« 地下の短いトンネルを通り抜けると、そこは(笑) | トップページ | カロリーの誘惑(笑) »

2016年7月17日 (日)

権力とは己の頭上だけに(笑)

ローマ人の物語 36 最後の努力 中  塩野七生  新潮社

 さて、第二次四頭政が発足したのが紀元305年、正帝ディオクレティアヌスとマクシミアヌスの二人が同時に退位して、残る副帝を正帝に、更に二人の副帝を決めてしばらくはこのまま静かにスタートするはずであったローマ皇帝職なんですが、その一年後にコンスタンティウス・クロルスが急死すると、事態は急転直下カオスでんなになってしまうとな…

 どゆ事かとゆーと、「その直後、コンスタンティヌス、父の後を継いで正帝就任を宣言」しちゃうんですよ、奥さん(誰?)その後「正帝ガレリウス、コンスタンティヌスを副帝にするという妥協案によって、「四頭政」をひとまずは維持」したにも関わらず「紀元三〇六年十月二十八日、ローマでマクセンティウス、皇帝就任を宣言」しちゃうんですね…

 マクセンティウスとは誰かの前に、四頭政になってからの首都としてのローマはどーなったか?というのが、一つのポイントか?よーするに、四人の皇帝は前線基地詰が常態となった今、ローマの首都機能が著しく低下したとゆー事らすぃ…

 何せ絶対君主制になったから、法律関係もいちいち元老院で討議する必要もなく、皇帝が勝手に決めて、勅令下して、元老院はただハンコ押すというか、事後承諾するだけの機関に成り下がり、しかも元老院と軍務が完全に分離していたから、人材プールの資源としても、また政治、行政参加もなくなってしまうと…更に市民的には、これまた皇帝が開催していた数々の催し物が激減する事にもなると、更に居住と職業選択の自由もなくなり、それでも都市に流入してきた人々で治安は悪化…なのに、軍事費増大で必要経費払えやで増税だけはのしかかると…ローマに住んでいる人からしたら、上も下も何もいい事ないやんけな世界が展開していたとな…

 この不満層をバックにして、ローマで皇帝に名乗りを出したのがマクセンティウスだったとな…ちなみにこのマクセンティウスって誰?というと、前正帝マクシミアヌスの息子という事になると…

 さて、ディオクレティアヌスが始めた四頭政ですが、こちらは引退する時に、その息子に継がせずに副帝を正帝にして、その正帝がそれぞれに福帝を推挙して決まったみたいなノリがあったと…ところが、その副帝の一人が急死してその息子が勝手に名乗りを上げた、となると、それならマクシミアヌスの実子であるマクセンティウスにだって権利はあるじゃまいか?とゆー事になると…

 そして、更に皇帝職に未練たらたらな前正帝であるマクシミアヌスも、またこれに加担しちゃうとな…第二次四頭政、発足一年目からして波乱万丈の域に突入ってか(笑)

 アリス的にローマ…もー今更な気がするが、まぁ無理矢理こじつけるとしたら、英都大プロテスタント大学ですから、キリスト教的にはコンスタンティヌスは大恩人じゃまいか?じゃね?

 さて、ある意味、このローマ(都市)の乱みたいなノリは、こちらの管轄区の正帝セブェレスが乗り出す事になると…理由は「帝位の「簒奪者」」とな…さて、こちらの詳細も本書をドゾですが、結局セブェレスの所管区の元の主は誰よ?と言えば、マクシミアヌスですから、部下的には一年の付き合いの上司より、その前の12年の付き合いの元上司の方がアレなのは今更で、結局、紀元307年2月、セプェルス、護送されたローマで自死という事態になると…

 次に討伐軍としてローマにのぼってくるのが、正帝ガレリウスとな…ところがこちらは伊に攻め入るにあたって、蛮族との対応と同じ事をしてしまったんですね、かくて、どーなったかとゆーと、北伊の都市達に完全無視という羽目にあい、兵站的にどよ?という事で、自分の管轄区に敗走するしかなかったとな…

 さて、今のローマ皇帝職は政治とか行政とか文化とかではなくて、軍事力で成り立っている地位じゃまいか?それが自国内で敗走って…それは皇帝職の基盤に影響しない訳がないってか(笑)

