« 絶景かなっ絶景かなっ | トップページ | ぷはぁ~♪ »

2016年4月 6日 (水)

力に関与しなくなれば統治力も失われる…

ローマ人の物語 34 迷走する帝国 下  塩野七生  新潮社

 さて、前巻で皇帝ヴァレリアヌスが敵の捕虜になるという緊急事態発生で、ローマ皇帝の権威は地に堕ちたとゆー事態に突入、それは各方面に多大な影響を与えたんだけど、「人間社会では、なぜか、権威失墜の後に訪れるのは、残された者同士の団結ではなく、分裂である場合が圧倒的に多い。束ねる役割を果していた存在が消滅したことによって、それまで自分たちよりは上の存在によって束ねられていた人々は、いったんはバラバラになるしかないのかもしれない」でして、ここまで来るとローマ帝国存亡の危機じゃね?じゃね?

 西方はゲルマンの大群が、東方はペルシアが、そして帝国内では疫病(ベスト)が猛威をふるっているのでござるとな…また地震などの災害地の復興にも手が回らなくなりつつあり、被災地の住民が都市に流れ込む、また蛮族によって略奪された地域の住民も土地を捨て都市に流れ込む、帝国内の安全保障が危うくなってきたら、今度は治安と生活がヤバいとゆー…もー上を下への大騒ぎになってきたじゃまいか?でしょか?

 さて紀元260-8年のガリエヌスの治世は、常に戦地を駆け巡りの生活だった模様…とにかく毎日国境のどこかが決壊しているのだから、そこへ皇帝は駆けつけるしかないと言えばないでして…

 そんな中、紀元260年秋、ガリア帝国誕生というか、ローマ帝国から独立というか、が起きてしまうんである…理由はあまりもアホらしいライン河防衛担当の将軍二人の間の争いだったが、それがどーしてこーなったとあれよあれよと事態は大きくなって、ポストゥムスが建国する事に…ライン河のこっち、スペイン、イギリス、フランス辺りの土地とでも言えばいいのだろーか?本来ならばすぐに皇帝として討たねばならない訳だが、何分にも西も東も国境がヤバい…合理的思考で割り切って、優先順位を下げ、西からのラインからのゲルマンはガリア帝国で任せて、しばらく放置する事にする。

 また、ゲルマニア防壁の内に、敵のアレマンノ族を移住させて逆に防壁を守らせるとゆー事までやっていたりする…ただし「移住地建設費用という名目でローマ側から支払われた援助金を、蛮族側は、略奪しない代わりの年貢金、と受けとったのはもちろんである」でして、近隣へのバラマキ政治って結局…

 アリス的には、ローマ…今回でいくなら、女王ゼノビア辺りの件は、もしかして妃は船を沈める辺りと被るかなぁ?なノリかなぁ?女のというか、未亡人の誤算的なソレで?どだろ?准教授的には、この手の女性が一番アレな気がするのも気のせいか?

 そして、もう一つ、パルミラのオデナトゥスの活躍があったりして…ちなみにヴァレリアヌスは「武器は槍ではなくて弓矢というペルシア式の騎馬兵団を率いて活躍したオデナトゥスを、ローマ軍の世紀の司令官に任命した」とゆーからお察し下さいでして、詳細は本書をドゾ。

 そこにヴァレリアヌスの捕囚が起こり、ローマ軍が茫然自失状態の時に、その地域をシャブールから守った、迎撃したのが、オデナトゥスだったとゆーから、周辺の支持が集まるのも分かるってか「一通過都市パルミラの武将であったオデナトゥスは、帝国東方全域の武将になりつつあった」とな…そして皇帝ガリエヌスは、オデナトゥスを「東方担当司令官」に任命すると…「帝国東方の防衛の総責任者は、ローマでは伝統的に属州シリアの総督に課されていた任務である。また、ローマ帝国内の地位でも、ローマ全体の最高司令官である皇帝に次ぐ権威と権力を与えられてきた地位だった。それをパルミラ人に一任したということは、紀元二六〇年代のローマの東方防衛体制が、瓦解も同然であったということを示していた」とゆー、かなりゆゆしき事態じゃね?じゃね?

