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2015年11月22日 (日)

えそてりしずむ?

図説近代魔術  吉村正和  河出書房新社

 うーん、メインはやはりゴールデンドーンですかねぇ?本書的には、ルネサンスの昔から続いてきた西洋の魔術の歴史の世界なんだと思うんですが、紙幅の関係か、つめこみ教育乙な感じで、これは元から歴史の流れを知っていないとちょっと厳しいかも?専門用語と人物達の群れで、それだけで軽く押し流されてしまいそーです(笑)多分、ここに登場している人物一人一人についてのお話で本一冊は軽く書けるんじゃないか?とゆー群れですから(笑)

 でまぁ、西欧においての魔術とは、ルネサンスからだそで「ヨーロッパにおける近代魔術の登場は、ルネサンスにおける古代異教の復活、アラビア科学の導入による科学技術の発展、そして宗教改革によるキリスト教の変容など」のミスクチャーからきたよーで…何とゆーか、魔術というと今一怪しいの世界ですけど、魔術と科学と哲学はある種渾然一体となって進んでいった模様…

 本書的にはそんな中世末というか、近世キタコレから二十世紀にかけての魔術史の変遷をおってみますたの世界らすぃ…とはいえ、やはり十九世紀の盛り上がりが一番のトピックかなぁ?19世紀後半となると日本は文明開化でどっかーんでしたけど、西洋では産業革命でどっかーんだったよーで…

 まぁそれもともかく、魔術を理解するキーワードが、「共同幻想」「神化」「生命霊気」「象徴」「想像力」だそーで、これだけでも何が分かった気にさせるから凄い(笑)

 アリス的に魔術とゆーと、モロッコ水晶かなぁ?所謂、水晶凝視って奴じゃね?「水晶球の中心に霧状のものが現われ、次にメッセージが浮かび上がる」とな…一昔前は占い師のイメージって、テーブルの上に水晶球とフードを被った占い師みたいな感じだったけど、今はどーなんだろぉ?

 ちなみに19世紀には「水晶凝視は、中産階級の人々が夕食会のあとで行う娯楽として人気を博していた」って…余興だったのか?水晶占いって?

 他に水晶凝視では、「フィレンツェで設立されたというこの結社(光友愛団)は、水晶凝視によって「カリオストロ伯爵を名乗る霊」から啓示を受けたものとされ」なんて件もあるし…

 後、アリス的というと乱鴉のとこでタルコフスキーかなぁ?かの傑作とうたわれる「ストーカー」のとこですが、この映画の登場人物がストーカーと呼ばれる案内人なんですが、案内する人達が「教授」と「作家」なんですよねぇ…何この符号(笑)映画のシリアスさ加減というか、内容的にはアレなんですけど、この役を准教授とアリスがやった場合は、相当に違ってくるだろぉなぁと思うと、何か意味深に思えるのは気のせいか?

 さて、魔術史的には、まずは古代ギリシアからとゆー事になるのか?で、「古代ギリシアには、ゴエテイア(ゲティア)、マゲイア、テウルギアの三種類の魔術が存在していた」とな…ちなみに「ゴエテイアは妖術と訳されるものであり」だそで、「のちの黒魔術と呼ばれるものの原形である」そな…「マゲイアは魔術と訳されるものであり」「戦勝祈願、恋愛成就、豊作・豊漁祈願などさまざまな領域において人々の自然な願望をかなえる手段であった」そな…魔術って現世利益的なソレなんだろか?でもって「テウルギアは降霊術(あるいは神働術)と訳されるものであり」「神秘哲学の実践的な形態とみなされた」そな…

 そして「いずれの場合にも魔術師は、神的な能力を身につけることにより、人々の願望をかなえるとされた」とな…ある意味第二のバベルの塔か?神に近づく、神になりたい、神になるのだの世界なんですかねぇ?もっと神的パワーをってか?

 まぁ歴史的な詳細は本書をドゾ。古代ギリシア時代にも魔術的な密儀がありますよってにの世界でしたけど、更に輪をかけて凄かったのは古代ローマだったよーで(笑)その後欧州は中世とゆー長い眠りにつく訳で…次に覚醒キタコレは12世紀になって「アラビア科学の翻訳と移植を契機にして」世界が開ける訳だったりして…それは「世界最先端の数学・天文学・物理学・医学などの科学技術とともに、錬金術や占星魔術が流入してくる」とな…それに「理論と実践を兼ねそなえたアラビア科学にヨーロッパ世界は圧倒されたのである」とな…更にユダヤ教神秘主義カバラーも入ってくると…「十三世紀にスペインにおいて確立したカバラーは、錬金術や占星魔術とともに、古代の秘鍵を伝えるものとしてヨーロッパに導入されるのである」とな…

 かくてルネサンスキタコレになって、メディチ家の時代じゃね?で「ルネサンス魔術の中心は、名門貴族メディチ家の支配するフィレンツェにあった」とな…そーだったのか?フィレンツェ?凄いなフィレンツェ、マキャベリを生み、レオナルドを育て、更に魔術まで席巻しているとは…花の都パネェ…

 さて、「魔術にもっとも関連する学問は、アラビア天文学である。ヨーロッパ人はアラビアの進んだ天文学の科学的知識に魅了されており、惑星の地上に及ぼす影響力という考え方についてもそのまま受け取った」とな…まさに天のお告げってか?も一つ、カバラーの方の「ヨーロッパへの紹介の端緒」となったのがジョヴァンニ・ピコ・デッラ・ミランドラとな…詳細は本書をドゾですが、そのココロが「カバラへおよびカバラーによって高められた魔術によってキリスト教を補強しようとしていた」とゆーから、異端というよりむしろ正統派なお仕事だったのか?キリスト教補完計画?何かこの手の響きは殿方お好きなよな?

