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2016年5月12日 (木)

国破れずに増税あり(笑)

ローマ人の物語 35 最後の努力 上  塩野七生  新潮社

 さて、ローマ帝国も終末期に入ってまいりましたの三世紀末、四世紀始めだろかのディオクレティアヌスきたこれでしょか?そしてここから後期帝政(絶対君主制)がスタートするとな…

 何とゆーか、滅びゆく帝国というか、危機管理に対応するとはとゆー国家のあり方についてのエトセトラかなぁ?著者の読みは、ディオクレティアヌスの前身は、勿論軍人だったのですが、現場の実践的なソレではなくて、むしろ後方担当官僚だったのではないか?と…資料がないから何とも言えないけど、武将としての記録がないから軍人として無能とは一概にいえない訳で、ましてやこの人、現場の兵士達の推挙によって擁立された訳ですから、それなりに実績がないと推薦はされないだろぉ?と…

 となるなと、もしかして今でいうロジスティクスのプロみたいなノリかも?戦うには前準備も後処理もいるんですよ、奥さん(誰?)ましてやローマ軍団みたいな大所帯ならば、管理する人いないとアウトでしょ(笑)

 ディオクレティアヌスが軍人官僚出身だとして、この人の凄いところは小役人タイプの官僚ではなかったに尽きるよな…「「他者にまかせる」が、皇帝ディオクレティアヌスにとっての基本姿勢となっていく」とな…

 そして、彼が着手したローマの二大問題点とゆーのが、「第一は安全保障。第二は、帝国の構造改革」とな…まぁ安全保障問題はローマのトップの責務の伝統ですから、今更ですけど、構造改革、これはどこかで聞いた覚えがあるが、こんな昔から、今でしょっ(死語?)だったのか?

 さて、ディオクレティアヌスのお手並みは如何に?

 アリス的にローマ、もーここまでくるとどーよ?と問うのもアレだが、でもこの大国の国がまわらない感は、現代にデジャヴュな世界かなぁ(笑)

 さて、ディオクレティアヌス即位当時のローマの状況はとゆーと、対ペルシア問題(休戦条約も結んでいない停戦中?)、もう一つがリメスの北、対北ヨーロッパの諸部族対策とな…更に北アフリカ一帯の対砂漠の民対策も持ち上がってきたと…よーするに国の国境線、防衛ラインがことごとくヤバくね?な事態に突入していた模様…更に国境付近の治安が悪化するとそこに在住していた住民が都市に移住してくるので、経済・生産的なバランス、人口のバランスが崩壊していく事にもなり、失業率も上がるとな…勿論、移住先の治安も…何かこれも昨今の国際情勢を見ていると他人事に思えないのも気のせいか?

 外的ばかりではなく、内患憂慮もありまっせでして、帝国内に「頻発するようになった、盗賊の横行への対策に迫られていたのであった」とな…とゆーのも盗賊達もレベルアップしていたそで「農民を脅かす盗人や街道を行く人に被害を与える強盗から、ローマ軍団を何らかの理由で除隊した元兵士や蛮族の中の暴れ者を結集した集団に姿を変えていたのだ」とな…カネになるとなれば盗賊稼業でFAって事か?そんな訳で「無法集団のボスは、つい先頃までドーヴァー海峡警備が任務の、ローマ軍の指揮官であった人である」事態にまで陥っていたと…質的というか、倫理的低下って恐ろしス…

 そんな中、性格のなせるワザか、官僚的判断からか、ディオクレティアヌスは権力の割譲をしたとゆー事らすぃ…それも友人に…ここで二頭政がスタートすると…帝位について一年位でそれをしている位だから、リアリストというか、割り切ったお人だったのかも…どちらもローマ皇帝ではあるけど、ディオクレティアヌスが上ではあったが…まっこれで広い帝国を二分して危機管理にあたらなければとゆー、よーするに前線に皇帝出撃という鳴り物入りで士気上げて敵を蹴散らし、治安を安定させ、帝国の機能を戻すゆー目論見とな…

 かくてご友人のマクシミアヌスは帝国の西の平定に乗り出す事になると…ちなみにこのマクシミアヌスという人はディオクレティアヌスの対極にあるよーなお人だったらすぃ…武将タイプで、戦闘に強くて、兵士に絶大な人気があり、常に自身が前線で戦うタイプだったよー…対するディオクレティアヌスの方は、「自らの限界を見極める能力はあり、そたそれに基づいて方針を立てる能力はあっても、それを時を無駄にすることなく実行に移すには、いさぎよさ、そしてよい姿勢が求められる。ディオクレティアヌスは、未練をもつことの少ない男でもあった」とな…ある意味、ディオクレティアヌスという人は人間としても珍しいタイプだけど、男性として物凄く珍しいタイプじゃなかろーか?未練がましくない殿方って、世の中そーはいないよな(笑)