 で、シャブールといいゲルマンといい、略奪しちゃいけないんですか?な人達ばかり見てきたので、民度って…な気分になりがちだったんですけど、何とこのオデナトゥスは鄙に稀みるナイスガイだったでござるの巻か?「皇帝ガリエヌスの好意と期待に見事に応えただけではなかった。紀元二六〇年から二六七年までの間、このパルミラ人はローマ皇帝に対し、常に公明正大に振舞い、ローマ人の間では最高の倫理とされてきた「信義」を貫き通すのである」とな…乱世でも高潔な人っているもんなんだなぁ…と、人の弱みに付け込むのに恥を知らないくnゴホンゴホン…本当にこんな人も世の中いるもんなんですねぇ…

 しかし、そゆ人は何故か身内に暗殺されるとゆー悲劇に合うとはこれ如何に、戦勝の祝宴の席で甥に刺されてお亡くなりになるとは…しかも長男までも殺されると…そして、悪名高いゼノビア登場でござるってか…

 できる男にできる女というか妻とゆーバターンは何だかなぁ?何とゆーか、仕事で成功した男性の場合、妻は悪女の場合が多い気がするのは気のせいか?さて、残されたオデナトゥスの妻、ゼノビアは「いまだ少年ではあったが自らの腹を痛めた息子をすえた」とな…そして「彼女自身は後見人になり、実権を手中にした」と…で「北は小アジア東部のカッパドキアまで勢力を拡張し、南はエジプトまでも手中にしたのである」…

 どゆ事とゆーと、ローマ帝国的には西はガリア帝国が、東にはパルミラ王国がとゆー帝国三分割の状況に陥ったとゆー事に…これによって皇帝ガリエヌスの権威はこれまた落ちるところまで堕ちたとゆー事に…

 何かもーガリエヌスの治世踏んだりけったりだが、彼の治世の法案の一つに、元老院議員とローマ軍の将官クラスの完全分離を決めた法が可決していたりするんですよね…それまでのローマは「元老院に議席をもつことが当然と考えられていた階級に生まれた者は、若いうちに軍務を経験することが義務づけられていたのである」だったんですよね…ローマ人というのは実にリアルに物事を考える人達で、理論よりも実体験を大切にした人達だったとゆー事か?「兵士を率いて敵陣を突撃する一個中隊の隊長ならば、政治とは何たるかを知らなくても立派に職務は果たせる。しかし、軍務とは何たるかを知らないでは、政治は絶対に行えない。軍人は政治を理解していなくてもかまわないが、政治家は軍事を理解しないでは政治は行えない」の件は、今一番ワロエナイところかなぁ…いえ、どこかの大国のトップを見ると…皆まで言うなの世界か(笑)

 しかし、「元老院議員たちは、自分たちを軍務からしめ出すこの法に、賛成票を投じたのである」とな…この後、軍人皇帝が続く事になるけど、それは「軍人たちがつくり出したのではない。非軍人がつくり出したのであった」とな…ローマ元老院って…ハドリアヌスでなくても一言言いたくなるに違いないってか(笑)そして、これもローマ衰亡の一端を担ぐ事になる訳で…これ以降「軍事もわかる政治家、政治もわかる軍人、を産まなくなってしまう」とななな…かくて「ガリエヌスの法は、指導層のやる気を殺ぐことになったからであった」って…

 そして軍隊自身も変革の波キタコレで騎兵部隊の機動部隊がでけたとゆー事でしょか?対ゲルマンには重装歩兵より、軽装騎兵の方が戦力になるとゆー事か?時代は「攻めることで守る」ではなく「攻め込まれてはじめて勝つ」にシフトしていたとな…とゆー事は「ローマ帝国内が蛮族の略奪に荒らされ、ローマ帝国内が戦場になる状態はいっこうに改善されなかった」とゆー事になる訳で…

