六景」という本を文藝春秋から出したことがうるが、その少しあとで、さまざま新聞・雑誌がミュージカルを紹介するついでに挿絵を使い、「ユーグ版より」と記していたのを見て、大笑いしたことがあった」とな…それは何故か?「ユーグ版というのは、どこにもユーグ版という版元の記述がないのを特徴としているからである」から…どゆ事とゆーと「私の本から挿絵を無断使用しながら、ユーグ版の原典からとしておけば版権の問題が起こらないだろうと踏んだのだが、「ユーグ版より」と書いたことで、図らずも無断借用を自分で暴露するかたちになってしまったのである」って…お後が宜しいよーで…

 目次参照  目次 文化・芸術

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