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2016年6月 1日 (水)

時をかける?

豪華「源氏絵」の世界 源氏物語 新訂版  監修・秋山虔 田口榮一  学習研究社

 所謂一つの挿絵の世界だろか?絵巻物だけではなく、扇や屏風になってますが、何か?で、しかもキンキラの色彩だからなぁ…ある意味、日本の侘、寂とは対極の世界観だろし?王朝絵巻パネェでござるの巻のよーな気がする(笑)

 さて、本書A4サイズ位あって、ハードカバーのフルカラー、絵画集じゃね?で、実に圧巻でございます。源氏絵もこれだけ揃うと百花繚乱ってこゆ事ゆーんじゃね?の迫力、よくもこれだけ描きたりで、世界中に散らばっているそれを集めたりだよなぁ(笑)

 もー絵に対しては語るもんじゃなくて、まず見ろの世界だと思ふの(笑)本でこれだけなら、現物見たら相当にインパクトありそーな悪寒(笑)

 まっ源氏の前に源氏なし、源氏の後に源氏なしだったんだろなぁで、絵的には「その成立からほぼ一世紀ののちに、宮廷における大規模な「源氏絵」制作の諸事実の伝えられることも、「源氏」がいかに美意識の規範になっていたかを雄弁にものがたるものといえよう」(@秋山)という事らすぃ…

 モノホンっていうのは時間という風雪に耐えるものなりってか?当時にして100年たっても大丈夫ならば、今にして1000年たっても大丈夫な訳だよなぁ(笑)何にせよ、どこをとっても絵になる物語って事は確かなよな(笑)

 アリス的には、 絵画系というと天農画伯出番ですになるんだろーか?それにしてもアマノンの作風というか、専門が気になるところ?

 さて、源氏物語の方ですが、豆知識的にいくと、桐壺の場合「作者は、唐の白楽天の「長恨歌」に綴られる玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋物語、あるいはこれも人口に膾炙した漢の武帝と李夫人の悲話を下書きとして、帝と更衣との哀別を抒情的に語ったが、もとよりこれら中国の故事を翻案したのではない。かえって、天皇家と身内関係を取り結ぶことによって自家の繁栄をはかろうとする家々の執念のせめぎあう、この国の宮廷社会における現実の悲劇であることが強調されている」のだそな…昔話じゃないよ、今そこにある危機(?)だよってか?家政婦は見たっ?もとい、女房は見たっ?

 続いて若紫のとこでは、源氏による紫の上拉致監禁事件も、「いったい、庇護者を失った孤児の紫の上が父宮に邸で養われることになったら、継母のもとで例の「落窪物語」の姫君と同様の運命をたどることになったかもしれない。源氏によって救いの手をさしのべられたのだから、この「若紫」の物語は、いわゆる継子物語の一変型というべきであろう」という事になるらすぃ…実父と源氏とどちらに行った方が幸せか?それが問題だってか?紫の上的にはどーなんでしょねぇ?

 末摘花の件だと実はこれは「こうした異常な物語の深層に、醜女をもって畏敬されるべき霊力の保持者とする古代信仰が潜んでいるという見解には肯われるべきものがある」とな…よーするに「源氏はこの醜い姫君との契りによって偉力を賦与され、幾久しい栄えの保証を得たことにもなるのだろう」とな…末摘花とは当時の磐長姫か?

 また紅葉賀になるとあの頭中将との青海波キタコレで歌って踊れる源氏キタコレになるんだろーけど、これも「この物語に語られる公式行事には、原則として史実が踏まえられており、この朱雀院の行幸も、醍醐天皇による宇多天皇四十賀や、同五十賀などが準拠として古来指摘されてきたが、いうまでもなく、史実に拠りつつそれを引き離すのがこの物語の世界の独自性である」そな…紫式部の匙加減なめたらあかんぜよってか?

 試楽で「青海波を舞う源氏と、これを見て感に堪えぬ藤壺との関係には、漢の成帝の皇后飛燕と侍従馮無方とのひそかな恋物語が踏まえられているらしい」って、そーだったのか?ちなみに、こちらで踊られている青海波って「大曲で、明治以降は演じられておらず、今日目にすることはできない」程の演目だったらすぃ…トリプルアクセルでんねんの世界か?