 もう一つローマの変容というのであれば、平地で農耕を普通にやっていたんだけど、それは物流の安全保障がしっかりしていたからじゃねでして、これ以降、全てが城塞化していく訳で…防衛線が突破されたとゆー一つで世界は変わってしまったとゆー事なんですねぇ…

 他にも色々内政的な事はあるのですが、まぁとにかく帝国を一言で言うならばボロボロですねんでして、ガリエヌスの治世は地に堕ちたまま…かくて紀元268年の秋、ガリエヌスは「軍部のクーデターによって殺された」となる訳で…享年50歳ってか…

 詳細は本書をドゾですが、結局どゆ事とゆーとスペシャリストによる見限りですかねぇ?皇帝業とは無能が居座り続けるでどーにかなる職業じゃないよとゆー事らすぃ…「八年もの間結果が出ないのでは「不信任」されてもしかたない」って、それどこかの大国のトッpゴホンゴホン…

 かくて紀元268年、クラウディウス・ゴティクスが皇帝に就任すると…でまぁこちらの皇帝も前線勤務とゆー事に…ローマに帰還する暇なしとゆー事態ですね、分かります…かくて何とか蛮族の襲来をしのいでいたのですが、こちらの皇帝は何と疫病でお亡くなりになってしまうんですね…国力が落ちると伝染病も蔓延していくとゆー…疾病率というか、罹患率もその国の国力に反映するものなんだなぁ…国民の生活が第一ってか(笑)

 さて、ここで一つ先制権を取り戻したいいつもの元老院がさっさと次期皇帝、クラウディウス・ゴティクスの弟を指名するけど、これに現場は大反発…結局、承認取り下げで、弟の「クインティルスは、恥に耐えられず自殺した」になり、「将兵たちは一致して、次期皇帝にアウレリアヌスを推挙」して、元老院も承認したとな…

 紀元270年皇帝アウレリアヌス就任すると…この人のひととなりの詳細は本書をドゾですが、「三世紀のローマ皇帝のうちでは珍しく、就任当初から明確な考えをもっていた皇帝である。また、グランド・デザインのみでなく、それを実施していくうえでは不可欠の、冷徹さも持ち合わせていた」とな…「同時代の史家たちは、ローマ人の魂をもった皇帝の久々の登場、と讃えることになる」そで、アウレリアヌスは「優先事項を明確にしたうえで、時間を無駄にしなかったからだった」って…綽名は電光石火とでも言ったんだろーか?当時的に?

 かくて北方蛮族対策に出陣でござるの巻か?侵入してきたヴァンダル族の完全撃破、絶滅である…ちなみにこの時、中部イタリアまでの侵入を許している訳で、ローマ的にはハンニバル以来の地元戦場じゃね?だったりする…事態はここまで迫っている訳だけど、元老院的には、侵入を許した皇帝が悪いで、自分達が立ち上がろうという意志は微塵もなかった模様…元老院は自国政治が完全に他人事になっているとゆー状態に突入してしまったとな…

 その他、通貨改革、それとローマの城塞建設についての詳細は本書をドゾ。安全保障が崩れたとゆー事は「郊外の過疎化と都市の過密化」が進むとゆー事になるらすぃ…ハドレアヌスのよーに皇帝が少人数でふらふらと(?)旅に出るなんて事はそー簡単に出来る事ではなくなってきたとゆー事か?旅行も安全保障があって初めて成り立つ商売だったんだなぁ…

 そして属州ダキアの放棄、とはいえこれはドナウラインの確立を徹底したとゆー事に他ならない訳で、この辺りの徹底さというか、冷徹な計算づくなとこが実にこの皇帝らしーとこじゃね?