 まぁそんなディオクレティアヌスだからこそ、己が皇帝になる、権力を握ってすぐに二頭政を挙行できたのだろーし、更にその後の四頭政もすんなりでけたとゆー事だろなぁ(笑)取りあえず、まずは二人で対外の蛮族を追い払い、リメス死守、国内の治安の平定に邁進した模様…こちらの詳細は本書をドゾですが、前線に皇帝臨席となれば士気は上がるで一応これで外からの攻撃にも、中の治安悪化も落着きを見せる事になるよーで…

 外からの侵入者、蛮族によって荒らされるとゆーのも問題だけど、国内の治安の悪化もパンピー的には大問題で、こゆ事が続くと何が起きるか?とゆーと「生産に従事する人が減少する」と、作ったって奪われるならおとなしく誰が生産する?と…また、物流も低下すると…人も物も襲われるかもしれないと分かって移動するか?とゆー…どゆ事かとゆーと経済力の低下であり、「経済活動の低下は失業者の増大につながる」とな…となれば、外の蛮族と内の強盗を追い払うのは皇帝的に必定じゃまいか(笑)

 とにかくこの二頭政が、紀元276年から7年続くとな…そして紀元293年5月1日にテトラルキアが発布されると…よーするに先の二人が正帝、その下に一人づつ副帝がつくことなったと…帝国的には、帝国を四分割して、四人の皇帝達がそれぞれの管轄領域を死守するとゆー事になったとな…

 まぁよーするに一人の皇帝で帝国内を守るのは無理だから二人で守る事にしたけど、それでも大変だから四人で守る事にしましょーとゆー実に合理的なお話ではあると…ちなみに、マクシミアヌスが指名したとなる副帝がコンスタンティウス・クロルス、ディオクレティアヌスが指名したとなる副帝がガレリウスになると…そして、この二人の守備範囲がコンステンティウス・クロルスは、ブリタニア、ガリア、ヒスバニア、北西アフリカとなり、トリアー(今だと独と白の国境近く、モーゼル川の上流)を本拠地に、ガレリウスの担当はドナウ川防衛線の南に広がる緩衝地全域(パンノニア、モエシア、トリキア)となるそで、よーするにギリシアも含めたバルカン全域とゆー事になるらすぃ、ちなみに首都はシルミウム…ドナウ川から20kmと離れていないとなれば、最前線基地(都市)に皇帝が在籍しているという事になるじゃまいか?

 他の正帝二人も残りの西と東を守るために現地に駐在していた訳だから、アレですが、よーするにローマ皇帝とはいえ、ローマに鎮座するのではなく、それぞれが最前線に居を構えるスタイルに移行したとゆー事らすぃ…とにかく、まず物理的な脅威を何とかしなくっちゃとゆー緊急体制ではあったんじゃなかろーか?ディオクレティアヌスの頭は、ローマの安全保障が第一だったとな…こちらから攻めていっている訳でもないのに、あちらから攻めてこられた場合の対処ってどーするの一例でしょか?

 何といっても「帝国の長である皇帝の最大の責務は、帝国内に住むすべての人々の身の安全を保証することにあり、それを保証できなくなった国家はもはや国家ではなく、皇帝を称する資格までも失う」とゆー事じゃなかろーか?皇帝業に想定外だから責任はありませんなんて、たわけた科白はありえへーんの世界だとな…泥棒に来るなと言って来ないならは苦労はない訳で(笑)実力で跳ね返すのが一番効力を発揮するとゆーのは、今も昔も変りなしってか(笑)

 対ペルシア戦についての詳細は本書をドゾ。ディオクレティアヌスは着々と帝国国境線を平定していった事になるのだろーか?まぁとにかく仕事してますなお人だったのは確かか(笑)

 さて、取りあえず治安を回復した皇帝達であったけど、新たな問題も出てきた訳で、それは何かと言えば、対外脅威に対抗する為に皇帝が四人に増えたよーに、軍事力を維持、もしくは増強する為には、兵力も増えるとなると…どゆ事かとゆーと国家安全保障にはお金がかかるとゆー事じゃまいか?そして、何よりも変わったのは、その兵力を今までは帝国内各地に分散して必要な時に現場に急行方式が、各皇帝に同行する軍団になっていったとゆー事じゃまいか?ですかねぇ?

