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2015年12月 2日 (水)

煙突はどこ(笑)

サンタクロース学  荻原雄一  夏目書房

 サンタクロースって何だ?という素朴な疑問に答えますというより、歴史とか博物学の範疇になるんだろぉか?本書、大まかに分けて二部構成になってまして、一章はサンタクロースのこれまでの流れみたいなノリだと思われで、で本書残り2/3は、絵本とか児童文学におけるサンタクロース本についてのある意味網羅かなぁ?何せ、総論的な序論がありますが、出版されてるサンタクロース本171冊の各あらすじと、著者による寸評が掲載されています。何かもーそれだけで凄い量と想像がつくと思うけど、確かにそれが本書の大半じゃね?でして、それにしても著者よくも読んだりの世界だなぁ(笑)でもって、この寸評が物凄く辛口、スーパードライじゃねの忌憚なきご感想がパネェで…気分はロッテンマイヤーさんを前にしたアーゲルハイドでございます(笑)

 てな訳で、素直にサンタって何?とゆー純粋な疑問についてだけならば、本書の一章を読むだけでいいよーな気もするんですが(笑)ただ、本書的には1/3位のそれが結構、濃い…巷で言い古されたそれより断然に濃厚でございます(笑)サンタクロースの変遷って、そーだったのか?と思わず膝を打つ程に長い歴史があったんですねぇ…

 聖ニコラスだの、コカ・コーラ位じゃ済まないところが本書の凄いとこじゃなかろーか?サンタクロースへの道は果てしなく続いているんですよ、奥さん(誰?)

 アリス的にサンタクロース…まぁ英都大がプロテスタント系大学とゆー事からすると、どーなんだろぉ?後はクリスマスを過ごすお話で、46番目のか切り裂きジャックをだろか?それにしてもクリスマスに殺人事件ってあの二人も因果なものよのぉ、越後屋の世界じゃね?

 でまぁサンタクロースの前にクリスマスって何?で、キリストの生誕祭じゃないの?とゆー…疑問が…325年のニケアの公会議で「ローマ教会にとっては、12月25日が最大の祝日になっていく」そで、詳細は本書をドゾですが、更に四世紀半ば、教皇ユリウス一世によって調査し、その報告書によって決まったとゆー事らすぃ…

 でまぁ、現実見ろよ?的なとこでは、当時の布教活動からそゆ事じゃね?とゆー事らすぃ…よーするにその当時の回りの他教徒が冬至祭を絶賛開催中に、キリスト教的にぶつけてきたのが生誕祭とゆー事らすぃ…どゆ事とゆーと他教徒を取り組む為の「キリスト教の宗教政策」とゆー事になるとな…排斥するんではなくて、取り込んでしまえとゆーソレでしょか…

 ちなみに土着・他教徒の習慣を取り入れますたとゆーのでは、クリスマスの時に被るあの紙の三角帽子…あれも元はローマの昔からのサトゥルヌス信仰の果てらすぃ…「主人と奴隷が役割を取り替える儀式は、十二夜の祝いに受け継がれ、そこでは恣意的に選ばれた男性と女性が王と女王に扮し、いつわりの冠をかぶった。このいつわりの冠が、現代のクリスマスの紙の帽子に化けている。つまり、紙の帽子は王冠か、司教ミトラ帽の代替品というわけである」って、そんなに意味深いものだったのか?あの三角帽?

 でもって、クリスマスにロマン漂うヤドリギですけど、これもケルト人やゲルマン人のユール祭からきているらすぃ…詳細は本書をドゾですけど、「古代ケルト族の神官ドルイドにとって、やはりやどり木は神聖な植物であった、その中でももっとも神聖視されていた樫に宿っているやどり木が、何よりも珍重された」そな…ちなみにやどり木って「リンゴの木に宿るのが一般的で、樫に寄生することは稀有であった」そな…そゆ異教徒と慣習を見事に自分とこに取り込むのが古代キリスト教は得意だったよーで…その際、上手く自分とこの独自性も付加して、差別化も図っていったよーで…ちなみにキリスト教では神聖な木は樫の木ではなく、モミの木の方に比重が移ると…

 ブルータスお前もか?じゃないけど、ユール・ログの件も何だかなぁ(笑)ちなみにこれ「巨大な薪」の事なんですが、ただの薪じゃなくて「クリスマスの12日間、萌え続けるのである」これもまたキリスト教以前の火を崇める異教の習慣からとりいれたものらすぃ…でもって「スカンディナヴィア半島は寒さが厳しいので、燃料の確保が重要であり、熱源の太陽の復活を祈願して、冬至祭に火を起こす儀式を重ねたことから始まった」って、そーなんですか?ヴェロニカさん?