 かくて次に着手したのがパルミラ王国問題だったと…紀元271年の事でございましたとな…何とゆーか、戦争は地元の基盤がしっかりしている事と、友好関係はしっかりと、ついでに言うと情報戦は大切にでしょか?女王ゼノビアはその全てに甘かったとゆー事ですかねぇ?地元都市住民には十年の治世においても信頼関係を築けなかった…というより愛想をつかれていた…アルメニアもアラビアも頼んだ傭兵は来ないし、ベドウィン族にいたっては所詮でローマに撃破されてからはローマに寝返った。そして頼みの綱のペルシアの援軍は来ず、実はシャブール一世は「まさにこの時期、死の床に横たわっていたのである」とな…勿論この情報をアウレリアヌスは知っていた訳で、だからこその、今でしょ(死語?)なんであるが(笑)

 これまた詳細は本書をドゾですけど、事態も終盤になってパルミラ攻防戦までいくと、「籠城戦の続行をあきらめるしかなくなったゼノビアは、ある夜、重臣だけを従えてらくだに乗って逃げ出した」とな…すぐにローマの騎兵隊に捕まる訳ですけど…で、占領地に寛大なのはローマの統治のバターンなんですが、「ところが、パルミラ人は、このアウレリアヌスの寛大な処置を、読み違えてしまったのである。六百の駐屯兵を襲って殺し、ローマ帝国からの独立を宣言したのであった」何ちゅーか、いつの時代も恩を仇で返す民族っているよね、ついでに自己評価が異常に高い民族とかも…

 さて、それを知ったアウレリアヌスは即行で引き換す訳で…「ローマ人は、信義を何よりも大切にする。「信義」を神格化して、神殿に捧げているくらいだ。このローマ人にとって、いったん交わした約束を破ることは重罪に値した」まさに万死に値するですね、かくて都市は徹底的に破壊・壊滅される訳で…いや、この即断即決即実行ってローマ帝国おステキすぐる…どこぞの大国とは有言実行度が違うってか(笑)まぁ国と国の条約を全く理解していないのも未だにある位ですから、1700年前もさもあらんか?ちなみに「蛮族は、朝には約束し、夕べにはそれを破る」そーですから、それってどこかのくnゴホンゴホン…

 かくてパルミラ問題が解決した足で次に向かったのがガリア帝国とな…紀元273年シャンパーニュ地方(ガリア北部)の平原でローマ帝国軍とガリア帝国軍は対峙したとな…取りあえずこちらは無血で降伏、復帰が決まると…そんな訳で紀元274年の春にローマで凱旋式が挙行される事になる訳で、ローマとしては久々に朗報じゃまいか?でしょか(笑)

 さて、仕事人間じゃないか?と思われるアウレリアヌスの次のターゲットはササン朝ペルシア…ローマ帝国的には負けたままではいられません…かくて紀元275年春、アウレリアヌスは進軍する訳ですが、その行軍の途中で、秘書の一人、エロスを叱責した事から事態は動くと…どゆ事か?とゆーとその叱責に震え上がったエロスは偽の命令書を偽装して就寝中の皇帝の暗殺を手引きするのであったマル…ローマ帝国的には大損失じゃまいか?で、その後、皇帝が元老院的にも現場的にも決まらず五か月もローマ皇帝空位のまま時が過ぎると…

 そして誰もいなくなったもとい引き受け手のいない皇帝職に、元老院の指名を再三受けてタキトゥス、75歳が就任する事になると、時にそれは紀元275年の秋の事でございましたとな…ところがやはり老齢、シリアに向かう行軍の途中でお亡くなりになってしまったのである…やっぱ年寄りに無理させちゃあいけないよとゆー事か…これが紀元276年の事…で、この手のパターンでいくと元老院の指名のパターンも毎度おなじみで、タキトゥスの弟、フロリアヌスを指名すると…しかし、今度は軍部、現場からものいがついてしまったとゆー事態に…現場からはシリア・エジプト総司令官のプロブスが推挙されると…これに動揺した元老院を見て、皇帝警備役達がブロリアヌスを殺害、一件落着って…これってアリですかぁーっ?

