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2015年11月25日 (水)

日本の味?

甘辛職人  小菅桂子  中央公論新社

 食の職人のエッセイ集というか、紹介集かなぁ?何とゆーか食の国日本って感じだろか?でもって、今流行りのオレがオレがみたいな前へ出る系ではなくて、自分の職分を淡々とこなしてますが、何か?みたいなノリとでもいおーか?古き良き日本だよなぁと感心しますた…まだまだこーゆー方々がいらっされば日本は大丈夫だぁじゃね(笑)

 でもって、どの人も誰かがやらねばで、それを妥協せずにやってるとこかなぁ?例えば、和三盆の場合のサトウキビ作り…「しかし昔のような和三盆ができないということは肥料に原因があるんですよ。化学肥料だからだめなんです」とな…和三盆作るには、まずサトウキビ栽培から始めんとねって…まっとうな原料確保って生産者なら当たり前なんだろか?

 またお醤油の場合、著者が二十年以上の職人見聞記を踏まえて「現在私の知る限り、木の桶で醤油の仕込みをしているのは、ここ坂巻醤油店だけだということになる」とな…昔ながらの木桶で仕込む醤油、酒、味噌は本当に絶滅危惧種という事らすぃ…

 アリス的には、本書でいくと朱色その他色んなとこで出てくる蕎麦とか、ダリ繭の寿司折などでの寿司とか、鍵の手土産のカステラとか…

 寿司エピ的には、「納豆巻きは逆輸入だからね。ロスのすし屋が日本の情緒をだすために、輸入がらくで、日持ちもして、安い納豆を使ってすしにした。それを向こうでたべてきた人が、日本で流行らせた」(@小野二郎)とな…そーだったのか?納豆(笑)カルフォルニアロールみたいなもんか(笑)

 後お寿司のお米も、「要するに脂がのっていないとパサパサで、パサパサの米っていうのは、どこまでいってもパサパサで、それに酢をまぜたから、砂糖をまぜたからって粘りがでるだけで、サラッといくもんじゃあない」「大粒にいい米はないですよ」(@小野)って、そーだったのか、ご飯?というより酢飯?

 昔はというか、お寿司屋さんて大将が海苔あぶるのが普通と思っていたら、「この頃は、自分のところで海苔を焼いている店って少ないだろうな。海苔屋で電気焼きにしたのを買ってくる」(@小野)のが主流になっちゃってたのか?弟子に寿司は握らせても海苔はあぶらせないってのか寿司屋のオヤジの通常かと思っていたら、違ってたんですねぇ…

 昔ついでにお酢の按配も、「昔の酢にくらべると、酸味が強くなっているんじゃないかと思いますよ。そのために、いまは砂糖を入れてならすわけだけど、砂糖を一寸入れると、つやもでますよね。だから鮨屋は全部、砂糖を入れてると思いますよ」(@小野)とは…昔のお寿司屋さんはお酢は樽に入れてねかせていたそーな…だからそのお酢と塩でいい合わせ酢が出来ていたらすぃ…

 カステラについてはルーツは丸型だったとか?詳細は本書をドゾですけど、「明治期に入って、伝来地である長崎の菓子屋、いまも盛業中の松翁軒、袱紗屋など老舗の菓子家によって水飴や蜂蜜、ざらめをたっぷり使った甘くしっとりとした日本のカステラに生まれ変わることになる」そな…て事はカステラも進化形という事なんだろか?

 他にアリス的だと関西じゃけんで、千鳥酢は京都のお酢だし(笑)ちなみに文献的に最古のお酢は五世紀頃の話となるらすぃ…酒造りと共にお酢造りも伝来したとな…で「そのころ、文化の中心は、大阪付近であって、酢も自然、大阪付近で作られ、その造られた場所が和泉の国であったところから「いずみ酢」「苦酒」ということばとして「和名抄」に出ている」というから、歴史のある話なんですよ、奥さん(誰?)

 他に京都でしばづけとか…ちなみに「大原のしばづけは、京づけのしばづけのようにきゅうりは入らない。したがって青じそとなすとみょうがだけというまことに素朴な組合わせである」となるそな…そーだったのか?しばづけ?