 まぁそのキリスト教の変遷というか、内容についての詳細は本書をドゾだけど、何よりアレなのは「後年パリの菓子屋が、クリスマス用にユール・ログそっくりの丸太のケーキを焼いた。チョコレートケーキで「ビッシュ・ド・ノエル」、つまりクリスマスの丸太と呼ばれ、ヒイラギの造花をつけて、今なお売られている」って、それってブッシュ・ド・ノエルじゃなかろーか?だけど、ビッシュの方が発音的には正しいのか?それにしてもあのケーキ、そゆ事だったのか(笑)

 ついでに言うとクリスマスツリーも「キリストとはおよそ無関係な代物」なんだそな…これも異教の樹木崇拝からの変転という事になるそな…元は樫の木だったけどキリスト教に取り込んだ時にモミの木にしたとな(笑)「というのも、モミの木は横から見ると三角形に見えるからで、この形が三位一体を説くのに都合がよかった」からって…さすがキリスト教転んでもタダじゃすませませんってか(笑)

 こちらの伝播の詳細も本書をドゾですが、「19世紀の終わりに、クリスマスツリーはスカンディナヴィア半島の国々やその他の北ヨーロッパの国々、そしてプロテスタントの北アメリカにも伝わった」のだそな…そーだったのか?ヴェロニカさん?結構全世界に広げようクリスマスツリーの輪かと思えば「ラテン系諸国ではカトリック教会が信念を貫き、クリスマスツリーを受け入れなかった」になるのか…キリスト教内にも色々ある模様…

 ちなみにクリスマスツリーの飾りも異教からとゆー事らすぃのでこれまた詳細は本書をドゾですけど、あのローソクはどやねん?とゆーと…もとの祈願は「太陽が力を得てすぐに戻ってきてくれるように」とな…そんな訳で「北ヨーロッパでは、クリスマスの期間中、巨大なユール・キャンドルに火がつけられ、間違っても消してはならなかった」のだとか…これまたそーだたのか?ヴェロニカさん?

 こちらのキリスト教的解釈の詳細は本書をドゾですが、このよーに何日間もローソク灯していたら火事もあると思いますで、こちらの対策的に発展したのが、あのツリーの電飾らすぃ…で、これのお初が「1882年のアメリカで、あのエジソンのエレクトリック・ライト・カンパニーの功績である」とゆーから、エジソンの電球こんなとこでもお役立ちとゆー事らすぃ(笑)

 そして、本書的には真打登場のサンタクロースって?どよ?ですけど、「サンタクロースとは、聖ニコラスのことである」とな…で、この聖ニコラスを熱心に信仰していたのが、蘭人という事で、「17世紀の初頭に、オランダ人入植者が新大陸に辿り着いたとき、そこをニューアムステルダムと呼び、そこにシンター・クラアスの風習を持ち込んだ」とな…ちなみに「この土地にオランダ人が初めて建立した教会には、ニコラスの名がかぶせられた」そーだから、蘭人の本気分かってくらはい(笑)ちなみにこのニューアムステルダムが後のニューヨークですから、でもってシンター・クラアスの英語読みがサンタクロース…詰まるところ「サンタクロースは、アメリカから誕生したと言ってもよい」とゆー事になるとな(笑)

 だから、あの「猫背で丸々と肥えた陽気なイメージ」というのは米発とゆー事らすぃ…ついでに「サンタクロースの長い陶製のパイプをくわえた姿は、初期のオランダ人入植者の男の典型である」事からもお察し下さいって奴か?

 でこれが逆輸入じゃないけど、「1870年代にアメリカからイギリスへと海を渡って、たちまちファーザー・クリスマスと同化した」そな…で、仏ではペール・ノエルとなったとな…ちなみに「このようなクリスマス・ファーザーやペール・ノエルの無宗教性、あるいは非キリスト教性に対して教会は激怒し、ここからイギリスやフランスでのサンタクロースの、受難の歴史が始まる」んだそな…20世紀の半ば過ぎてもサンタクロースの火刑とか実施されていた模様…ちなみに「1961年には、教皇パウロ6世がサンタクロースを「降格」している」そで…カトリック的にはあかんと思いますの世界が展開していたらすぃ…

 さんな、サンタクロースの元、聖ニコラスとは何ぞや?についての詳細は本書をドゾ。ちなみにニコラス自身は紀元前270-80年頃ギリシャのパトラス生まれというから、2300年近く前のお人という事になるそな…でまぁ聖人ですから伝説がつきものでこちらの詳細も本書をドゾ。