 紀元276年ブロブス、皇帝に就任…個人的なプロフィールとかは本書をドゾ。こーも入れ替わり立ち替わりの皇帝登場では、その人を追うだけでも何だかなぁでして…とにかく「三世紀後半の皇帝たちにとって、首都ローマの存在理由は、蛮族やペルシア相手の戦闘に勝利した後の、凱旋式挙行の地でしかなくなっていた」になる訳で…もー現地集合、現地解散じゃないけど、皇帝が陣頭指揮して前線で戦うが常時となってしまった模様…ライン・ドナウと中東に釘づけ状態じゃね?でしょか?戦う皇帝再びでしょ?でこちらの詳細も本書をドゾ。ある意味八面六臂の戦いというか、お仕事してますの世界に突入しているよな?ローマ皇帝のお仕事って激務だと思ふ…

 も一つの問題は外敵ではなくて、内敵…ローマ帝国軍内で反乱が多発するよーになる訳だったりして…それもどーみてもワキか甘くねとゆーか、お気楽に考えすぎじゃね?なノリの…

 まぁそれはともかくローマ帝国軍の規律の問題がやばくねとなってきたのは確かのよーで、ローマの兵士は戦士であり、更に工兵でもあった訳で、その手の工事もありまっせの世界だったのだが、もー積極的な戦いに比重がいっちゃっていた模様…ある種戦いに酔うみたいな精神に歯止が効かなくなってきたのか?かくて戦いに赴く途中で地味な工事なんかやってられっか?と兵士による殺害で皇帝ブロブスはお亡くなりに…紀元282年の真夏の事でこざいましたとな…それにしても軍人が自分の感情を我慢しなくなる、制御する事ができなくなれば、後は気にいらない皇帝なんてみんなみんな滅んでしまえばいいんだわになるよなぁ…何せ手段も能力も持っている訳だし…一兵卒からそんな風潮になればそれはもーかなりやばくね?じゃね?

 しかも軍的にはこれは不幸な事故的な雰囲気で流して、次期皇帝を決定すると…紀元282年カルスが皇帝に就任して…そしてこれからのローマ軍は鍬ではなく剣の世界にのめり込んでいく訳ですね、分かります…兵士の不満を逸らす為にも、対ペルシア戦い行くぜの世界に…だがしかし、冗談のよーな話だか、戦いの地の皇帝の天幕に雷直撃、何とカルスお亡くなりに…一旦撤退する事になるがその途中での次男ヌメリアヌスの変死、その犯人と目されたヌメリアヌウの義父アブルス、そしてそのアルプスを切り捨てた皇帝警護責任者のディオクレス…ここでローマ軍は、現皇帝(暫定)のカリヌス(カルスの長男)よりもディオクレスを選択し、彼を戦闘に再び戦場へ、カリヌスを討つ事へ再度出立するけど、そのカリヌスは既に現地で部下によって殺されていたとな…

 かくて紀元284年ディオクレティアヌス(ディオクレス)が帝位につく事になったとな…日替わり定食のよーなローマ皇帝在位の明日はこれまたどっちだってか?

 さて、本書はローマ史的にこれを忘れると後半史はこなせなくなるんじゃねのキリスト教の為に一章あげられています。うーん、何とゆーかキリストが生きていた頃とゆーか、最後の揉めていた頃が、ちょうどティベリウスの頃じゃね?とゆーのは薄らと覚えていたんだが、その後、それからどーしたでは今までは時々ポチポチと浮かんできたけど、だんだんとクレッシェンドってか?

 で、まず「なぜキリスト教は、イエス・キリストの死からコンスタンティヌス大帝による公認まで、つまり、誕生からはじまって無視できない勢力になるまでに、三百年という長い歳月を要したのか」という著者の学生の頃からの素朴な疑問がローマ帝国とキリスト教の関係を端的に語っているじゃまいか、ですかねぇ?

 ちなみに「ローマ史上に「Christianns」(キリストを信仰する人)という表現が登場した最初は、皇帝ネロによる虐殺を叙述したタキトゥス」で、次に出てくるのは「紀元一一一年からの一年間、小アジア北西部の属州ビティニアに総督として派遣されていた小プリニウスが、首都にいる皇帝に、キリスト教徒の問題にどう対処したらよいかを問い、それに答えたトライアヌスの書簡で述べられている」とな…

 ローマ帝国と宗教となると、ローマって多神教国家だったので、むしろ感覚は今の日本人の方が共感するとこ多しなんじゃなかろーか?なので、一神教とか、原理主義とか、マジ、何じゃそりゃ?の世界だったんだろな、と(笑)