 大阪的エピとしてはイカリソースの話がパネェ(笑)「国産初のソースがお目見えしたのは明治二十七年のこと、大阪の越後屋が「三ツ矢ソース」を売り出している」ちなみにその時のソースは「洋式醤油」略して「洋醤」とな…その翌年に大阪の錨印ソース(現イカリソース)白玉ソース、日の出ソースと出てきた模様…当時は全然馴染みのなかった調味料なので、PRの為に「天王寺動物園から象三頭を借りて来て、その象の背中にイカリソースと書いた垂れ幕を垂らして大阪中を歩かせたり」って、当時の動物園事情って…それってありですか?

 大阪的というなら昆布職人…「今は「大阪と堺を合わせて五十人もおりませんやろ。もう跡継ぐ者もいてしまへん」(@三田一次)」とな…おぼろ昆布って機械化厳しいだけに職人がいなくなったら、どーなるんだろぉ…

 それにしてもきんつばって東京(江戸?)のお菓子だったのか?「いっぺん京都のきんつばを買ってみたんですが、素人でもできるようにタネが濃いんですよ。どっぷりついてんの。そうすると、冷めると固くてね。タネってなんの味もないもんでしょ。それで「こんなまずくちゃあ東京じゃ売れないよ」ってことでね」(@増田清治)って、そーだったのか?きんつば?いやぁ和菓子って何でも京都が本場もんと思っていたら、きんつばは違うのか?うーん…

 と地域的なお話はともかく、千代田区にあるそれらはもしかして神田界隈なんでもしかして片桐さんのテリトリーかなぁ(笑)

 どじょうは七種類あるとか、「清水の湧くところのどじょうは骨が固いんです。水の温度が低いからね」(@渡辺繁三)だとか、後「天ぷら屋とうなぎ屋は両方のにおいが両方の味をこわすとあって、隣同士にくるようなことは絶対にしなかった。それが今はどうです。みんなデパートの食堂みたいになっちゃいましたね」(@同上)だとな…お店の並びにも意味があったんですねぇ…昔は…

 しそには青ジソと赤ジソがあるけど「虫は青じそから食べていくんですよ。うまい方をちゃんと知っているんですよね」(@久保勝)って、そーだったのか?シソ?というより虫?赤じそって梅干し用かと思ってますた…他に「金平糖は家庭の砂糖だと角が立ちません。ぶどう糖が入っているのは駄目なんです」(@田中庄次)とは知らなんだ…知らないでは干し柿もそーで、あれって皮向いて干せばいいってものじゃなかったんですね…「皮をむく。二つひと組にしてひもで結わえ、硫黄で燻蒸する。この間二十分」でその後に干場で最低二週間干して、手もみして、乾燥室で熟成させて出来上がりらすぃ…干し柿も手間暇かかっていたんだなぁ…

 また現代人とパンについても「もともとパンというのは、うちのパンのような味をしとったもんなんです。ところがそれをご存じの方が少のうなりりました。給食のパンに慣れた方がおかあさんになって"あれがパンや"いうことになってしまった。そこへ、パン屋は儲かる思うたのかどうか知りませんが、雨後の竹の子みたいに出来た。パン屋って儲かるもんではありません」(@竹内善之)とな…そーだったのか?パン?まぁパンの味も千差万別種々色々だからなぁ…今だとそれにアレルギー問題も絡むし…

 手間暇系では「コロッケくらい手間と時間のかかるものはないと思うよ。安いのに一番手がかかる。だからこの頃肉屋でコロッケやってるところ少ないでしょ。今の時代、うちみたいなやり方でコロッケを売ってたんじゃあわないですよ」(@阿部清六)だそな…というよりお肉屋さんそのものが減ってきているよーな気がするのは気のせいか?

 また面白エピも満載で、例えばお酢と友禅の関係…「醸造酢で色どめした友禅と、合成酢酢酸で色どめしたものでは、おなじ友禅染めでも上がりが違うんですね」「風味というものはデーターには出ません」(@村山忠治郎)って、これがクオリアって奴か(笑)他にも、「純米酒に加えて本醸造や普通酒が生まれたのは、米不足をアルコールで補ったことがきっかけという」とな、WWⅡって…

 笹は「自分ですごい熱を出すんです」「笹の間に手を入れると冬でもホカホカと温かい、というより熱いんです」(@宇田川秀夫)とな…竹というと涼しいイメージでいたら、その実逆だったんだろか?