 も一つ紅葉賀で忘れてはいけない末摘花のライバルじゃねの源典侍キタコレで、こちらのエピは「「伊勢物語」六十三段に語られる昔男と九十九髪の老女との仲らいが影を落としているのであろうが」とな…源氏物語、往年のなんとなくクリスタルばりに出典の注をつけていったら、凄い事になりそーだなぁ(笑)

 花宴になると源氏と朧月夜キタコレになる訳で…「源氏の右大臣邸訪問の条には「伊勢物語」百一段との親近性を読むことができる」のだそな…そしてこの二人の危険な関係って奴はその後も続くで賢木もキタコレですけど、単なる恋愛譚じゃなくて、この裏には「右大臣体制への心情的な反乱というべきだろう」になっちゃうのか?京都、恋愛と政治がイコールで結び付いている街って事になるんですか?そーですか?

 一方、藤壺の出家事件の方は「藤壺の心内には、「史記」の呂后本記に語られている戚夫人の無残な悲運が想起されているが、いかにも藤壺を取りまく状況や人間関係は、この中国の史実に相似していたといえよう」とな…

 そんな中源氏はどよ?というと今は雌伏、慎重に事を構えないといけない時だというのに「あえて朧月夜との密会を重ねていく経緯には、「伊勢物語」の二条后章段が色濃く影を落としている」とな…Aの危険な恋が駄目なら、Bの危険な恋にのめり込めばいいんだわってか?源氏って辛いわぁーっというと常に違う女に逃げて依存してないか?

 かくて須磨・明石編キタコレになる訳ですが、源氏の島流し、もとい逃避行…元の謀反人じゃね?とゆーのは「藤原摂関体制の確立する過程で有力な政敵を葬るための常套手段がこれであった」とな…都落ち事件的には小野篁、在原業平、菅原道真、源高明、藤原伊周とあるけど、「一世源氏が流罪にあった唯一の例は安和の変における醍醐天皇皇子高明の場合である」そな…となると源氏と源高明の相関性、親近性もどよってか?

 さてアイシャルリターンって事で源氏の復権キタコレになる訳ですけど「流罪にあった人物の事跡を史上に見るかぎり、源氏のごとき政界復帰のありえないことを思えば、源氏の運勢は異例というべきだが」でも、これって「自発的な進退」だよねって事で流罪じゃないとゆー事に、でもそーすると「放免召還の宣旨」って一体?

 絵合では、この絵合せって行事は「当時の宮廷で行われた例はなく」だそで、完全に作者紫式部の創作らすぃ…ただ「その結構は細部に至るまで村上天皇朝の「天徳四年内裏歌合」の作法に拠っている」そな…でもって、この内裏歌合が「文治の誇る聖代の証しと目された」よに、この絵合も「物語の世界の冷泉帝の治世を理想の聖代として意味づけようとする作者の意図を読むことができよう」って事になるそな…そーだったのか?絵合?

 松風で、明石の君が大堰の山荘にキタコレのとこですが、これもちょっと待ったぁーっになるのか(笑)この山荘は「母方の曽祖父中務宮の遺産」でしたとゆー件が問題らすぃ…「この中務宮という名は史上に同じ呼称をもつ著名な前中書王兼明親王を連想させる」からとな…「兼明親王は醍醐天皇皇子であり、親戚に降って源姓を賜り、右大臣にまで昇進した逸材であったが、藤原氏の陰謀によって政変から斥けられ、二品中務卿親王の身分に貶された。その際の憂情の心情を吐露したのが有名な「菟裘賦」である」とな…そーだったのか?菟裘賦?

 って事は、「明石の君の母の尼君がこの中務宮の孫娘であったということは、そうした貴種の女性を妻に迎えた入道の家系をもおのずから推測させるとともに、明石の君が反藤原の王族の精神伝承を継承しているということにもなろう」って、深読みパネェのか、伏線がパネェのか?それが問題だってか…

 道具立ての一つ一つが意味を持っている源氏物語なんですが、蛍の帖で競射も開催されましたけど、これも「もとより宮中の恒例の儀式であるこの催しが、六条院において大々的に新趣向をもって催されたというのも、現実の帝にたちまさる源氏の王者的性格をものがたるといえよう」という事になるそな…しかもこれ花散里家で行われているし、花散里って地味なイメージでいたら、庭は派手だったんだろか?