 かくて紀元308年の秋、ガレリウスは「カルヌストゥム(現ペトロネル)の軍団基地に前正帝のディォクレティアヌスとマクシミアヌスの二人を招いた」首脳会談をする事になると…で、決まった事、「セフェルスの死で空席になっていた帝国西法担当者の正帝に、リキニウスを抜擢したいというガレリウスの提言を容れることにも同意」する事になると…

 こーして、第四次四頭政がスタートする事になったとな…さて、ここでまた不満を抱えた人が出てくると…一人は「帝国東方の副帝であったマクシミヌス・ダイア」とな…というのも「副帝として困難な任務を三年もの間果してきた自分を差し置いて、副帝になったことのないリキニウスが、帝国の西方にしろ正帝の地位に就いたことであった」とな…

 そして今一人はマクセンティウスじゃまいか?ですよねぇ…年齢的にもオケ、前正帝の実子、更に妻はガレリウスの娘、にも関わらず、かの首脳会議ではマクセンティウスには帝位どころか何もないとゆー事態になったとな…

 結果論にはなるけど、この時点でリキニウスじゃなくて、マクセンティウスに帝位を与え、軍事的経験値の無さを危惧するなら、全然枯れていない実父マクシミアヌスを補佐につける辺りが一番妥当な結果だったと思うけど、ディオクレテティアヌスという人は、地位とか権力に執着する人ではなかっただけに、他の人もそんなもんと踏んだところが、ローマ帝国的には悲劇の誕生かなぁ…絶対君主制も国の為にしか頭になければ、まだしも、自分の権力基盤を第一に念頭におくよーになっては、本人以外は皆不幸な話に突入していく訳で…

 だいたい、現代だって給料の上下よりも、肩書、地位に執着するのが男子ぃなみなはまじゃまいか?だから、やたらと企業って役職が増えていって、実態は何しているとか、給料は変わらずとか、普通にある話じゃまいか?その肩書に男子ぃは血道を上げている訳で…

 その点を全然読み取れなかったディオクレティアヌスは、この後、帝国的にも後悔する事になるだろーし、何よりも私生活的に大いに後悔する事になるんじゃね?

 まぁそれはともかく、一度はとゆーか二度は引っ込んだ前正帝マクシミアヌスは、秘密裡にトリアーに赴き、コンスタンティヌスに実の娘ファウスタとの結婚を薦めるのである…帝位にのぼりつめるには、妻が皇帝の娘、皇女であるという点だけが欠けていたコンスタンティヌスは渡りに船と息子もいたのに今の妻を離縁して、さっさとファウスタと結婚するとな…ちなみにガレリウスの妻はディオクレティアヌスの娘だったりする…ここで、ガレリウスとコンスタンティヌスは皇帝条件が同じになるとゆー事態になったとな…

 電撃結婚の後に、コンスタンティヌスがライン側のリメスの防衛に出ている間に、何とこのマクシミアヌスはクーデターを起こすと…よーは今となっては義理の息子から権力奪取をはかったとな…何とゆーか枯れていない人のやる事はパネェ…この一度ならずも二度、三度と続けば、この資質を見抜けなかったディオクレティアヌス、何だかなぁ…まぁディオクレティアヌスという人は人というものを全く見抜けなかった人じゃないか?と思うけど?

 さて、コンスタンティヌスはとって返してマクシミアヌスはを成敗という事に…これが紀元310年の事…結局、絶対君主制とは、現皇帝の軍事力に依存する力の支配、私物化の始まりとなってしまったとな…しかもこの次の年、ガレリウス病死…

 歴史的にタラレバで言うならば、ここでもガレリウスの後釜に、マクセンティウスをつけていれば、幾らかましな道を歩む事になったのかもしれないけど、逆に残る三帝対マクセンティウスの戦いという構図になっていくとな…こちらの詳細も本書をドゾ。よーは弱い敵からやっつけよーとゆー椅子取りゲームが始まったとゆー…

 かくて、コンスタンティヌスとリキニウスとの密約が生まれ、コンスタンティヌスは対マクセンティウス打倒に立つと…この決戦の件の詳細は本書をドゾ。まっ何が問題かとゆーと父親は軍事の天才であったのに、息子のマクセンティウスは軍事能力がお粗末だったとこでしょーか?そして時は、軍事力を背景にモノを言う世界で、それはズバリ死活問題に直結する訳で、詳細は本書をドゾですが、世紀の一線ミルヴィウス橋の戦闘と聞けば、分かる人には分かると(笑)かくて、マクセンティウスも舞台から去る事になると…

