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2016年1月31日 (日)

黒い獣?

かの悪名高き  鹿島茂  筑摩書房

 19世紀仏新聞業界というか、メディア業界黎明期の立役者、創業者達の群れとゆー事になるんだろぉか?いやもー何でもありだな?な世界でして、仏革命後のというか、ナポレオン後の仏、パネェでござるかなぁ…ブルジョアジーの台頭というか、社会が一挙に大衆化するってこゆで事なのか?まぁ考えなくても、新聞なんて発行部数をほこるならば、それはもーパンピーをどんだけ取り込めるか?になる訳で(笑)

 だいたい、王侯貴族だけで世界が回っているなら、新聞の必要性なんてそんなにある訳もなく、ええ社交界に顔出していればそれだけで何とかなるし(笑)まぁ交通機関の発達もあるけど、情報の共有化って、母集団をどー想定するか?にかかっているんじゃまいか?まいか?

 で、本書に登場する立身伝中の人達が、ルイ・デジレ・ヴェロン、アヴァス、フィリポン、ミヨー、ヴィルメサンの五人が縦横無尽に駆け回っておりまする…

 アリス的には、メディアの誕生的なとこで片桐さんの方があると思いますか?ジャーナリスト宣言とか?仏というと自由、平等、博愛ですけど、どちらかとゆーと報道の自由とは?とか、詐欺師とは何か?とか、儲けちゃいけなんですか?的なソレとか、パリは燃えているか?もとい、煽っているか?かなぁ?娯楽じゃよ、娯楽の世界かもしれんし(笑)

 取りあえず、当時の仏の文士事情…「この時代には、原稿料だけで生計を立てていくには、文学ジャーナリズムの狭いゲットーを抜け出して大手の新聞の批評蘭にもぐりこむか、さもなければ、大衆演劇の脚本を書く以外になかったのである」とな…

 具体的には、「劇場収入のあがりで暮らしをたてる劇作家」と、「キャビネ・ド・レクチュール(貸本屋)を需要源とする小説を単行本として次々に書き上げていくこと」この場合「収入は安定していても、多くを期待することはできなかった」と、「フユトンと呼ばれる新聞の批評欄の定期的寄稿者になること」でこちらは「日銭はある程度稼げても、本の名に値するようなものを生み出すことはできなかった」そな…

 ちなみに文芸雑誌「ルヴェ・ド・パリ」が創刊して、この状況が一挙に変った模様…「他に定職をもたずに筆一本で食べていく小説家という職業」が誕生した瞬間とゆー事らすぃ…で、これを創刊したのが成金のヴェロン博士とゆー事に(笑)かくて文学界を掌握した事で、パリの王様として君臨できるよーになったらすぃ…それはそれで陰口いぱーいの、憎まれたらすぃが…

 更にオペラ座の再建にも成功したりする…「パリのオペラ座は正式名を王立音楽アカデミーといい、バレリーナ、声楽家、演奏家の養成所を併設する劇場であるが、その劇団員や楽譜、および職員の給与に必要な多額の経費は、歴代の王室や政府から受け取る交付金と、民間の劇場から徴収する納付金によって賄われていた」そな…仏革命以後交付金が激減、納付金は廃止で、たちどころに経営がヤバくね?となったよーで…しかも、劇場自体も老朽化してね?とゆー状況だった模様…

 そこで白羽の矢(?)がたったのがヴェロン博士で、彼は再建に着手するとな…こちらの詳細は本書をドゾですが、お金がかけたものの一つが「舞台装置」とゆーのが何とも…「観客の好みが、オペラの音楽よりも、舞台装置の豪華絢爛さにある」と見抜いていたからだそで…「オペラ座の観客が、音楽を解する貴族ではなく、見た目の豪華さにひかれるブルジョワにかわってきている事実」に気付いていたとな…成金は成金を知るって事でしょか?文化って(笑)

 かくてヴェロンの肝いりで、「各幕ごとに舞台装置をすべて取り換える」よーになったとな…現代ならありがちな話だけど、当時は物凄く画期的な事で、予想通り、デーハーな舞台が次々と出てきて目も眩むってかで、観客に大うけ、出し物大当たり満員御礼となる訳だったりして…閑古鳥が鳴いていたオペラ座とはさよーならになった模様(笑)

 しかも、ドガの踊子じゃないけど、「この当時、オペラ座のバレリーナの卵やコーラス・ガールたちは、いわば今日のタレント志望の少女のようなもので、建前としては大スターになることを夢みてはいたが、実際には、金持ちのパトロンを見つけて、その愛人におさまることを現実的な目標としていた」って…しかも「それは、少女たちの願いというよりも、母親の願いだった」「美形の女の子が産まれると、まずオペラ座の養成学校に入れることを考えたものだ」って…「母親は、娘たちが貧乏な恋人をつくって結婚したりしないように監視の目を光らせ、金持ちのパトロンが言い寄ってきたら、媚びを売ってうまく誘惑するように言いふくめていた」って、それってどこぞのくnゴホンゴホン…