 でもって、聖ニコラス祭りなんてのもあるみたいです。これが12月6日の事。「このため、近代サンタクロースが登場する以前は、子どもたちへの贈り物は12月6日の前夜になされた」のだそな…しかも贈り物は、その村の長老からとゆーのが普通で「長老たちは仮面をつけて各家を回る」そな…しかも「聖ニコラスの祭りの本体は、決して子どもたちのものではなかった。12月6日は、豊穣と若者たち(=働き手、か)を祝福する祭りである」そで、これが子供のになるのは19世紀になってからなんだそー…

 聖人の日のお祝いの伝統というのが、欧米にはあるよーで…クリスマスシーズンだけでも、11月1日諸聖人祭(万聖節)、11月2日万聖節、11月11日聖マルチンの日、11月25日聖カタリナの日、11月26日(に最も近い日曜日)待降節第一主日、11月30日聖アンデレの日、12月6日聖ニコラスの日、12月13日聖ルチアの日、12月21日聖トーマスの日、12月24日クリスマス・イブ、12月25日クリスマス(降誕祭)、12月26日聖ステファンの日、12月27日聖ヨハネの日、12月28日幼な子殉教の日、12月31日シルベスター/大晦日、1月6日公現節/エピファニー、2月5日キャンドル・マスとな…年末年始日本でも結構行事であわただしいが、欧米も敬虔なクリスチャンの場合は物凄く忙しそー…

 アリス的には聖ルチアの日かなぁ?ヴェロニカさん的に(笑)「この日は、スウェーデンの旧暦においては冬至と符号する。LuciaはLux(光)が語源とされ、やはり非キリスト教徒との融合が考えられている。スウェーデンでは今なお、その家の娘が朝早く真白いドレスに緋色の帯を結んだルチアの装束で、父親の枕元にコーヒーとルチア祭のパンを置く。また彼女たちは夜になると、その装束で頭にローソクを冠し「サンタ・ルチア」を歌いながら光の行進をする」んだそな…そーだったのか?ヴェロニカさん?ちなみに「聖ルチアは目の病いを治す聖人」だそで「南の国のシチリア島の出身と言われ、二重の意味で光の象徴である」とゆー事になるらすぃ…

 中世のクリスマス関係の変遷についての詳細も本書をドゾですが、こちら関係の単語も色々あって、お国事情も出ている模様…例えば、クリスト・キント、クリス・クリングル、ユール・クラップ、ファーザー・クリスマス、ユール・ニッセ、ユール・トムデ、ユール・スヴェン、ヴァイナハツマン、ベファーナとバーブシュカ、マロースおじさんetc.関係者がいぱーいってか(笑)それにシンタ・クラースもとゆー事らすぃ…

 でクリスマスのそれへの変遷が、宗教改革とプロイセン等の軍国主義、家父長制への強化の意味合いまで含まれていたとはこれ如何にかなぁ…「家にあっては父親、国にあっては皇帝に対する忠誠と服従を求める家父長制の確立が、強国となるための必須条件の一つであった」とな…すっごいですねぇ…それと近代のそれでいくと産業革命による中産階級の確立だろか?

 さて、近代サンタクロースの起源的には、米じゃね?でこちらの詳細も本書をドゾですけど、19世紀の初頭には「アメリカ文化の中に、サンタクロースが子どもたちに贈り物をする風習が浸透して」いたよーで…クリスマスの詩とか、文学もキタコレになってゆくよーです。やがて、絵画(イラスト)も出て、無声映画も出ると、更に有名なコカ・コーラの広告キタコレで決定的になっていくとゆー事らすぃ…実に米らしーのは商業主義も絡んでいるとこだろか?うーん…

 そしてサンタクロースで忘れてはいけないのは「ニューヨーク・サン紙に「サンタクロースはいるんだしょうか」と投書した」少女、ヴァージニア・オハンロンの話もキタコレになる訳で、こちらも有名すぎる程有名なので、これまた詳細は本書をドゾ。

 うーんそれにしても、サンタクロース史って人類史になるんじゃなかろーか?の世界なんだなぁ(笑)非常におべんきょになる第一章でございますので興味のある方は本書をドゾ。

 それと本書の2/3を占める子供向けクリスマス文学についての解説と書評的なそれはまさに圧巻ですので、本書を見て見ての世界だなぁ(笑)著者の根性に乾杯でしょか?でもまぁ正直な感想としては、著者が己の舅でなくて良かったかも(笑)

 他にもたくさんたくさん本当にたくさんエピ満載ですので、興味のある方は本書をドゾ。サンタクロースだけではなく、クリスマス解説としても今まで読んだ本の中で一番詳しいんじゃなかろーか?と思う位、凄いです。

 目次参照  目次 文化・芸術

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