 かくてコンスタンティヌス、ローマに凱旋(?)という事になると…これによって元老院は確実に声なきものになったとゆー事らすぃ…ついでに言うと近衛軍団も解散されると…こちらの詳細も本書をドゾ。

 コンスタンティヌスというと、忘れてはならないのがキリスト教公認した皇帝とゆー一時が、これ一番大事とゆーキリスト教的視点なんですが、313年6月に公布されたミラノ勅令と聞けばこれまたピンとくるかと…こちらの詳細も本書をドゾ。

 さて、こーして今や、皇帝は三人…コンスタンティヌスは内戦に勝ち、またリキニウスは密約効果でコンスタンティヌスの娘、コンスタンティアと結婚する事で妻が皇女という、帝位条件をまた一つクリアしたと…となると焦るのは外野となってしまったマクシミヌス・ダイアじゃね?とな…

 そんな訳でマクシミヌス・ダイアが的にしたのはディオクレティアヌスの娘、ヴァレリアだったが、当の本人ヴァレリアから拒否される。怒ったマクシミヌス・ダイアはヴァレリアを幽閉、たまたま娘のとこに来ていた母親もついでに捕縛とゆー事態に発展すると…前帝ディオクレティアヌスは即時釈放を訴えるが「牢からは解放したものの財産も何もかも没収しての、遠いオリエントへの追放であった」とな…絶対権力パネェ…最早引退して何の軍事力もない前帝などただの老いぼれにすぎないとゆー事らすぃ…

 そしてマクシミヌス・ダイアはリキニウスの勢力圏である小アジアへ軍事侵攻するとな…人員的にはマクシミヌス・ダイアの方が圧倒的に上だったが、精鋭的にはリキニウスの方に分があったと…そして戦闘はリキニウスの勝利に終わると…こちらの詳細も本書をドゾ。かくて、マクシミヌス・ダイアは配下の兵士の手によってじゃまいかで死亡…

 ついに皇帝は二人になるとな…さて、前段で追放されていたヴァレリアとその母ではあるが、リキニウスが勝利した事で、没収された財産の返還とディォクレティアヌスの元に戻してくれると思いリキニウスに嘆願したが、これをリキニウスは拒否、更に逃避行を再開した母娘をテッサロニケにて「死罪を命ずる文書とともにリキニウスが送った兵士の一隊」で処刑されたとな…

 結局、四頭政というのは絵に描いた餅に過ぎず、男とはただ一つの高みへと権力闘争を繰り返すだけの生き物であるというのを如実にあらわしただけじゃね?とゆー事になるよーです、そこには最早積年の恩とか、情とか、国家への忠誠とか、帝国民の責任なんてそんなの関係ねぇーで、ただただ己の私欲のみが邁進する事になると…

 昔あった「ローマ人の考える「寛容」とは、強者であっても自分たちの生き方を押しつけず、弱者であろうとその人々なりの生き方を認めることであったのだ」は、今いずこの世界に突入したと…

 さて、紀元313年に始まった二頭政ではあるけれど、これはもー蛇とマングースのにらみ合いみたいなノリに突入していったよーで…「ことの発端は、不祥事を起こしてリキニウスの許に逃げていた親族の引き渡しを求めたコンスタンティヌスに対し、リキニウスが拒絶したことにあった」とな…こうして紀元315年内戦が勃発する事になると…

 詳細は本書をドゾですが、コンスタンティアの和解なども挟んでも紀元324年にリキニウス敗北し、コンスタンティヌスがただ一人の正帝になると…ちなみに引退したリキニウスに者と兵士が乗り込み陰謀の罪状で裁判もなく処刑されるとな…

 ちなみに妻のコンスタンティアは兄の下に戻り、「その後も兄とは良好な関係にあったと言われている」って…夫と息子を殺されてもそんなもんか、皇女ってば…それとも政略結婚とはか…

 かくて、コンスタンティヌス一人勝ちの絶対君主制キタコレで、その治世については次巻を待てってか(笑)

 取りあえず、他にもたくさんエピ満載ですので、興味のある方は本書をドゾ。権力にとりつかれるってパネェ…外敵と内乱、どちらが国の脅威かだよなぁ…

 目次参照  目次 文系

|

« 地下の短いトンネルを通り抜けると、そこは(笑) | トップページ | カロリーの誘惑(笑) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

文系」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 権力とは己の頭上だけに(笑):

« 地下の短いトンネルを通り抜けると、そこは(笑) | トップページ | カロリーの誘惑(笑) »