 てゆー事は「ブルジョワの金満家たちにとって、オペラ座は、フレッシュでかわいい愛人を調達する場所でしかなかった」とゆー事になる訳で…「彼らの願いは、楽屋裏に出入りして、狙った少女と直接話をつけることだった」そーだけど、当時は関係者以外立ち入り禁止だった模様…それをヴェロン博士は「現実的な観点から、この両者の願望をかなえてやることにした」そで…具体的に何をしたかと言えば「殺風景だった楽屋裏の練習場を改造して豪華なサロンに変身させ、出資者である銀行家やオペラ座監査委員会のメンバー、さらに有力な新聞のジャーナリストたちに自由に出入りさせることにしたのである」って…さすが愛の国、仏そこにしびれるあこがれるぅ…まっともかく、これで「マスコミと、パトロンと、政府関係者という三方頭の圧力筋を同寺に懐柔することもできた」になるそで…殿方動かすなら、色と金だよねぇ(笑)ついで言えば、それは自身にも可能で、「ヴェロン博士に、気にいった女を手づかみで選ぶという究極の快楽を与えたのである」だそで、オペラ座「高級娼館」化順調に進行中…世間の非難?何それおいしいの?の世界ってか(笑)

 そしてヴェロン博士が次に手を出したのが機関誌だか、新聞だか何だかなぁな「コンスチチュショネル」だったりして…でこの立て直しにも一応成功すると…こちらの経緯の詳細も本書をドゾ。何にせよ、資本投下で需給拡大でボロ儲けというのがパターンか?ある意味、資本主義の申し子みたいな人だったよーで…敵が多く、パリで一番憎まれた男というのもむべなるかなな世界かも?法に引っかかっていなくても札びらで頬を叩いていけば、そりゃあね…

 ちなみに、某有名女優と愛人関係になって、ヴェロンは結婚を望むけど、女優の方はどーよとゆーと「この関係をひたかくしにしたがった」「世間に知られたら、女優生命が終わってしまうと思ったからである」位ですから、お察し下さいか…まぁイケイケのガハハな男に、ほどほどとか、足るを知るとかゆー概念はないだろぉしなぁ(笑)かくて弱みを見せたらすぐに追い落とされるでっとおああらいぶやねんな人生末路ってか…

 豆知識的に一番面白いとゆーか、興味深いのは、シャルル・ルイ・アヴァスが起こしたアヴァス・グループかなぁ?元は一介の翻訳請負業者だったんですが、現代はこちら「政府が株の半分を所有するアジャンス・アヴァス・グループ」になってますから…この中に、アヴァス旅行社、更に「日本の電通に匹敵する大手の広告代理店の系列あり」で、更に更に「フランス国営通信AFFは前身をアヴァス通信社といい、一九四四年にヴィシー政権のもとで国営通信に改組されるまで、アジャンス・アヴァス・グループに属していたからである」なんですよ、奥さん(誰?)

 で「アジャンス・アヴァス・グループが、企業集団として形成されたのが百年以上前の一八七九年」で仏でも「最も古い企業体の一つ」だそで…「その母体となったアヴァス通信社が成立したのは」一八三二年。「シャルル・ルイ・アヴァスなる翻訳請負業者が設立したアヴァス事務所にまでさかのぼる」とな…

 詳細は本書をドゾですけど、最初は外国の記事を翻訳して新聞社に売っていたとゆーのから始まるんじゃね?でして、外国語ができるはともかくニュースとはスピードが命とゆーのを最も取り入れた男だったとゆー事か?先見の明があったんですねぇ…で、パリの新聞は外国記事はアヴァスから皆仕入る事になって、結局、アヴァスの一人勝ちみたいなノリになると…

 しかも「アヴァス通信社が配給するニュースなるものは、第一の顧客、つまり時の内閣が事前にこれを見て、配給を許可したものでしかない」どゆ事かとゆーと、「アヴァス通信社という、報道の寡占企業の出現により、支配者があれほど望んでいた、報道管制という夢が実現に近づいたのだ」とゆー事態になってくと…ジャーリズム宣言ってか(笑)

 まぁともかく、詳細は本書をドゾですけど、一八四八年の二月革命が終結して各国の特派員達が自国にいるとヤバいというので亡命してきて、アヴァスを頼ってくるんですね…で、アヴァスはこの面倒を見る訳ですが、彼らは「アヴァスのもとで通信社の仕事を一通りマスターすると、恩知らずにも国にかえってさっそく同じシステムの通信社を始めた」とゆーから、お立合い…亡命ってそんなに簡単にできたり解除したりできるのか?