 まっともかく「フィチーノとピコによって熟成された錬金術・護符魔術・カバラーを中心とするルネサンス魔術は、哲学の分野では、トリテミウスやアグリッパ、錬金術・占星医学の分野ではパラケルススによって継承されていく」そで、こちらの詳細も本書をドゾ。だんだん聞いた事あるよーな名前が出て来るぞ、と(笑)

 そして飛んで19世紀に入ると百花繚乱の魔術ブームキタコレになるらすぃ…何か19世紀というと科学発展の時代みたいなイメージがあるんだけど…実際は「旧来の占星術は機械的な宇宙論に飽きていた人々の心を捉えるだけの魅力を秘めていたのである」そな…何せ19世紀のロンドンには「一〇〇人近くの(!)占星術師が生活していたといわれる」そで…時代のニーズは確かにあったとゆー事らすぃ…ホームズが活躍した頃ってそゆ時代だったのか…

 そしてこちらの詳細も本書をドゾですが、これからドドンと出てくる登場人物達というか、人脈の輪が凄い事になっていくよーな…ケネス・マッケンジー、ブルワー=リットン、フレデリック・ホックリーとここから綺羅星の如く関係者各位様がいぱーい出てきますよってに詳細は本書をドゾ…

 まぁともかく、「十九世紀前半から半ばにかけて、フリーメイソンの周辺において各種の魔術結社が組織された」とゆー話で、やがてこれが神智学協会とヘルメス協会に続く道となっていく訳で…でもって、その先に黄金の夜明け教団にとなる訳だから、世の中って…

 こちらの詳細も本書をドゾ。ブラヴァッキー夫人とか、アンナ・キングズフォードとか、ビッグネームがこれまたどんどん出てくると…それにしても、こちらの起源というか、元をたどればの先がエジプト派とインド派とキリスト教派にいきつくとこが実に欧米か(死語?)だよなぁ…ローマの昔から欧州はギリシアとエジプトがお好きで、ペルシャはスルー系が多いよーな気がする?ルーツ的には拝火教のそれ入っているかもだけど、素直な好み的にはそっちなんだよなぁ…

 紆余曲折の流れ的な詳細も本書をドゾですけど、これらが隆盛した背後には「イギリス薔薇十字協会が、フリーメイソンにならって女性の入会を許可していなかったのに対して、黄金の夜明け教団は神智学協会と同じように、女性を会員として受け入れたのである」という、時代の流れというか、女性の活躍、活動の場がひどく限られていた時代に、女性に場を与えたというのも大きいんじゃないか?と?後、これは気のせいかもしれないけど、これらの関係者各位の皆様の職業に医者が多い、または親が医者だった人が多いよな…魔術って医師がはまりやすい世界だったんだろか?そーいや、後年のコナン・ドイルも元医者だったよーな(笑)

 後、後世の有名人、芸術家の類もこれらの組織に入会していたりするんですが、何故か、こちら出入りが激しいよな?この入りました、出ました、また入りましたを繰り返せたのも、この協会・教団の特徴じゃまいか?下手な宗教よりよっぽど自由とゆーか、進歩的じゃね?ちなみに女優モード・ゴンの場合「フリーメイソンは、アイルランド人が知るかぎり、イギリスの制度であり、政治的には大英帝国を支持するために利用されてきた」とうつるよーです…よーするに「イギリスの大義に重なるフリーメイソンと、その傍系である黄金の夜明け教団」という位置づけか?成程フリーメイソンってか?

 この手の話とのとこでは、マザーズ夫妻の資金援助をしていたアニー・ホーニマンの件のとこなんかも顕著だろか?「マザーズがケルト復興活動など政治的活動にも力を注ぎ始めたということである。ホーニマン一族の資産は大英帝国の世界支配を前提にして蓄積されてきたものであり、反英運動につながりかねない活動への協力には、いささか気が引けるものがあった」とか色々あって、結局マザーズ夫妻から手を引く事になると…

 よーするに資金的なソレと思想的なソレとが齟齬をきたしてきたのも黄金の夜明け教団が瓦解した理由の一つじゃまいか?でしょか?まぁインテリ層というか、アッパーミドルというか、ブルジョワジーというかで始まったそれも人が増えれば思惑も増えるという事で…

 黄金の夜明け教団の詳細も本書をドゾですけど、その後、20世紀に続く道で、あちこちと関わっているとゆーか、影響を残してね?な世界が展開しているみたいです。例えばフロイト、ユング、シュルレアリスム、モダニズム、更にオカルティズムと…げいじつ的にというならマルセル・デュシャンやバウル・クレーとな…他に映画でアンドレイ・タルコフスキーとか…

 魔術というと何か古いイメージあったけど、現代にも脈々と続いている道なんでしょか?その他、たくさんたくさん本当にたくさんエピ満載というか、歴史的道筋パネェですので興味のある方は本書をドゾ。

 目次参照  目次 文化・芸術

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