 そして玉鬘シリーズキタコレで、髭黒大将って「東宮の母承香殿女御の兄」だったのか?この髭黒対象の玉鬘ゲットへの暗躍、手回しで「物語の世界の動向に対して、もはや源氏の主導性はまったく失われていたということである」になってしまうのか…

 その髭黒と玉鬘の結婚によって、「源氏と式部卿宮家との疎隔に輪をかけることにもなった」とな…ちなみに「式部卿宮家は源氏にとって最も近しい身内であるにもかかわらず、かつて源氏が須磨・明石に退去していた時期、時勢におもねって背を向けた」そで、復帰してからの源氏による「どこまでも冷淡な仕打ちが宮家にとっては恨めしかった」そだけど、今回の事で「大将の北の方が離縁にまで追い込まれた不面目が、その恨みを倍化させたのである」とな…よーするに政治的背景と政治的対立が如実になったとゆー事か?ここは式部卿宮は生霊になって髭黒大将とり殺す位しないと(笑)こーしてみると六条御息所ってスーパーキャラだったんだなぁ…

 さて、話は飛んで浮舟の入水は「「万葉集」に有名な真間の手児奈・菟原処女・桜児などの伝承にもみられるような、古来の妻争いの説話の枠組に沿うものといえよう」になるそな…何ちゅーか昔から三角関係ってメジャーって事か(笑)

 でもって「「手習」「夢浮橋」に語られる浮舟の再生の物語には、多くの古伝承や先行物語の投影が探りつけられる」のだそー…「「桐壺」に顕著な長恨歌の趣向があたかも首尾照応するかのごとく見いだされるし、小野を背景とすることに関連して隋処に「伊勢物語」の措辞が引用されているが、構成の大枠としては「竹取物語」との著しい類同性がある」となる模様…いやまぁこれも一つの大団円ってか?

 他にもたくさんたくさん本当にたくさんエピ満載ですので、興味のある方は本書をドゾ。

 掲載作品は、
国宝源氏物語絵巻・徳川美術館
国宝源氏物語絵巻・五島美術館
源氏物語絵合冊子表紙絵・天理図書館
下絵海北友松筆扇面散屏風・出光美術館
源氏物語扇面散屏風・浄土寺
源氏物語扇面画帖・個人
源氏物語扇面屏風風・永青文庫
土佐光吉筆源氏物語図屏風・メトロポリタン美術館
土佐光吉筆源氏物語色紙絵・和泉市久保惣記念美術館
土佐光吉筆源氏物語画帖・京都国立博物館
土佐派源氏物語図屏風・フリア美術館
土佐派源氏物語胡蝶図屏風・パーク・コレクション
土佐光則筆源氏物語画帖・徳川美術館
土佐光則筆白描源氏物語画帖・パーク・コレクション
土佐光則筆白描源氏物語画帖・フリア美術館
伝土佐光則筆源氏物語画帖・根津美術館
伝土佐光則筆源氏物語色紙貼付屏風・個人
土佐派源氏物語図屏風・ロンギ・イースタンファインアート
土佐派源氏物語色紙絵・京都民芸館
土佐派源氏物語色紙絵・堺市博物館
源氏物語賢木冊子表紙絵・スペンサー・コレンション
源氏物語柏木冊子表紙絵・スペンサー・コレクション
土佐光起筆源氏物語図屏風・東京国立博物館
土佐光起筆源氏物語画帖・個人
土佐光起筆源氏物語扇面・個人
土佐派源氏物語葵図屏風・仁和寺
住吉如慶筆源氏物語画帖・個人
住吉真慶筆源氏物語絵巻・茶道文化研究所
住吉真慶筆源氏物語四季賀絵巻・個人
伝俵屋宗達筆源氏物語図屏風・パーク・コレクション
伝俵屋宗達筆扇面散屏風・個人
宗達派源氏物語図屏風断簡・出光美術館
伊年印源氏物語図屏風断簡・MOA美術館
狩野探幽筆源氏物語図屏風・宮内庁
狩野氏信筆源氏物語図屏風・個人
狩野派源氏物語図屏風・デトロイト美術館
岩佐勝友筆源氏物語図屏風・出光美術館
源氏物語図屏風・インディアナ大学美術館
源氏物語図屏風・個人
源氏物語色紙絵・個人

 目次参照  目次 文化・芸術

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