 かくて「ローマ人の考えるキリスト教徒とは、自分たち全員の「レス・プブリカ」(国家)であるローマ帝国に対する考えや義務を、彼らとは共有していない人々のことであった」成程、ローマの昔から、国家としては価値観の共有について意識あったんだ(笑)これも現代日本人なら痛い程によく分かる気がするのは気のせいか(笑)

 どゆ事とゆーと、聖パウロによると「ローマ帝国を邪悪で堕落した社会ととらえていたので、このような国家に対しては義務を負う必要を認めていなかったのである」とな…更に「このローマ帝国が滅亡した後に現れる「神の国」が、彼らにとっての「レス・プブリカ」(共同体)になるからであった」とな…とゆー訳でキリスト教徒は公職にも軍務につかなかったそな…

 ただし、これは「ローマ帝国全体を一代家族ととらえ、その内部に住む人々全員の運命共同体と考えていた歴代のローマ皇帝にとっては、明らかに反国家的行為となる」とな…よーは社会参加、社会貢献とゆー義務を何一つ果たしていないじゃないか、とゆー事になる模様…

 「国家ローマの公職も軍務も回避することによってローマ社会から孤立していた人々にはユダヤ教徒」ご一同様もいらっさるよね、ですけど、「紀元七〇年に終わった反乱以降は、ユダヤ人税を課している」で結果、これがローマの公務も軍務も関与しない事への代償として捉えられていた訳だとか…おもいやり予算もとい税だろか(笑)対してキリスト教徒はどーか?「キリスト教徒は、代償さえも払わないないでいて、市民の義務も果たさない人々」になってしまったとな…これは社会から浮くしかないよな…帝国内に住んでいる以上パクス・ロマーナの恩恵は受けるよ、でも義務は果たさないよになる訳で…しかも、ローマは滅びるとか、滅びよとやられたら、同時代人的にはどよ?って事だろなぁ…

 とはいえ、帝国内で数は少なくともどんどん増殖していったのは何故か?それを本書はギボンとドッズを用いて説明していますが、その道のプロはこー読むの世界が展開していて面白ス(笑)

 一番、ギボン君の場合、「(一)断固として、一神教で通したこと」「(二)魂の不滅に象徴される、未来の生を保証する教理を打ち立てたこと」「(三)初期キリスト教会の指導者たちが行ったとされる奇跡の数々」「(四)すでにキリスト教に帰依していた人々の、純粋で禁欲的な生き方」「(五)規律と団結が特色のキリスト教徒のコミュニティが、時代が進むにつれて独立した社会を構成するようになり、そのキリスト教徒の社会がローマ帝国の内部で、国家の中の国家になっていったこと」という五つの理由を上げていらっさいます。

 二番、ドッズ君の場合、「⑴キリスト教そのものがもつ、絶対的な排他性」「⑵キリスト教は、誰に対しても開かれていたこと」「⑶人々に希望を与えるのに、成功したこと」「⑷キリスト教に帰依することが、現実の生活でも利益をもたらしていたこと」の四つが上げられるとな…

 理由のそれぞれに対しての詳細は本書をドゾですが、やっぱローマ史に対しては第一人者の国だものでしょか?英国の知性を見よか?

 さて、キリスト教の台頭はおいてでは、同じ一神教ならユダヤ教もいたのに、人々はキリスト教を選んだのか?で、こちらは著者が四つのカテゴリーを分けて解説していらっさいます…「(一)偶像崇拝」「(二)割礼」「(三)帝国の公職と軍務」「(四)グレイ・ゾーン」こちらの比較検討の詳細も本書をドゾですが、現在進行形の中の宗教ってあると思いますなのか?

 何かと言えば、歩み寄りと離反じゃないか、と?一例としてはちょっと変わったグループじゃない事、奥様とご近所で噂になっても、まっそーゆー人もいるよねで流されていた時はともかく、やがてヤバいヤバいっしょな国家弾圧の対象になって、更には国教、のっとり成功ってかになってゆくと…帝国内の中の人として、この変化はどよ?とゆー事にならね?