 でベルンハルト・ヴォルフは、「ベルリンでベルリン電信協会を設立し、電気技師のジーメンスと組んでヴォルフ事務所を開設」したとな、パウル・ユリウス・ロイターは、「最初ヴォルフの事務所の通信員になったが、後に独立してイギリスに渡り、ロイター電信事務所を設立した」とな、そして裏切り者とは手を切ってというより手を結んで、1859年に三つの通信社間で協定を結び、1875年に米のAP通信が加わって「それぞれの活動区域を定めた第一契約書にサイン」した四社体制が出来上がると…ちなみに二回の大戦でアポーンとなったヴォルフ通信社に変り現在は米のUPIが台頭し、世界はほぼこの四つの通信社で回っているとゆー事らすぃ…そーだったのか?通信社…

 そして三人目のシャルル・フィリポンは「フランスの絵入り新聞」「フランス初の絵入り諷刺新聞<シルエット>の共同出資者の一人、」「<カリカチュール>と<シャリヴァリ>の創刊者」とゆーお人らすぃ…所謂一つのパリのエスプリ?反骨精神のソレなんでしょか?諷刺画ってパネェでして、こちらの詳細は本書をドゾ。特に絵なんかは見て分かるの世界ですし(笑)

 お次のモイーズ・ミヨーは、あのプレスを買収した男とゆー事か?でもどちらかとゆーと、クオリティペーパーというよりも大衆娯楽としての新聞の方がお好き?とゆーか、そちらの方が売れるだろーとゆー売れれば正義なお人でもあったよーで…インテリのソレから、大衆のソレに徹底した人と見るべきか?事件はセンセーショナルな方がいいみたいな…こちらの詳細も本書をドゾ。

 そして最後に真打ジャン=イポリット・ド・ヴィルメサン(ジャン=イポリット・カルティエ)登場ってか?一言で何した人というとフィガロを作った男とでもいいましょーか?まぁ仏の新聞と言えば、最初に出てくるのがフィガロじゃねでして、それはここから始まったのか?なお話になると、まっその前にもフィガロという名前だけはあちこちで使われていたらしーけど、どれもあえなく廃止になって、その名を頭につけて邁進したのがヴィルメサンとゆー事に…

 まっ本書に登場する人物達はどの人の紆余曲折があってアレなのは今更なので、こちらの詳細も本書をドゾ。取りあえず、ヴィルメサンの場合は「ジャーナリストとして見た場合、ヴィルメサンは金儲けのことしか考えない堕落した新聞人ということになるだろうが、広告マンとしては超一流の才能の持ち主だったのではないだろうか」の件だけで、どゆ人か一発で分かろーとゆーもの(笑)

 とはいえ、「ヴィルメサンには、だれとでも友達になれる率直さと、いったん知り合ったらとことん面倒をみる義理堅さがあった。そしてこれは、ジャーナリストにとって、天才的なひらめき以上に大きな武器となるものだった」とな…金の亡者だったけど、憎めない人だったとも言うって奴らすぃ(笑)

 ちなみに今では当たり前の新聞の紙面構成なんかもフィガロが最初、これもヴィルメサンの発案らすぃので、パンピーに見せるとゆー点では上手かったとゆーか、新聞界の常識にとらわれないお人だった模様…

 さて、豆知識的には、当時の仏のレストランではお金持ちというだけでは相手にしてくれないとな…ウェイターから馬鹿にされない為には有名でなければならなかったそで…「しかも、文学や芸術といった文化の領域で名声を博していなければならないのである」とな…成金にはパリ、厳しい世界だった模様…

 他にもたくさんたくさんエピ満載ですので、興味のある方は本書をドゾ。何とゆーか、本当に凄い、仏が凄いのか、パリが凄いのか、それとも新聞界が凄いのか?きっと全部だな(笑)目から鱗のお話いぱーいでございます。

 最後に本書の後書きから興味深い一文を発見(笑)「本書は、ジャーナリズムや出版業に関わる方々、およびその予備軍のジャーナリズム志望者に読んでいただきたいと思っている。ジャーナリストと出版人というのは、なぜか、彼らにとってのビジネス書であるはずのジャーナリズム史の本にはとんと関心がないようにお見受けするからである」って、そーだったのか?片桐さん?というより因幡さんか?まぁあの業界も自己探求とか自省とか自己抑制とかゆー言葉の対極にいるよーな気がするのは気のせいか?世の中何事もスポンサーから一言だからなぁ(笑)

 目次参照  目次 文化・芸術

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