 その財源はといえば、これまた行き着く先は増税なんですよ、奥さん(誰?)ちなみにカエサルの頃の国に払う借地料は「収入の一〇パーセントと決まっていた」そな…ちなみに中世の小作料は、「五〇パーセントならばほとんど天国で、七〇や八〇パーセントになるのも珍しくなかった」とゆーから、やっぱローマって何のかのと言っても市民の国民の国家だったんですよ、奥さん(誰?)

 とゆー訳で、ディオクレティアヌスが治安を回復するに従って、必然とになってきたのは増税問題を含めた構造改革とゆー奴だとな…でまぁ、現代日本人であれば、構造改革と聞いて予感するのは、絶対に失敗する、じゃなかろーか?だいたい、このお題目をぶちあげて成功した人って歴史上いるんだろーか?と思ってしまう位(笑)

 言葉面はこれ程にいい言葉はないよーな気がするが、たいていの場合、改善というより、改悪じゃねでして、今回のディオクレティアヌスのそれも今よく見えても、またはディアクレティアヌスからしたら善き施策に見えたとしても、後に禍根を残す結果にだけしかならなかったよな(笑)

 その一つ、絶対君主政、も一つが増税及び税制の変更、ガリエヌス帝による軍民を完全に分離政策で元老院の機能はほぼなくなり、ついでに元老院議員の公共問題意識のだだ減りと、各皇帝達が軍務に多忙の為、行政関係を処理するプロが必須となり、皇帝代行の行政担当、官僚が台頭してくる事になると…前段で兵士が増えたといったけど、更に官僚(公務員)も増えたという事で、これでますます国庫負担が増えるとゆー事じゃね?しかも官僚が増えれば、官僚に権力がで官僚が黙々と仕事しますなんてどこかの霞ヶ関を見るまでもなくで(笑)ローマにも縦割り行政キタコレってか(笑)

 こちらの詳細も本書をドゾですが、軍だろーが、官僚だろーが、増大すれば、合理化や効率化の対極に進むのもこれまたどこぞの霞ヶ関を見るまでもなくでして…人が増える、金が増える、無駄が増えるというとゆー事態の進行に他ならなかったとな…こちらの詳細も本書をドゾ。結局、この一言が一番真実なんじゃね?で「税金を納める人の数よりも、税金を集める人の数のほうが多くなった」(四世紀に生きた一人のローマ人談)

 長きにわたりローマ帝国の歴史を見て行くに当たって幾つか共通点がある事に気付く事があると…例えば、実の息子のいる皇帝の代の後は確実に荒れるとか(笑)そんな中での筆頭パターンは、本人的には税制改革(でも実状は改悪)した政権は崩壊する…増税を行った場合は120%間違いなしなとこだろか(笑)

 経済問題にも確実にアレで、世論的にもそーなんですが、これがフェアに実施されていないと、格差を助長させていくだけなんですよね…どゆ事かとゆーと、これ一つで国の中の流動性も断ち切る事になりかねないと…それは各所の人的資源の枯渇にもつながると…

 また「重税は反乱の火種になりやすい。反乱が起きようものなら、鎮圧のための軍の出動が必要になる。国内鎮圧用の軍勢を常備しなければならない場合、国外の敵への防衛力を削減するわけにはいかない以上、軍全体の増強しかない。軍の増強は、増税につながる。そしてもどるところは、反乱」というデフレスパライルもとい悪循環…税的にもアレだが、国内向けって、人民を戦車でローラー挽きするとかですね、分かります…

 でもって、それまでのローマならば、セレブの嗜みというか、責務として、「利益の社会還元」が前提であったとこじゃまいか?「私財を投入して公共建築物を建て、それを住民共同体に寄贈するのは、恵まれた人の責務と考えられていたのである」でして、もうけちゃいけないんですかはともかく、その儲けを社会還元するか、できたかはローマ人として当然の社会通念だった訳でして…そゆ訳で、皇帝自らが率先して行うとな…

 さて、それらのローマ的な感覚がこのディオクレティヌスの改革とやらから確実に消え去っていったとゆー事らすぃ…とにかく軍と行政を維持する為に金集めろで、税金は上がり、辺境農民は蛮族の侵入はなくなった代わりに税金の嵐がやってきたと…そしてこの重税から逃れる為に離農者続出する事になるんである…で、それが都市に流れ込んで、都市の財政、治安悪化とゆー、また素晴らしいループきたこれになるのか(笑)