 話は急ぎ過ぎたが、「キリスト教徒から見て紀元一世紀には、キリストの教えとローマ軍で兵役を務めることは、両立不可能ではなかったのである」という牧歌的な時期もあったとゆー事ですよね…

 更にエルサレム陥落を境に「ユダヤ教から距離を置きはじめていたキリスト教会だが、分離したとたんにその内部でも分裂したのである」で「聖パウロの与えた指針を守ろうとする人々」の穏健派と、「ローマ帝国の公職や兵役とキリストの教えは、絶対に両立しないと主張する人々」の急進派(モンタヌス派)とな、所謂一つの内乱勃発?

 こちらの詳細も本書をドゾですけど、「紀元三世紀も後半に入ると、穏健派の巻き返しが決定的になったようである」とな…とはいえまだこの頃は追放しても帝国は成り立つの世界だったよーだけど、これが更に時代が進むと…

 さまざまなエピが出てきて非常に興味深いのですが、結局、宗教が流行るというか、信仰が流行るというか、人々の心を捉えるのは何故か?とゆーのは、世相が暗いからと底辺の人達という言い方は差別だぁーっに引っかかるのだろーか?セレブの反対側にいる人々、階層というのは社会のセーフティネットがほころびる、もしくは網目が大きくなると縋るものがなくなるとゆー事じゃね?ですかねぇ…3世紀に入ってまさに戦争の時代、動乱の時代で、福祉・厚生、更に教育やインフラ・災害復興になんか回していた余剰が安全保障、戦費として使われるよーになって、しもじもの人達がこぼれおちる結果につながってゆく事になると…

 そしてキリスト教はそれらの人々を味方につけたとゆー事じゃね?何せ、キリスト教は貧しき者は幸いであるですから…しかも、今は苦しくとも天国に行けるよとゆー希望も提示してくれる訳で…明日の希望のない日々を暮していれば、すがりつきたくなるのも分かろうとゆーものじゃなかろーか?宗教ってとゆーより、そゆ時こそ宗教なのか?

 国が弱体化する、形骸化するってゆーのは、国民の精神にも多大な影響を与えるものなんだなぁ…そこで何故キリスト教かと言えば、多神教と違って唯一絶対私だけ、もとい一神だけを信じなさいの世界だから迷いよーがないんですね、混迷の時代にこれほどハッキリ断定されるのも、迷っている人にとっては安心感を与える訳で…

 かくて著者は言う「キリスト教がその後も長きにわたって勢力をもちつづけているのは、いつまでたっても人間世界から悲惨と絶望を追放することができないからである」からとな…成程、パクス・ロマーナの頃には人々の心に明日への不安はなかった、だが今はとゆーかその後ずっと、人類は不安の途中なんですかねぇ…ちなみにタキトゥスはユダヤ教の事を「信仰ではなく迷信だ、と書いている」そで、多神教からした見た一神教ってそゆ立ち位置だった古代のローマ人達ってか…

 多神教と一神教、その間にも暗くて深い河があるの世界だろか?これも一つのローマ的に言えばリメスなのか?それを越えるか?否か?それが問題だってか?

 でもって、ふと思うのは、多分多神教系じゃないか?の日本人じゃなかろーか?少なくとも一神教ではないとゆーか、殆どいないはずじゃまいかって、世界とゆーか、地球全体で見た場合、これもまたガラパコス日本になっちゃうんだろーか?協調性は日本人的特質のはずなんですけどねぇ、でも気がつくと我が道を行ってしまうんですねぇ…よく世間では世界から孤立するする騒いでいるけど、日本て元から孤立じゃね?な気配が(笑)だから、鎖国しても生きていけたんだろか?ろか(笑)

 その他エピ満載ですので興味のある方は本書をドゾ。

 目次参照  目次 文系

|

« 絶景かなっ絶景かなっ | トップページ | ぷはぁ~♪ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

文系」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 力に関与しなくなれば統治力も失われる…:

« 絶景かなっ絶景かなっ | トップページ | ぷはぁ~♪ »