 土地的には「銀座四丁目の角、いま自動車ショールームのあるあそこに精養軒の売店があったんで、クリスマスになるとケーキを並べて売るです」(@大谷長吉)って、今はもー日産のショールームじゃなくなりましたけど、あの場所も歴史ありの世界だったんだなぁ…、

 食品のカラクリ的なとこで「台湾産の梅、なんと紀州産の一・五倍も輸入され、それを紀州で加工することによって紀州産として出荷され堂々罷り通ってしまう」って、ホンマでっかぁーっ?ですかねぇ…紀州的にどーよ?とは思うが?

 迷信的な酒造りの女人禁制の件も「諸説あるが本当の理由は、女の人の髪つけ油の香りが酒に移るのを避けるための措置らしい」とな…「今、女子大生や女子高生がぎょうさん酒蔵見学にきてるけど酒は腐らんやろ。女の人が気軽うにきやはったら蔵子は喜んで、よけいいい酒ができるわ」(@畑栄一)とな…何だかなぁ(笑)

 でもって教訓的なとこでは「腕のいいコックになるには、技術はもちろんのこと、料理の基礎知識と幅広い教養がなくては」(@高橋鍈之助)とゆー事で「休みの日に神田の古本屋をあさってフランス料理の原書と辞書を買いもとめ、それからは毎夜店が終わったあとミカン箱の机に向い辞書を片手に勉強をはじめたものです」(@同上)ちなみに「高橋さんが必至で修業している間、先輩や同輩はといえば吉原通いやバクチをたのしんでいる」そで…時代だなぁというより殿方だなぁでしょか?「しかし後から考えてみると、やはりコツコツ勉強していた者はみな独立したり、有名店の料理長になっていますね」(@同上)となる模様…人生訓だなぁでも一つ「料理人が商売やったら失敗します。職人気質は企業にならないもの。料理人は早くチーフになりたがる。しかし早くにいい位置についた人は腕はよくないですよ。長いことチーフの下にいて二番、三番で修業をした人はいい仕事をしますよ」(@同上)って…人生やっぱ精進精進なんですかねぇ(笑)

 他にもたくさんエピ満載ですので興味のある方は本書をドゾ。最後に一つ、「方々に名物はありますが、どうも名前と中身とがマッチしてないのが多いですね。そんなのは名物にも銘菓にもならんと私は思います。名前をこじつけただけですわね。真似で本物はできません」(@原)いやはや全くご尤も、製造業のプライドですけん(笑)

 掲載されている食のプロの皆様方は、和三盆糖(岡田製糖所/徳島・上坂町)、塩(角花菊太郎/石川・珠洲)、酢(村山造酢㈱/京都・東山)、醤油(坂巻醤油店/埼玉・桶川)、味噌(あぶまた味噌/東京・中野)、日本酒(菊正宗酒造㈱/神戸・灘)、ごま油(小野田製油所/東京・新宿)、ソース(光食品/徳島)、削り昆布(三田昆布加工所/大阪・堺)、鰹節(木村商店/静岡・焼津)、梅干(稲垣商事/和歌山・田辺)、どじょう(駒形どぜう/東京・台東)、そば(並木藪蕎麦/東京・台東)、鮨(すきやばし次郎/東京・中央)、けぬきずし(笹巻けぬきずし総本店/東京・千代田)、しばづけ(志ば久/京都・左京区)、金平糖(金陽堂製菓所/千葉・松戸)、富貴豆(まめや/山形)、枯露柿(細川農園/石川・羽咋)、たがねせんべい(たがねや/三重・桑名)、栗菓子(川上屋/岐阜・中津川)、和菓子(徳太楼/東京・台東)、カステラ(松浦軒本店/岐阜・恵那郡)、洋食(松栄亭/東京・千代田)、西洋菓子(エス・ワイル/東京・千代田)、パン(フロイン堂/神戸・東灘)、コロッケ(チョウシ屋/東京・中央)、洋食(資生堂パーラー/東京・中央)

 目次参照  目次 食物

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