 も一つ、重税で生活できないとなれば、息子はまず親の仕事はつがなくなるよね、になる訳で…

 まぁ早い話、国内経済破綻じゃね?でインフレが止まらないとか、貨幣価値下がる一方とか、現在でもよくある話だけど、軍政で経済向上している国ってあったっけ?あったっけ?ましてやインフレに価格統制キタコレって…市場経済なめたらあかんぜよなのは、どこぞの株価や固定相場制を見るまでもなく…更に、離農者の増大に全ての国民(ローマ的には市民?臣民?)に世襲制キタコレで、完全に中世暗黒期か、どこぞの戸籍格差じゃね?職業選択の自由もなければ、居住地の自由もない…なのに拡大する一方の軍と官僚って…「研究者の一人は、現代ならば社会主義国家だ、とさえ言っている」とな…もーここまでくれば、このローマが成功すると思う現代人はゴホンゴホン…

 そして、ディオクレティアヌスの統治で留めにキタコレが、キリスト教弾圧だったりする…というのも、絶対君主制に移行したという事は権威が変わったとゆー事らすぃ…人々の市民の国民の代表者であった皇帝職が、「絶対的な権威を行使するには、絶対的権威がそれを認めたということにする必要があるからだ」とゆー事で「人間では不充分となれば、残るは神しかない」となるのは必定ってか?かくて伝統的なローマの神々に選ばれし者だったのに、とする以上、それに従わないキリスト教徒は弾圧するしかないよねとな…まぁこちらの詳細も本書をドゾ。

 対外的なとこで、ペルシアの対応はヴァレリアヌス帝の待遇を見てきただけでお察し下さいだし、国境を脅かす蛮族の雄(?)のゲルマン民族もどよ?の世界だからなぁ(笑)ただ、ローマというのは基本オープンマインド、昨日の敵は今日の友みたいなノリで、敵も取り込んで同化させて味方につける、それを定着するで歩んできましたけど、その雲行きも怪しくなったきたと…

 「二世紀までのローマ帝国であったならば、ゲルマン民族の一部族であるアラマンノ人を、以後はローマの「楯」として、ライン河とドナウ河の上流が接近する地帯ゆえにローマ帝国の脇腹あたる「ゲルマニア防壁」の、防衛の最前線に立つことでも喜んで引き受けたであろう。自分たちにとってはそれをすることが、「ローマ市民」になれる最短距離だと確信しながら」とゆーのが今までの世界観だとしたら、今でしょっ(死語?)の三世紀はどよ?とゆーと…「それが起こらなかったのである」に至る訳で…

 「アラマンノ族はこの一帯に住みつづけながら、ローマが軍事力を回復すればローマ側につき、弱くなったと見るや、他のゲルマン人同様に侵略を再開したのだった」って、まさにそれってどこかのくnゴホンゴホン…こうもりパネェもといバランス外交でしたね(笑)

 まぁよーするに「蛮族のほうにローマ化する気がなくなったこと」じゃね?でして、欲しければあるとこから奪ってくればいいんだわって、それどこぞの隣こkゴホンゴホン…

 ある意味、みんなローマ人に成りたかったから、今やローマは周辺諸国、諸民族の狩場になっていったとゆー事か?それに対応する、というかせざるを得ないローマ側も嫌でも軍事力増強しかない訳で…何せけちらしてもけちらしても敵はやってくる訳ですから…

 とにかく、ローマの国外の脅威を除き、国内の治安を回復し、これからのローマのために権力を一つにして、合理化を図り、ある意味、ローマの為、国の為に邁進したディオクレティヌスではありましたが、この新たな土台を立ち上げた後、絶対権力者の彼はさっさと引退していまうんである…よーするに、ローマが危機的になるのは、皇帝職のスムーズな移譲以外にないとゆー事で、盟友マクシミアヌスを道連れに第二次四頭政を発足させて後は任せたとなると…

 絶対皇帝制みたいなのを実行した人なのに、この人のこの権力欲の無さは異常としか思えないんだが(笑)皆が皆、ディオクレティヌスみたいに権力に対して清廉であれば、問題はないと思うけど、男のサガ的にあると思います?まぁその件は次巻を待てですが(笑)

 何にせよ、あの明るいローマは遠くになりにけりで、ここからのローマ史はドンドン灰色の世界に突入していく重苦しさを漂わせていくってか?眉間に縦ジワ系のティベリウスでも、こんなに暗くはなかろーと思ふ…国家の黄昏って、権力とエゴが肥大化した時に進むんだなぁ…パンピー的に増税ダメ絶対か(笑)

 さて、他にもたくさんたくさん本当にたくさんエピ満載ですので、興味のある方は本書をドゾ。

 目次参照  目次 文系

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